ホワイトデーSS
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なかなかに遠いそのケーキ屋へ徒歩で向かうこと数時間、三人は無事にホワイトチョコレートケーキを手に入れた。
だが、ダンテの手の中には、他のケーキの箱もあり、ほくほくと満足した表情をしていた。
「ダンテてめぇ、自分のイチゴのケーキも買ってどうすんだよ」
「仕方あるまい、それが愚弟だからな……」
イチゴと言ったらダンテ、ダンテと言ったらイチゴ。
美味しそうなイチゴの乗ったケーキを見つけたダンテが、買わずにいられるはずがなかった。
バージルはあきらめきっているようで、ディーヴァのために買ったワンホールの大きなケーキの箱を大事そうに抱えるばかり。
それさえ無事に持ち帰ることが出来るなら、他はどうでもいい。
ただ、有名店なだけあって行列が出来ており、手に入るまでにかなりの時間がかかってしまった。
「ふむ、早く帰らねばディーヴァが仕事から帰る時間になってしまうな」
「あいつ、今日は夕方に帰ってくるからなあ……」
かといって、そっと扱わねばケーキは崩れてしまう。
そうならないためにも、三人は気をつけつつ、急いで帰路の道を歩いた。
「む、ダンテ、ネロ……」
よく知った禍々しい気配が、突如として三人を取り囲む。
それと同時に、あたりの空気が黒く澱んだ魔の色に変わった。
バージルは低く構え、幻影剣をいつでも放てるよう準備した。
「ああ、オレたちのファンがあっちの世界からお出ましのようだぜ」
「ハンッ!奴らにモテても嬉しかないけどな」
ダンテも双子銃に手をかけ、ネロも右腕を覆うグローブを外して関節をポキポキ鳴らす。
し~ん……。
が、悪魔が一向に姿を現さない。
「フン。気配はあれど、姿は見えず、か……」
「奴ら、どっから来る?」
気配を更に集中して探るダンテとバージル。
その足下の土が、ボコリと盛り上がったのがネロの目に映った。
「下だっ!!」
ネロがそう叫ぶのと、現れた悪魔が大きな口のような物を開けるのは同時だった。
「こんなとこからこんにちは……ってか?ちょうどいい的だぜ」
「探す手間が省けた」
足下で大口を開ける悪魔の口内へダンテは銃弾を、バージルは幻影剣を大量にブチ込む。
「けし飛べ!」
「……くらえ」
銃弾と幻影剣は、悪魔の口の中へと消えるように吸い込まれていった。
だが……悪魔には効いていないのか、そのまま口を開けた形を保つばかり。
青いイソギンチャクのようなその悪魔は、ニヤリと目を歪ませ、ダンテとバージルの体を飲み込んだ。
「ちょ、何だこいつ……!!」
「くっ…!離せ!」
「はっ!!ダンテ、バージル、そいつは……!!」
「「うわぁぁぁぁっ!?」」
その悪魔の特性について思い出したネロが叫んだ時には遅く、飲み込まれたダンテとバージルの声がフェードアウトしていくところだった。
***
悪魔に飲み込まれ、暗く澱んだ世界へと落ちたダンテとバージル。
「ここはどこだよ」
「悪魔の腹の中……とは違うようだな」
スラム街でもなく、魔界でもない。
かといって、飲み込んだ悪魔の中でもなさそうで、まったく見覚えがない場所だ。
キョロキョロしていれば、悪魔に飲み込まれたダンテとバージルを追うように、ネロまでも落ちてきた。
「ふぅ……よかった、二人と同じ空間に落ちてこれた…。バージル、ケーキは無事か?」
「もちろんだ。だが、早く帰らないといけない時に変な場所に飛ばされたのは正直痛いな」
抱えていたケーキの箱を指してみせたバージルが、そう言ってため息を吐く。
ダンテも同じようにため息をついて、真っ暗な空らしき上を見上げた。
「ここはどこなんだ?」
「ここは異空間で、あの青い悪魔はフォルト。飲み込んだ相手を、異空間に飛ばしやがる面倒な悪魔だ」
故郷のフォルトゥナではよく見かける悪魔の類いということで、ネロが説明をしてくれた。
「フーン……って!オレとバージルは知らなかったからともかく、お前もみすみす捕まりやがったのかよプププ」
笑うダンテの脳天に右腕でチョップ。
硬い右腕の衝撃か、さしものダンテの石頭も、ぱっかり割れて血飛沫ぴゅー!痛そうに叫んで転がる。
……すぐ治るだろうから心配はいらなさそうだが。
「ったく……オレはお前らに説明するため、ワザと飲み込まれたんだよ」
「脱出するにはどうしたらいい」
ダンテの心配をまっっったくしないバージルが、ここから抜け出す方法を問う。
ネロが方法について口にしようとした瞬間、もう頭が治ったらしいダンテがそれを遮った。
「言わなくていいぜ。こいつらを全員倒せばいい、ネロ……そういうこったろ?」
三人の前には大量のスケアクロウとキメラシードが立ちふさがっていた。
だが、ダンテの手の中には、他のケーキの箱もあり、ほくほくと満足した表情をしていた。
「ダンテてめぇ、自分のイチゴのケーキも買ってどうすんだよ」
「仕方あるまい、それが愚弟だからな……」
イチゴと言ったらダンテ、ダンテと言ったらイチゴ。
美味しそうなイチゴの乗ったケーキを見つけたダンテが、買わずにいられるはずがなかった。
バージルはあきらめきっているようで、ディーヴァのために買ったワンホールの大きなケーキの箱を大事そうに抱えるばかり。
それさえ無事に持ち帰ることが出来るなら、他はどうでもいい。
ただ、有名店なだけあって行列が出来ており、手に入るまでにかなりの時間がかかってしまった。
「ふむ、早く帰らねばディーヴァが仕事から帰る時間になってしまうな」
「あいつ、今日は夕方に帰ってくるからなあ……」
かといって、そっと扱わねばケーキは崩れてしまう。
そうならないためにも、三人は気をつけつつ、急いで帰路の道を歩いた。
「む、ダンテ、ネロ……」
よく知った禍々しい気配が、突如として三人を取り囲む。
それと同時に、あたりの空気が黒く澱んだ魔の色に変わった。
バージルは低く構え、幻影剣をいつでも放てるよう準備した。
「ああ、オレたちのファンがあっちの世界からお出ましのようだぜ」
「ハンッ!奴らにモテても嬉しかないけどな」
ダンテも双子銃に手をかけ、ネロも右腕を覆うグローブを外して関節をポキポキ鳴らす。
し~ん……。
が、悪魔が一向に姿を現さない。
「フン。気配はあれど、姿は見えず、か……」
「奴ら、どっから来る?」
気配を更に集中して探るダンテとバージル。
その足下の土が、ボコリと盛り上がったのがネロの目に映った。
「下だっ!!」
ネロがそう叫ぶのと、現れた悪魔が大きな口のような物を開けるのは同時だった。
「こんなとこからこんにちは……ってか?ちょうどいい的だぜ」
「探す手間が省けた」
足下で大口を開ける悪魔の口内へダンテは銃弾を、バージルは幻影剣を大量にブチ込む。
「けし飛べ!」
「……くらえ」
銃弾と幻影剣は、悪魔の口の中へと消えるように吸い込まれていった。
だが……悪魔には効いていないのか、そのまま口を開けた形を保つばかり。
青いイソギンチャクのようなその悪魔は、ニヤリと目を歪ませ、ダンテとバージルの体を飲み込んだ。
「ちょ、何だこいつ……!!」
「くっ…!離せ!」
「はっ!!ダンテ、バージル、そいつは……!!」
「「うわぁぁぁぁっ!?」」
その悪魔の特性について思い出したネロが叫んだ時には遅く、飲み込まれたダンテとバージルの声がフェードアウトしていくところだった。
***
悪魔に飲み込まれ、暗く澱んだ世界へと落ちたダンテとバージル。
「ここはどこだよ」
「悪魔の腹の中……とは違うようだな」
スラム街でもなく、魔界でもない。
かといって、飲み込んだ悪魔の中でもなさそうで、まったく見覚えがない場所だ。
キョロキョロしていれば、悪魔に飲み込まれたダンテとバージルを追うように、ネロまでも落ちてきた。
「ふぅ……よかった、二人と同じ空間に落ちてこれた…。バージル、ケーキは無事か?」
「もちろんだ。だが、早く帰らないといけない時に変な場所に飛ばされたのは正直痛いな」
抱えていたケーキの箱を指してみせたバージルが、そう言ってため息を吐く。
ダンテも同じようにため息をついて、真っ暗な空らしき上を見上げた。
「ここはどこなんだ?」
「ここは異空間で、あの青い悪魔はフォルト。飲み込んだ相手を、異空間に飛ばしやがる面倒な悪魔だ」
故郷のフォルトゥナではよく見かける悪魔の類いということで、ネロが説明をしてくれた。
「フーン……って!オレとバージルは知らなかったからともかく、お前もみすみす捕まりやがったのかよプププ」
笑うダンテの脳天に右腕でチョップ。
硬い右腕の衝撃か、さしものダンテの石頭も、ぱっかり割れて血飛沫ぴゅー!痛そうに叫んで転がる。
……すぐ治るだろうから心配はいらなさそうだが。
「ったく……オレはお前らに説明するため、ワザと飲み込まれたんだよ」
「脱出するにはどうしたらいい」
ダンテの心配をまっっったくしないバージルが、ここから抜け出す方法を問う。
ネロが方法について口にしようとした瞬間、もう頭が治ったらしいダンテがそれを遮った。
「言わなくていいぜ。こいつらを全員倒せばいい、ネロ……そういうこったろ?」
三人の前には大量のスケアクロウとキメラシードが立ちふさがっていた。