DMC×黒執事
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「「「…………」」」
「ガキんちょ主人に真っ黒執事…ごっこ遊びかよ?」
見た通りをつい発言してみせちゃった馬鹿正直なダンテはともかく、双方しばし無言で固まる。
「……お邪魔しました~……」
なんとな~く見てはならぬもの、入ってはならぬ領域のものな気がする。
硬直状態から先に復活したディーヴァが、そのままの表情でそろり、その場を後にするべくゆっくりと扉を閉じる。
「お待ちなさい」
が!なんとなく全身どころか腹まで真っ黒そうな執事が我に返り、手元より取り出し構えたシルバーのカトラリーを装備。
それを必殺の素早さで、こちらに投げナイフよろしく放り投げた。
ドスッドスッ!
「ヒィェッ!」
「うぉ!?」
ちょうどダンテとディーヴァの間を縫ったど真ん中、廊下の向こう壁に切れ味良いだろうピカピカに磨かれたフォーク、そしてナイフが垂直に刺さる。
カトラリーとは思えない鋭利さ。
「何しやがる!オレはともかく、ディーヴァに当たったらどうする!」
「ご心配は無用です。あくまで足止めにと当たらないように投げましたので」
ニッコリと含みのある笑みを表情に浮かべ、執事が述べた。
“当たらないように”それが本当ならばなんというコントロール力だろう。
それでもダンテは怒り心頭で噛みつくように吐き捨て、ついでにと壁から引っこ抜いたカトラリーを執事に向けて、刺す勢いで投げ返した。
……簡単に受け止められてしまったが。
「それより鼠ども。どこから入り込んだ?」
ダンテのような半分悪魔、つまり所謂人外ならば不思議ではないものの、ディーヴァは執事がダンテと同じ、いやそれ以上の力を秘めたる『悪魔』そのものなことを知らない。
右に同じくダンテもだ。
驚いている二人とは反対に、執事がそれを受け止めることがわかっていた幼き主人がポーカーフェイスのまま言ってのける。
「鼠……?」
「あたし達の事だと思うよ」
むかちーん。
「はっ、偉そうなガキだな。自分たちこそ、ここは昔の貴族様の屋敷だってのをしらねぇのか?」
コソ泥じゃあるまいし!と小汚い鼠などと例えられた腹いせにと、ダンテはちょっと前にディーヴァから得たばかりの知識を披露する。
「ガキのくせに『主と執事ごっこ』なんかしやがって、羨ましいんだよ畜生め……オレだって『主とディーヴァのメイドごっこ』なんてまだまだしたことないってのに……」
「ダンテ、心の声ダダ漏れ」
ブツブツと自分の本音まで披露。
本心ではそういうことにばかり行くダンテを、誰か正してやって欲しい。
「何を言っているんだ……?ここは昔からファントムハイヴ家の、僕の屋敷だ。それと僕はガキではない」
僕の屋敷、という発言にすこし引っかかりを覚える。
これではまるで、子供ながらにして自分は当主様だ、と言っているようではないか。
ディーヴァの疑問に気がついたらしい執事が、その答えを用意してくれた。
「坊ちゃんは12歳にしてこの屋敷の主人なんです」
「え!?……う~ん……。ダンテ、まだ人が住んでるみたいな事言ってるけど、どういうことなんだろ」
「さぁな、オレがわかるわけないじゃねぇか」
幼き主人というのは理解できた。
だが、今も人が住んでいる屋敷のような発言が未だ疑問のままだ。
もしかして全部が全部、ダンテの言う通りごっこ遊びで、その設定を徹底して演じているのか……?
ひそ、とダンテと会話していれば、執事の目が冷たく細められた。
「いけませんねぇ。この状況でこちらを無視して内緒話はいただけませんよ、レディ……」
音も気配もなくディーヴァの背後に現れた執事が、後ろからディーヴァの首筋に冷たく光るナイフを当てる。
少しでも動けば頸動脈をぶしゅり★だ。
「ヒッ!」
「なっ!……てめっ!!」
食事用ナイフをそんな用途に使わないでほしい、短く悲鳴をあげながらもそう思うのはディーヴァだけだろうか。
ひやりとした刃先は怖いが、ダンテがいるからかそこまで恐怖を感じない。
案の定、ディーヴァの一大事だと頭に血ののぼったダンテが、必殺の顔面パンチを繰り出す。
ダンテのこれも音はなく、気がついたら執事の目の前にきていた。
「っ……速いですね」
一瞬にして間合いに入り込んだダンテに目を見開き、だがそれでも余裕ある風体でそれをナイフを持っていない方の手で受け止める執事。
「!?……重い……!」
しかしダンテの拳は速いだけではなく、真骨頂はその強さにある。
怪力さでは屋敷で雇っているフィニアンというガードナーに勝る者はいないと思っていたが、ダンテのそれはそれ以上だったようだ。
その力強さと拳の重さを想定していなかったのか、執事の手は弾かれもう一方の手……ナイフをディーヴァへつきつけていた手を使わざるを得ない。
ナイフの標的をダンテに変え、再び振るわれた拳を、刃先を含めたその腕で迎え撃つ。
「うらぁ!ディーヴァの仇!」
「くっ……!」
ダンテはそんな掛け声をあげつつ、自分の手のひらで執事のナイフを受け止めた。
肉を切らせて骨を断つ作戦か、ずぶりと手のひらを貫くナイフはもちろん痛いし、血はドクドクと迸る。
そしてディーヴァを挟んだ状態のままなため、ディーヴァからすれば攻撃が掠めそうでたまったものじゃないだろう。
というか“あたし死んでませんけど?”とも言いたいし、ダンテの手も心配だし、とばっちりは受けそうだしで、どこに集中してよいやらわからない状態である。
半分悪魔だから出来る芸当だがダンテはわずかに眉をひそめたのみで痛みを耐え、ナイフを貫通させたままその身を引き寄せ、相手の凶器を我が物とした。
「ナイフ、ゲットだぜ!今度はオレの番、だっ」
自らの手を犠牲に得たナイフの血を払い、逆に投げナイフよろしく投げ返すダンテ。
抜群のコントロール力で狙ったそれは、これまた執事の抜群の反射神経により、避けられたが、その頬を裂いた。
パタッ、パタ……。
血が1つ筋を作って流れ、床を汚す。
それを見た屋敷の幼なき主人が目を見張った。
「あのセバスチャンが傷を?……コイツ出来るな」
これは未だ嘗て見ることの叶わなかった、勝負に負ける執事の姿が見られるかもしれない。
椅子から少し身を乗り出してその戦いの行く末を見守る。
「ガキんちょ主人に真っ黒執事…ごっこ遊びかよ?」
見た通りをつい発言してみせちゃった馬鹿正直なダンテはともかく、双方しばし無言で固まる。
「……お邪魔しました~……」
なんとな~く見てはならぬもの、入ってはならぬ領域のものな気がする。
硬直状態から先に復活したディーヴァが、そのままの表情でそろり、その場を後にするべくゆっくりと扉を閉じる。
「お待ちなさい」
が!なんとなく全身どころか腹まで真っ黒そうな執事が我に返り、手元より取り出し構えたシルバーのカトラリーを装備。
それを必殺の素早さで、こちらに投げナイフよろしく放り投げた。
ドスッドスッ!
「ヒィェッ!」
「うぉ!?」
ちょうどダンテとディーヴァの間を縫ったど真ん中、廊下の向こう壁に切れ味良いだろうピカピカに磨かれたフォーク、そしてナイフが垂直に刺さる。
カトラリーとは思えない鋭利さ。
「何しやがる!オレはともかく、ディーヴァに当たったらどうする!」
「ご心配は無用です。あくまで足止めにと当たらないように投げましたので」
ニッコリと含みのある笑みを表情に浮かべ、執事が述べた。
“当たらないように”それが本当ならばなんというコントロール力だろう。
それでもダンテは怒り心頭で噛みつくように吐き捨て、ついでにと壁から引っこ抜いたカトラリーを執事に向けて、刺す勢いで投げ返した。
……簡単に受け止められてしまったが。
「それより鼠ども。どこから入り込んだ?」
ダンテのような半分悪魔、つまり所謂人外ならば不思議ではないものの、ディーヴァは執事がダンテと同じ、いやそれ以上の力を秘めたる『悪魔』そのものなことを知らない。
右に同じくダンテもだ。
驚いている二人とは反対に、執事がそれを受け止めることがわかっていた幼き主人がポーカーフェイスのまま言ってのける。
「鼠……?」
「あたし達の事だと思うよ」
むかちーん。
「はっ、偉そうなガキだな。自分たちこそ、ここは昔の貴族様の屋敷だってのをしらねぇのか?」
コソ泥じゃあるまいし!と小汚い鼠などと例えられた腹いせにと、ダンテはちょっと前にディーヴァから得たばかりの知識を披露する。
「ガキのくせに『主と執事ごっこ』なんかしやがって、羨ましいんだよ畜生め……オレだって『主とディーヴァのメイドごっこ』なんてまだまだしたことないってのに……」
「ダンテ、心の声ダダ漏れ」
ブツブツと自分の本音まで披露。
本心ではそういうことにばかり行くダンテを、誰か正してやって欲しい。
「何を言っているんだ……?ここは昔からファントムハイヴ家の、僕の屋敷だ。それと僕はガキではない」
僕の屋敷、という発言にすこし引っかかりを覚える。
これではまるで、子供ながらにして自分は当主様だ、と言っているようではないか。
ディーヴァの疑問に気がついたらしい執事が、その答えを用意してくれた。
「坊ちゃんは12歳にしてこの屋敷の主人なんです」
「え!?……う~ん……。ダンテ、まだ人が住んでるみたいな事言ってるけど、どういうことなんだろ」
「さぁな、オレがわかるわけないじゃねぇか」
幼き主人というのは理解できた。
だが、今も人が住んでいる屋敷のような発言が未だ疑問のままだ。
もしかして全部が全部、ダンテの言う通りごっこ遊びで、その設定を徹底して演じているのか……?
ひそ、とダンテと会話していれば、執事の目が冷たく細められた。
「いけませんねぇ。この状況でこちらを無視して内緒話はいただけませんよ、レディ……」
音も気配もなくディーヴァの背後に現れた執事が、後ろからディーヴァの首筋に冷たく光るナイフを当てる。
少しでも動けば頸動脈をぶしゅり★だ。
「ヒッ!」
「なっ!……てめっ!!」
食事用ナイフをそんな用途に使わないでほしい、短く悲鳴をあげながらもそう思うのはディーヴァだけだろうか。
ひやりとした刃先は怖いが、ダンテがいるからかそこまで恐怖を感じない。
案の定、ディーヴァの一大事だと頭に血ののぼったダンテが、必殺の顔面パンチを繰り出す。
ダンテのこれも音はなく、気がついたら執事の目の前にきていた。
「っ……速いですね」
一瞬にして間合いに入り込んだダンテに目を見開き、だがそれでも余裕ある風体でそれをナイフを持っていない方の手で受け止める執事。
「!?……重い……!」
しかしダンテの拳は速いだけではなく、真骨頂はその強さにある。
怪力さでは屋敷で雇っているフィニアンというガードナーに勝る者はいないと思っていたが、ダンテのそれはそれ以上だったようだ。
その力強さと拳の重さを想定していなかったのか、執事の手は弾かれもう一方の手……ナイフをディーヴァへつきつけていた手を使わざるを得ない。
ナイフの標的をダンテに変え、再び振るわれた拳を、刃先を含めたその腕で迎え撃つ。
「うらぁ!ディーヴァの仇!」
「くっ……!」
ダンテはそんな掛け声をあげつつ、自分の手のひらで執事のナイフを受け止めた。
肉を切らせて骨を断つ作戦か、ずぶりと手のひらを貫くナイフはもちろん痛いし、血はドクドクと迸る。
そしてディーヴァを挟んだ状態のままなため、ディーヴァからすれば攻撃が掠めそうでたまったものじゃないだろう。
というか“あたし死んでませんけど?”とも言いたいし、ダンテの手も心配だし、とばっちりは受けそうだしで、どこに集中してよいやらわからない状態である。
半分悪魔だから出来る芸当だがダンテはわずかに眉をひそめたのみで痛みを耐え、ナイフを貫通させたままその身を引き寄せ、相手の凶器を我が物とした。
「ナイフ、ゲットだぜ!今度はオレの番、だっ」
自らの手を犠牲に得たナイフの血を払い、逆に投げナイフよろしく投げ返すダンテ。
抜群のコントロール力で狙ったそれは、これまた執事の抜群の反射神経により、避けられたが、その頬を裂いた。
パタッ、パタ……。
血が1つ筋を作って流れ、床を汚す。
それを見た屋敷の幼なき主人が目を見張った。
「あのセバスチャンが傷を?……コイツ出来るな」
これは未だ嘗て見ることの叶わなかった、勝負に負ける執事の姿が見られるかもしれない。
椅子から少し身を乗り出してその戦いの行く末を見守る。