めりくり!2016!!
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まずはアンティパスト、ハーブの香りが利いた魚のカルパッチョに、世界三大珍味の1つキャビアが添えられたひと皿。
薄く切られた魚の切り身に野菜の緑や赤、キャビアの黒に、カラフルなソースが皿の上を走る。
「綺麗な盛り付けだね」
「だな。量が少ない気がするが」
「量がこれくらいだから、綺麗に見えるんですー。いただきまーす!」
カトラリーを外側から順番に手に取り、嬉しそうにしながら慣れた手つきで食べるディーヴァ。
ダンテはその様子を見つめ、自分も料理に舌鼓をうった。
その右に置かれたのは、小さなショートグラス。
中には薄紅色と薄緑色が綺麗な二層を描くプリンのようなものが入っていた。
舌ざわり滑らかなそれは、味と匂いを確認すればチーズや生クリームをベースに、トマトとバジルを使ったムースだとわかる。
「美味しい……」
パンが出るまでにはまだあるが、皿の底の残りすら、ぜひパンにつけて食べたくなった。
そのあと小さなサラダが登場し、次に普通のブイヨンと違う物を使用しているのだろう、黄金色に輝く美味しいコンソメスープが温かなパンと一緒に運ばれてきた。
音を立てぬよう気をつけつつ、大きすぎない声音でダンテと会話する。
「ねね、このスープ、どうやって作ってるんだろうね。すっごく美味しい」
「なら良かったな。オレも美味いとは思う。けど、ディーヴァが作ったスープも負けてないぜ?」
「ふふふ、ありがとー。アレはね、ラブっていう隠し味が入ってるんだよ。……はい、どうぞ」
とんでもなく甘い爆弾を投下し、ディーヴァは置いてあったシャンパンボトル、その中身をダンテのシャンパングラスに注ぐ。
マナー違反にはなりそうなほど並々注いだそれを慌てて吸い上げるのに手一杯で、ダンテは何も言い返せなかった。
次に来たのがメインディッシュその1。
オマール海老やホタテなど彩りよく使った舌平目のポワレで、上にかかっているのは今や珍しいヴァンブランソース。
「む、このソース……!」
いきなり始まるディーヴァの『美味し●ぼ』ごっこ。
「白ワインを使うフランス料理の伝統的かつ基本のソース、ヴァンブランソース!」
「お、おう……」
「このソース使うちゃんとしたお店って少ないのに、よく見つけたね。ダンテすごい!」
「え?あ、ああ……いやぁ、それほどでもないさ」
予約するときはオススメのプラン、オススメのソースにしてもらっただけでよくわからない。
ただのホワイトソースじゃないのか……。
シャンパンの時はダンテの方が一枚上手だったが、料理についてはやはりディーヴァが一枚上手、よく知っているようだった。
魚料理のあとは口直し用のミントやレモンの香り爽やかなグラニテで、口の中をさっぱりと洗い流す。
そしてやっと、楽しみにしていたメインディッシュその2である。
内容は牛フィレ肉のステーキでトリュフソース……つまりペリグーソースをかけたものだ。
男子たるもの、肉を食わねば始まらない!とばかりにナイフとフォークを手に、早速口に運ぶ。
とたんにふわりと口に広がる、トリュフの香り。
「すげ……。美味い……トリュフってすげぇ良い匂いなんだな」
「うん、独特の香りあるけど、美味しいよね。森林に生えてるきのこって感じ。ダンテだったらこの香り、どう表現する?」
「なんかこう……ムラムラっとするような肉感的な、胃の底から力が湧いてくるーって匂いだな」
「何それ、初めて聞いた!でも、とっても美味しいよね。トリュフの香りもいいけど、お肉も柔らかくて切りやすいし」
そういうディーヴァのナイフは、ダンテの持つ方よりも、さっくり肉に入っていき、簡単に切れている。
ディーヴァのナイフの方が切れ味がいいとかではなさそうだ。
……ああ、ナイフを立てて切るといいのか。
先程から手慣れた様子で、料理を口にしているのを何度か見た。
「ディーヴァは食べ方が上手だな。やっぱり、家族とこういうとこ来たことあるんだろうな……」
「んー?まぁ……何度かあったけど……。でも、一緒に食べてくれる人が大好きな人だってことが大事なんだと思うよ?」
「ディーヴァ……」
「ダンテ、ありがとう」
ステーキの傍に添えられた小さなフォアグラのソテーに、かかったオレンジソースを丁寧につけて食べながら、ディーヴァは流れるように感謝を述べた。
料理でもなく、景色でもない、ディーヴァの言葉にいたく感銘を受けながら、ダンテは幸せを噛み締めた。
メインディッシュが終わればあとはデザートだ。
可愛らしくカットされたフルーツ、カラフルで綺麗なピスタチオやフランボワーズのジェラート、チーズとイチゴがメインに使われたタルトやケーキが皿の中に美しく盛り付けされて運ばれて来た。
どこかで聞いたフレーズだが、デザートの宝石箱やー!などと言いたくなる。
会話を交え、食後の紅茶と共にそれらを楽しみながら、ダンテはキラキラと泡が弾けるシャンパングラス越しに、同じくキラキラした笑顔のディーヴァを見ていた。
ディーヴァがお手洗いに立ったのを見計らって、会計をさっと済ましておいたダンテは、テーブルの上にいつもよりは多めにチップを置いた。
高級レストランとしても些か多すぎる金額だが、とても機嫌がいい今は、チップだって弾んでしまう。
「ごちそうさま、ダンテ。美味しかった!すごくいいクリスマス!!」
「ああ、オレにとってもすごくいいクリスマスだよ。ありがとな、ディーヴァ」
「何がありがとうなの?ダンテが色々してくれたんじゃない。
うわ、外は寒い……」
スキップでもしてしまいたい気分を落ち着かせ、暖かかったレストランを出たところから寒風吹きすさぶ外で急に寒さを感じたであろうディーヴァを、冬風に当たらぬようエスコートする。
ディーヴァの手をぎゅっと握り、その手をダンテの着るチェスターコートのポケットへと共に入れたら。
「どうだ。こうすりゃあったけぇだろ」
「うん。ダンテのおてて、あったかいねぇ……」
「この通り少し寒いけど、まだ行きたいところ、見せたいものがある。体調は大丈夫か?」
「ダンテがあっためてくれてるからヘーキ」
「よっしゃ、なら行くぞ」
流れる空気もほんわり暖かくなったところで、ダンテはディーヴァを連れ立って歩き出した。
薄く切られた魚の切り身に野菜の緑や赤、キャビアの黒に、カラフルなソースが皿の上を走る。
「綺麗な盛り付けだね」
「だな。量が少ない気がするが」
「量がこれくらいだから、綺麗に見えるんですー。いただきまーす!」
カトラリーを外側から順番に手に取り、嬉しそうにしながら慣れた手つきで食べるディーヴァ。
ダンテはその様子を見つめ、自分も料理に舌鼓をうった。
その右に置かれたのは、小さなショートグラス。
中には薄紅色と薄緑色が綺麗な二層を描くプリンのようなものが入っていた。
舌ざわり滑らかなそれは、味と匂いを確認すればチーズや生クリームをベースに、トマトとバジルを使ったムースだとわかる。
「美味しい……」
パンが出るまでにはまだあるが、皿の底の残りすら、ぜひパンにつけて食べたくなった。
そのあと小さなサラダが登場し、次に普通のブイヨンと違う物を使用しているのだろう、黄金色に輝く美味しいコンソメスープが温かなパンと一緒に運ばれてきた。
音を立てぬよう気をつけつつ、大きすぎない声音でダンテと会話する。
「ねね、このスープ、どうやって作ってるんだろうね。すっごく美味しい」
「なら良かったな。オレも美味いとは思う。けど、ディーヴァが作ったスープも負けてないぜ?」
「ふふふ、ありがとー。アレはね、ラブっていう隠し味が入ってるんだよ。……はい、どうぞ」
とんでもなく甘い爆弾を投下し、ディーヴァは置いてあったシャンパンボトル、その中身をダンテのシャンパングラスに注ぐ。
マナー違反にはなりそうなほど並々注いだそれを慌てて吸い上げるのに手一杯で、ダンテは何も言い返せなかった。
次に来たのがメインディッシュその1。
オマール海老やホタテなど彩りよく使った舌平目のポワレで、上にかかっているのは今や珍しいヴァンブランソース。
「む、このソース……!」
いきなり始まるディーヴァの『美味し●ぼ』ごっこ。
「白ワインを使うフランス料理の伝統的かつ基本のソース、ヴァンブランソース!」
「お、おう……」
「このソース使うちゃんとしたお店って少ないのに、よく見つけたね。ダンテすごい!」
「え?あ、ああ……いやぁ、それほどでもないさ」
予約するときはオススメのプラン、オススメのソースにしてもらっただけでよくわからない。
ただのホワイトソースじゃないのか……。
シャンパンの時はダンテの方が一枚上手だったが、料理についてはやはりディーヴァが一枚上手、よく知っているようだった。
魚料理のあとは口直し用のミントやレモンの香り爽やかなグラニテで、口の中をさっぱりと洗い流す。
そしてやっと、楽しみにしていたメインディッシュその2である。
内容は牛フィレ肉のステーキでトリュフソース……つまりペリグーソースをかけたものだ。
男子たるもの、肉を食わねば始まらない!とばかりにナイフとフォークを手に、早速口に運ぶ。
とたんにふわりと口に広がる、トリュフの香り。
「すげ……。美味い……トリュフってすげぇ良い匂いなんだな」
「うん、独特の香りあるけど、美味しいよね。森林に生えてるきのこって感じ。ダンテだったらこの香り、どう表現する?」
「なんかこう……ムラムラっとするような肉感的な、胃の底から力が湧いてくるーって匂いだな」
「何それ、初めて聞いた!でも、とっても美味しいよね。トリュフの香りもいいけど、お肉も柔らかくて切りやすいし」
そういうディーヴァのナイフは、ダンテの持つ方よりも、さっくり肉に入っていき、簡単に切れている。
ディーヴァのナイフの方が切れ味がいいとかではなさそうだ。
……ああ、ナイフを立てて切るといいのか。
先程から手慣れた様子で、料理を口にしているのを何度か見た。
「ディーヴァは食べ方が上手だな。やっぱり、家族とこういうとこ来たことあるんだろうな……」
「んー?まぁ……何度かあったけど……。でも、一緒に食べてくれる人が大好きな人だってことが大事なんだと思うよ?」
「ディーヴァ……」
「ダンテ、ありがとう」
ステーキの傍に添えられた小さなフォアグラのソテーに、かかったオレンジソースを丁寧につけて食べながら、ディーヴァは流れるように感謝を述べた。
料理でもなく、景色でもない、ディーヴァの言葉にいたく感銘を受けながら、ダンテは幸せを噛み締めた。
メインディッシュが終わればあとはデザートだ。
可愛らしくカットされたフルーツ、カラフルで綺麗なピスタチオやフランボワーズのジェラート、チーズとイチゴがメインに使われたタルトやケーキが皿の中に美しく盛り付けされて運ばれて来た。
どこかで聞いたフレーズだが、デザートの宝石箱やー!などと言いたくなる。
会話を交え、食後の紅茶と共にそれらを楽しみながら、ダンテはキラキラと泡が弾けるシャンパングラス越しに、同じくキラキラした笑顔のディーヴァを見ていた。
ディーヴァがお手洗いに立ったのを見計らって、会計をさっと済ましておいたダンテは、テーブルの上にいつもよりは多めにチップを置いた。
高級レストランとしても些か多すぎる金額だが、とても機嫌がいい今は、チップだって弾んでしまう。
「ごちそうさま、ダンテ。美味しかった!すごくいいクリスマス!!」
「ああ、オレにとってもすごくいいクリスマスだよ。ありがとな、ディーヴァ」
「何がありがとうなの?ダンテが色々してくれたんじゃない。
うわ、外は寒い……」
スキップでもしてしまいたい気分を落ち着かせ、暖かかったレストランを出たところから寒風吹きすさぶ外で急に寒さを感じたであろうディーヴァを、冬風に当たらぬようエスコートする。
ディーヴァの手をぎゅっと握り、その手をダンテの着るチェスターコートのポケットへと共に入れたら。
「どうだ。こうすりゃあったけぇだろ」
「うん。ダンテのおてて、あったかいねぇ……」
「この通り少し寒いけど、まだ行きたいところ、見せたいものがある。体調は大丈夫か?」
「ダンテがあっためてくれてるからヘーキ」
「よっしゃ、なら行くぞ」
流れる空気もほんわり暖かくなったところで、ダンテはディーヴァを連れ立って歩き出した。