DMC×黒執事
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「そしてここからが、『帰り方』のお話です」
ここに来てようやく本題か。
途中で少々脱線したりと長かったものだ。
「彼らが喚んだ悪魔は異形の姿をしていたそうです。女と蜘蛛が合体したようなその姿、まるで化け物、と……」
「あたし達の世界の悪魔だ……」
「ああ、それも雑魚は雑魚でも、中ボスクラスのアルケニーか。やっかいだな……」
初バトルはダンテとディーヴァがのぼった悪魔の塔の、蜘蛛型の悪魔。それがアルケニー。
大きな体で俊敏に動く、ディーヴァのだいっきらいな虫、その悪魔。
幸いにも体を保てず崩れ去ってしまっているというからいい。
もし、これが完全にこちらの世界で自由にできるようになるかと思うと……ぞっとする。
アルケニーには嫌な思い出しかない。
でも、いったい何がしたくて悪魔召喚なんてしているのだろうか。
異世界には素敵な悪魔がいるとでも美化して考えているのか。
それとも生贄を捧ぐことで異世界の悪魔が願いを叶えてくれるとでも?
その心理がディーヴァには全くわからなかった。
「悪魔の消え去ったあとには赤い欠片が多数残っていたそうです」
レッドオーブだ。
悪魔の血が結晶化したもの。
「人間はそれに触る事が出来ないようで、回収もせず地に落としたまま」
「触ったらどうなるんだ」
「火炎で炙ったように皮膚が灼け爛れるのです」
自分達の世界ではそんなことないのに。
相反する天使の存在ですら、レッドオーブに触ることができる。
もしかして世界線が違うことから起こる、拒絶反応……?灼け爛れるなんて普通じゃない。
「その欠片が時折何かを喚ぶように光るのですが、他の悪魔をというより元の世界へ戻りたいのか異世界への扉を開けるような光り方なのです」
それを見て人間達は余計に扉を開けようとしているわけですね。
と人間のおかしな行動を心底楽しんでいるように笑う目の前の悪魔、セバスチャン。
「ところでなんでそんなに詳しく知ってるんだよ」
「うん。まるで見てきたみたい」
「行って見てきましたからね」
ダンテもディーヴァも、そちらの方が気になったようだ。
ところがセバスチャン、さも当然だとばかりの真顔でそう宣うではないか。
「えっ」
「いつの間に……。スーパー執事くんってレベルじゃねえよ」
ダンテの言うスーパー執事くんというネタはいつまで続くのやら。
そこも気になるディーヴァなのだった。
「セバスチャン、そんな事をしてたのか?」
「ディーヴァさんが普段の仕事を少なくしてくれましたから」
優秀な部下を持つと自分の時間が増えていいです。
と、猫を前にした時のようなほっこり癒された表情でセバスチャンは、息をついた。
悪魔には休みなど不要、などとは言うセバスチャンだが、そんなわけないだろう。
悪魔とて精神的に疲れるときはあるはず。
少しでも負担が軽くなったのなら、嬉しいと思った。
「探してなかったんじゃなかったか?」
「私が言った言葉をよーく思い返してください。探してない、とは一言も言っていませんよ?」
シエルによると、セバスチャン……本当はディーヴァ達が帰る方法を探していなかったらしい。
否、今の話ぶりから察するに、探してはいたのか。
わかりづらいというか、なんというか……とりあえずセバスチャンしゅごい。
瞬間移動のレベルで現場へと赴き、他者にバレぬよう見て回る…悪魔の力を持ってすれば簡単な事でも、人間には絶対不可能だ。
いや、普通の悪魔には無理か。
もちろんダンテにも。
「私の予想で申し訳ないのですが、もともとあちらの世界の存在であるダンテさんディーヴァさんがあの陣、あの欠片に近づくことで帰れる、又は帰るための切っ掛けが作れるかと」
「ふむ……その可能性は高いか」
「なるほどな。オレ達の世界の悪魔が来るような悪魔召喚の場所だ。賭けてみるか」
「帰れるといいなぁ……ここの生活も楽しいけどね!」
パン!
その時、空気を変えるかのようにセバスチャンが手を叩いた。
「では、そのために夜会の準備をいたしましょうか。とくにディーヴァさん。いいですね?」
「準備……?」
準備って何があるのだろう。
招待状に参加のお返事を書くくらいしか思いつかないが……。
とくにディーヴァ、と名指しで言われ、頭の上にクエスチョンマークを乱舞させる以外何もない。
「何を呆けている?貴嬢が着飾って夜会に出るんだぞ。我がファントムハイヴ家の名を背負ってな」
「ディーヴァさんに限ってあり得ないとは思いますが、名に泥を塗るようなことになったら大変です」
ファントムハイヴ家のメイドたるもの、社交界デビューくらい完璧にできなくてどうします?
と追加で言われ、ディーヴァは顔をひきつらせるしかない。
「ま、ディーヴァならヨユーだろ!HAHAHA!!」
ダンテまでそんなことを言っているため、さらにひきつるディーヴァの口元。
……ダンテめ軽く笑いおってからに!
「えーと。じゃあ聞くけど何すればいいの?」
「そんなの決まっているだろう?まずドレスだ。次にダンスレッスン。そして立ち居振る舞いやらマナーについてだ」
「おっ!ドレスか!やったなディーヴァ!」
「うへぇー……全然よくないよ……」
ドレスはともかく、レッスンに立ち居振る舞い、マナー。
面倒臭そうなラインナップだ。
「ちなみにダンテさんにはディーヴァさんのお付きの者として、従者用の燕尾服を着ていただきます」
「りょーかい」
ダンテは楽しそう。
ぐぬぬう……羨ましい。
「して、ドレスですが、私はベルベットで出来た深緑のドレスがいいかと。黒いレースのリボンが綺麗に映えますし、落ち着いた色合いがディーヴァさんの薄く流れる銀緑の髪にも似合うでしょう」
セバスチャンのおすすめは深緑のドレス。
言い終えたセバスチャンはディーヴァの髪をひとすくい手に取り、そこに小さく口づけしてみせた。
「セ、セバスチャンさん……」
「おーっと、そうはいくかよ!」
「ひゃうっ!?」
そこから解放するように、今度は自分の方へディーヴァを引っ張り後ろから抱きしめるのはダンテ。
「ダ、ダンテ……」
「セバスチャン、オレは見たぞ。『黒執事19巻』の表紙に描かれたオンナを。アレが着てたのも深緑に黒レースじゃねぇか。他と同じなんて却下だぜ?」
抱きしめたまま、そう指摘する。
それは『緑の魔女編』のことのようだ、おいダンテ、いつの間にコミックを読んだんだ。
「こんなところでメタ発言はお控えくださいねダンテさん」
「宣伝になると思えばいいだろ。オレは真っっっ赤なやつがいい。オレも好きな赤。オレ色に染まったディーヴァ……。ディーヴァの純真無垢で清純なところは、白い薔薇と白いレースをあしらうことで表現。どーだ!」
ダンテはダンテのおすすめを提示。
やはりというかなんというか……赤いドレス一択。
たまには違う色をすすめてみてもいいんじゃないかな?嫌だって?あ、そう……。
「赤なんてあの変態死神だけでじゅうぶんです」
またも悪魔対半魔の戦い勃発。
ディーヴァを挟んでの目に見えぬ火花散る中、シエルが一言呟く。
「……僕はスミレ色がいいと思う」
「じゃあスミレ色で」
勝者:シエル。
こうしてシエルの鶴の一声で、ディーヴァのドレスは即決した。
結局、あまり理由をごちゃごちゃ考えないシンプルな言葉が、愛の告白でも謝罪でもそうだが、一番心に響くのだ。
「「えええええ」」
ダンテはともかく、セバスチャンまでがムンクの叫びみたいな顔をしたのを、ディーヴァは見逃さなかった。
ここに来てようやく本題か。
途中で少々脱線したりと長かったものだ。
「彼らが喚んだ悪魔は異形の姿をしていたそうです。女と蜘蛛が合体したようなその姿、まるで化け物、と……」
「あたし達の世界の悪魔だ……」
「ああ、それも雑魚は雑魚でも、中ボスクラスのアルケニーか。やっかいだな……」
初バトルはダンテとディーヴァがのぼった悪魔の塔の、蜘蛛型の悪魔。それがアルケニー。
大きな体で俊敏に動く、ディーヴァのだいっきらいな虫、その悪魔。
幸いにも体を保てず崩れ去ってしまっているというからいい。
もし、これが完全にこちらの世界で自由にできるようになるかと思うと……ぞっとする。
アルケニーには嫌な思い出しかない。
でも、いったい何がしたくて悪魔召喚なんてしているのだろうか。
異世界には素敵な悪魔がいるとでも美化して考えているのか。
それとも生贄を捧ぐことで異世界の悪魔が願いを叶えてくれるとでも?
その心理がディーヴァには全くわからなかった。
「悪魔の消え去ったあとには赤い欠片が多数残っていたそうです」
レッドオーブだ。
悪魔の血が結晶化したもの。
「人間はそれに触る事が出来ないようで、回収もせず地に落としたまま」
「触ったらどうなるんだ」
「火炎で炙ったように皮膚が灼け爛れるのです」
自分達の世界ではそんなことないのに。
相反する天使の存在ですら、レッドオーブに触ることができる。
もしかして世界線が違うことから起こる、拒絶反応……?灼け爛れるなんて普通じゃない。
「その欠片が時折何かを喚ぶように光るのですが、他の悪魔をというより元の世界へ戻りたいのか異世界への扉を開けるような光り方なのです」
それを見て人間達は余計に扉を開けようとしているわけですね。
と人間のおかしな行動を心底楽しんでいるように笑う目の前の悪魔、セバスチャン。
「ところでなんでそんなに詳しく知ってるんだよ」
「うん。まるで見てきたみたい」
「行って見てきましたからね」
ダンテもディーヴァも、そちらの方が気になったようだ。
ところがセバスチャン、さも当然だとばかりの真顔でそう宣うではないか。
「えっ」
「いつの間に……。スーパー執事くんってレベルじゃねえよ」
ダンテの言うスーパー執事くんというネタはいつまで続くのやら。
そこも気になるディーヴァなのだった。
「セバスチャン、そんな事をしてたのか?」
「ディーヴァさんが普段の仕事を少なくしてくれましたから」
優秀な部下を持つと自分の時間が増えていいです。
と、猫を前にした時のようなほっこり癒された表情でセバスチャンは、息をついた。
悪魔には休みなど不要、などとは言うセバスチャンだが、そんなわけないだろう。
悪魔とて精神的に疲れるときはあるはず。
少しでも負担が軽くなったのなら、嬉しいと思った。
「探してなかったんじゃなかったか?」
「私が言った言葉をよーく思い返してください。探してない、とは一言も言っていませんよ?」
シエルによると、セバスチャン……本当はディーヴァ達が帰る方法を探していなかったらしい。
否、今の話ぶりから察するに、探してはいたのか。
わかりづらいというか、なんというか……とりあえずセバスチャンしゅごい。
瞬間移動のレベルで現場へと赴き、他者にバレぬよう見て回る…悪魔の力を持ってすれば簡単な事でも、人間には絶対不可能だ。
いや、普通の悪魔には無理か。
もちろんダンテにも。
「私の予想で申し訳ないのですが、もともとあちらの世界の存在であるダンテさんディーヴァさんがあの陣、あの欠片に近づくことで帰れる、又は帰るための切っ掛けが作れるかと」
「ふむ……その可能性は高いか」
「なるほどな。オレ達の世界の悪魔が来るような悪魔召喚の場所だ。賭けてみるか」
「帰れるといいなぁ……ここの生活も楽しいけどね!」
パン!
その時、空気を変えるかのようにセバスチャンが手を叩いた。
「では、そのために夜会の準備をいたしましょうか。とくにディーヴァさん。いいですね?」
「準備……?」
準備って何があるのだろう。
招待状に参加のお返事を書くくらいしか思いつかないが……。
とくにディーヴァ、と名指しで言われ、頭の上にクエスチョンマークを乱舞させる以外何もない。
「何を呆けている?貴嬢が着飾って夜会に出るんだぞ。我がファントムハイヴ家の名を背負ってな」
「ディーヴァさんに限ってあり得ないとは思いますが、名に泥を塗るようなことになったら大変です」
ファントムハイヴ家のメイドたるもの、社交界デビューくらい完璧にできなくてどうします?
と追加で言われ、ディーヴァは顔をひきつらせるしかない。
「ま、ディーヴァならヨユーだろ!HAHAHA!!」
ダンテまでそんなことを言っているため、さらにひきつるディーヴァの口元。
……ダンテめ軽く笑いおってからに!
「えーと。じゃあ聞くけど何すればいいの?」
「そんなの決まっているだろう?まずドレスだ。次にダンスレッスン。そして立ち居振る舞いやらマナーについてだ」
「おっ!ドレスか!やったなディーヴァ!」
「うへぇー……全然よくないよ……」
ドレスはともかく、レッスンに立ち居振る舞い、マナー。
面倒臭そうなラインナップだ。
「ちなみにダンテさんにはディーヴァさんのお付きの者として、従者用の燕尾服を着ていただきます」
「りょーかい」
ダンテは楽しそう。
ぐぬぬう……羨ましい。
「して、ドレスですが、私はベルベットで出来た深緑のドレスがいいかと。黒いレースのリボンが綺麗に映えますし、落ち着いた色合いがディーヴァさんの薄く流れる銀緑の髪にも似合うでしょう」
セバスチャンのおすすめは深緑のドレス。
言い終えたセバスチャンはディーヴァの髪をひとすくい手に取り、そこに小さく口づけしてみせた。
「セ、セバスチャンさん……」
「おーっと、そうはいくかよ!」
「ひゃうっ!?」
そこから解放するように、今度は自分の方へディーヴァを引っ張り後ろから抱きしめるのはダンテ。
「ダ、ダンテ……」
「セバスチャン、オレは見たぞ。『黒執事19巻』の表紙に描かれたオンナを。アレが着てたのも深緑に黒レースじゃねぇか。他と同じなんて却下だぜ?」
抱きしめたまま、そう指摘する。
それは『緑の魔女編』のことのようだ、おいダンテ、いつの間にコミックを読んだんだ。
「こんなところでメタ発言はお控えくださいねダンテさん」
「宣伝になると思えばいいだろ。オレは真っっっ赤なやつがいい。オレも好きな赤。オレ色に染まったディーヴァ……。ディーヴァの純真無垢で清純なところは、白い薔薇と白いレースをあしらうことで表現。どーだ!」
ダンテはダンテのおすすめを提示。
やはりというかなんというか……赤いドレス一択。
たまには違う色をすすめてみてもいいんじゃないかな?嫌だって?あ、そう……。
「赤なんてあの変態死神だけでじゅうぶんです」
またも悪魔対半魔の戦い勃発。
ディーヴァを挟んでの目に見えぬ火花散る中、シエルが一言呟く。
「……僕はスミレ色がいいと思う」
「じゃあスミレ色で」
勝者:シエル。
こうしてシエルの鶴の一声で、ディーヴァのドレスは即決した。
結局、あまり理由をごちゃごちゃ考えないシンプルな言葉が、愛の告白でも謝罪でもそうだが、一番心に響くのだ。
「「えええええ」」
ダンテはともかく、セバスチャンまでがムンクの叫びみたいな顔をしたのを、ディーヴァは見逃さなかった。