DMC×黒執事
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しばし考え込むようなしぐさのあと、口角を上げるセバスチャン。
「……なるほど。戦闘能力はなさそうですが家事能力は期待できそうですね」
「戦闘能力!?あたし弱いですー!押しただけでHPゼロになっちゃいますからね!!」
「ハハハ!まあ、ウチのディーヴァは戦えないヒロインだからなー」
「戦えない……。やはりこちらの世界のクソ天使とは何もかもが大違いですね」
「ふぇ?」
「いいえ、何も」
「うゎ……オレ聞こえちゃった……」
こちらの世界の天使?
ってかクソ天使ってなんぞ??
執事やってるくせに意外と口悪いなコイツ、悪魔かよ……って悪魔だった。
色々気にはなるが、天使はディーヴァだけでじゅうぶんだし、『クソ』なんてつくならかかわらないほうがいいだろう。
「では私の仕事の手伝いをしていただきますね」
「はい。わかりました」
「セバスチャン、オレは?オレは?」
「ダンテさん、貴方は……、」
ダンテの上から下までを順に眺める。
深い紅色の革の上着に黒のインナーとボトムス、ゴツい銀のベルトという旅行にはちょっと向かなさそうなロックテイストな格好、そして頭脳派というよりは脳筋……コホン、肉体派な言動と態度と、半分悪魔というその強さ。
家事は到底期待出来なさそうな彼に何の仕事をさせればよいか、というと。
「今のところは特に何も考えつきません」
「なんだよそれ」
「まあ、妥当な判断ですよねー」
セバスチャンに賛同し、うんうんと頷くディーヴァ。
「ディーヴァまで!?」
「だって、ダンテはお掃除もお洗濯もしないしガーデニングもしない。ましてやお料理なんてとてもじゃないけど……」
「確かにそりゃやんねーな!ディーヴァの仕事だしとっちゃ悪いだろ?」
「はー……これだもんねぇ」
やる気くらい出してよ、と軽く小突けばヤル気なら出すと、いつものように返された。
つ ら い 。
「では手始めに昼間は坊ちゃんの補佐を。夜は……何かあった時だけ屋敷の警護をお願いします。この屋敷、何かと狙われるんで忍び込もうとする輩が絶えないのですよ」
「お、そういうのなら簡単だな。子どもの相手に夜間警備か、任せろ!」
自分の主人を子ども扱い。
だが、セバスチャンは主人を愚弄されてもなんとも思わないのか、ダンテに言わせるままだった。
表情もそうだが、ダンテと違い考えの読めぬ悪魔だ……とディーヴァはセバスチャンとの仕事に少し不安を覚えた。
「さてと、ティーセットを片付けましょうか」
「はい!」
「いいお返事です」
それからテーブルの上にたくさん並べられたティーセットを三人で手分けしてティーワゴンに乗せてゆく。
割らないように、そっと、そーっと、扱いつつ、尚且つ傍のダンテが割らないようにも配慮して片付けるのだが、丁寧に、そしてテキパキと迅速にと注意して片付けるディーヴァ。
これが普通なのだが今までこの屋敷ではいなかったタイプの仕事の捗り具合に、セバスチャンはじっとディーヴァを見つめた。
(まだわかりませんが、このまま様子を見て仕事ができるか否か判断させていただきましょう)
今は良くても、次の仕事でヘマをするかもしれない。
かわいそうに、この屋敷の使用人の仕事ぶりはとことんセバスチャンに信用されていないのだった……。
カラカラとティーワゴンを動かし廊下を行く途中、漆黒の大きな扉があるのに気がつく。
他の扉と違い、どっしりと構えられたそこはプライベートな空間というよりはオフィススペース、それもCEOの執務室といった感じである。
「坊ちゃんの執務室はこちらですので、ノックをしてからお入りを」
「オレは今執事みたいなもんだろ?『オカエリナサイゴシュジンサマごっこ』すりゃいいってことくらいわかってるっての」
やはりここがシエルのいる部屋のようで、ここへ入るようセバスチャンに促されるダンテ。
かるーく変なことを言うのはダンテだから仕方ない。
いやしかし、なんなんだ『オカエリナサイゴシュジンサマごっこ』って。
相変わらず変態というかブレない奴である。
「「………………」」
セバスチャンと二人、しばし無言になってしまった。
そんなビミョーな空気を物ともせず、ダンテはにこにこ笑ってドアノブに手をかける。
「じゃあディーヴァ、あとでな。あ、そうだった。セバスチャン、ディーヴァがかわいいからって手は出すなよ?オレのなんだからな!」
「手なんて出しませんよ」
『手』は、ね。
その言葉は口にせず、口内へと飲み込まれた。
さてさて、ダンテが消えたところで。
途中にあったキッチンにティーワゴンを置いて行きつつ、先にディーヴァにあてがわれるという部屋へと歩く。
仕事の内容的にダンテはともかく、ディーヴァの今の格好は、ピンクベージュのトレンチコートにフリルとレース付きの真っ白いカットソー、灰色のロングアコーディオンスカートと、動きやすくも、やはり余所行きらしいスタイルである。
それもそうか、ダンテと二人、彼女は旅行中だったのだから。
とにかく使用人としての仕事のためには、着替えなくてはいけない。
「貴女方に使ってもらうのはゲストルームです」
「え、使用人部屋ではなく?」
「用意する時間がありませんからね。部屋のグレードは高いのですから喜びこそすれご不満はないでしょう?」
「まあ、そうですけど……。ほんとすみません」
「ここは感謝を述べるところです」
「!……ありがとうございます」
使用人という扱いでありながらもゲストルームを使っていいとは、なんだか申し訳なく思うが、まあ執事のセバスチャンがいいと言うなら遠慮なく使わせてもらおう。
今から使用人部屋を用意してもらう方が、よっぽど申し訳ないことだし、素直に感謝。
「んー、でもダンテに補佐なんてできますかね……お仕事の邪魔しかできないと思いますよ?」
「補佐とは言いましたが、坊ちゃんの遊び相手です」
「あー、なら大丈夫ですね」
なぁんだ、ダンテが皮肉って言ったその通り、遊び相手か。
だったらダンテにもできることだろうが、ダンテが仕事の邪魔にならないように体良く追い払われた感が否めない。
「……なるほど。戦闘能力はなさそうですが家事能力は期待できそうですね」
「戦闘能力!?あたし弱いですー!押しただけでHPゼロになっちゃいますからね!!」
「ハハハ!まあ、ウチのディーヴァは戦えないヒロインだからなー」
「戦えない……。やはりこちらの世界のクソ天使とは何もかもが大違いですね」
「ふぇ?」
「いいえ、何も」
「うゎ……オレ聞こえちゃった……」
こちらの世界の天使?
ってかクソ天使ってなんぞ??
執事やってるくせに意外と口悪いなコイツ、悪魔かよ……って悪魔だった。
色々気にはなるが、天使はディーヴァだけでじゅうぶんだし、『クソ』なんてつくならかかわらないほうがいいだろう。
「では私の仕事の手伝いをしていただきますね」
「はい。わかりました」
「セバスチャン、オレは?オレは?」
「ダンテさん、貴方は……、」
ダンテの上から下までを順に眺める。
深い紅色の革の上着に黒のインナーとボトムス、ゴツい銀のベルトという旅行にはちょっと向かなさそうなロックテイストな格好、そして頭脳派というよりは脳筋……コホン、肉体派な言動と態度と、半分悪魔というその強さ。
家事は到底期待出来なさそうな彼に何の仕事をさせればよいか、というと。
「今のところは特に何も考えつきません」
「なんだよそれ」
「まあ、妥当な判断ですよねー」
セバスチャンに賛同し、うんうんと頷くディーヴァ。
「ディーヴァまで!?」
「だって、ダンテはお掃除もお洗濯もしないしガーデニングもしない。ましてやお料理なんてとてもじゃないけど……」
「確かにそりゃやんねーな!ディーヴァの仕事だしとっちゃ悪いだろ?」
「はー……これだもんねぇ」
やる気くらい出してよ、と軽く小突けばヤル気なら出すと、いつものように返された。
つ ら い 。
「では手始めに昼間は坊ちゃんの補佐を。夜は……何かあった時だけ屋敷の警護をお願いします。この屋敷、何かと狙われるんで忍び込もうとする輩が絶えないのですよ」
「お、そういうのなら簡単だな。子どもの相手に夜間警備か、任せろ!」
自分の主人を子ども扱い。
だが、セバスチャンは主人を愚弄されてもなんとも思わないのか、ダンテに言わせるままだった。
表情もそうだが、ダンテと違い考えの読めぬ悪魔だ……とディーヴァはセバスチャンとの仕事に少し不安を覚えた。
「さてと、ティーセットを片付けましょうか」
「はい!」
「いいお返事です」
それからテーブルの上にたくさん並べられたティーセットを三人で手分けしてティーワゴンに乗せてゆく。
割らないように、そっと、そーっと、扱いつつ、尚且つ傍のダンテが割らないようにも配慮して片付けるのだが、丁寧に、そしてテキパキと迅速にと注意して片付けるディーヴァ。
これが普通なのだが今までこの屋敷ではいなかったタイプの仕事の捗り具合に、セバスチャンはじっとディーヴァを見つめた。
(まだわかりませんが、このまま様子を見て仕事ができるか否か判断させていただきましょう)
今は良くても、次の仕事でヘマをするかもしれない。
かわいそうに、この屋敷の使用人の仕事ぶりはとことんセバスチャンに信用されていないのだった……。
カラカラとティーワゴンを動かし廊下を行く途中、漆黒の大きな扉があるのに気がつく。
他の扉と違い、どっしりと構えられたそこはプライベートな空間というよりはオフィススペース、それもCEOの執務室といった感じである。
「坊ちゃんの執務室はこちらですので、ノックをしてからお入りを」
「オレは今執事みたいなもんだろ?『オカエリナサイゴシュジンサマごっこ』すりゃいいってことくらいわかってるっての」
やはりここがシエルのいる部屋のようで、ここへ入るようセバスチャンに促されるダンテ。
かるーく変なことを言うのはダンテだから仕方ない。
いやしかし、なんなんだ『オカエリナサイゴシュジンサマごっこ』って。
相変わらず変態というかブレない奴である。
「「………………」」
セバスチャンと二人、しばし無言になってしまった。
そんなビミョーな空気を物ともせず、ダンテはにこにこ笑ってドアノブに手をかける。
「じゃあディーヴァ、あとでな。あ、そうだった。セバスチャン、ディーヴァがかわいいからって手は出すなよ?オレのなんだからな!」
「手なんて出しませんよ」
『手』は、ね。
その言葉は口にせず、口内へと飲み込まれた。
さてさて、ダンテが消えたところで。
途中にあったキッチンにティーワゴンを置いて行きつつ、先にディーヴァにあてがわれるという部屋へと歩く。
仕事の内容的にダンテはともかく、ディーヴァの今の格好は、ピンクベージュのトレンチコートにフリルとレース付きの真っ白いカットソー、灰色のロングアコーディオンスカートと、動きやすくも、やはり余所行きらしいスタイルである。
それもそうか、ダンテと二人、彼女は旅行中だったのだから。
とにかく使用人としての仕事のためには、着替えなくてはいけない。
「貴女方に使ってもらうのはゲストルームです」
「え、使用人部屋ではなく?」
「用意する時間がありませんからね。部屋のグレードは高いのですから喜びこそすれご不満はないでしょう?」
「まあ、そうですけど……。ほんとすみません」
「ここは感謝を述べるところです」
「!……ありがとうございます」
使用人という扱いでありながらもゲストルームを使っていいとは、なんだか申し訳なく思うが、まあ執事のセバスチャンがいいと言うなら遠慮なく使わせてもらおう。
今から使用人部屋を用意してもらう方が、よっぽど申し訳ないことだし、素直に感謝。
「んー、でもダンテに補佐なんてできますかね……お仕事の邪魔しかできないと思いますよ?」
「補佐とは言いましたが、坊ちゃんの遊び相手です」
「あー、なら大丈夫ですね」
なぁんだ、ダンテが皮肉って言ったその通り、遊び相手か。
だったらダンテにもできることだろうが、ダンテが仕事の邪魔にならないように体良く追い払われた感が否めない。