DMC×黒執事
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「ダンテ、行っちゃった……珍しくあたしに行ってきますも言わずに」
「あの状態じゃそんな言葉言うどころじゃないと僕は思うぞ。頭に血がのぼって軽く我を忘れてる。……心配か?」
「そりゃもちろん」
「確信はないが大丈夫だ。無傷とはいかなくともどちらかが死ぬことはあるまい?頭が冷えたら戻って来るさ」
「……うん」
心配もあるし、頭が冷えて戻って来たら今度は自分の番な気がして恐ろしいし、なんだか色々もやもやする。
自分の番かな?とは思っても、相手は非力な自分であり、暴力に訴えたりはしないだろうが。
それでもお仕置きやお説教は受けたくない。
「ほら、紅茶でも飲め。というかお前はメイドだろう?僕におかわりを注げ」
単におかわりが欲しかった可能性もあるが、ディーヴァの気を紛らわすべく、そうやって仕事を与えてくれたシエルに感謝だ。
「はいはい。仰せのままに、ご主人様」
ああ、今日も紅茶は変わらず美味しい。
「あ、そういえば」
「なんだ?」
「坊ちゃん、なんでセバスチャンさんはセバスチャンって名前なの?悪魔と契約する場合って、名前を契約者が決めるんでしょ?」
「そんなこと聞きたいのか?」
「セバスチャンさんに聞いたら教えてくれなかった」
「だろう。あいつの名の由来は、昔飼っていた犬の名前だからな」
「うわ……酷いね」
それを知った時のセバスチャンの気持ちは想像できる。
きっとあの笑顔は変わらぬまま、心中では毒舌の嵐が吹き荒れていたであろう。
そんな時だった。
その会話が違う場所で喧嘩しているはずのセバスチャンにでも聞こえたとでもいうのか、地震も何もないまま壁が大破した。
「「!?」」
「……いきなり壁とか色々壊れてるんだけど…何?
「さ、さあな。地震……ではなさそうだが」
ビビるわぁ。
老朽化しているわけでもなさそうだ。
その後しばらく、シエルとディーヴァを時折驚かすだけの時間が続いた。
誰が起こしてるかはなんとなくわかるが、この片付け誰がやると思ってるんだと叫びたくなる。
ある程度散らかった頃、唐突に空間に穴が空いた。
そこからにゅっと姿を現したのはダンテとセバスチャンその人達。
「ただいまディーヴァ」
「ただいま戻りました」
「遅いぞ貴様、ら……?」
「ダンテ、セバスチャンさ、ヒッ……!」
その姿が血濡れなのは想像できていたが、目にしたシエルとディーヴァは言葉を失わずにはいられなかった。
そのナリは顔面蒼白もの。
ダンテはまだいい。
先に攻撃を受けてすでに治っているのであろう、胸に穴が空いた名残か、血染めの衣服の中央にぽっかりと穴があるだけ。
だがセバスチャンは違った。
おっと、ここからはホラー注意。
セバスチャンの状態……それは、頭からダラダラと血を流し髪やら顔やら服は血染めなのは勿論のこと、問題は血以外。
肉片……にしか見えないモノや、脳みその一部にしか見えないソレ、そして一度落ちてから新しく再生したのだろう不要となった目玉がゴロン。
ホラーもホラー、ゾンビじゃないか!
なぜダンテは何も言わない!?アレか、普段のデビルハントで慣れてるのか!そうなのか!!?
「こ、怖……い……ぶくぶくぶくぶく……」
「み、見るに耐えないぞセバスチャン!はやくその姿をなんとかしろーーっ!!」
あまりにも強烈な姿に、泡を吹いて倒れるディーヴァ。
シエルは叫んでいる始末。
それを聞いたセバスチャンは顔を隠すようにサッと手を翳した。
「おっと、御二方とも申し訳ございません。何せ頭が割れてしまいましたからね……それはもう、パックリと」
「あー。よく見りゃ確かにホラー映画もビックリだったな。ウケるぜー!」
悪魔的思考でゲラゲラ笑うダンテを尻目に、手を翳した後に残るのは、綺麗さっぱり傷が治り、肉片やら脳みその一部やらがなくなった元の姿。
しいて言うなら執事服のみが破れと血染めなままか。
悪魔パワー……しゅごい!
「はあ……私としたことが治すのをつい忘れていましたよ」
せめて少しでも綺麗にと、パンパンと執事服についた埃を払って姿勢を正す。
どうやってもあとで着替える以外にないが。
「まったく、どこぞの甘い煮豆ペーストが入ったブレッドヒーローじゃないんですからね、私の顔は替えはきかないんですよ?」
「血みどろで某死神が喜びそうな赤になったじゃねぇか。よかったな」
替え、きいたのと変わらなくない?
シエルに揺さぶられて意識を戻し始めていたディーヴァは、失礼かもしれないがそう思った。
「はあ、よくありません。執事服も汚れましたし……まったく、一本取られましたよ。貴方は殴ってスカッとした顔をしてますね」
「ああ、許してはいねぇけどな。今の戦闘で一回殺したことにする。だってアンタ……なんだか殺してもすぐ復活しそうなんだよなー」
「それについては貴方も同じことが言えるでしょう?」
「フッ……違いねえ」
悪魔は悪魔の力で傷がありえないスピードで治ってゆく。
ダンテもそうだがセバスチャンは完全なる悪魔であり、セバスチャンによると「悪魔は基本的にデスサイズでのみ死にます」とのこと。
どっちも普通には死なない……否、死ねない。
どっちもどっちな会話をし、バチバチと両者の間に飛び交う火花はそのまま。
だが、先ほどと違いそこには拳を交えたことからの、謎の理解・同調・共感が芽生えたのか、戦闘に突入してしまいそうなそれは感じなかった。
握手でもかわしそうだ。
「しかし……貴方は本当にヒトという存在を愛しているんですね」
「特にディーヴァをだがな」
「それはそれは……先ほどは申し訳ないことを言ってしまいましたね」
先ほどと言うのは、戦う少し前、ダンテがディーヴァに惚れた理由が悪魔の本能から来るものだと、そう言ったこと……愛などと言う言葉で逃げられぬよう気持ちを縛り付けておいて、いつかはディーヴァを喰らい尽くしてしまうのだと、そう言ったことだ。
「けれど私には愛というものはわからぬ感情です」
「普通の悪魔はそうだ。しかたねぇな」
そう言うセバスチャンはどこか悲しそうだが、その悲しみは多分……『愛せない辛さ』ではなく、単純に『感情が学べないという知的好奇心を満たせぬ悔しさ』から来ている可能性が大きい。
「あの状態じゃそんな言葉言うどころじゃないと僕は思うぞ。頭に血がのぼって軽く我を忘れてる。……心配か?」
「そりゃもちろん」
「確信はないが大丈夫だ。無傷とはいかなくともどちらかが死ぬことはあるまい?頭が冷えたら戻って来るさ」
「……うん」
心配もあるし、頭が冷えて戻って来たら今度は自分の番な気がして恐ろしいし、なんだか色々もやもやする。
自分の番かな?とは思っても、相手は非力な自分であり、暴力に訴えたりはしないだろうが。
それでもお仕置きやお説教は受けたくない。
「ほら、紅茶でも飲め。というかお前はメイドだろう?僕におかわりを注げ」
単におかわりが欲しかった可能性もあるが、ディーヴァの気を紛らわすべく、そうやって仕事を与えてくれたシエルに感謝だ。
「はいはい。仰せのままに、ご主人様」
ああ、今日も紅茶は変わらず美味しい。
「あ、そういえば」
「なんだ?」
「坊ちゃん、なんでセバスチャンさんはセバスチャンって名前なの?悪魔と契約する場合って、名前を契約者が決めるんでしょ?」
「そんなこと聞きたいのか?」
「セバスチャンさんに聞いたら教えてくれなかった」
「だろう。あいつの名の由来は、昔飼っていた犬の名前だからな」
「うわ……酷いね」
それを知った時のセバスチャンの気持ちは想像できる。
きっとあの笑顔は変わらぬまま、心中では毒舌の嵐が吹き荒れていたであろう。
そんな時だった。
その会話が違う場所で喧嘩しているはずのセバスチャンにでも聞こえたとでもいうのか、地震も何もないまま壁が大破した。
「「!?」」
「……いきなり壁とか色々壊れてるんだけど…何?
「さ、さあな。地震……ではなさそうだが」
ビビるわぁ。
老朽化しているわけでもなさそうだ。
その後しばらく、シエルとディーヴァを時折驚かすだけの時間が続いた。
誰が起こしてるかはなんとなくわかるが、この片付け誰がやると思ってるんだと叫びたくなる。
ある程度散らかった頃、唐突に空間に穴が空いた。
そこからにゅっと姿を現したのはダンテとセバスチャンその人達。
「ただいまディーヴァ」
「ただいま戻りました」
「遅いぞ貴様、ら……?」
「ダンテ、セバスチャンさ、ヒッ……!」
その姿が血濡れなのは想像できていたが、目にしたシエルとディーヴァは言葉を失わずにはいられなかった。
そのナリは顔面蒼白もの。
ダンテはまだいい。
先に攻撃を受けてすでに治っているのであろう、胸に穴が空いた名残か、血染めの衣服の中央にぽっかりと穴があるだけ。
だがセバスチャンは違った。
おっと、ここからはホラー注意。
セバスチャンの状態……それは、頭からダラダラと血を流し髪やら顔やら服は血染めなのは勿論のこと、問題は血以外。
肉片……にしか見えないモノや、脳みその一部にしか見えないソレ、そして一度落ちてから新しく再生したのだろう不要となった目玉がゴロン。
ホラーもホラー、ゾンビじゃないか!
なぜダンテは何も言わない!?アレか、普段のデビルハントで慣れてるのか!そうなのか!!?
「こ、怖……い……ぶくぶくぶくぶく……」
「み、見るに耐えないぞセバスチャン!はやくその姿をなんとかしろーーっ!!」
あまりにも強烈な姿に、泡を吹いて倒れるディーヴァ。
シエルは叫んでいる始末。
それを聞いたセバスチャンは顔を隠すようにサッと手を翳した。
「おっと、御二方とも申し訳ございません。何せ頭が割れてしまいましたからね……それはもう、パックリと」
「あー。よく見りゃ確かにホラー映画もビックリだったな。ウケるぜー!」
悪魔的思考でゲラゲラ笑うダンテを尻目に、手を翳した後に残るのは、綺麗さっぱり傷が治り、肉片やら脳みその一部やらがなくなった元の姿。
しいて言うなら執事服のみが破れと血染めなままか。
悪魔パワー……しゅごい!
「はあ……私としたことが治すのをつい忘れていましたよ」
せめて少しでも綺麗にと、パンパンと執事服についた埃を払って姿勢を正す。
どうやってもあとで着替える以外にないが。
「まったく、どこぞの甘い煮豆ペーストが入ったブレッドヒーローじゃないんですからね、私の顔は替えはきかないんですよ?」
「血みどろで某死神が喜びそうな赤になったじゃねぇか。よかったな」
替え、きいたのと変わらなくない?
シエルに揺さぶられて意識を戻し始めていたディーヴァは、失礼かもしれないがそう思った。
「はあ、よくありません。執事服も汚れましたし……まったく、一本取られましたよ。貴方は殴ってスカッとした顔をしてますね」
「ああ、許してはいねぇけどな。今の戦闘で一回殺したことにする。だってアンタ……なんだか殺してもすぐ復活しそうなんだよなー」
「それについては貴方も同じことが言えるでしょう?」
「フッ……違いねえ」
悪魔は悪魔の力で傷がありえないスピードで治ってゆく。
ダンテもそうだがセバスチャンは完全なる悪魔であり、セバスチャンによると「悪魔は基本的にデスサイズでのみ死にます」とのこと。
どっちも普通には死なない……否、死ねない。
どっちもどっちな会話をし、バチバチと両者の間に飛び交う火花はそのまま。
だが、先ほどと違いそこには拳を交えたことからの、謎の理解・同調・共感が芽生えたのか、戦闘に突入してしまいそうなそれは感じなかった。
握手でもかわしそうだ。
「しかし……貴方は本当にヒトという存在を愛しているんですね」
「特にディーヴァをだがな」
「それはそれは……先ほどは申し訳ないことを言ってしまいましたね」
先ほどと言うのは、戦う少し前、ダンテがディーヴァに惚れた理由が悪魔の本能から来るものだと、そう言ったこと……愛などと言う言葉で逃げられぬよう気持ちを縛り付けておいて、いつかはディーヴァを喰らい尽くしてしまうのだと、そう言ったことだ。
「けれど私には愛というものはわからぬ感情です」
「普通の悪魔はそうだ。しかたねぇな」
そう言うセバスチャンはどこか悲しそうだが、その悲しみは多分……『愛せない辛さ』ではなく、単純に『感情が学べないという知的好奇心を満たせぬ悔しさ』から来ている可能性が大きい。