DMC×黒執事
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「あーあ。使用人の皆さんに挨拶できなかったのが残念だなぁ……」
「あの方達には私の方から伝えておきますよ」
「ひぇっ!」
にゅっ。
ディーヴァの肩口からセバスチャンの顔が覗いた。
反対側には揃ってダンテの顔。
握手対決は終わった模様。
「そ、そうですか……。よろしくお願いします……」
びっくりするからそういう登場の仕方はやめてほしい。
ダンテまで一緒になって、まったくもう!
「あ。あと荷物、どうしよう」
「あー……財布もパスポートも入ってるからな」
パスポートがなくては帰れても帰れない。
自分の国に帰れないのはある意味、異世界から帰れないのより困る。
「こんなこともあろうかと、すでにお荷物はまとめておきました」
そう言うセバスチャンが見せてきたのはディーヴァの荷物。
「えっ!?どうやって!!?」
「はー……どうせ悪魔の力でなんとかしたのだろう?」
「ええまあ」
「すげー……さっすがハイパー執事くん」
およよ、スーパーからグレードアップしているゾ。
「あ、ありがとうございます、助かりました……」
へこへこと和式に頭を下げ、ディーヴァは荷物を受け取る。
しかし、帰ろうにもよく考えると格好がおかしい。
「でもこのドレスはどうするんですか?」
「ドレスの一着二着気にするな。着ていけ」
「着ていくの!?」
「いるかどうかわかりませんが、記念にファントムハイヴ家のメイド服と執事服も入れておきました」
「そして太っ腹すぎ!?」
ってそこじゃない。
今の姿がおかしいことを伝えたい、ドレスのまま帰るわけには行くまいて。
その気持ちはセバスチャンに通じたようだ。
「わかってますよ。こちらにお越しの際、着ていた服もこちらにご用意いたしております。レディーであるディーヴァさんの為、簡易更衣室もございます」
ふと、セバスチャンの指が示す方へ目を向ければ……アラ、いつの間に。
カーテンのような布に包まれた小さな個室が。
よく見る試着室のそれ。
「うわ、一家に一セバスチャン……」
「オレがいるからいらないだろ?」
「ダンテは家事しないしハイパー執事くんじゃないもん」
「解せぬ」
ダンテにはダンテのいいところがある。
執事になる必要はない。
ディーヴァが更衣室へ入り、まさかシエルとセバスチャンのいる前で覗きに突入するわけにも行かず、ダンテも着替えを手にした。
「はあ、オレも着替えるか……」
「坊っちゃんも着替えましょう。坊っちゃんはここで着替えても大丈夫ですか?」
「ああ。他にダンテしかいないしな」
ダンテ、そしてコルセットが苦しいシエルも同時進行で着替え、ディーヴァはセバスチャンが用意した更衣室の中で着替える。
やはりコルセットなんてない方がホッとする。
体質上痩せる事も太る事もないのだが、腰がすごく細くなったような気がした。
そして現代の衣服、とても軽い。
中世の服も、それがファントムハイヴ家が仕立ててくれたものだから高級品で軽めだが、それでもちょっと重かったりする。
時代は進むものだ。
絹や羊毛、木綿から、ディーヴァ達にはお馴染みな化繊などへと。
化繊は少し体が荒れたりするし良くない点もあるから、時代が良くなったかというと、素直に頷けない。
羊毛で思い出した。
「アレも忘れてた!」
着替え終わったディーヴァが、更衣室から飛び出して声を上げる。
「アレってなんだよディーヴァ」
「ビタちゃん!」
「ビタちゃん?なんだそれは」
「こちらですね。忘れていませんよ、はいどうぞ」
スッと差し出されるそれは、ディーヴァの世界ではもうヴィンテージと言われる存在の、ファントム社のぬいぐるみ、ビターラビット。
ディーヴァはホッとしたように受け取ったビタちゃんとやらを、ぎゅーっと抱きしめていた。
「よかったぁ……」
「ビターラビットの人形のことだったんだな」
ファントム社の社長として、自社製品をここまで喜んでもらえるのは嬉しい。
「ふ……貴嬢はドレスよりも宝石よりも、人形がいいのか。変わったレディだ」
「さらにいうとディーヴァは人形より食いもんのが喜ぶぜ?色気より食い気だから」
花より団子。
それはディーヴァを表す言葉の一つだ。
「なにそれ。ほんっと失礼なダンテ!」
「ほんとのことだろー?」
「ま、花より団子だろうがなんだろうが、オレはディーヴァを愛してるけどな!」
「う、ありがと……」
いきなりそういうのをブッ込んで来ないでほしい。
心臓がもたないから。
「食い気、か……。もうディーヴァの作るスイーツが食べれないのは少し残念だな」
「そうですね、坊ちゃんはディーヴァさんのスイーツ気に入ってましたからね」
「お礼と言ってはなんだが、表向きの仕事にも少し専念しよう。ディーヴァのためにも、レディーに気に入られるような作品をこれからも作る。遠い未来で待っていろ」
「うん。ありがとう、楽しみにしてるね!……できるなら裏稼業はほどほどにしてほしいけど!」
「それは女王の憂い次第だ」
そして最後、四人、それぞれの笑顔で笑いあって、別れた。
「二人とも元気でね!」
「じゃあな」
元の世界への穴へ、消えていったダンテとディーヴァ。
育て上げた雛鳥の巣立ちを終えた親鳥のような気分で、シエルとセバスチャンはほっと胸を胸を撫で下ろす。
「お二人がいた時間は、まるで嵐のようでしたね」
「ああ。……さて、もうヤードに連絡はしてあるんだろう?ここを片付けたら屋敷に戻るぞ」
まだまだやるべきことはあるのだから。
「イエス、マイロード」
坊っちゃんの最期の時まで、執事は誠心誠意尽くし、ただただ付き従うのみだ。
セバスチャンは背負うものの大きな小さな主人に、恭しく一礼した。
***
連絡があったのはディーヴァ達が帰った後のことだ。
それがディーヴァのためのビターラビットだとわかるものが見つかったらしい。
それが無事にこちらへと届けられ、入っていた箱を開けたダンテとディーヴァは、目を見開かざるを得なかった。
およそウサギのぬいぐるみには似つかわしくない薄いグリーンの布地とエメラルドのガラスの瞳。
極め付けは背中に生えた五枚の翼。
六枚ではなく、中途半端にも感じる五枚の、だ。
そして、少しだけ古くなったタグの部分には、刺繍文字で『緑髮の天使へ』と縫い付けてあった。
ああ……遠い未来で待っていろ、というのはこういうことだったのか。
今はもう会えないかの人達に、ダンテとディーヴァは思い馳せた。
「あの方達には私の方から伝えておきますよ」
「ひぇっ!」
にゅっ。
ディーヴァの肩口からセバスチャンの顔が覗いた。
反対側には揃ってダンテの顔。
握手対決は終わった模様。
「そ、そうですか……。よろしくお願いします……」
びっくりするからそういう登場の仕方はやめてほしい。
ダンテまで一緒になって、まったくもう!
「あ。あと荷物、どうしよう」
「あー……財布もパスポートも入ってるからな」
パスポートがなくては帰れても帰れない。
自分の国に帰れないのはある意味、異世界から帰れないのより困る。
「こんなこともあろうかと、すでにお荷物はまとめておきました」
そう言うセバスチャンが見せてきたのはディーヴァの荷物。
「えっ!?どうやって!!?」
「はー……どうせ悪魔の力でなんとかしたのだろう?」
「ええまあ」
「すげー……さっすがハイパー執事くん」
およよ、スーパーからグレードアップしているゾ。
「あ、ありがとうございます、助かりました……」
へこへこと和式に頭を下げ、ディーヴァは荷物を受け取る。
しかし、帰ろうにもよく考えると格好がおかしい。
「でもこのドレスはどうするんですか?」
「ドレスの一着二着気にするな。着ていけ」
「着ていくの!?」
「いるかどうかわかりませんが、記念にファントムハイヴ家のメイド服と執事服も入れておきました」
「そして太っ腹すぎ!?」
ってそこじゃない。
今の姿がおかしいことを伝えたい、ドレスのまま帰るわけには行くまいて。
その気持ちはセバスチャンに通じたようだ。
「わかってますよ。こちらにお越しの際、着ていた服もこちらにご用意いたしております。レディーであるディーヴァさんの為、簡易更衣室もございます」
ふと、セバスチャンの指が示す方へ目を向ければ……アラ、いつの間に。
カーテンのような布に包まれた小さな個室が。
よく見る試着室のそれ。
「うわ、一家に一セバスチャン……」
「オレがいるからいらないだろ?」
「ダンテは家事しないしハイパー執事くんじゃないもん」
「解せぬ」
ダンテにはダンテのいいところがある。
執事になる必要はない。
ディーヴァが更衣室へ入り、まさかシエルとセバスチャンのいる前で覗きに突入するわけにも行かず、ダンテも着替えを手にした。
「はあ、オレも着替えるか……」
「坊っちゃんも着替えましょう。坊っちゃんはここで着替えても大丈夫ですか?」
「ああ。他にダンテしかいないしな」
ダンテ、そしてコルセットが苦しいシエルも同時進行で着替え、ディーヴァはセバスチャンが用意した更衣室の中で着替える。
やはりコルセットなんてない方がホッとする。
体質上痩せる事も太る事もないのだが、腰がすごく細くなったような気がした。
そして現代の衣服、とても軽い。
中世の服も、それがファントムハイヴ家が仕立ててくれたものだから高級品で軽めだが、それでもちょっと重かったりする。
時代は進むものだ。
絹や羊毛、木綿から、ディーヴァ達にはお馴染みな化繊などへと。
化繊は少し体が荒れたりするし良くない点もあるから、時代が良くなったかというと、素直に頷けない。
羊毛で思い出した。
「アレも忘れてた!」
着替え終わったディーヴァが、更衣室から飛び出して声を上げる。
「アレってなんだよディーヴァ」
「ビタちゃん!」
「ビタちゃん?なんだそれは」
「こちらですね。忘れていませんよ、はいどうぞ」
スッと差し出されるそれは、ディーヴァの世界ではもうヴィンテージと言われる存在の、ファントム社のぬいぐるみ、ビターラビット。
ディーヴァはホッとしたように受け取ったビタちゃんとやらを、ぎゅーっと抱きしめていた。
「よかったぁ……」
「ビターラビットの人形のことだったんだな」
ファントム社の社長として、自社製品をここまで喜んでもらえるのは嬉しい。
「ふ……貴嬢はドレスよりも宝石よりも、人形がいいのか。変わったレディだ」
「さらにいうとディーヴァは人形より食いもんのが喜ぶぜ?色気より食い気だから」
花より団子。
それはディーヴァを表す言葉の一つだ。
「なにそれ。ほんっと失礼なダンテ!」
「ほんとのことだろー?」
「ま、花より団子だろうがなんだろうが、オレはディーヴァを愛してるけどな!」
「う、ありがと……」
いきなりそういうのをブッ込んで来ないでほしい。
心臓がもたないから。
「食い気、か……。もうディーヴァの作るスイーツが食べれないのは少し残念だな」
「そうですね、坊ちゃんはディーヴァさんのスイーツ気に入ってましたからね」
「お礼と言ってはなんだが、表向きの仕事にも少し専念しよう。ディーヴァのためにも、レディーに気に入られるような作品をこれからも作る。遠い未来で待っていろ」
「うん。ありがとう、楽しみにしてるね!……できるなら裏稼業はほどほどにしてほしいけど!」
「それは女王の憂い次第だ」
そして最後、四人、それぞれの笑顔で笑いあって、別れた。
「二人とも元気でね!」
「じゃあな」
元の世界への穴へ、消えていったダンテとディーヴァ。
育て上げた雛鳥の巣立ちを終えた親鳥のような気分で、シエルとセバスチャンはほっと胸を胸を撫で下ろす。
「お二人がいた時間は、まるで嵐のようでしたね」
「ああ。……さて、もうヤードに連絡はしてあるんだろう?ここを片付けたら屋敷に戻るぞ」
まだまだやるべきことはあるのだから。
「イエス、マイロード」
坊っちゃんの最期の時まで、執事は誠心誠意尽くし、ただただ付き従うのみだ。
セバスチャンは背負うものの大きな小さな主人に、恭しく一礼した。
***
連絡があったのはディーヴァ達が帰った後のことだ。
それがディーヴァのためのビターラビットだとわかるものが見つかったらしい。
それが無事にこちらへと届けられ、入っていた箱を開けたダンテとディーヴァは、目を見開かざるを得なかった。
およそウサギのぬいぐるみには似つかわしくない薄いグリーンの布地とエメラルドのガラスの瞳。
極め付けは背中に生えた五枚の翼。
六枚ではなく、中途半端にも感じる五枚の、だ。
そして、少しだけ古くなったタグの部分には、刺繍文字で『緑髮の天使へ』と縫い付けてあった。
ああ……遠い未来で待っていろ、というのはこういうことだったのか。
今はもう会えないかの人達に、ダンテとディーヴァは思い馳せた。
