DMC×黒執事
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「はあ……ふざけてないで早く教えろ」
「やれやれ、坊ちゃんはせっかちですねぇ。わかりましたよ、お話しましょう」
いつまで経っても先に進まぬ3人に苛立ったシエル、そして目の前の読者のため、セバスチャンは口を開いた。
「最近……庶民、貧民の間で、女性が消えているのをご存知ですか?」
「行方不明だと?」
「やはりまだ表沙汰にはなっていないようですね。行方不明というよりは攫われた……それも、もうほとんどが地面の下でしょう」
地面の下、とセバスチャンは直接的な表現をしなかったが、その意味は誰でもわかる。
もう死んでいる、という事だ。
「攫った挙句殺しちゃったってこと?こわい話……」
「本当だな。でも、それがオレ達の帰り方に関係あるってのか?」
「ええ。話を最後までお聞きください」
ダンテもディーヴァも黙るぅん……。
「共通するのはみな可愛らしく美しい女子、または女性……それもうら若き乙女であること」
乙女という言い方をしたということは、つまりまだ男を知らぬ処女、とも取れる。
「ディーヴァさん、そしてダンテさんならどんな理由で彼女達が消えたのかわかりますね?」
「わかりたくないけどわかっちまったな」
「あたしも、どっちかっていうとダンテの反応でなんとな~く?わかったよ……」
乙女で、しかも見目麗しい女子。
それは儀式には映える生贄となりうる存在……悪魔を喚ぶ儀式で使われるのだ。
「もしかしてセバスチャンさん……シエルくんにあの事話しましたね?」
「ええ。話しましたよ」
「あの事とは悪魔召喚の事だな、ディーヴァ。安心しろ、もう知っている」
「坊ちゃんは多少、動揺しましたがねぇ」
「ど、動揺なんてしてないだろ!」
にんまり笑うセバスチャンにシエルは真っ赤な顔で反論していた。
「さて。皆様御察しの通り、悪魔召喚の儀が理由ですが、あとはそれを行なっている人間の事ですね。彼は坊ちゃんも知っている貴族です」
知ってる貴族、と言われた時、シエルの眉がピクリと動いた。
「えっ!そんなとこまでわかってるんですか?しかもシエルくんの知ってる貴族様……」
「相変わらず仕事はぇぇな。ありがとなセバスチャン」
珍しくダンテがディーヴァ以外に、感謝の気持ちを伝えている。
ん~~~……激レア!
これは、元から知っていたことは黙っておいた方が良さそうだ。
見猿聞か猿言わ猿。
「その貴族の名は……」
そしてセバスチャンが言葉を紡ぐ。
誰が、というのはシエルすら初耳だったが、出てきた名前は本当にシエルがよく知ったもので、驚きつつも呆れざるを得なかったが。
「アレイスト・チェンバー氏、ドルイット子爵です」
「やはりまたあいつか」
「誰、そのドル……なんとかさんって」
「ししゃくってなんだ?」
貴族の階級には種類がある。
公爵、侯爵、シエルの伯爵、そして子爵、男爵と続く。
「ドルイット子爵。坊ちゃんより階級は下ですが、一応貴族ですよ」
未来なら身分も違うだろうが、この世界この時代では一応ダンテやディーヴァよりも格上の存在だ……一応。
大事な事なので二回言った。
「前にもあいつは同じようなことをしていた」
「ええ。以前は儀式用の生贄を集めては裏パーティーでオークションにかけていましたね」
そこでは何かがあったのか、シエルが苦虫を噛み潰したような顔をする。
聞けばその時はシエルが裏パーティーを内側から壊滅させ、ヤードに逮捕させたという。
内側からってなんぞ?
「庶民や貧民の間でのみ、出ていた行方不明者。しかし今回、貴族からも生贄を確保しようというのでしょうか……ちょうど明日、夜会を開くそうですよ?そこで生贄を集める気のようです」
「今度は貴族からもか……。よほど贄不足とみえる」
「華々しい夜会の裏で、仕入れた新しい生贄をエサに悪魔召喚の儀式を行うのでしょうね……」
「ッしゃーーっ!じゃあその儀式に潜入だーーっ!」
「儀式の前に、情報収集も兼ねて夜会に行ってみようよ」
「待て」
行く事を前提にワイワイと騒ぎ出すダンテとディーヴァに、現・ご主人様、シエルの待ったがかかる。
「招待状もなしには行けないぞ」
「招待状……?」
「えっ、そうなの……」
そりゃそうか、貴族様のパーティーだ、招待状もなしに行くことなどできないだろう。
「招待状ならここにございますよ」
「は……?」
「なんだよ、あるんじゃねぇか。セバスチャンだけじゃなくてシエルも仕事早いな」
「いや……僕は招待状を受けれる手配も何もしていないが」
「えっ……じゃあまさかセバスチャンさん……?」
そんな事ができるとしたら彼だけ。
と、困惑気味に自身の執事に目をやるシエルにつられるように、ディーヴァもセバスチャンの方を見る。
「フフ、噂とは早く広まるものですねぇ。実は招待状が来るようにディーヴァさんの存在を、少しばかり流させていただいたのです」
笑みを深くしたセバスチャンのその表情、含みが多そうで怖い。
「因みになんて流したんだ……?」
「天使のように愛らしき薄緑の少女が社交界デビューを目指し、田舎よりファントムハイヴ家へと居候中、と。それだけです」
天使のように、というかまんま天使である。
しかし、ピンポイントでドルイット子爵からの招待状が届くよう狙ったかのような噂の内容だな、とは思った。
ダンテは単純にもただただ感心しているようだったが。
「はー……お前、ほんっとスーパー執事くんだな!」
「その表現スーパーヒ●シくんみたいで嫌なのでやめてください」
「んふふ、世●・ふし●発見!ですね!」
古い、古いぞ、そのネタ古いぞ三人とも。
シエルなんて、首を傾げてそれについてはスルーするところだ。
「それで子爵は悪魔を喚べているのか?」
「はい。実際、極々低級の悪魔は喚び出せているようですが、こちらでは体が上手く保てないのかすぐに消滅してばかりらしいですよ」
「お前のような悪魔は出てこない、と?」
セバスチャンのような強く賢い悪魔が敵として出てきたら大変だ。
倒すなりお帰りいただくなりする予定だが、悪魔と半魔対未知数の力を持つ悪魔……厳しい戦いとなるだろう。
「はい。ですが私の場合はちょっとした気まぐれでこちらに来たというのもありますからね。他の悪魔が同じように気まぐれを起こさないとも限らないでしょう」
セバスチャンもわかっているのか、その戦いが避けられぬ可能性を示唆してきた。
「やれやれ、坊ちゃんはせっかちですねぇ。わかりましたよ、お話しましょう」
いつまで経っても先に進まぬ3人に苛立ったシエル、そして目の前の読者のため、セバスチャンは口を開いた。
「最近……庶民、貧民の間で、女性が消えているのをご存知ですか?」
「行方不明だと?」
「やはりまだ表沙汰にはなっていないようですね。行方不明というよりは攫われた……それも、もうほとんどが地面の下でしょう」
地面の下、とセバスチャンは直接的な表現をしなかったが、その意味は誰でもわかる。
もう死んでいる、という事だ。
「攫った挙句殺しちゃったってこと?こわい話……」
「本当だな。でも、それがオレ達の帰り方に関係あるってのか?」
「ええ。話を最後までお聞きください」
ダンテもディーヴァも黙るぅん……。
「共通するのはみな可愛らしく美しい女子、または女性……それもうら若き乙女であること」
乙女という言い方をしたということは、つまりまだ男を知らぬ処女、とも取れる。
「ディーヴァさん、そしてダンテさんならどんな理由で彼女達が消えたのかわかりますね?」
「わかりたくないけどわかっちまったな」
「あたしも、どっちかっていうとダンテの反応でなんとな~く?わかったよ……」
乙女で、しかも見目麗しい女子。
それは儀式には映える生贄となりうる存在……悪魔を喚ぶ儀式で使われるのだ。
「もしかしてセバスチャンさん……シエルくんにあの事話しましたね?」
「ええ。話しましたよ」
「あの事とは悪魔召喚の事だな、ディーヴァ。安心しろ、もう知っている」
「坊ちゃんは多少、動揺しましたがねぇ」
「ど、動揺なんてしてないだろ!」
にんまり笑うセバスチャンにシエルは真っ赤な顔で反論していた。
「さて。皆様御察しの通り、悪魔召喚の儀が理由ですが、あとはそれを行なっている人間の事ですね。彼は坊ちゃんも知っている貴族です」
知ってる貴族、と言われた時、シエルの眉がピクリと動いた。
「えっ!そんなとこまでわかってるんですか?しかもシエルくんの知ってる貴族様……」
「相変わらず仕事はぇぇな。ありがとなセバスチャン」
珍しくダンテがディーヴァ以外に、感謝の気持ちを伝えている。
ん~~~……激レア!
これは、元から知っていたことは黙っておいた方が良さそうだ。
見猿聞か猿言わ猿。
「その貴族の名は……」
そしてセバスチャンが言葉を紡ぐ。
誰が、というのはシエルすら初耳だったが、出てきた名前は本当にシエルがよく知ったもので、驚きつつも呆れざるを得なかったが。
「アレイスト・チェンバー氏、ドルイット子爵です」
「やはりまたあいつか」
「誰、そのドル……なんとかさんって」
「ししゃくってなんだ?」
貴族の階級には種類がある。
公爵、侯爵、シエルの伯爵、そして子爵、男爵と続く。
「ドルイット子爵。坊ちゃんより階級は下ですが、一応貴族ですよ」
未来なら身分も違うだろうが、この世界この時代では一応ダンテやディーヴァよりも格上の存在だ……一応。
大事な事なので二回言った。
「前にもあいつは同じようなことをしていた」
「ええ。以前は儀式用の生贄を集めては裏パーティーでオークションにかけていましたね」
そこでは何かがあったのか、シエルが苦虫を噛み潰したような顔をする。
聞けばその時はシエルが裏パーティーを内側から壊滅させ、ヤードに逮捕させたという。
内側からってなんぞ?
「庶民や貧民の間でのみ、出ていた行方不明者。しかし今回、貴族からも生贄を確保しようというのでしょうか……ちょうど明日、夜会を開くそうですよ?そこで生贄を集める気のようです」
「今度は貴族からもか……。よほど贄不足とみえる」
「華々しい夜会の裏で、仕入れた新しい生贄をエサに悪魔召喚の儀式を行うのでしょうね……」
「ッしゃーーっ!じゃあその儀式に潜入だーーっ!」
「儀式の前に、情報収集も兼ねて夜会に行ってみようよ」
「待て」
行く事を前提にワイワイと騒ぎ出すダンテとディーヴァに、現・ご主人様、シエルの待ったがかかる。
「招待状もなしには行けないぞ」
「招待状……?」
「えっ、そうなの……」
そりゃそうか、貴族様のパーティーだ、招待状もなしに行くことなどできないだろう。
「招待状ならここにございますよ」
「は……?」
「なんだよ、あるんじゃねぇか。セバスチャンだけじゃなくてシエルも仕事早いな」
「いや……僕は招待状を受けれる手配も何もしていないが」
「えっ……じゃあまさかセバスチャンさん……?」
そんな事ができるとしたら彼だけ。
と、困惑気味に自身の執事に目をやるシエルにつられるように、ディーヴァもセバスチャンの方を見る。
「フフ、噂とは早く広まるものですねぇ。実は招待状が来るようにディーヴァさんの存在を、少しばかり流させていただいたのです」
笑みを深くしたセバスチャンのその表情、含みが多そうで怖い。
「因みになんて流したんだ……?」
「天使のように愛らしき薄緑の少女が社交界デビューを目指し、田舎よりファントムハイヴ家へと居候中、と。それだけです」
天使のように、というかまんま天使である。
しかし、ピンポイントでドルイット子爵からの招待状が届くよう狙ったかのような噂の内容だな、とは思った。
ダンテは単純にもただただ感心しているようだったが。
「はー……お前、ほんっとスーパー執事くんだな!」
「その表現スーパーヒ●シくんみたいで嫌なのでやめてください」
「んふふ、世●・ふし●発見!ですね!」
古い、古いぞ、そのネタ古いぞ三人とも。
シエルなんて、首を傾げてそれについてはスルーするところだ。
「それで子爵は悪魔を喚べているのか?」
「はい。実際、極々低級の悪魔は喚び出せているようですが、こちらでは体が上手く保てないのかすぐに消滅してばかりらしいですよ」
「お前のような悪魔は出てこない、と?」
セバスチャンのような強く賢い悪魔が敵として出てきたら大変だ。
倒すなりお帰りいただくなりする予定だが、悪魔と半魔対未知数の力を持つ悪魔……厳しい戦いとなるだろう。
「はい。ですが私の場合はちょっとした気まぐれでこちらに来たというのもありますからね。他の悪魔が同じように気まぐれを起こさないとも限らないでしょう」
セバスチャンもわかっているのか、その戦いが避けられぬ可能性を示唆してきた。