DMC×黒執事
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話を戻そう。
「しかし、悪魔が執事をやってるなんて思わなかったぜ。しかもやたら完璧な執事だもんな」
「なんでまた執事を?すごく大変そう……」
執事業どころかパティシエやらガーデニングまで。
それもやたら美味しいお菓子にお茶に、美しい庭園や薔薇の育成と、何から何まで本当に完璧である。
ダンテも半魔じゃなくて本物の悪魔ならもしかして完璧な家事をこなせ……るわけないか、ダンテだし。
「それが坊ちゃんを一番近くで守るのにちょうど良く、人間『らしい』からですよ」
「「守る……?」」
「坊ちゃんが復讐を遂げるその時まで、裏切らず守り抜く。そして目的を完遂したそのあと、魂を頂戴するという契約なのです」
「魂を……」
ダンテはデビルハンター、悪魔を狩る者だ。
ならば、ゆくゆくはシエルの魂を食べる悪魔であるセバスチャンを……人間の魂を食べる悪魔を野放しには出来ないと思うのではなかろうか?
じっとダンテを見つめるディーヴァ。
「どしたディーヴァ?……ああ、なんとなく言いたいことわかった。でもな、双方の了解があるなら、セバスチャンを止めるわけにいかねぇ」
「ダンテさん、貴方はデビルハンターでしたか。悪魔でありながら悪魔を狩る……。はて、そういえば随分と前に人間の味方についた悪魔がいましたっけ……」
セバスチャンの言う悪魔がスパーダであることは、本人がその名前まで覚えていないようなのでわからず仕舞いとなったが、それはまた別のお話。
「悪魔と契約した人間か……もしかして契約したから背が小さいのか?」
悪魔と契約を交わす場合、契約時にも体の一部だのなんだのを取られたりすることもある。
それが生贄なのだが、生贄だったというシエルは生きている。
シエルの他にも生贄がいたのかもしれないが、それは彼が語っていない。
もしかしたら『背』を代償に取られた、なんて可能性も……。
ダンテはにしし、と笑って、眼帯をつけ直したシエルの頭をポンポンと叩いた。
「背は関係ないっ!」
背が低いことをコンプレックスにしているシエルが、腹を立ててダンテの手をパシッと振り払うのは当たり前の行動だったかもしれない。
そして元来、頭に血が上りやすいタイプのダンテだ。
手を払われてこちらもムカついたのだろう、ムッとしてディーヴァを横に並ばせた。
「じゃあディーヴァと並んでみろ。オレが背の高さを比べてやるよ」
「ダンテったらもう並ばせてるじゃない」
ディーヴァはエリザベスと同じくらいの身長なので、普段遣いのブーツを履いたシエルは同じくらいの背の高さになる。
だが、今日は普段のものより、数センチ高い、シークレットブーツを偶然にも履いていた。
つまり立った状態だと……?
「勝った!僕の方が数センチ高いだろう??」
「坊ちゃん、そんなことで女性に勝って嬉しいですか……?」
「勝負は勝負だ。だろう、セバスチャン」
「……そうですね……」
なんとも言えないセバスチャンの顔を横目に、ダンテはシエルの足元に注目する。
少し高い、ブーツを履いたその足元を。
「なあ、それ。シークレットブーツだろ。背が高~くみえるやつ」
ぎくり。
図星だったようで、シエルが何もないところでつまずいた。
「クスッ、見破られましたね、坊ちゃん」
「うぐ」
「これ脱いだ状態だとどれくらいになるの?」
自分の主人が真っ赤な顔でプルプルしているのを知っているくせ、セバスチャンがダンテとディーヴァにシエルのブーツの高さを耳打ちで教えた。
「ぶはっ!なんだよ、そんなにそのシークレットブーツ、かかと高いのかよ!身長低いなお前!!」
「ダンテ大人げない」
「……くっ、……負けは負けだ」
「えーと、シエルくん?16歳のあたしと四つも差があるんだし、仕方ないと思う……よ?」
「12歳っつったらオレは160cm以上あったけどな」
「それはダンテが規格外なノッポだっただけでしょ!」
「あっ!ひでぇ!!」
ダンテとディーヴァ、そしてシエルのやりとりをクスクス笑って見ながら、セバスチャンは二杯目の紅茶を三人に注ぎ足していった。
そして背の話はシエルのためにもこれ以上話すのは止め、紅茶の続きを楽しむ。
「あー、ほんとにこの紅茶もお菓子も美味し…。ティーセットもすごく可愛いし、いいな~」
「ディーヴァ、ティーセットくらいオレが買ってやるよ!」
「ダンテ、いっとくけどこの時代の物は、あたし達の時代だと高いからね?安易にそんな事言っちゃダメ」
「……悪い」
ショボーン。
せっかく買ってあげようと思ったら、ディーヴァにダメ出しされた。
でも、借金やらツケやらを抱えている状態なのだし、そう言われても仕方がないのもわかっている。
借金を思い出して勝手に落ち込むダンテはほっといて、ディーヴァはシエルを中心にぐるりと周りを見渡す。
洋服もブルー系、棚に飾られているティーセットもブルー系。
そのほか色々とブルー系等の色彩が飛び込んでくる。
「シエルくんはブルーが好きなの?」
「ん?ああ、そうだな……ブルー系で統一することも多いからそうなのかもしれない」
「へー」
そう聞きつつ、手元のティーカップを見つめる。
それはブルー系が占領する中で、唯一ブルー以外の色彩に縁取られていた。
「茶器なら普段はウェッジウッドのブルーホワイトなども使っているぞ。ちなみに今使っている茶器は貴嬢が好みそうだと思ったから使ったまでだ」
可憐な野いちごや小花模様がかわいらしくゴールドの装飾が華やかな、ウェッジウッドで代表的とも言えるワイルドストロベリーパターンだ。
英国ガーデンを思わせるこの模様は、長年女性を中心に愛され続けてきた。
可愛いものが好きそうなディーヴァにもぴったりだと踏んだらしい。
「……ありがとう」
茶器ひとつさえ手を抜かず、相手のことを考えての行動。
その気遣いがとてもうれしかった。
「しかし、悪魔が執事をやってるなんて思わなかったぜ。しかもやたら完璧な執事だもんな」
「なんでまた執事を?すごく大変そう……」
執事業どころかパティシエやらガーデニングまで。
それもやたら美味しいお菓子にお茶に、美しい庭園や薔薇の育成と、何から何まで本当に完璧である。
ダンテも半魔じゃなくて本物の悪魔ならもしかして完璧な家事をこなせ……るわけないか、ダンテだし。
「それが坊ちゃんを一番近くで守るのにちょうど良く、人間『らしい』からですよ」
「「守る……?」」
「坊ちゃんが復讐を遂げるその時まで、裏切らず守り抜く。そして目的を完遂したそのあと、魂を頂戴するという契約なのです」
「魂を……」
ダンテはデビルハンター、悪魔を狩る者だ。
ならば、ゆくゆくはシエルの魂を食べる悪魔であるセバスチャンを……人間の魂を食べる悪魔を野放しには出来ないと思うのではなかろうか?
じっとダンテを見つめるディーヴァ。
「どしたディーヴァ?……ああ、なんとなく言いたいことわかった。でもな、双方の了解があるなら、セバスチャンを止めるわけにいかねぇ」
「ダンテさん、貴方はデビルハンターでしたか。悪魔でありながら悪魔を狩る……。はて、そういえば随分と前に人間の味方についた悪魔がいましたっけ……」
セバスチャンの言う悪魔がスパーダであることは、本人がその名前まで覚えていないようなのでわからず仕舞いとなったが、それはまた別のお話。
「悪魔と契約した人間か……もしかして契約したから背が小さいのか?」
悪魔と契約を交わす場合、契約時にも体の一部だのなんだのを取られたりすることもある。
それが生贄なのだが、生贄だったというシエルは生きている。
シエルの他にも生贄がいたのかもしれないが、それは彼が語っていない。
もしかしたら『背』を代償に取られた、なんて可能性も……。
ダンテはにしし、と笑って、眼帯をつけ直したシエルの頭をポンポンと叩いた。
「背は関係ないっ!」
背が低いことをコンプレックスにしているシエルが、腹を立ててダンテの手をパシッと振り払うのは当たり前の行動だったかもしれない。
そして元来、頭に血が上りやすいタイプのダンテだ。
手を払われてこちらもムカついたのだろう、ムッとしてディーヴァを横に並ばせた。
「じゃあディーヴァと並んでみろ。オレが背の高さを比べてやるよ」
「ダンテったらもう並ばせてるじゃない」
ディーヴァはエリザベスと同じくらいの身長なので、普段遣いのブーツを履いたシエルは同じくらいの背の高さになる。
だが、今日は普段のものより、数センチ高い、シークレットブーツを偶然にも履いていた。
つまり立った状態だと……?
「勝った!僕の方が数センチ高いだろう??」
「坊ちゃん、そんなことで女性に勝って嬉しいですか……?」
「勝負は勝負だ。だろう、セバスチャン」
「……そうですね……」
なんとも言えないセバスチャンの顔を横目に、ダンテはシエルの足元に注目する。
少し高い、ブーツを履いたその足元を。
「なあ、それ。シークレットブーツだろ。背が高~くみえるやつ」
ぎくり。
図星だったようで、シエルが何もないところでつまずいた。
「クスッ、見破られましたね、坊ちゃん」
「うぐ」
「これ脱いだ状態だとどれくらいになるの?」
自分の主人が真っ赤な顔でプルプルしているのを知っているくせ、セバスチャンがダンテとディーヴァにシエルのブーツの高さを耳打ちで教えた。
「ぶはっ!なんだよ、そんなにそのシークレットブーツ、かかと高いのかよ!身長低いなお前!!」
「ダンテ大人げない」
「……くっ、……負けは負けだ」
「えーと、シエルくん?16歳のあたしと四つも差があるんだし、仕方ないと思う……よ?」
「12歳っつったらオレは160cm以上あったけどな」
「それはダンテが規格外なノッポだっただけでしょ!」
「あっ!ひでぇ!!」
ダンテとディーヴァ、そしてシエルのやりとりをクスクス笑って見ながら、セバスチャンは二杯目の紅茶を三人に注ぎ足していった。
そして背の話はシエルのためにもこれ以上話すのは止め、紅茶の続きを楽しむ。
「あー、ほんとにこの紅茶もお菓子も美味し…。ティーセットもすごく可愛いし、いいな~」
「ディーヴァ、ティーセットくらいオレが買ってやるよ!」
「ダンテ、いっとくけどこの時代の物は、あたし達の時代だと高いからね?安易にそんな事言っちゃダメ」
「……悪い」
ショボーン。
せっかく買ってあげようと思ったら、ディーヴァにダメ出しされた。
でも、借金やらツケやらを抱えている状態なのだし、そう言われても仕方がないのもわかっている。
借金を思い出して勝手に落ち込むダンテはほっといて、ディーヴァはシエルを中心にぐるりと周りを見渡す。
洋服もブルー系、棚に飾られているティーセットもブルー系。
そのほか色々とブルー系等の色彩が飛び込んでくる。
「シエルくんはブルーが好きなの?」
「ん?ああ、そうだな……ブルー系で統一することも多いからそうなのかもしれない」
「へー」
そう聞きつつ、手元のティーカップを見つめる。
それはブルー系が占領する中で、唯一ブルー以外の色彩に縁取られていた。
「茶器なら普段はウェッジウッドのブルーホワイトなども使っているぞ。ちなみに今使っている茶器は貴嬢が好みそうだと思ったから使ったまでだ」
可憐な野いちごや小花模様がかわいらしくゴールドの装飾が華やかな、ウェッジウッドで代表的とも言えるワイルドストロベリーパターンだ。
英国ガーデンを思わせるこの模様は、長年女性を中心に愛され続けてきた。
可愛いものが好きそうなディーヴァにもぴったりだと踏んだらしい。
「……ありがとう」
茶器ひとつさえ手を抜かず、相手のことを考えての行動。
その気遣いがとてもうれしかった。