気がついた時には携帯電話を手にしてダンテにかけていた。

だが、かけてワンコール目で電話をとったダンテに不安な気持ちを吐露すると、彼は軽く笑い飛ばすばかりだった。

『ははっ！気のせいじゃねぇか？そんなに怖いって言うなら、いい機会だしオレのとこに引っ越してこいよ』

しかも、また引っ越すように言われてしまった。
そう言われるのはわかっていたはずなのに、話さないではいられなかったのだ。

「むぅ……あたし引っ越さないもん！」

引っ越しはしない、そう決めているのだ。
ディーヴァはダンテに強く言い放って、今一度自分の決心が固いことを主張した。

『……へぇ、そうかよ。ま、気のせいかもしれないが気を付けとけよ。今のご時世、無差別殺人だってあるんだしな』
「わ、わかってるよぅ……」

とても怖い話をディーヴァの心に植え付け、ダンテは何かあったらすぐ連絡するよう言って電話を切った。