めりくり!2016!!
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「なぁ、今年のクリスマスは予定入れてるか」
「予定?ダンテといる以外何もないよ。お仕事もお休みもぎ取ったし。ダンテが予定あけろって言ったんでしょ?」
24日と25日どっちも休むの大変だったんだから。
と頬をぷくりと膨らませて、没頭していた読書の時間を続けるディーヴァ。
「おお、覚えてたならいいんだ」
バイト先として働くレストランで看板娘となりつつあるディーヴァのことだ。
掻き入れ時でもあるクリスマスシーズン……特におひとりさま・ボッチクリスマスなんかを過ごす男性諸君にディーヴァという癒しがなくなるとあれば、大変な痛手であることだろう。
だが、ディーヴァはオレのもの。
普段なら一万歩くらい譲って許してやるが、クリスマスにまでディーヴァの可愛さを堪能させてやる義理はない。
フハハハハハ!!
ディーヴァがクリスマスシーズンまでの期間、ほとんど無休で働いたという苦労も知らず、ダンテは心の中で魔王よろしく世の男性諸君を笑い飛ばしてやる。
嫌な性格の悪魔である。
今ここにいるディーヴァをも誰にも渡さないとばかりに、ダンテはその腕に閉じ込め、抱きしめる。
頬ずりもまじえて嬉しそうにぎゅーぎゅーすれば、暖を取れて幸せなのか、読書の手を止めてダンテのされるがままになるディーヴァ。
「ディーヴァ、まだクリスマスの準備してないよな」
「うん、してないねぇ。何か作って欲しいお料理でもあるの?」
クリスマスに豪勢な料理を作るなら、早くから用意をしなくてはならない。
クリスマス・プディングなんかその筆頭で、あれはクリスマスの一ヶ月前から準備が始まる。
「いーや、ない。たまには外でクリスマスを過ごしたいんだ」
「お外で?」
「ああ。クリスマスはいつもうちで過ごしてるだろ。それはそれですごい幸せだ。ディーヴァのご馳走はどんな料理にも負けないくらい美味いしな。でも外でクリスマスデートっての、あんまりしたことないからさ」
これがもし別々に住んでいたら、外でクリスマスを過ごすことだってあったろう。
一緒に住んでいるからこそ、考えもしなかったデート。
そんな時間の過ごし方もありだ。
まぁ、ディーヴァへの日頃の感謝も込めて、たまにはラクをさせてやりたい。
根底にはそういう思いもあるが。
「いいね、たまにはそうしよっか。楽しそう!」
「おう、そうこなくっちゃ」
にっこり笑いあい、計画が決まったところで。
「そうと決まったなら、せっかくだしお外で待ち合わせとか……してみよっか?」
「外で待ち合わせか」
それは新鮮でいいかもしれない。
外でデートする時は、いつもなら家からフツーに出かけフツーにデートするスタイル。
よく見かけるカップルの光景『ごめん、待った?』『ううん、今来たところよ』なんていうやりとりはしたことがない。
……してみたい。
「ああ、家を出る時間ずらしてどこかで待ち合わせしようぜ。でも、どうせ待ち合わせするんだったら……」
「するんだったら?」
「その日の洋服は各自コーディネートする、でいいか」
いつもはお互いの洋服を選びあったりしているのだが、その日は会ってのお楽しみ!となった。
色々と経験したことのない楽しみが増え、今からドキドキわくわくとまらない。
***
本日はクリスマス・イヴ、天気は晴れ。
少し用事があるからと先に出たダンテを追うようにして1時間弱、ディーヴァはそこそこなお値段のブランドショップ立ち並ぶ大通り、その中心部に立つ大きな時計台の下にいた。
時計台の周りは赤い実を溢れんばかりに下げたピラカンサの生垣が囲む。
更には他にもたくさんいる待ち合わせしているであろう人々がおり、背の低いディーヴァの姿を覆い隠してしまっている。
目の良いダンテのことだからすぐに見つけてくれるだろうが、いつもは隣にいるダンテがいない……。
恋人と待ち合わせてデートなんて、したことがなかった。
待っている時間はドキドキと楽しいようでいて、その反面少し不安でもあった、というのが正直な気持ち。
少し早く来すぎてしまった。
ダンテとの待ち合わせ時刻はあと10分ほどか……と、付き始める時計台や街灯のほのかな明かりに揺らぐ自分の白い息を眺める。
ちょっとだけ、寒い。
ふわふわニットの袖を伸ばして少しでも暖をとろうとしていたら。
「あれ?早かったんだな。あと10分もあるじゃねぇか」
待ち人来たり。
「あ、ダンテ!」
尻尾をふりふりする飼い犬のような気分を味わうというのは、ディーヴァにとっては珍しいことだろう。
嬉しそうにダンテに駆け寄るディーヴァは満面の笑み。
「待たせたな、ディーヴァ」
「ううん、今来たところだよ!待ってない!」
「そんなこと言って、ほっぺたがこんなに冷たいぞ?可愛いカッコするのもいいけどちゃんと防寒しろよな」
「えへへ~」
ぴとり、ダンテがディーヴァの頬に手を当ててその温度を咎める。
季節はクリスマス、冬。
昼間でも寒いのだが、夕方からは特に冷え込む。
もうすぐ夕方6時というこの待ち合わせ時間で、ディーヴァの頬は真っ白に冷え切ってしまっていた。
そのほっそりとした指先も氷のように冷たい。
「笑い事じゃないだろ。手もこんなに冷たくなっちまって……。少しくらい遅刻してらも良かったんだぜ?ディーヴァのためならオレはいくらでも待てるからな」
「あたしが待たせたくなかったの」
待ち時間、淋しいし寒いし。
ダンテの方が寒さにも何にも強いのはわかっていても、愛するものにそういう気持ちを味わって欲しくないのは、ディーヴァとて同じなのだ。
「その結果がこの冷えた手、か。まぁ、オレがあっためてやるから大丈夫かな。ほら、こうやって」
ディーヴァの両手を握って持ち上げると、自分の体温を移すように擦り合わせ、息を吐きかけたりした。
じんわりあたたかくなってきたところで指を絡ませ合い、直に指先にも体温を移す。
こういう時、ダンテの大きくて熱い手のひらは便利だ。
「これで大丈夫だ」
「あったかい……。ありがと、ダンテ」
「どういたしまして。さて、それじゃあ行くか」
手を繋いだまま、ダンテは進行方向へ足を向けた。
「予定?ダンテといる以外何もないよ。お仕事もお休みもぎ取ったし。ダンテが予定あけろって言ったんでしょ?」
24日と25日どっちも休むの大変だったんだから。
と頬をぷくりと膨らませて、没頭していた読書の時間を続けるディーヴァ。
「おお、覚えてたならいいんだ」
バイト先として働くレストランで看板娘となりつつあるディーヴァのことだ。
掻き入れ時でもあるクリスマスシーズン……特におひとりさま・ボッチクリスマスなんかを過ごす男性諸君にディーヴァという癒しがなくなるとあれば、大変な痛手であることだろう。
だが、ディーヴァはオレのもの。
普段なら一万歩くらい譲って許してやるが、クリスマスにまでディーヴァの可愛さを堪能させてやる義理はない。
フハハハハハ!!
ディーヴァがクリスマスシーズンまでの期間、ほとんど無休で働いたという苦労も知らず、ダンテは心の中で魔王よろしく世の男性諸君を笑い飛ばしてやる。
嫌な性格の悪魔である。
今ここにいるディーヴァをも誰にも渡さないとばかりに、ダンテはその腕に閉じ込め、抱きしめる。
頬ずりもまじえて嬉しそうにぎゅーぎゅーすれば、暖を取れて幸せなのか、読書の手を止めてダンテのされるがままになるディーヴァ。
「ディーヴァ、まだクリスマスの準備してないよな」
「うん、してないねぇ。何か作って欲しいお料理でもあるの?」
クリスマスに豪勢な料理を作るなら、早くから用意をしなくてはならない。
クリスマス・プディングなんかその筆頭で、あれはクリスマスの一ヶ月前から準備が始まる。
「いーや、ない。たまには外でクリスマスを過ごしたいんだ」
「お外で?」
「ああ。クリスマスはいつもうちで過ごしてるだろ。それはそれですごい幸せだ。ディーヴァのご馳走はどんな料理にも負けないくらい美味いしな。でも外でクリスマスデートっての、あんまりしたことないからさ」
これがもし別々に住んでいたら、外でクリスマスを過ごすことだってあったろう。
一緒に住んでいるからこそ、考えもしなかったデート。
そんな時間の過ごし方もありだ。
まぁ、ディーヴァへの日頃の感謝も込めて、たまにはラクをさせてやりたい。
根底にはそういう思いもあるが。
「いいね、たまにはそうしよっか。楽しそう!」
「おう、そうこなくっちゃ」
にっこり笑いあい、計画が決まったところで。
「そうと決まったなら、せっかくだしお外で待ち合わせとか……してみよっか?」
「外で待ち合わせか」
それは新鮮でいいかもしれない。
外でデートする時は、いつもなら家からフツーに出かけフツーにデートするスタイル。
よく見かけるカップルの光景『ごめん、待った?』『ううん、今来たところよ』なんていうやりとりはしたことがない。
……してみたい。
「ああ、家を出る時間ずらしてどこかで待ち合わせしようぜ。でも、どうせ待ち合わせするんだったら……」
「するんだったら?」
「その日の洋服は各自コーディネートする、でいいか」
いつもはお互いの洋服を選びあったりしているのだが、その日は会ってのお楽しみ!となった。
色々と経験したことのない楽しみが増え、今からドキドキわくわくとまらない。
***
本日はクリスマス・イヴ、天気は晴れ。
少し用事があるからと先に出たダンテを追うようにして1時間弱、ディーヴァはそこそこなお値段のブランドショップ立ち並ぶ大通り、その中心部に立つ大きな時計台の下にいた。
時計台の周りは赤い実を溢れんばかりに下げたピラカンサの生垣が囲む。
更には他にもたくさんいる待ち合わせしているであろう人々がおり、背の低いディーヴァの姿を覆い隠してしまっている。
目の良いダンテのことだからすぐに見つけてくれるだろうが、いつもは隣にいるダンテがいない……。
恋人と待ち合わせてデートなんて、したことがなかった。
待っている時間はドキドキと楽しいようでいて、その反面少し不安でもあった、というのが正直な気持ち。
少し早く来すぎてしまった。
ダンテとの待ち合わせ時刻はあと10分ほどか……と、付き始める時計台や街灯のほのかな明かりに揺らぐ自分の白い息を眺める。
ちょっとだけ、寒い。
ふわふわニットの袖を伸ばして少しでも暖をとろうとしていたら。
「あれ?早かったんだな。あと10分もあるじゃねぇか」
待ち人来たり。
「あ、ダンテ!」
尻尾をふりふりする飼い犬のような気分を味わうというのは、ディーヴァにとっては珍しいことだろう。
嬉しそうにダンテに駆け寄るディーヴァは満面の笑み。
「待たせたな、ディーヴァ」
「ううん、今来たところだよ!待ってない!」
「そんなこと言って、ほっぺたがこんなに冷たいぞ?可愛いカッコするのもいいけどちゃんと防寒しろよな」
「えへへ~」
ぴとり、ダンテがディーヴァの頬に手を当ててその温度を咎める。
季節はクリスマス、冬。
昼間でも寒いのだが、夕方からは特に冷え込む。
もうすぐ夕方6時というこの待ち合わせ時間で、ディーヴァの頬は真っ白に冷え切ってしまっていた。
そのほっそりとした指先も氷のように冷たい。
「笑い事じゃないだろ。手もこんなに冷たくなっちまって……。少しくらい遅刻してらも良かったんだぜ?ディーヴァのためならオレはいくらでも待てるからな」
「あたしが待たせたくなかったの」
待ち時間、淋しいし寒いし。
ダンテの方が寒さにも何にも強いのはわかっていても、愛するものにそういう気持ちを味わって欲しくないのは、ディーヴァとて同じなのだ。
「その結果がこの冷えた手、か。まぁ、オレがあっためてやるから大丈夫かな。ほら、こうやって」
ディーヴァの両手を握って持ち上げると、自分の体温を移すように擦り合わせ、息を吐きかけたりした。
じんわりあたたかくなってきたところで指を絡ませ合い、直に指先にも体温を移す。
こういう時、ダンテの大きくて熱い手のひらは便利だ。
「これで大丈夫だ」
「あったかい……。ありがと、ダンテ」
「どういたしまして。さて、それじゃあ行くか」
手を繋いだまま、ダンテは進行方向へ足を向けた。