めりくり!2016!!
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嬉しそうにダンテの方へ振り返るディーヴァの顔前に、青っぽい箱がそっと差し出された。
「ねぇダンテ、ハートのってあれだよね、……ふぇ?な、に……?これ……」
「ディーヴァ。オレからのクリスマスプレゼント、受け取ってくれ」
この頃プレゼントをもらう側になってばかりだ。
もらっている分、たまにはダンテにも何か返さなくては……とか思ってはいるのだが、ダンテの欲しいものと言えば、ディーヴァや好物ばかりで真剣に答えてくれない。
と、ダンテが欲しがりそうなものを頭の中に思い浮かべている場合ではなかった。
ダンテが見せてくる箱には見覚えがある。
「この箱……、」
ダンテがそっと差し出したのは、薄い水色のような薄いグリーンのようなニューヨーカー憧れの色の小さな箱。
ティファニーブルーと呼ばれるニューヨークでは幸せの象徴とされる色だ。
もとはコマドリの卵の色から取っているらしいが、ディーヴァをコマドリちゃんなんて呼ぶのも可愛らしくていいとか頭の片隅で思ったのは秘密だ。
「ティ、ファニー……?」
「そ、ティファニーだな」
震える指先でそっと箱を受け取る。
「……開けていい?」
「もちろん」
期待に胸を高鳴らせながらディーヴァがティファニーブルーのボックスにかかった真っ白なリボンの端を引っ張ると、それはスルリと簡単にほどけた。
カパリと開けて中を覗くと、繊細なプラチナチェーンと、その中央に小ぶりながらも存在を主張する緑の宝石の嵌ったネックレスが。
「わぁ、綺麗……!」
綺麗な色だ。
しかしエメラルドではない。
エメラルドよりも薄い、ディーヴァの髪の色と同じ色をしたこの宝石はなんだろう。
「そんな高いものじゃないんだ。でも、この色に惹かれて、な。なかなか出回らないミントグリーンのグリーンサファイアだ」
「え、サファイアなの?」
「ディーヴァの髪の色と同じ色。綺麗だろ?」
「あ、りがと、う……」
これを探すのだって、大変だったに違いない。
ましてやブランド品だ、万年金欠に近しいダンテが買うのは大変だったはずで。
もっと上手く言葉を伝えたいのに、出てきた言葉は月並みの感謝の言葉だけで。
ものすごい感動とダンテへの愛しさで胸をいっぱいにしたディーヴァ。
涙が溢れてしまいそうだ。
「あ、ちょっと来てくれるか?」
そんなディーヴァを連れ立って、ダンテは歩く街路樹の傍、どこかの店のショーウィンドウ前に立たせる。
もう閉店したそこは明かりがなく暗いが、外側からは鏡に見える窓の作りとなっており、街灯に照らされたディーヴァの姿が映る。
「付けてやるから貸してみろ。
…………、ほら、できた。よく似合う」
グレーのモヘアニットで少し隠れそうになるそれを、襟ぐりを開けて見つめるディーヴァ。
鏡に映る自分の目からは、とうとう一粒の涙がこぼれた。
「ダンテ……嬉しい。ありがとっ……!」
「どういたしまして。でも、言葉よりもっといいお礼もらおうかな」
ずい、と近づくダンテの顔。
往来の真ん中だがキスする気満々のようで、その目には熱がこもっている。
ダンテの熱い手のひらが、ディーヴァの顎に、頬にかかりグッと上向かす。
「ぇ、ちょっと……ダンテ、恥ずかし……」
ダンテの肩越しに目に入る街路樹を見てハッとする。
自分達のいるのは、ポプラの街路樹に偶然にもヤドリギの蔦が大きく絡みついたその下だった。
クリスマスシーズン、ヤドリギの下でのキスは、誰も拒めないし、拒まない。
それがたとえどんな場所であっても。
「……んっ、……、はぁ、」
「ディーヴァ……っ!?、ンン、…」
ディーヴァは近づくダンテの唇に、自らも唇を押し付け、さらにダンテの頭を引き寄せて熱烈なキスを送った。
「えへへ、先に奪っちゃった……!」
「ディーヴァ……、ずいぶんと積極的だな……」
「だって……ここ、ヤドリギの下だもん」
それでもやはり恥ずかしさは感じるのか、赤い頬を隠すように少し下を向いてディーヴァは言う。
「なるほどな。なら、もう一回……」
「ん……!」
絡み合う視線、腕、そして合わさって溶け合う唇と舌先。
いつの間にかあたりに人は消えている。
唇をかわし熱い抱擁で愛を確かめ合う恋人達を、ヤドリギだけが見下ろしていた。
濃厚で熱いキスをかわし、心も体も温まったところで。
ダンテとディーヴァは帰路を、満足げに手を繋ぎながら歩いてゆく。
冬の寒さは感じれど、その寒さに負けぬ愛がここにはあった。
「ふふ、美味しいものいっぱい食べて、こんな素敵な贈り物もらって、イルミネーションは綺麗で……。すごくいいクリスマス。ほんっとうにありがとう、ダンテ」
「ディーヴァに喜んでもらえた、オレはそれが何より嬉しいよ。ディーヴァからの熱いキッスも貰えたしな」
ダンテとディーヴァの居住区に近づくにつれ街灯は少しずつ減っていき、イルミネーションはしてる家がちらほらあったのが、今や見る影もない。
スラムとほど近いのだ、イルミネーションで輝かせてもあまり人は見ないということか。
「んー……なんかさみしいよね。おうちも今度イルミネーション飾ろっか」
「ピンクのネオンサインしてるだろ?あれじゃダメなのか?」
「ダメ。イルミネーションって感じしないもん。なんかえっちぃ」
「えっちぃって……」
当事務所、devil may cryのピンクのネオンサインはどちらかというといかがわしい店のそれにしか見えない。
唇を尖らせ、ディーヴァは一瞬にして却下した。
「イルミネーションするならクリスマスはもうすぐ終わるし、あれ以外になんかお正月きたーって感じのやつ。そういうのやりたい」
ニューイヤーを祝うイルミネーション。
それを眺めていれば、雰囲気は甘く、ともすれば新年始まっての姫初めに繋がる……なんてこともあるかもしれない。
「まあ、少しならいいぞ。少しなら、な」
「やったぁ!」
そんな邪な考えを持ちつつも、ディーヴァにはとことん甘いダンテ。
結局、少しとか言って結構派手な装飾でイルミネーションを楽しんでしまったのは、想像に難くないだろう。
「あ。来年も一緒に出かけたりご馳走食べたりイルミネーション見たり……ずっと一緒にいようね、ダンテ」
「もちろんだよ」
約束がわりにと、頬にキス1つ。
お互いに送ってダンテとディーヴァはにっこりと笑いあった。
●あとがき
ニューヨークのクリスマスってわけではないですが、イメージはそんな感じ。
美味しいご飯にキラキラ輝くイルミネーション極め付けは愛しい彼からの嬉しいプレゼント。素敵ですね。
「ねぇダンテ、ハートのってあれだよね、……ふぇ?な、に……?これ……」
「ディーヴァ。オレからのクリスマスプレゼント、受け取ってくれ」
この頃プレゼントをもらう側になってばかりだ。
もらっている分、たまにはダンテにも何か返さなくては……とか思ってはいるのだが、ダンテの欲しいものと言えば、ディーヴァや好物ばかりで真剣に答えてくれない。
と、ダンテが欲しがりそうなものを頭の中に思い浮かべている場合ではなかった。
ダンテが見せてくる箱には見覚えがある。
「この箱……、」
ダンテがそっと差し出したのは、薄い水色のような薄いグリーンのようなニューヨーカー憧れの色の小さな箱。
ティファニーブルーと呼ばれるニューヨークでは幸せの象徴とされる色だ。
もとはコマドリの卵の色から取っているらしいが、ディーヴァをコマドリちゃんなんて呼ぶのも可愛らしくていいとか頭の片隅で思ったのは秘密だ。
「ティ、ファニー……?」
「そ、ティファニーだな」
震える指先でそっと箱を受け取る。
「……開けていい?」
「もちろん」
期待に胸を高鳴らせながらディーヴァがティファニーブルーのボックスにかかった真っ白なリボンの端を引っ張ると、それはスルリと簡単にほどけた。
カパリと開けて中を覗くと、繊細なプラチナチェーンと、その中央に小ぶりながらも存在を主張する緑の宝石の嵌ったネックレスが。
「わぁ、綺麗……!」
綺麗な色だ。
しかしエメラルドではない。
エメラルドよりも薄い、ディーヴァの髪の色と同じ色をしたこの宝石はなんだろう。
「そんな高いものじゃないんだ。でも、この色に惹かれて、な。なかなか出回らないミントグリーンのグリーンサファイアだ」
「え、サファイアなの?」
「ディーヴァの髪の色と同じ色。綺麗だろ?」
「あ、りがと、う……」
これを探すのだって、大変だったに違いない。
ましてやブランド品だ、万年金欠に近しいダンテが買うのは大変だったはずで。
もっと上手く言葉を伝えたいのに、出てきた言葉は月並みの感謝の言葉だけで。
ものすごい感動とダンテへの愛しさで胸をいっぱいにしたディーヴァ。
涙が溢れてしまいそうだ。
「あ、ちょっと来てくれるか?」
そんなディーヴァを連れ立って、ダンテは歩く街路樹の傍、どこかの店のショーウィンドウ前に立たせる。
もう閉店したそこは明かりがなく暗いが、外側からは鏡に見える窓の作りとなっており、街灯に照らされたディーヴァの姿が映る。
「付けてやるから貸してみろ。
…………、ほら、できた。よく似合う」
グレーのモヘアニットで少し隠れそうになるそれを、襟ぐりを開けて見つめるディーヴァ。
鏡に映る自分の目からは、とうとう一粒の涙がこぼれた。
「ダンテ……嬉しい。ありがとっ……!」
「どういたしまして。でも、言葉よりもっといいお礼もらおうかな」
ずい、と近づくダンテの顔。
往来の真ん中だがキスする気満々のようで、その目には熱がこもっている。
ダンテの熱い手のひらが、ディーヴァの顎に、頬にかかりグッと上向かす。
「ぇ、ちょっと……ダンテ、恥ずかし……」
ダンテの肩越しに目に入る街路樹を見てハッとする。
自分達のいるのは、ポプラの街路樹に偶然にもヤドリギの蔦が大きく絡みついたその下だった。
クリスマスシーズン、ヤドリギの下でのキスは、誰も拒めないし、拒まない。
それがたとえどんな場所であっても。
「……んっ、……、はぁ、」
「ディーヴァ……っ!?、ンン、…」
ディーヴァは近づくダンテの唇に、自らも唇を押し付け、さらにダンテの頭を引き寄せて熱烈なキスを送った。
「えへへ、先に奪っちゃった……!」
「ディーヴァ……、ずいぶんと積極的だな……」
「だって……ここ、ヤドリギの下だもん」
それでもやはり恥ずかしさは感じるのか、赤い頬を隠すように少し下を向いてディーヴァは言う。
「なるほどな。なら、もう一回……」
「ん……!」
絡み合う視線、腕、そして合わさって溶け合う唇と舌先。
いつの間にかあたりに人は消えている。
唇をかわし熱い抱擁で愛を確かめ合う恋人達を、ヤドリギだけが見下ろしていた。
濃厚で熱いキスをかわし、心も体も温まったところで。
ダンテとディーヴァは帰路を、満足げに手を繋ぎながら歩いてゆく。
冬の寒さは感じれど、その寒さに負けぬ愛がここにはあった。
「ふふ、美味しいものいっぱい食べて、こんな素敵な贈り物もらって、イルミネーションは綺麗で……。すごくいいクリスマス。ほんっとうにありがとう、ダンテ」
「ディーヴァに喜んでもらえた、オレはそれが何より嬉しいよ。ディーヴァからの熱いキッスも貰えたしな」
ダンテとディーヴァの居住区に近づくにつれ街灯は少しずつ減っていき、イルミネーションはしてる家がちらほらあったのが、今や見る影もない。
スラムとほど近いのだ、イルミネーションで輝かせてもあまり人は見ないということか。
「んー……なんかさみしいよね。おうちも今度イルミネーション飾ろっか」
「ピンクのネオンサインしてるだろ?あれじゃダメなのか?」
「ダメ。イルミネーションって感じしないもん。なんかえっちぃ」
「えっちぃって……」
当事務所、devil may cryのピンクのネオンサインはどちらかというといかがわしい店のそれにしか見えない。
唇を尖らせ、ディーヴァは一瞬にして却下した。
「イルミネーションするならクリスマスはもうすぐ終わるし、あれ以外になんかお正月きたーって感じのやつ。そういうのやりたい」
ニューイヤーを祝うイルミネーション。
それを眺めていれば、雰囲気は甘く、ともすれば新年始まっての姫初めに繋がる……なんてこともあるかもしれない。
「まあ、少しならいいぞ。少しなら、な」
「やったぁ!」
そんな邪な考えを持ちつつも、ディーヴァにはとことん甘いダンテ。
結局、少しとか言って結構派手な装飾でイルミネーションを楽しんでしまったのは、想像に難くないだろう。
「あ。来年も一緒に出かけたりご馳走食べたりイルミネーション見たり……ずっと一緒にいようね、ダンテ」
「もちろんだよ」
約束がわりにと、頬にキス1つ。
お互いに送ってダンテとディーヴァはにっこりと笑いあった。
●あとがき
ニューヨークのクリスマスってわけではないですが、イメージはそんな感じ。
美味しいご飯にキラキラ輝くイルミネーション極め付けは愛しい彼からの嬉しいプレゼント。素敵ですね。