バレンタインSS
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ダンテは痛そうに涙目で頭の上のタンコブを気にしつつ、コトコトと生クリームを温め始める。
「ちぇっ。下ネタ言いたくなるのは男のサガだろーが……」
ブツクサ文句を言いながら、温めている隙にしぼり袋だの、バットだの、調理器具を準備しておく。
……と、ついでにディーヴァが冷蔵庫に洗って置いといてくれたイチゴをつまみ食い。
ひょいぱくひょいぱく、止まらない。
「あー、美味い。……って、なんか焦げ臭いぞ!?生クリーム焦げてるじゃねーかっ」
少量なんだからすぐ焦げるのは当たり前だが、ダンテがそんなことにも気がつかずのんびりしていたからこうなったのだ。
あーあ、焦げ付いた鍋は洗うの大変なのに。
だがダンテは生クリームや鍋の心配ではなく、なぜか家の心配をしていた。
「しまった、家が火事になる!
ケルベロスゥゥゥ!オレとディーヴァの愛の巣を守れ!!」
そう言ってケルベロス装備。
鍋ごとカチカチに凍らせる……のはいいけど、洗うのも氷を溶かすのもこれでは一苦労。
どうしてこうなった。
焦げただけなのに、このあとどうするんだか。
小一時間後。
どうにかこうにかしてやっとこさ生クリームを沸騰直前まで温め終えたダンテ。
長かった……今度は焦がしてないようだ。
「オレ、失敗しないので。キリッ!」
はいはい、どこぞのお医者様ですねわかります。
……さっき失敗したくせに何言ってるんだか。
とりあえずその台詞はちゃんとチョコレートが出来てからにしようか。
「おう。……で、刻んだチョコレートにブチ込む、と」
泡立て器で滑らかなクリーム状になるまで混ぜていく。
一生懸命、けれど跳ね飛ばないよう、速すぎずゆっくり丁寧に。
「美味しくなーれ、美味しくなーれ。い、言っとくけど、ディーヴァが料理しながらよく言ってる言葉だからな!?」
顔赤いぞダンテ。
ディーヴァを想いながら作るその姿は、エプロンや三角巾も相成ってか、なんだかかわいく見えた。
「っしゃ!ガナッシュとやらが出来たぜ。…………媚薬入れたいな」
ラム酒を入れる場面なのだが、ラム酒の小瓶を見ていたダンテがそうつぶやく。
そんなものが今ここになくてよかった。
あったら確実にこの男はやらかしていたに違いない。
「管理人、それくらい気を利かせて用意しとけよな!」
だが断る。
「ちぇっ」
少しだけ冷えるのを待つ間にダンテは用意されていた昼食を終え、いい頃合いの硬さになったそれをしぼり袋に入れる。
そしてオーブンシートの上へ棒状ににゅるりと絞り出していった。
「ヨシ!今度こそケルベロスの出番だぜ!!」
ここで冷蔵庫に入れて30分程度冷やすのだが、ダンテは時短テクだぜ!などとのたまいながら、またもケルベロス召喚。
冷やすために改めて使う気満々だった。
「うらァ!……あ、また凍らせちまった」
おいおいおい、時短テクで冷やすのはいいけど、凍らせたら風味が劣るので気をつけようね。
気をつけない悪い子は、凍ったバナナで殴っちゃおうかな?
「食べ物で遊ぶなとディーヴァに言われてるから遠慮するぜ」
……ダンテにだけは言われたくない。
そしてよく冷えたチョコレートを切り、くるくると手の中でまぁるく形作る。
徐々にトリュフらしくなってきたぞ。
「うお!?丸めてるだけなのに溶けてく!」
形作っていく途中、体温で温められて溶けたらしい。
ダンテは体温が高い。
パン職人にはいいが、魚屋のバイトはちょっと厳しいほどにだ。
こう見ると手が温かすぎるのも考えものか。
「これ大丈夫なのか?なあ管理人ーー!」
まぁダイジョーブ。
どうせこのあとテンパリングしたチョコレートでコーティングするんだから。
「テンパリング?なんだそれ。地獄の塔か??」
それはテメンニグル。
奥様もウットリのぶっとい塔ね。
テンパリングはチョコレートがつやつやで口当たりが柔らか、なめらかな口溶けになるやつだ。
さあ理解したらサッサとチョコレート刻め!
「はー……またチョコレート刻む作業かよ……」
ブーブー文句を垂れながらもダンテはおとなしくチョコレートを刻み、そしてある意味一番の難関であるテンパリング作業へ。
地獄の速さで終えると、同時進行で沸かしていたお湯を手にレシピ本の確認。
「え?なに、このお湯入れんの??……あ、違うのか。チョコレートの入ったボウルに湯をつけて中身を溶かす……。ほー、これが湯煎ってやつねぇ」
お湯は間違っても入れないようにしなきゃいけない、と。
おお、ボウルの中身をくるくると溶かしながら、読み読みする様は、なかなかサマになってるじゃないか。
しかし、その内容が細やかな温度管理について差し掛かったところで、ダンテの顔が苦虫を噛み潰したような表情に変わっていく。
「50度弱にあっためて、25度くらいに冷やし、また30度ちょいに温めてからコーティング…………めんどくさっ!!」
あ、本音出た。
こら、ディーヴァは大変でもちゃんと手順通りやってるよ?
他でもない、愛するダンテが喜ぶ顔が見たくて、美味しいお菓子を毎回作ってるデショ?
「う゛。……そうだよな、ディーヴァはいつもこんな大変な作業をサクサクっとこなしてるんだよな……」
ディーヴァってすげぇな。
ぼそりとそう呟いて、ボウルの中に突っ込んだ温度計を確認する。
温度計が見当たらなかったら手で確認しようとしてた、当初のズボラダンテは影も形もない。
……きっとディーヴァも、あんなに怖い悪魔をらくらく倒すダンテってすごいなって、そう思ってるよ。
「管理人……」
多分、おそらく、きっとね。
「推測の言葉おおいな!」
というわけで。
ようやくコーティングまで終え、仕上げのココアパウダーを綺麗にまぶしつけたわけだが……。
ど う し て こ う な っ た ?
目の前にあるチョコレート……否、目の前に『いらっしゃる』ブツは、唸り声上げてるし、生きてうねうねしている。
「お、おい……こいつゲヘヘヘとか笑ってるんだが!?」
なんでか、なにに似ているのかなんて、とても口では言えないようなシロモノが出来上がってしまった。
強いて言えばテメンニグルもびっくりな、ぶっといブツ、としか。
まあ、メガテンで登場したあの有名な悪魔様である。
「マーラ様かよ!!」
あ、ダンテったら名前言っちゃった。
しかし、本当どうやったらこんなゲテモノができるのだろうか。
何入れたダンテ。
「え?管理人が媚薬くれないからその辺で媚薬らしき小瓶買ってきて入れただけだが?」
やっぱりかぁぁ!!
「ついでに愛を込めすぎて魔力まで込めちったい★」
そんなものまで!?
お前の魔力なんなの!?魔力も煩悩の塊なの!!?
激しく突っ込みたいところだが、とりあえずマーラ様は自分の世界におかえりください。
「オレはディーヴァに突っ込みたい」
そういうのは今はもういいから!!
どうにかこうにかマーラ様にはご退場していただいたところで(倒すの大変だったが)コーヒーブレイクで一息ついたダンテ。
「ちぇっ。下ネタ言いたくなるのは男のサガだろーが……」
ブツクサ文句を言いながら、温めている隙にしぼり袋だの、バットだの、調理器具を準備しておく。
……と、ついでにディーヴァが冷蔵庫に洗って置いといてくれたイチゴをつまみ食い。
ひょいぱくひょいぱく、止まらない。
「あー、美味い。……って、なんか焦げ臭いぞ!?生クリーム焦げてるじゃねーかっ」
少量なんだからすぐ焦げるのは当たり前だが、ダンテがそんなことにも気がつかずのんびりしていたからこうなったのだ。
あーあ、焦げ付いた鍋は洗うの大変なのに。
だがダンテは生クリームや鍋の心配ではなく、なぜか家の心配をしていた。
「しまった、家が火事になる!
ケルベロスゥゥゥ!オレとディーヴァの愛の巣を守れ!!」
そう言ってケルベロス装備。
鍋ごとカチカチに凍らせる……のはいいけど、洗うのも氷を溶かすのもこれでは一苦労。
どうしてこうなった。
焦げただけなのに、このあとどうするんだか。
小一時間後。
どうにかこうにかしてやっとこさ生クリームを沸騰直前まで温め終えたダンテ。
長かった……今度は焦がしてないようだ。
「オレ、失敗しないので。キリッ!」
はいはい、どこぞのお医者様ですねわかります。
……さっき失敗したくせに何言ってるんだか。
とりあえずその台詞はちゃんとチョコレートが出来てからにしようか。
「おう。……で、刻んだチョコレートにブチ込む、と」
泡立て器で滑らかなクリーム状になるまで混ぜていく。
一生懸命、けれど跳ね飛ばないよう、速すぎずゆっくり丁寧に。
「美味しくなーれ、美味しくなーれ。い、言っとくけど、ディーヴァが料理しながらよく言ってる言葉だからな!?」
顔赤いぞダンテ。
ディーヴァを想いながら作るその姿は、エプロンや三角巾も相成ってか、なんだかかわいく見えた。
「っしゃ!ガナッシュとやらが出来たぜ。…………媚薬入れたいな」
ラム酒を入れる場面なのだが、ラム酒の小瓶を見ていたダンテがそうつぶやく。
そんなものが今ここになくてよかった。
あったら確実にこの男はやらかしていたに違いない。
「管理人、それくらい気を利かせて用意しとけよな!」
だが断る。
「ちぇっ」
少しだけ冷えるのを待つ間にダンテは用意されていた昼食を終え、いい頃合いの硬さになったそれをしぼり袋に入れる。
そしてオーブンシートの上へ棒状ににゅるりと絞り出していった。
「ヨシ!今度こそケルベロスの出番だぜ!!」
ここで冷蔵庫に入れて30分程度冷やすのだが、ダンテは時短テクだぜ!などとのたまいながら、またもケルベロス召喚。
冷やすために改めて使う気満々だった。
「うらァ!……あ、また凍らせちまった」
おいおいおい、時短テクで冷やすのはいいけど、凍らせたら風味が劣るので気をつけようね。
気をつけない悪い子は、凍ったバナナで殴っちゃおうかな?
「食べ物で遊ぶなとディーヴァに言われてるから遠慮するぜ」
……ダンテにだけは言われたくない。
そしてよく冷えたチョコレートを切り、くるくると手の中でまぁるく形作る。
徐々にトリュフらしくなってきたぞ。
「うお!?丸めてるだけなのに溶けてく!」
形作っていく途中、体温で温められて溶けたらしい。
ダンテは体温が高い。
パン職人にはいいが、魚屋のバイトはちょっと厳しいほどにだ。
こう見ると手が温かすぎるのも考えものか。
「これ大丈夫なのか?なあ管理人ーー!」
まぁダイジョーブ。
どうせこのあとテンパリングしたチョコレートでコーティングするんだから。
「テンパリング?なんだそれ。地獄の塔か??」
それはテメンニグル。
奥様もウットリのぶっとい塔ね。
テンパリングはチョコレートがつやつやで口当たりが柔らか、なめらかな口溶けになるやつだ。
さあ理解したらサッサとチョコレート刻め!
「はー……またチョコレート刻む作業かよ……」
ブーブー文句を垂れながらもダンテはおとなしくチョコレートを刻み、そしてある意味一番の難関であるテンパリング作業へ。
地獄の速さで終えると、同時進行で沸かしていたお湯を手にレシピ本の確認。
「え?なに、このお湯入れんの??……あ、違うのか。チョコレートの入ったボウルに湯をつけて中身を溶かす……。ほー、これが湯煎ってやつねぇ」
お湯は間違っても入れないようにしなきゃいけない、と。
おお、ボウルの中身をくるくると溶かしながら、読み読みする様は、なかなかサマになってるじゃないか。
しかし、その内容が細やかな温度管理について差し掛かったところで、ダンテの顔が苦虫を噛み潰したような表情に変わっていく。
「50度弱にあっためて、25度くらいに冷やし、また30度ちょいに温めてからコーティング…………めんどくさっ!!」
あ、本音出た。
こら、ディーヴァは大変でもちゃんと手順通りやってるよ?
他でもない、愛するダンテが喜ぶ顔が見たくて、美味しいお菓子を毎回作ってるデショ?
「う゛。……そうだよな、ディーヴァはいつもこんな大変な作業をサクサクっとこなしてるんだよな……」
ディーヴァってすげぇな。
ぼそりとそう呟いて、ボウルの中に突っ込んだ温度計を確認する。
温度計が見当たらなかったら手で確認しようとしてた、当初のズボラダンテは影も形もない。
……きっとディーヴァも、あんなに怖い悪魔をらくらく倒すダンテってすごいなって、そう思ってるよ。
「管理人……」
多分、おそらく、きっとね。
「推測の言葉おおいな!」
というわけで。
ようやくコーティングまで終え、仕上げのココアパウダーを綺麗にまぶしつけたわけだが……。
ど う し て こ う な っ た ?
目の前にあるチョコレート……否、目の前に『いらっしゃる』ブツは、唸り声上げてるし、生きてうねうねしている。
「お、おい……こいつゲヘヘヘとか笑ってるんだが!?」
なんでか、なにに似ているのかなんて、とても口では言えないようなシロモノが出来上がってしまった。
強いて言えばテメンニグルもびっくりな、ぶっといブツ、としか。
まあ、メガテンで登場したあの有名な悪魔様である。
「マーラ様かよ!!」
あ、ダンテったら名前言っちゃった。
しかし、本当どうやったらこんなゲテモノができるのだろうか。
何入れたダンテ。
「え?管理人が媚薬くれないからその辺で媚薬らしき小瓶買ってきて入れただけだが?」
やっぱりかぁぁ!!
「ついでに愛を込めすぎて魔力まで込めちったい★」
そんなものまで!?
お前の魔力なんなの!?魔力も煩悩の塊なの!!?
激しく突っ込みたいところだが、とりあえずマーラ様は自分の世界におかえりください。
「オレはディーヴァに突っ込みたい」
そういうのは今はもういいから!!
どうにかこうにかマーラ様にはご退場していただいたところで(倒すの大変だったが)コーヒーブレイクで一息ついたダンテ。