DMC×黒執事
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
と、いうわけで、ダンテとディーヴァは帰れないと判明したわけだが。
「まっ!なんとかなるだろ!」
あっさりと軽くダンテがそう抜かした。
「…はあ?何言ってるのダンテ」
「だってここ、悪魔はこのセバスチャンくらいしかいないってことだろ?オレ達が悪魔に襲われる心配もないこの世界、ディーヴァにとっちゃ楽園じゃねぇか。ゆっくり帰る方法探そうぜ!」
「ばっ…………」
「ば?」
おおっと。
ば、のセリフのまま、ディーヴァは口の中に言いたいことを溜める。
「…………っっかじゃないの!!」
そしてダンテの顔にぶつけるようにそう吐いた。
「仕事もあるの!生活もあるの!帰りの飛行機はチケット取り直せばいいかもしれない。でも他にもいろいろあるでしょ!?おじいちゃんに勧められて来たこの場所で!なのに孫とその彼氏は忽然と姿を消して行方不明!おかしいでしょ!おじいちゃん卒倒するよ!バカ!」
「お、おう……」
「一刻も早く帰らなきゃ……。ここは場面的に慌てるとこでしょ。なのにダンテったらどうしてそんなに危機感ないの!」
「えーと…すまん……」
そのうち帰れるだろう、なんて甘い考えはディーヴァにはない。
こんなところは現実主義。
上記の理由でディーヴァは帰る方法をと、焦り慌てていた。
「はぁ……ダンテと話すとなんか頭痛い」
大きくため息を吐きだし、ずむぅぅぅん…と落ち込んだ様子のディーヴァ。
色々考え過ぎただけでなく、のほほんとしたダンテを相手にし、頭が痛くなる気持ち……わかる気がする。
帰る方法を探すのにもアテもなくツテもなく、お金もこの世界では銀行で下ろせず、このままでは手持ちはなくなる運命。
……ましてや根無し草なのだから。
落ち込むディーヴァと、ディーヴァの言葉が大ダメージだったらしい、やっぱり落ち込んだダンテ。
二人を気遣うようにシエルが声をかける。
「お、おい……大丈夫か?」
「ああ……シエルくん……。見苦しいところ見せちゃったね。ゴメン……」
「帰れない……んだったな」
「……うん。そうみたい」
別れの挨拶をしたばかりでダンテとディーヴァのこの展開はあまり読めていなかったが、気持ちを切り替えて、と。
自分の世界に帰れないこの二人をどうするべきか、冷静に考えるシエル。
「ふむ……セバスチャン。確か有能な使用人が欲しいとか言っていなかったか?」
「ええ。有能な、ですよ。無能ではなく有能な」
「そう強調するな」
何と比べて有能な、なのかはこの屋敷の主人たる自分が一番よくわかっている。
いざとなったら悪の貴族の使用人らしく最高の働きをみせる彼らだが、普段の仕事はてんでダメなのだ。
料理は黒こげ、洗濯は泡だらけ、食器も満足に運べず、極め付けには庭を一瞬で荒廃させてしまう。
これが無能といわずになんというだろうか?
彼らの仕事ぶりはセバスチャンがストレスを溜める一番の原因だ。
「二人とも。帰る手立てが見つかるまでこの屋敷で使用人として働く気はないか?」
「「んえっ?」」
「……おや、やはりそう来ましたか」
セバスチャンだけは予想していたようだが、ダンテと二人、素っ頓狂な声を上げてしまった。
が、注目されたシエルは、クスリと笑みを深くしただけ。
「待って待って。そんなことしてもシエルくんになんの得もないよ」
「退屈しのぎ、とでも思えばなんてことはない。……が、僕は働かない者を屋敷に置くほど優しくないからな、置いてやる代わりに使用人になってもらう。寝食に困らぬよう部屋と食事つき、仕事に見合った賃金も出す。……悪い話ではないはずだが?」
確かに悪い話ではない、願ってもない提案だ。
帰れるまでどのくらいかかるかわからないが、方法を探すにもまずは寝るところくらいは欲しかった。
それに彼、シエルは階級や地位ゆえ顔も広いし、情報も手に入りやすかろう。
「もちろん、仕事の合間には好きに帰る方法を探していい。そちらの方には積極的に僕も協力しよう。『帰ること』それが目的だろうからな」
「シエルくん……ありがとう」
「助かるぜ、ほんっとありがとなシエル」
シエルのおかげで助かった。
ひとつの問題が片付いたところで、あとはその使用人の仕事とやらだが…?
「ああ。……仕事についてはセバスチャンに聞くといい。セバスチャン、あとは頼んだぞ」
「御意」
ふぅ、と一息入れ、シエルはティーカップの残りを飲み干す。
……渋い。
澱の液体と化した紅茶は予想以上に渋く、驚きと共に苦虫をかみつぶしたような顔になってしまった。
この二人を受け入れたことがこれから先、吉と出るか凶と出るか……まるでこの紅茶の味のようだ。
甘く薫り高いか、それとも香りが飛んで渋いのか、誰にもわからない。
「僕は執務室に戻る」
当初の予定であったアフタヌーンティーを終え、シエルは立ち上がってドアへと歩いていった。
あとのことをすべてセバスチャンに任せるようで、さすがというかなんというか……我が道を行く姿はぶれないな、としか思えなかった。
「……シエルくんはこの屋敷のあるじ……。じゃあ『ご主人さま』って呼んだほうがいいですよね?」
パタンと閉じるドア向こうにシエルが消えるのを確認し、ドアを見つめたままディーヴァがここにいる二人に向かってボソリとつぶやく。
「ご主人さまってなぁ……ディーヴァ、」
オレだって呼ばれたことねーのに。
そんなふうに思ってしまうのはダンテのサガだが、その言葉は今はぐっと飲み込んでおこう。
「……ま、少なくとも『くん』付けはできねーな」
「でしたら私と同じ『坊ちゃん』と呼べばよろしいかと思いますが」
クス、と笑ってそんな提案をしてくるセバスチャンの言う通りにしておこうかな。
そう思ってダンテと二人、コクコクと頷いて返事。
「それはそうとディーヴァさん、貴女、掃除洗濯料理は得意ですか?」
「家事全般ってことですね。んー……得意かって言われるとなんとも言えませんが、出来る方だとは思います」
「はっ!何言ってんだか。そういうのはお前の超得意分野だろ。あと超磁力悪魔ホイホイ」
「最後の余計ー」
ダンテの言葉とディーヴァの謙虚にも思える話である程度、ディーヴァの出来る範囲と性格を理解したようだった。
「まっ!なんとかなるだろ!」
あっさりと軽くダンテがそう抜かした。
「…はあ?何言ってるのダンテ」
「だってここ、悪魔はこのセバスチャンくらいしかいないってことだろ?オレ達が悪魔に襲われる心配もないこの世界、ディーヴァにとっちゃ楽園じゃねぇか。ゆっくり帰る方法探そうぜ!」
「ばっ…………」
「ば?」
おおっと。
ば、のセリフのまま、ディーヴァは口の中に言いたいことを溜める。
「…………っっかじゃないの!!」
そしてダンテの顔にぶつけるようにそう吐いた。
「仕事もあるの!生活もあるの!帰りの飛行機はチケット取り直せばいいかもしれない。でも他にもいろいろあるでしょ!?おじいちゃんに勧められて来たこの場所で!なのに孫とその彼氏は忽然と姿を消して行方不明!おかしいでしょ!おじいちゃん卒倒するよ!バカ!」
「お、おう……」
「一刻も早く帰らなきゃ……。ここは場面的に慌てるとこでしょ。なのにダンテったらどうしてそんなに危機感ないの!」
「えーと…すまん……」
そのうち帰れるだろう、なんて甘い考えはディーヴァにはない。
こんなところは現実主義。
上記の理由でディーヴァは帰る方法をと、焦り慌てていた。
「はぁ……ダンテと話すとなんか頭痛い」
大きくため息を吐きだし、ずむぅぅぅん…と落ち込んだ様子のディーヴァ。
色々考え過ぎただけでなく、のほほんとしたダンテを相手にし、頭が痛くなる気持ち……わかる気がする。
帰る方法を探すのにもアテもなくツテもなく、お金もこの世界では銀行で下ろせず、このままでは手持ちはなくなる運命。
……ましてや根無し草なのだから。
落ち込むディーヴァと、ディーヴァの言葉が大ダメージだったらしい、やっぱり落ち込んだダンテ。
二人を気遣うようにシエルが声をかける。
「お、おい……大丈夫か?」
「ああ……シエルくん……。見苦しいところ見せちゃったね。ゴメン……」
「帰れない……んだったな」
「……うん。そうみたい」
別れの挨拶をしたばかりでダンテとディーヴァのこの展開はあまり読めていなかったが、気持ちを切り替えて、と。
自分の世界に帰れないこの二人をどうするべきか、冷静に考えるシエル。
「ふむ……セバスチャン。確か有能な使用人が欲しいとか言っていなかったか?」
「ええ。有能な、ですよ。無能ではなく有能な」
「そう強調するな」
何と比べて有能な、なのかはこの屋敷の主人たる自分が一番よくわかっている。
いざとなったら悪の貴族の使用人らしく最高の働きをみせる彼らだが、普段の仕事はてんでダメなのだ。
料理は黒こげ、洗濯は泡だらけ、食器も満足に運べず、極め付けには庭を一瞬で荒廃させてしまう。
これが無能といわずになんというだろうか?
彼らの仕事ぶりはセバスチャンがストレスを溜める一番の原因だ。
「二人とも。帰る手立てが見つかるまでこの屋敷で使用人として働く気はないか?」
「「んえっ?」」
「……おや、やはりそう来ましたか」
セバスチャンだけは予想していたようだが、ダンテと二人、素っ頓狂な声を上げてしまった。
が、注目されたシエルは、クスリと笑みを深くしただけ。
「待って待って。そんなことしてもシエルくんになんの得もないよ」
「退屈しのぎ、とでも思えばなんてことはない。……が、僕は働かない者を屋敷に置くほど優しくないからな、置いてやる代わりに使用人になってもらう。寝食に困らぬよう部屋と食事つき、仕事に見合った賃金も出す。……悪い話ではないはずだが?」
確かに悪い話ではない、願ってもない提案だ。
帰れるまでどのくらいかかるかわからないが、方法を探すにもまずは寝るところくらいは欲しかった。
それに彼、シエルは階級や地位ゆえ顔も広いし、情報も手に入りやすかろう。
「もちろん、仕事の合間には好きに帰る方法を探していい。そちらの方には積極的に僕も協力しよう。『帰ること』それが目的だろうからな」
「シエルくん……ありがとう」
「助かるぜ、ほんっとありがとなシエル」
シエルのおかげで助かった。
ひとつの問題が片付いたところで、あとはその使用人の仕事とやらだが…?
「ああ。……仕事についてはセバスチャンに聞くといい。セバスチャン、あとは頼んだぞ」
「御意」
ふぅ、と一息入れ、シエルはティーカップの残りを飲み干す。
……渋い。
澱の液体と化した紅茶は予想以上に渋く、驚きと共に苦虫をかみつぶしたような顔になってしまった。
この二人を受け入れたことがこれから先、吉と出るか凶と出るか……まるでこの紅茶の味のようだ。
甘く薫り高いか、それとも香りが飛んで渋いのか、誰にもわからない。
「僕は執務室に戻る」
当初の予定であったアフタヌーンティーを終え、シエルは立ち上がってドアへと歩いていった。
あとのことをすべてセバスチャンに任せるようで、さすがというかなんというか……我が道を行く姿はぶれないな、としか思えなかった。
「……シエルくんはこの屋敷のあるじ……。じゃあ『ご主人さま』って呼んだほうがいいですよね?」
パタンと閉じるドア向こうにシエルが消えるのを確認し、ドアを見つめたままディーヴァがここにいる二人に向かってボソリとつぶやく。
「ご主人さまってなぁ……ディーヴァ、」
オレだって呼ばれたことねーのに。
そんなふうに思ってしまうのはダンテのサガだが、その言葉は今はぐっと飲み込んでおこう。
「……ま、少なくとも『くん』付けはできねーな」
「でしたら私と同じ『坊ちゃん』と呼べばよろしいかと思いますが」
クス、と笑ってそんな提案をしてくるセバスチャンの言う通りにしておこうかな。
そう思ってダンテと二人、コクコクと頷いて返事。
「それはそうとディーヴァさん、貴女、掃除洗濯料理は得意ですか?」
「家事全般ってことですね。んー……得意かって言われるとなんとも言えませんが、出来る方だとは思います」
「はっ!何言ってんだか。そういうのはお前の超得意分野だろ。あと超磁力悪魔ホイホイ」
「最後の余計ー」
ダンテの言葉とディーヴァの謙虚にも思える話である程度、ディーヴァの出来る範囲と性格を理解したようだった。