色々な短編的なお話
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ディーヴァの部屋から上がれる屋根。
そこの一角に笹の葉を固定して、ディーヴァをその場へと抱えて連れてくれば、ディーヴァはやっと本当の意味で満足げに笑った。
夏場とはいえ夜の、しかも屋根の上というディーヴァにとっては危険で肌寒いかもしれない場所。
ディーヴァを後ろから抱きこんで閉じ込めるように、ダンテは胡座をかいた膝の上へとディーヴァを乗せぴっとりと寄り添った。
愛しのディーヴァのヌクモリティと匂い……すごく、安心する。
そっと表情をうかがえば、オゥフ、ディーヴァの方も同じように安心しきった表情でリラックスしていた。
そのゆったりタイムを邪魔して悪いが、ここで落ち着いている理由はなんだ?
「ディーヴァ、屋根にこれを飾って、あとはどうするんだ」
「あ、そうだった。今日はねぇ、7月7日の七夕なの!」
「たなばた?」
棚ぼたなら知ってる。
レディ・デイなんかが歌ってる『天から降ってきたちょっとした幸せ』の日本での言葉だと、ディーヴァが前に教えてくれたからだ。
そのぼた餅とやらも食べてみたいところだ。
「まずはお空をご覧ください!」
「空?
うお……すっげ、星の群れ……銀河か」
「うん!」
ディーヴァばっかり見ていて気がつかなかった、なんて言い訳みたいだが、本当に今気がついたんだ。
上を見上げたら、まるでディーヴァと二人でここだけ切り取られて、宇宙空間に放り出されたと思わせるくらいの星の群れが夜空を覆い尽くしていた。
実際に宇宙に放り出されたとしても、ディーヴァと一緒ならどこでも嬉しいけどな。
え?宇宙なんて息ができないだろうって?
はっ!そんなの息継ぎの暇もないキスの連続で慣れてるだろうが。
「綺麗だな……」
ディーヴァのほうが綺麗だけど。
なんて思っても、今はそんな雰囲気じゃない。
楽しそうに言うディーヴァの先を促す。
「きらきらと川みたいに見えるたくさんの星の群れ、あれはミルキィウェイ!天の川だよ」
ミルキィウェイ……菓子のやつは好きだな。
あれ美味い。
「天の川のこっち側のすごい輝いてる星がベガで、向こう側のがアルタイル。
ふたつの星は7月7日に、一年でいちばん輝くって言われてるのもあって、この日が一年に一回のデートの日。
それが七夕なんだよ」
「星同士のデート?」
「うん。七夕には伝説があるの」
今一度ベガとアルタイルを指差して、ディーヴァは語る。
「琴座のベガがおりひめさん。鷲座のアルタイルがひこぼしさんっていう人。
おりひめさんは機織り……お裁縫のお仕事してて、ひこぼしさんは牛のお世話をしてた。
そんな2人が一緒になったら、一緒の生活が楽しすぎてお仕事しなくなっちゃったんだって」
「楽しい同棲生活ねぇ……オレ達と同じだな」
「うん」
顔を見合わせ、笑顔で答える。
思えばディーヴァと二人、数年一緒に暮らしているが、色々あったけれど嫌だと思ったことはない。
「楽しいし、とても幸せ」
「だな」
そう。
愛しい人との生活は楽しくて、そしてただただ幸せだ。
そよそよ、しゃらしゃらと笹の葉が風に揺られて立てる音を聞きながら、その幸せを二人、噛みしめる。
「ディーヴァと一緒の生活が楽しくて、仕事したくなくなる気持ちはわかるなぁ。
オレはたまに悪魔狩りすら、行きたくなくなるよ」
「えー?それはこまるなぁ。
あたしは働きたいし、ダンテと一緒にいたい気持ち我慢して働いてますけどー?」
「なんだかんだ言ってオレも働いてるぞ」
「ダンテ、週休六日制とか言ってるよね」
「…………」
うわ、確かに週のうち働く日は一日でいいとは思っているが、それを今指摘されるとは……。
なんも言えない。
「ふふ。それで、お仕事をさぼるようになった二人に怒った神様が、一年に一回だけ会えるようにしたのが七夕の伝説なんだよ」
「へー」
「だから晴れないとかわいそう。好きな人に一年ごしにやっと会えるって言うのに、天の川が渡れないと会えなくなっちゃうもん……。
ほーんと晴れてよかったよー!夜空も綺麗だし!!」
「そういう意味で晴れないかな、って言ってたんだな」
「うん!」
夜空を仰ぐように手を伸ばし笑顔を見せるディーヴァの頭を、ゆっくりと愛しむように撫でる。
「ディーヴァは優しいな」
「そう?」
「そんな優しいディーヴァのお願いごとなら、きっと叶えてくれるさ」
「だといいなぁ」
「……でも、なんで願い事なんて飾るんだろうな」
風に揺られてちらっと見えそうになったディーヴァの短冊の内容。
それが目に入らないよう、さっと目を逸らして回避する。
「うんー?ああ、風習、かな。お裁縫とかお仕事の腕が上がるように願ったり、豊作を願ったり……そういう風に習わしが出来てきて、時代をおうごとに短冊にお願い事書いて吊るすようになったんだって」
「あー。クリスマスのお祝いと同じか。欲しいプレゼントをもらうもんな」
「ちょっと違う気がするけど……まあ、そんなもの?かな?」
ディーヴァを後ろから抱きしめたそのままの姿勢で、ディーヴァを伴って後ろに倒れる。
屋根板が背中と後頭部にちょっと硬くて寝辛いが、痛いほどではない。
一緒に寝転ぶことになったディーヴァがダンテの胸板に手をつく形で、すり寄ってきてくれるので、むしろ触れる箇所が柔らかく気持ちよさすら感じる。
上に見えるのはどこまでも広がる星空。
「一年に一回か……」
「ダンテだったらどうする?」
「オレだったら、か」
「うん」
「オレは悪魔だ」
「うん、そうだね」
「どんなに深くどんなに広い川だろうが、自力で渡る。毎日渡る。むしろずっとディーヴァと一緒にいるな。
カミサマとやらに怒られようが、ディーヴァの隣に居着いてやる。
一年に一回なんて、我慢ならねえからな」
「ふふ、ダンテらしいね」
クスクス笑いながら、ディーヴァが起き上がってダンテの顔を覗き込む。
ダンテの瞳に映っていた星空は、ディーヴァの顔へとってかわった。
そのまま軽いキスのひとつでも贈りたくなるが、どうせなら後でベッドの中でもっと激しいのを贈ろうと思う。
「あたしはダンテの分もお裁縫のお仕事頑張って、神様に一緒に暮らすのを許してもらいたいな。
だって、ずっと一緒にいたいもん」
寝転んだダンテの体に正面からぎゅっと抱きつき、そう言ったディーヴァに、自分も抱きしめ返した。
「ああ、ずっと一緒にいような」
「……うん」
へらりと笑って起き上がったディーヴァは、祈りを捧げるようなポーズで今一度夜空に向き直った。
ダンテも起き上がって、ディーヴァが夜空に祈るのを見守った。
「……なんか、もうお願い事叶っちゃったかも?」
「そりゃはやいな」
「ふふ。あ、あたしのお願い事、教えてあげよっか?」
「いい。どういう願いなのかだいたい見当がついた」
「ダンテったらすご~い!」
それに、きっと願い事は同じ。
ぴっとりと寄り添いあったまま、ダンテとディーヴァはしばらく天の川を眺めるのだった。
そこの一角に笹の葉を固定して、ディーヴァをその場へと抱えて連れてくれば、ディーヴァはやっと本当の意味で満足げに笑った。
夏場とはいえ夜の、しかも屋根の上というディーヴァにとっては危険で肌寒いかもしれない場所。
ディーヴァを後ろから抱きこんで閉じ込めるように、ダンテは胡座をかいた膝の上へとディーヴァを乗せぴっとりと寄り添った。
愛しのディーヴァのヌクモリティと匂い……すごく、安心する。
そっと表情をうかがえば、オゥフ、ディーヴァの方も同じように安心しきった表情でリラックスしていた。
そのゆったりタイムを邪魔して悪いが、ここで落ち着いている理由はなんだ?
「ディーヴァ、屋根にこれを飾って、あとはどうするんだ」
「あ、そうだった。今日はねぇ、7月7日の七夕なの!」
「たなばた?」
棚ぼたなら知ってる。
レディ・デイなんかが歌ってる『天から降ってきたちょっとした幸せ』の日本での言葉だと、ディーヴァが前に教えてくれたからだ。
そのぼた餅とやらも食べてみたいところだ。
「まずはお空をご覧ください!」
「空?
うお……すっげ、星の群れ……銀河か」
「うん!」
ディーヴァばっかり見ていて気がつかなかった、なんて言い訳みたいだが、本当に今気がついたんだ。
上を見上げたら、まるでディーヴァと二人でここだけ切り取られて、宇宙空間に放り出されたと思わせるくらいの星の群れが夜空を覆い尽くしていた。
実際に宇宙に放り出されたとしても、ディーヴァと一緒ならどこでも嬉しいけどな。
え?宇宙なんて息ができないだろうって?
はっ!そんなの息継ぎの暇もないキスの連続で慣れてるだろうが。
「綺麗だな……」
ディーヴァのほうが綺麗だけど。
なんて思っても、今はそんな雰囲気じゃない。
楽しそうに言うディーヴァの先を促す。
「きらきらと川みたいに見えるたくさんの星の群れ、あれはミルキィウェイ!天の川だよ」
ミルキィウェイ……菓子のやつは好きだな。
あれ美味い。
「天の川のこっち側のすごい輝いてる星がベガで、向こう側のがアルタイル。
ふたつの星は7月7日に、一年でいちばん輝くって言われてるのもあって、この日が一年に一回のデートの日。
それが七夕なんだよ」
「星同士のデート?」
「うん。七夕には伝説があるの」
今一度ベガとアルタイルを指差して、ディーヴァは語る。
「琴座のベガがおりひめさん。鷲座のアルタイルがひこぼしさんっていう人。
おりひめさんは機織り……お裁縫のお仕事してて、ひこぼしさんは牛のお世話をしてた。
そんな2人が一緒になったら、一緒の生活が楽しすぎてお仕事しなくなっちゃったんだって」
「楽しい同棲生活ねぇ……オレ達と同じだな」
「うん」
顔を見合わせ、笑顔で答える。
思えばディーヴァと二人、数年一緒に暮らしているが、色々あったけれど嫌だと思ったことはない。
「楽しいし、とても幸せ」
「だな」
そう。
愛しい人との生活は楽しくて、そしてただただ幸せだ。
そよそよ、しゃらしゃらと笹の葉が風に揺られて立てる音を聞きながら、その幸せを二人、噛みしめる。
「ディーヴァと一緒の生活が楽しくて、仕事したくなくなる気持ちはわかるなぁ。
オレはたまに悪魔狩りすら、行きたくなくなるよ」
「えー?それはこまるなぁ。
あたしは働きたいし、ダンテと一緒にいたい気持ち我慢して働いてますけどー?」
「なんだかんだ言ってオレも働いてるぞ」
「ダンテ、週休六日制とか言ってるよね」
「…………」
うわ、確かに週のうち働く日は一日でいいとは思っているが、それを今指摘されるとは……。
なんも言えない。
「ふふ。それで、お仕事をさぼるようになった二人に怒った神様が、一年に一回だけ会えるようにしたのが七夕の伝説なんだよ」
「へー」
「だから晴れないとかわいそう。好きな人に一年ごしにやっと会えるって言うのに、天の川が渡れないと会えなくなっちゃうもん……。
ほーんと晴れてよかったよー!夜空も綺麗だし!!」
「そういう意味で晴れないかな、って言ってたんだな」
「うん!」
夜空を仰ぐように手を伸ばし笑顔を見せるディーヴァの頭を、ゆっくりと愛しむように撫でる。
「ディーヴァは優しいな」
「そう?」
「そんな優しいディーヴァのお願いごとなら、きっと叶えてくれるさ」
「だといいなぁ」
「……でも、なんで願い事なんて飾るんだろうな」
風に揺られてちらっと見えそうになったディーヴァの短冊の内容。
それが目に入らないよう、さっと目を逸らして回避する。
「うんー?ああ、風習、かな。お裁縫とかお仕事の腕が上がるように願ったり、豊作を願ったり……そういう風に習わしが出来てきて、時代をおうごとに短冊にお願い事書いて吊るすようになったんだって」
「あー。クリスマスのお祝いと同じか。欲しいプレゼントをもらうもんな」
「ちょっと違う気がするけど……まあ、そんなもの?かな?」
ディーヴァを後ろから抱きしめたそのままの姿勢で、ディーヴァを伴って後ろに倒れる。
屋根板が背中と後頭部にちょっと硬くて寝辛いが、痛いほどではない。
一緒に寝転ぶことになったディーヴァがダンテの胸板に手をつく形で、すり寄ってきてくれるので、むしろ触れる箇所が柔らかく気持ちよさすら感じる。
上に見えるのはどこまでも広がる星空。
「一年に一回か……」
「ダンテだったらどうする?」
「オレだったら、か」
「うん」
「オレは悪魔だ」
「うん、そうだね」
「どんなに深くどんなに広い川だろうが、自力で渡る。毎日渡る。むしろずっとディーヴァと一緒にいるな。
カミサマとやらに怒られようが、ディーヴァの隣に居着いてやる。
一年に一回なんて、我慢ならねえからな」
「ふふ、ダンテらしいね」
クスクス笑いながら、ディーヴァが起き上がってダンテの顔を覗き込む。
ダンテの瞳に映っていた星空は、ディーヴァの顔へとってかわった。
そのまま軽いキスのひとつでも贈りたくなるが、どうせなら後でベッドの中でもっと激しいのを贈ろうと思う。
「あたしはダンテの分もお裁縫のお仕事頑張って、神様に一緒に暮らすのを許してもらいたいな。
だって、ずっと一緒にいたいもん」
寝転んだダンテの体に正面からぎゅっと抱きつき、そう言ったディーヴァに、自分も抱きしめ返した。
「ああ、ずっと一緒にいような」
「……うん」
へらりと笑って起き上がったディーヴァは、祈りを捧げるようなポーズで今一度夜空に向き直った。
ダンテも起き上がって、ディーヴァが夜空に祈るのを見守った。
「……なんか、もうお願い事叶っちゃったかも?」
「そりゃはやいな」
「ふふ。あ、あたしのお願い事、教えてあげよっか?」
「いい。どういう願いなのかだいたい見当がついた」
「ダンテったらすご~い!」
それに、きっと願い事は同じ。
ぴっとりと寄り添いあったまま、ダンテとディーヴァはしばらく天の川を眺めるのだった。
