色々な短編的なお話
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『2017年7月7日DMCで七夕』
「今夜晴れるかな」
その日ディーヴァは朝から、しきりに天気を気にしてばかりいた。
もくもくと雲が多く、曇ったままの空を不安そうに見上げては「ダンテの魔力で晴れに変えてよー」などと、ダンテの胸板に向け小さな拳をぽかぽかと振り下ろす。
痛くもかゆくもないけど、無茶は言うな。
悪魔とて天候を操るなど、出来るわけがないではないか。
あ、魔帝なら多少出来るかもしれない。
そんなソワソワしていたディーヴァも、昼間はウェイトレスのお仕事。
夕方に帰ってきた時には、その腕に緑の枝を抱えて帰ってきた。
いつもなら少し疲れた表情だというに、今日は全然疲れたそぶりも見せず、キラキラした笑顔だ。
「たっだいまー!」
「おかえ……なんだよその草と枝」
持ち帰るのは大変だっただろう、小さな腕には少し余るくらいの大きさのそれを、駆け寄って受け取った。
しゃらしゃらと鳴るようなそれは、真緑の葉をつけ、しっかりとしていてでも細いところもあって、よくしなる茎はまるで『バンブー』。
植物の違いなんてよくわからないし、とりあえずは呼び方はバンブー(仮)で統一しよう。
「これ?笹の葉だよ。仕事先にたまに来る日本人のおばあさんにちょっと譲ってもらったんだー。天気も晴れだしよかったよねー!」
笹の葉とは日本の植物のようだ。
ディーヴァの話ぶりからすると、晴れて欲しいと言っていた件とも関係があるようだが、一体その笹の葉と天気に何の関係が……?
「あ、笹の葉はパンダさんの主食でもあるやつだよ」
「あー、白と黒のグリズリーみたいなアレか」
「そそ!あのかわいくてキュートな二色のくまさんねー」
かわいいもキュートも同じ意味だぞディーヴァ。
悪魔のオブジェが壁にかかっていない、空いたスペースへそっと笹の葉を立てかけ、ディーヴァに顔を向ける。
にしてもオブジェと植物、隣り合わせて置くにあたりこんなに似合わないものなのか。
これが花だったらもっと合わないだろう。
「んで、この笹の葉とやらは観葉植物にでもするのか?それともお前がそのパンダにでもなって食べるのか?」
「食べるわけないでしょ。んふふー!ちょっとね!」
ダンテの揶揄いにも朗らかな笑顔で返し、何やら楽しいことでも隠すようなことを言って、ディーヴァは夕食の支度へと向かった。
何か紙のようなものを切ったり折ったりの細やかな作業もしていたが。
なんだあのカラフルな紙と珍妙な形に折られた美術品は。
その答えはきっと、夕食後にわかるだろう。
夕食もとり終えゆったりと入浴を終えたダンテの元に、ディーヴァがひょっこり顔を出した。
「ね、ダンテ。このあとちょっと時間いーい?」
「んー?もちろん、ディーヴァのためなら時間なんてモンいくらでもあるぜー?」
風呂上がりでほかほかと湯気があがる体でディーヴァを抱き寄せれば、ちょっと暑苦しいなーなぁんてこぼしながらもディーヴァは嬉しそうに抱擁を受け入れた。
着替えてからそのままディーヴァに手を引かれて脱衣所をあとにすれば、ディーヴァは笹の葉の置いてあるところへとダンテを連れてきた。
「おお、なんかいっぱいついてるじゃねーか。クリスマスはまだ先だぞ」
「飾り付けしたの~!」
笹の葉にはクリスマスの飾り付けにも似たものが、ちょこにょこ糸で括り付けられ垂れ下がっていた。
銀色や金色のものはキラキラと光を反射している。
よく見ればディーヴァが先ほどやっていた細やかな作業はこれのようだ。
見覚えある作品がそこにあった。
「はい、ペンと短冊」
ぼーっと眺めていれば。
いつの間にやら手を離していたディーヴァから渡されたペン。
そして、机に置いてある色とりどり数枚ある細長い紙…短冊とやら。
「……これをどうしろと?」
「この短冊に、願い事を書いてほしいの」
「願い事だぁ?」
「これはソウイウにっぽんの行事なのよ」
「へー」
この日本かぶれめ。
そういえばバージルも日本文化が好きだった気がする。
誰に似たのやら。
ディーヴァの場合は、まぁ……母方の祖母が日本人だし仕方ないかもしれないが。
とりあえず書いちまうか。
と、たくさんある中から一枚を吟味する。
「どれにすっかな」
「ん、どれでもいーよ。本当は短冊の色にも意味があるんだけど、好きなの選んで?」
選ぶ間に頭の中で思い描く願い事たちだが、願い事なんてものは改めて考えると、簡単に見つかりそうでその実、そう見つからないし浮かんでこない。
無難なところだと健康運や金運、恋愛運だろうが、そのあたりはあまり困っていない。
ディーヴァとのイイコトも最近は絶好調だ。
「やっぱりオレは、」
赤い色を選ぼうと手を伸ばせば、ディーヴァが赤い色を取っているのが見えた。
「ダンテの赤~♡」などと嬉しそうな微笑み付きで。
「……やっぱり黄緑色にしとくかな」
そんな幸せそうにダンテのイメージカラーを見つめているなら、ダンテとてディーヴァのイメージで思い浮かんだ色にとても近しい物を取るという選択肢以外は思い浮かばない。
薄いエメラルドグリーンなんてものはないようなので一番近い色をぺらーりと取ったダンテは、思い描いた今一番叶えたい願い事をさらさらと記入した。
ダンテが書いたことは。
きっとだが、ディーヴァも叶えたいと思ってくれているであろう、簡単に叶えられるような気がする願い事。
「どれどれ、ディーヴァも書いたのか?」
ディーヴァが一生懸命書いている上から、にゅっと覗き首して見ようとすれば
「見ちゃダメ。叶わなくなっちゃう!」
と、わたわたと必死になって、小さな手で短冊を隠した。
けど、もう少し上手く隠さないとな、今togetherという単語が見えたぞ。
一緒に、という単語……なんとなく何書いたのかわかるような気がするが、下手に詮索なんてしたら怒られそうだ。
「ダンテもあたしに見えないようにしてね?」
「ああ、わかったよ。ちゃんと叶えないとだもんな」
「うんっ!ありがとう!」
折り鶴や吹き流しの形、星の折り紙作品だと言うそれらを避け、ダンテとディーヴァは糸で短冊をくくりつける。
二人しかいないため、少しさみしい気もするが、願いを託された短冊はしっかりと存在を主張するようにゆらゆらと揺れていた。
笹の葉に揺れる色とりどりの飾りと短冊を満足そうに眺めるディーヴァに、これで終わりかと思ったが、今度は飾り付けされた笹の葉を折らないようにそっと移動するよう頼まれた。
実は、時間いい?の用事ゴトは願い事を書くのもそうだが、メインはこっちの運びかただったらしい。
解せぬ。
「今夜晴れるかな」
その日ディーヴァは朝から、しきりに天気を気にしてばかりいた。
もくもくと雲が多く、曇ったままの空を不安そうに見上げては「ダンテの魔力で晴れに変えてよー」などと、ダンテの胸板に向け小さな拳をぽかぽかと振り下ろす。
痛くもかゆくもないけど、無茶は言うな。
悪魔とて天候を操るなど、出来るわけがないではないか。
あ、魔帝なら多少出来るかもしれない。
そんなソワソワしていたディーヴァも、昼間はウェイトレスのお仕事。
夕方に帰ってきた時には、その腕に緑の枝を抱えて帰ってきた。
いつもなら少し疲れた表情だというに、今日は全然疲れたそぶりも見せず、キラキラした笑顔だ。
「たっだいまー!」
「おかえ……なんだよその草と枝」
持ち帰るのは大変だっただろう、小さな腕には少し余るくらいの大きさのそれを、駆け寄って受け取った。
しゃらしゃらと鳴るようなそれは、真緑の葉をつけ、しっかりとしていてでも細いところもあって、よくしなる茎はまるで『バンブー』。
植物の違いなんてよくわからないし、とりあえずは呼び方はバンブー(仮)で統一しよう。
「これ?笹の葉だよ。仕事先にたまに来る日本人のおばあさんにちょっと譲ってもらったんだー。天気も晴れだしよかったよねー!」
笹の葉とは日本の植物のようだ。
ディーヴァの話ぶりからすると、晴れて欲しいと言っていた件とも関係があるようだが、一体その笹の葉と天気に何の関係が……?
「あ、笹の葉はパンダさんの主食でもあるやつだよ」
「あー、白と黒のグリズリーみたいなアレか」
「そそ!あのかわいくてキュートな二色のくまさんねー」
かわいいもキュートも同じ意味だぞディーヴァ。
悪魔のオブジェが壁にかかっていない、空いたスペースへそっと笹の葉を立てかけ、ディーヴァに顔を向ける。
にしてもオブジェと植物、隣り合わせて置くにあたりこんなに似合わないものなのか。
これが花だったらもっと合わないだろう。
「んで、この笹の葉とやらは観葉植物にでもするのか?それともお前がそのパンダにでもなって食べるのか?」
「食べるわけないでしょ。んふふー!ちょっとね!」
ダンテの揶揄いにも朗らかな笑顔で返し、何やら楽しいことでも隠すようなことを言って、ディーヴァは夕食の支度へと向かった。
何か紙のようなものを切ったり折ったりの細やかな作業もしていたが。
なんだあのカラフルな紙と珍妙な形に折られた美術品は。
その答えはきっと、夕食後にわかるだろう。
夕食もとり終えゆったりと入浴を終えたダンテの元に、ディーヴァがひょっこり顔を出した。
「ね、ダンテ。このあとちょっと時間いーい?」
「んー?もちろん、ディーヴァのためなら時間なんてモンいくらでもあるぜー?」
風呂上がりでほかほかと湯気があがる体でディーヴァを抱き寄せれば、ちょっと暑苦しいなーなぁんてこぼしながらもディーヴァは嬉しそうに抱擁を受け入れた。
着替えてからそのままディーヴァに手を引かれて脱衣所をあとにすれば、ディーヴァは笹の葉の置いてあるところへとダンテを連れてきた。
「おお、なんかいっぱいついてるじゃねーか。クリスマスはまだ先だぞ」
「飾り付けしたの~!」
笹の葉にはクリスマスの飾り付けにも似たものが、ちょこにょこ糸で括り付けられ垂れ下がっていた。
銀色や金色のものはキラキラと光を反射している。
よく見ればディーヴァが先ほどやっていた細やかな作業はこれのようだ。
見覚えある作品がそこにあった。
「はい、ペンと短冊」
ぼーっと眺めていれば。
いつの間にやら手を離していたディーヴァから渡されたペン。
そして、机に置いてある色とりどり数枚ある細長い紙…短冊とやら。
「……これをどうしろと?」
「この短冊に、願い事を書いてほしいの」
「願い事だぁ?」
「これはソウイウにっぽんの行事なのよ」
「へー」
この日本かぶれめ。
そういえばバージルも日本文化が好きだった気がする。
誰に似たのやら。
ディーヴァの場合は、まぁ……母方の祖母が日本人だし仕方ないかもしれないが。
とりあえず書いちまうか。
と、たくさんある中から一枚を吟味する。
「どれにすっかな」
「ん、どれでもいーよ。本当は短冊の色にも意味があるんだけど、好きなの選んで?」
選ぶ間に頭の中で思い描く願い事たちだが、願い事なんてものは改めて考えると、簡単に見つかりそうでその実、そう見つからないし浮かんでこない。
無難なところだと健康運や金運、恋愛運だろうが、そのあたりはあまり困っていない。
ディーヴァとのイイコトも最近は絶好調だ。
「やっぱりオレは、」
赤い色を選ぼうと手を伸ばせば、ディーヴァが赤い色を取っているのが見えた。
「ダンテの赤~♡」などと嬉しそうな微笑み付きで。
「……やっぱり黄緑色にしとくかな」
そんな幸せそうにダンテのイメージカラーを見つめているなら、ダンテとてディーヴァのイメージで思い浮かんだ色にとても近しい物を取るという選択肢以外は思い浮かばない。
薄いエメラルドグリーンなんてものはないようなので一番近い色をぺらーりと取ったダンテは、思い描いた今一番叶えたい願い事をさらさらと記入した。
ダンテが書いたことは。
きっとだが、ディーヴァも叶えたいと思ってくれているであろう、簡単に叶えられるような気がする願い事。
「どれどれ、ディーヴァも書いたのか?」
ディーヴァが一生懸命書いている上から、にゅっと覗き首して見ようとすれば
「見ちゃダメ。叶わなくなっちゃう!」
と、わたわたと必死になって、小さな手で短冊を隠した。
けど、もう少し上手く隠さないとな、今togetherという単語が見えたぞ。
一緒に、という単語……なんとなく何書いたのかわかるような気がするが、下手に詮索なんてしたら怒られそうだ。
「ダンテもあたしに見えないようにしてね?」
「ああ、わかったよ。ちゃんと叶えないとだもんな」
「うんっ!ありがとう!」
折り鶴や吹き流しの形、星の折り紙作品だと言うそれらを避け、ダンテとディーヴァは糸で短冊をくくりつける。
二人しかいないため、少しさみしい気もするが、願いを託された短冊はしっかりと存在を主張するようにゆらゆらと揺れていた。
笹の葉に揺れる色とりどりの飾りと短冊を満足そうに眺めるディーヴァに、これで終わりかと思ったが、今度は飾り付けされた笹の葉を折らないようにそっと移動するよう頼まれた。
実は、時間いい?の用事ゴトは願い事を書くのもそうだが、メインはこっちの運びかただったらしい。
解せぬ。
