DMC×黒執事
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どうにかこうにかダンテを黄泉の国(仮)から戻し、さあそろそろ時間だ、という頃だ。
「うう……今更だけど不安……。ちゃんと出来るかな?」
今になって心配になってきたディーヴァ。
緊張で胸がどきどきしている。
何が心配かってダンスでもマナーでもなく、その後の悪魔召喚を止めに行ったり、ダンテと二人で帰るための道を見つけたり……その一連の作業のことだ。
「オレがディーヴァのそばにいるから大丈夫だ。お前はいつも通り笑ってればいい」
ダンテはディーヴァを安心させようと、その手をきゅっと握ってやった。
「夜会において楽しそうに笑うというのは大事なことだが、ダンテがそばにいては奴がディーヴァに話しかける隙が出来ない」
奴、とは悪魔召喚のための生贄を探すドルイット子爵のことだ。
彼はディーヴァを見つければ確実に声をかけてくるはずで、その際に他の男がいたら諦めてしまう可能性がある。
「今回のお前は従者だ。でしゃばってディーヴァの前をうろちょろするのはやめておけ」
「ええ。せめて後ろに控えていてくださいね」
「ちぇー……従者ってこたぁ、今回はディーヴァと踊れないのか……」
楽しく踊れたのといえば、試し踊りの時だけだと、がっくり肩を落とすダンテ。
今度はディーヴァからダンテの手を握り返してやった。
「また今度踊ろ?おうち帰ってからとか、いつだって踊れるでしょ」
「……そうだな」
元の世界に帰れば、ほぼ二人きりの生活が待っている。
踊りたかったらその時、幸せを噛みしめるようにゆっくりと踊り明かせばいいのだ。
「しかし、確かに不安だな……。囮だから仕方ないが、飢えた狼に餌の子羊を与えるようなものだろう?」
一人で子羊になるというのは心細かろうて。
しばし考え込んだシエルは、一番口にしたくなかった言葉を紡いだ。
「セバスチャン、僕が妹になる」
弟ではなく妹、つまり女装するということ。
セバスチャンにしては珍しく、ギョッとした顔をシエルに晒す。
「アレを坊ちゃん自ら着ると?」
「気は進まないが、他にディーヴァを守る方法がない。それともダンテかセバスチャンがあのドレスを着ると?入らないだろう?」
アレとはピンクのフリフリドレス。
シエルの体型に合わせて作られたそれは、どんな魔術を以ってしてもダンテはおろかセバスチャンさえも着ることは出来ない。
もとから着たくないけど。
「……わかりました」
ということは恥ずかしい以上に厄介な作業がある。
今着ている服を脱いで、コルセットを締めなくてはならない。
着る方も着せる方も大変なそれだ。
セバスチャンは懐から懐中時計を取り出し、時間をサッと確認した。
「まだ出発までには時間が少しあります。坊ちゃん、急いで着替えますよ」
「ああ。最悪、多少遅れてもいいだろう。主役(シンデレラ)は遅刻するものだ」
にやり、シエルは笑みを深めた。
「ダンテさん、ディーヴァさん。申し訳ありません、しばらくお時間いただいてもよろしいですか?」
「いいですけどどうかしたんですか?」
「坊ちゃんが違う服に着替えますので……」
違う服?
あと30分もしないで出かけるという時に、着替える……?
これ絶対遅刻するやつだ。
「は?時間間に合うのか?」
「大丈夫ですよ。ですからダンテさんはディーヴァさんと戯れていなさい。その間に着替えも終えますからね」
「えええええ!?」
ダンテまで心配していたのに、セバスチャンの余計な一言で、大興奮して指をワキワキする変態ダンテになったじゃんか。
「よっしゃ!汚さねぇように気をつけねえとな!」
「はあ……汚すようなことはしないでね」
とは言え、ディーヴァが心底嫌がる事なんてダンテはしてこない。
怒りに我を忘れている時は除くけれども。
譲歩して、ダンテに身を預けることしたディーヴァだった。
そんなに時間もかからず、ディーヴァと同じようにして階段を降りてきたシエル。
「お待たせしました」
「待たせて悪かったな、そろそろ出発するとしよう」
「もー。出かける直前に着替えるな、ん……て……?」
なんだか見慣れない美少女がいるぞ。
「うお、すげー化けよう……」
「シエルくん、なんだよね?」
「……ああ」
「しゅごい美少女ーーーっ!」
すごく……本当にかわいい。
ピンク色でフリルがたっぷりあしらわれ、ドレスというよりむしろゴスロリと言ってもおかしくないソレに、カンカン帽に近いフォルムの八分咲きのピンクの薔薇が咲き誇る。
加えてツインテールがまた美少女らしさを際立たせている。
右目は眼帯の代わりにと、その帽子を斜めにかぶることで隠しているようだ。
「やめろ美少女とか言うな。僕は男だ」
「だってかわいいんだもん。ねぇダンテ?」
「ああ、男にしてはかわいんじゃね」
「よかったですねぇお嬢様?」
「っ……!それ以上…言うなっ……」
プルプルと震えて怒っているのだが、顔を赤くしているのが隠しきれていない。
恥じらう姿は淡いの桃色の花のようだった。
「坊ちゃ……コホン、お嬢様をからかうのは楽しいですが、急がないといけません。馬車を用意してありますのでお乗りください」
というわけで、馬車に乗ったわけだが、時間も時間なので優雅に乗っているわけにもいかず……。
「飛ばします……よっ!!」
馬引くセバスチャンがこちらに聞こえるようにと大きく言い、手綱をパシンと鳴らした。
「揺れるだろうから、ディーヴァは口を閉じておけ」
「うんっ」
せっかくかぶった帽子やらドレスがぐちゃぐちゃになりそうな荒々しい運転。
シエルは慣れているから手摺に捕まっているだけでいいが、ディーヴァは違う。
ダンテがディーヴァの体を抑えていなかったら、絶対馬車の中で転んでいた。
「うっわ、ホントに超飛ばしてやがるぜ……」
前に舌を噛んだダンテ。
今度こそは噛まぬようにと、ダンテも今回は黙っておくことにした。
「うう……今更だけど不安……。ちゃんと出来るかな?」
今になって心配になってきたディーヴァ。
緊張で胸がどきどきしている。
何が心配かってダンスでもマナーでもなく、その後の悪魔召喚を止めに行ったり、ダンテと二人で帰るための道を見つけたり……その一連の作業のことだ。
「オレがディーヴァのそばにいるから大丈夫だ。お前はいつも通り笑ってればいい」
ダンテはディーヴァを安心させようと、その手をきゅっと握ってやった。
「夜会において楽しそうに笑うというのは大事なことだが、ダンテがそばにいては奴がディーヴァに話しかける隙が出来ない」
奴、とは悪魔召喚のための生贄を探すドルイット子爵のことだ。
彼はディーヴァを見つければ確実に声をかけてくるはずで、その際に他の男がいたら諦めてしまう可能性がある。
「今回のお前は従者だ。でしゃばってディーヴァの前をうろちょろするのはやめておけ」
「ええ。せめて後ろに控えていてくださいね」
「ちぇー……従者ってこたぁ、今回はディーヴァと踊れないのか……」
楽しく踊れたのといえば、試し踊りの時だけだと、がっくり肩を落とすダンテ。
今度はディーヴァからダンテの手を握り返してやった。
「また今度踊ろ?おうち帰ってからとか、いつだって踊れるでしょ」
「……そうだな」
元の世界に帰れば、ほぼ二人きりの生活が待っている。
踊りたかったらその時、幸せを噛みしめるようにゆっくりと踊り明かせばいいのだ。
「しかし、確かに不安だな……。囮だから仕方ないが、飢えた狼に餌の子羊を与えるようなものだろう?」
一人で子羊になるというのは心細かろうて。
しばし考え込んだシエルは、一番口にしたくなかった言葉を紡いだ。
「セバスチャン、僕が妹になる」
弟ではなく妹、つまり女装するということ。
セバスチャンにしては珍しく、ギョッとした顔をシエルに晒す。
「アレを坊ちゃん自ら着ると?」
「気は進まないが、他にディーヴァを守る方法がない。それともダンテかセバスチャンがあのドレスを着ると?入らないだろう?」
アレとはピンクのフリフリドレス。
シエルの体型に合わせて作られたそれは、どんな魔術を以ってしてもダンテはおろかセバスチャンさえも着ることは出来ない。
もとから着たくないけど。
「……わかりました」
ということは恥ずかしい以上に厄介な作業がある。
今着ている服を脱いで、コルセットを締めなくてはならない。
着る方も着せる方も大変なそれだ。
セバスチャンは懐から懐中時計を取り出し、時間をサッと確認した。
「まだ出発までには時間が少しあります。坊ちゃん、急いで着替えますよ」
「ああ。最悪、多少遅れてもいいだろう。主役(シンデレラ)は遅刻するものだ」
にやり、シエルは笑みを深めた。
「ダンテさん、ディーヴァさん。申し訳ありません、しばらくお時間いただいてもよろしいですか?」
「いいですけどどうかしたんですか?」
「坊ちゃんが違う服に着替えますので……」
違う服?
あと30分もしないで出かけるという時に、着替える……?
これ絶対遅刻するやつだ。
「は?時間間に合うのか?」
「大丈夫ですよ。ですからダンテさんはディーヴァさんと戯れていなさい。その間に着替えも終えますからね」
「えええええ!?」
ダンテまで心配していたのに、セバスチャンの余計な一言で、大興奮して指をワキワキする変態ダンテになったじゃんか。
「よっしゃ!汚さねぇように気をつけねえとな!」
「はあ……汚すようなことはしないでね」
とは言え、ディーヴァが心底嫌がる事なんてダンテはしてこない。
怒りに我を忘れている時は除くけれども。
譲歩して、ダンテに身を預けることしたディーヴァだった。
そんなに時間もかからず、ディーヴァと同じようにして階段を降りてきたシエル。
「お待たせしました」
「待たせて悪かったな、そろそろ出発するとしよう」
「もー。出かける直前に着替えるな、ん……て……?」
なんだか見慣れない美少女がいるぞ。
「うお、すげー化けよう……」
「シエルくん、なんだよね?」
「……ああ」
「しゅごい美少女ーーーっ!」
すごく……本当にかわいい。
ピンク色でフリルがたっぷりあしらわれ、ドレスというよりむしろゴスロリと言ってもおかしくないソレに、カンカン帽に近いフォルムの八分咲きのピンクの薔薇が咲き誇る。
加えてツインテールがまた美少女らしさを際立たせている。
右目は眼帯の代わりにと、その帽子を斜めにかぶることで隠しているようだ。
「やめろ美少女とか言うな。僕は男だ」
「だってかわいいんだもん。ねぇダンテ?」
「ああ、男にしてはかわいんじゃね」
「よかったですねぇお嬢様?」
「っ……!それ以上…言うなっ……」
プルプルと震えて怒っているのだが、顔を赤くしているのが隠しきれていない。
恥じらう姿は淡いの桃色の花のようだった。
「坊ちゃ……コホン、お嬢様をからかうのは楽しいですが、急がないといけません。馬車を用意してありますのでお乗りください」
というわけで、馬車に乗ったわけだが、時間も時間なので優雅に乗っているわけにもいかず……。
「飛ばします……よっ!!」
馬引くセバスチャンがこちらに聞こえるようにと大きく言い、手綱をパシンと鳴らした。
「揺れるだろうから、ディーヴァは口を閉じておけ」
「うんっ」
せっかくかぶった帽子やらドレスがぐちゃぐちゃになりそうな荒々しい運転。
シエルは慣れているから手摺に捕まっているだけでいいが、ディーヴァは違う。
ダンテがディーヴァの体を抑えていなかったら、絶対馬車の中で転んでいた。
「うっわ、ホントに超飛ばしてやがるぜ……」
前に舌を噛んだダンテ。
今度こそは噛まぬようにと、ダンテも今回は黙っておくことにした。