見覚えのある赤いパーカー。
フードからチラと覗く銀髪と青い目。
ダンテだった。

「ダ、ン……テ……？え？いったいどういうこと……？」

意味がわからない。
映像に映っていたのは犯人で、目の前にいるのも犯人のはず。
なのに、目の前にいるのはダンテその人。

「はあー……、お前ビビりすぎだっての」
「……ずっと、……ずっとあたしを怖がらせていたのは……ダンテ、なの？」

分厚いフードを脱ぎガシガシと頭をかいて、ダンテが自分を指差した。

「ま、そういうこった。ちょーっと怖がらせてオレの家に来させるつもりが、まさかカメラを使ってくるとはな……」
「な、んで……こんな……ッ！！。こんなことを、したのッ！？」

正気の沙汰とは思えない。
ダンテはいったい何を考えているの？

腰が抜けたままの低姿勢でゆっくりと後退するディーヴァ。

「ハハハッ！だってお前、いつまでたってもここを引き払ってオレと暮らそうとしないんだもんな。
だから、こうするしかなかったんだ」

ディーヴァがどれだけ恐ろしい思いをしたか、この男はわかっていない。
げんに、あっけらかんと笑っていた。