ハロウィンちっくな魔界遠征
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シュ!
「わっ!?」
香りについて考察していると、自分にひと吹きされた。
「い、いきなりかけないでよ!」
「ああ悪い」
……あれ?
かかった瞬間、匂いが違うものに変わった。
さっきよりも好きじゃないこの香りは……?
「んー、ディーヴァの香りなのに、香水かけると独特の掃き溜めくささがやってくるな。テスターとは大違いだぜ」
そう、大嫌いな悪魔の匂いだ。
自分の体から、胸がむかむかするような体臭を感じる。
「……それが悪魔になるってことなんでしょ。掃き溜めっていう表現はかなりヤな感じだけどね」
「で……ディーヴァの悪魔としての姿は一体どんな感じなんだろうなァ?」
表現よりも実際の匂いの方が気になるが、でも気にしたら先に進まない。
とりあえずディーヴァは、自分が悪魔になったら……を、急いで脳裏に思い浮かべた。
しかし、今までは悪魔と正反対の天使という種族だったからか、まったくもって思い浮かんでこない。
急遽違う方に考えを変えよう。
悪魔といえば、どんなイメージだろうと。
こうもりの羽が生えてたり、牙やしっぽがあったり、ヤギみたいな角が生えてたり、黒い体毛で……。あ、よくある悪魔関連の書物みたいにバフォメットみたいな感じかなぁ。なーんて。
ボフゥン!
イメージを膨らませ始めたら、自分の体が煙に包まれた。
煙の中で体が変化していくのが、なんとなくわかる。
そして煙が晴れて、姿を現したのは。
「お」
ダンテが目をまんまるにしている。
自分も確認したかったし、近くの姿見をカラカラと移動し、全体像を映した、ら……。
髪色はそのまま。眼の色もそのまま。
ただし、頭からはくるんと丸まった角が2本生えており、背にはこうもりの羽。お尻には矢印みたいな悪魔の尾。
という、典型的な悪魔の姿になっていた。
ちなみに服は……。
「おま、ゴスロリかよ」
「ゴスロ……」
あれだけ想像したはずなのに、黒い体毛がゴスロリの服に変更されている。解せぬ。
「あが!」
「おお、ちゃんと触れるのか」
放心していたらダンテに口の中へ指つっこまれた!
チラチラと見えていた牙が本物かどうか確かめたかったらしい。だったら牙じゃなくて角とか羽で確かめてよ!
ガブ!
「いてぇな!?」
「いきなり口のなかに指突っ込むダンテが悪い」
そんな抗議の意を込めて、牙を突き立ててみた。
いつもはダンテの犬歯が食い込む側のこの体。
その反対が可能な機会があるなら、絶好のチャンスだもん。逃すわけないよねぇ?
牙どころか歯型のついた指をふーふーしつつ、ダンテが改めてあたしの全体像をじっくりと舐め回すように見た。
いくら恋人だからって不躾にもほどがある。
「……なに?」
「なんだそのかわいい悪魔。ヤギ?コウモリ?お前の悪魔イメージってずいぶんひ弱そうなんだなー。と、思って」
可愛いって言ってくれたから無罪放免。許す。
ただしひ弱って言ったのは、ずっと忘れないでおくからね。
「悪魔っていうとよく本に載ってるバフォメットだっけ?ヤギみたいなのを思い浮かべちゃうんだよね」
「いや、あのままのイメージなら強そうだったろ」
「あれをイメージしたよ!でも、改変されたみたい……これじゃまんまあたしじゃんねぇ。強い悪魔になりたかったんだけどな。……いいけど」
ダンテに守られないで済む悪魔なら嬉しかった。
むしろダンテを守れるくらいの。
とはいえ、強そうになっても見た目だけなのだろうけども。
「まあ、バフォメットそのままだったら逆にひくか。ひくというよりがっかりしちまいそうだ……」
ダンテがぶつぶつ言ってる。
結果的にはこの見た目でよかったかもしれないような事を……。
「あ。オレもつけねぇとな」
「ダンテは魔人化でいいじゃない」
思い出したように指を鳴らし、自分にかけるようにとディーヴァに香水瓶を手渡すダンテ。
だけどダンテには魔人化という便利なものがあり、悪魔にならずとも悪魔の姿を取れるのだ。これは必要ない。
何より、安心するダンテの匂いが『掃き溜め』の香りになるというのは……正直言って耐えられない。
「魔人化はずっとできねーの!
それに半分人間臭いだろが。ましてやスパーダの息子なんてバレたらめんどくせぇぞ」
途中で姿が戻っても困るし、落ち着くダンテの香りは半分人間ゆえだったらしい。あの少し嫌な匂いになるのは避けて通れぬ道。
しかたない、耐えるしかなさそうだ。
そして香水によってダンテが煙に包まれること数十秒。
あたしは笑い転げることになった。
「アハハハハハ!!ダンテだって人のこと言えなぁい!ぶっは!猫耳としっぽとかー!」
にゃーん。
ダンテは服装も見た目もほとんどそのまま。白い猫耳と同じく白い尻尾、そしてネコらしく縦長の瞳孔。
猫種的にメインクーンなのかな。尻尾がふさふさしてる。……という出で立ち。
悪魔関係ないやん!もうただのコスプレやん!
それについては本人も不本意なようで、姿見を前に苦悶の表情を浮かべている。
「オレはこんなん想像してねーぞ!?すんげーカッコいい吸血鬼想像したのに!なぜだ……!」
「かーわーいーいー」
ダンテが解せなくとも、あたしは嬉しい。
落ち込むダンテの頭を引き寄せて、うりうりうりうり、猫耳付近を重点的に撫で撫~で。
撫でられるのは嫌じゃなかったようで、ダンテは大人しくされるがままである。
ついでに胸揉まれたから、悪いおてては全力ではたき落としといた。
「ダンテさぁ、もしかして吸血鬼のあとに猫耳とか想像しなかった?」
「どうだろーなァ……」
撫でながらそう聞けば、「ウーン」と唸ってしばし考え込んでいる。
「吸血鬼なオレをご主人様(はーと)って呼ぶ猫耳メイドなディーヴァなら想像させてもらったぜ!キリッ!」
「うん絶対それだね」
しばらく待って返ってきた答えに、脱力したのはいうまでもない。
気を取り直し、ダンテがピッと取り出すは、例のチケット。
「あー、コホン。それじゃ繋げるか。もらったチケット燃やしゃ、その会社前の公園に繋がるんだと」
「変な仕組みぃ」
どんなだ。
しかしここには火種になるものがない。
うちの住人は誰もタバコは吸わないし、暖炉があるのはこの部屋じゃない。
「マッチ持ってくるね」
そう言って、奥に引っ込んだあたしなんだけど……。
「おいおいなんだよその荷物」
「何があるかわかんないからおやつと飲み物持ってくの」
戻ったあたしの背にあったのはバッグパック。
キッチンからヘソクリを持ち出したのだ。
ヘソクリと言っても、あとでこっそり食べようかと思っていたとっておきのお菓子の類。
多分、こういう時じゃないともったいなくて食べれないと思うんだ。
あと水分は大事。うん。
「用意周到だなぁ」
「備えあれば憂いなしってね!」
「……そんでもう食ってんのかよ」
口から飛び出した大きな渦巻きキャンディを見てだろう、ダンテにため息を吐かれた。
「酔い止めがわりよ」
「その格好だとペロペロキャンディ、やけに似合うのな」
それはあたしも思った。
「わっ!?」
香りについて考察していると、自分にひと吹きされた。
「い、いきなりかけないでよ!」
「ああ悪い」
……あれ?
かかった瞬間、匂いが違うものに変わった。
さっきよりも好きじゃないこの香りは……?
「んー、ディーヴァの香りなのに、香水かけると独特の掃き溜めくささがやってくるな。テスターとは大違いだぜ」
そう、大嫌いな悪魔の匂いだ。
自分の体から、胸がむかむかするような体臭を感じる。
「……それが悪魔になるってことなんでしょ。掃き溜めっていう表現はかなりヤな感じだけどね」
「で……ディーヴァの悪魔としての姿は一体どんな感じなんだろうなァ?」
表現よりも実際の匂いの方が気になるが、でも気にしたら先に進まない。
とりあえずディーヴァは、自分が悪魔になったら……を、急いで脳裏に思い浮かべた。
しかし、今までは悪魔と正反対の天使という種族だったからか、まったくもって思い浮かんでこない。
急遽違う方に考えを変えよう。
悪魔といえば、どんなイメージだろうと。
こうもりの羽が生えてたり、牙やしっぽがあったり、ヤギみたいな角が生えてたり、黒い体毛で……。あ、よくある悪魔関連の書物みたいにバフォメットみたいな感じかなぁ。なーんて。
ボフゥン!
イメージを膨らませ始めたら、自分の体が煙に包まれた。
煙の中で体が変化していくのが、なんとなくわかる。
そして煙が晴れて、姿を現したのは。
「お」
ダンテが目をまんまるにしている。
自分も確認したかったし、近くの姿見をカラカラと移動し、全体像を映した、ら……。
髪色はそのまま。眼の色もそのまま。
ただし、頭からはくるんと丸まった角が2本生えており、背にはこうもりの羽。お尻には矢印みたいな悪魔の尾。
という、典型的な悪魔の姿になっていた。
ちなみに服は……。
「おま、ゴスロリかよ」
「ゴスロ……」
あれだけ想像したはずなのに、黒い体毛がゴスロリの服に変更されている。解せぬ。
「あが!」
「おお、ちゃんと触れるのか」
放心していたらダンテに口の中へ指つっこまれた!
チラチラと見えていた牙が本物かどうか確かめたかったらしい。だったら牙じゃなくて角とか羽で確かめてよ!
ガブ!
「いてぇな!?」
「いきなり口のなかに指突っ込むダンテが悪い」
そんな抗議の意を込めて、牙を突き立ててみた。
いつもはダンテの犬歯が食い込む側のこの体。
その反対が可能な機会があるなら、絶好のチャンスだもん。逃すわけないよねぇ?
牙どころか歯型のついた指をふーふーしつつ、ダンテが改めてあたしの全体像をじっくりと舐め回すように見た。
いくら恋人だからって不躾にもほどがある。
「……なに?」
「なんだそのかわいい悪魔。ヤギ?コウモリ?お前の悪魔イメージってずいぶんひ弱そうなんだなー。と、思って」
可愛いって言ってくれたから無罪放免。許す。
ただしひ弱って言ったのは、ずっと忘れないでおくからね。
「悪魔っていうとよく本に載ってるバフォメットだっけ?ヤギみたいなのを思い浮かべちゃうんだよね」
「いや、あのままのイメージなら強そうだったろ」
「あれをイメージしたよ!でも、改変されたみたい……これじゃまんまあたしじゃんねぇ。強い悪魔になりたかったんだけどな。……いいけど」
ダンテに守られないで済む悪魔なら嬉しかった。
むしろダンテを守れるくらいの。
とはいえ、強そうになっても見た目だけなのだろうけども。
「まあ、バフォメットそのままだったら逆にひくか。ひくというよりがっかりしちまいそうだ……」
ダンテがぶつぶつ言ってる。
結果的にはこの見た目でよかったかもしれないような事を……。
「あ。オレもつけねぇとな」
「ダンテは魔人化でいいじゃない」
思い出したように指を鳴らし、自分にかけるようにとディーヴァに香水瓶を手渡すダンテ。
だけどダンテには魔人化という便利なものがあり、悪魔にならずとも悪魔の姿を取れるのだ。これは必要ない。
何より、安心するダンテの匂いが『掃き溜め』の香りになるというのは……正直言って耐えられない。
「魔人化はずっとできねーの!
それに半分人間臭いだろが。ましてやスパーダの息子なんてバレたらめんどくせぇぞ」
途中で姿が戻っても困るし、落ち着くダンテの香りは半分人間ゆえだったらしい。あの少し嫌な匂いになるのは避けて通れぬ道。
しかたない、耐えるしかなさそうだ。
そして香水によってダンテが煙に包まれること数十秒。
あたしは笑い転げることになった。
「アハハハハハ!!ダンテだって人のこと言えなぁい!ぶっは!猫耳としっぽとかー!」
にゃーん。
ダンテは服装も見た目もほとんどそのまま。白い猫耳と同じく白い尻尾、そしてネコらしく縦長の瞳孔。
猫種的にメインクーンなのかな。尻尾がふさふさしてる。……という出で立ち。
悪魔関係ないやん!もうただのコスプレやん!
それについては本人も不本意なようで、姿見を前に苦悶の表情を浮かべている。
「オレはこんなん想像してねーぞ!?すんげーカッコいい吸血鬼想像したのに!なぜだ……!」
「かーわーいーいー」
ダンテが解せなくとも、あたしは嬉しい。
落ち込むダンテの頭を引き寄せて、うりうりうりうり、猫耳付近を重点的に撫で撫~で。
撫でられるのは嫌じゃなかったようで、ダンテは大人しくされるがままである。
ついでに胸揉まれたから、悪いおてては全力ではたき落としといた。
「ダンテさぁ、もしかして吸血鬼のあとに猫耳とか想像しなかった?」
「どうだろーなァ……」
撫でながらそう聞けば、「ウーン」と唸ってしばし考え込んでいる。
「吸血鬼なオレをご主人様(はーと)って呼ぶ猫耳メイドなディーヴァなら想像させてもらったぜ!キリッ!」
「うん絶対それだね」
しばらく待って返ってきた答えに、脱力したのはいうまでもない。
気を取り直し、ダンテがピッと取り出すは、例のチケット。
「あー、コホン。それじゃ繋げるか。もらったチケット燃やしゃ、その会社前の公園に繋がるんだと」
「変な仕組みぃ」
どんなだ。
しかしここには火種になるものがない。
うちの住人は誰もタバコは吸わないし、暖炉があるのはこの部屋じゃない。
「マッチ持ってくるね」
そう言って、奥に引っ込んだあたしなんだけど……。
「おいおいなんだよその荷物」
「何があるかわかんないからおやつと飲み物持ってくの」
戻ったあたしの背にあったのはバッグパック。
キッチンからヘソクリを持ち出したのだ。
ヘソクリと言っても、あとでこっそり食べようかと思っていたとっておきのお菓子の類。
多分、こういう時じゃないともったいなくて食べれないと思うんだ。
あと水分は大事。うん。
「用意周到だなぁ」
「備えあれば憂いなしってね!」
「……そんでもう食ってんのかよ」
口から飛び出した大きな渦巻きキャンディを見てだろう、ダンテにため息を吐かれた。
「酔い止めがわりよ」
「その格好だとペロペロキャンディ、やけに似合うのな」
それはあたしも思った。