DMC×黒執事
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クロスオーバーもの。
※DMC×黒執事のクロスオーバーもの。
※恐ろしく長いお話。ほんと悪魔のように長い。
※どちらかというと黒執事がどういった物語なのか?それも理解できるように詳しく書いてある。
※夢主はいつものDMC夢主。ただし、裏行為はまだ未経験状態。
※久しぶりに3ダンテ設定で書いてます。というか3→1の間くらい?
え?いつもとあんまり変わらないって?ま、そう固いこと言っちゃだめだめ。
それでもよければ、この先へドゾ!
***
ディーヴァはダンテとの海外旅行中。
その旅行先は、ディーヴァの母方の祖父の母国だという、イギリスである。
ディーヴァの父方は天使の血族だが、生粋のアメリカ人。
しかし、母方の血筋を見れば、日本人の祖母とイギリス人の祖父……と、混血の激しい家系。
というわけで。
別荘化した祖父の生家で数日間を過ごさせてもらっていたが、せっかくの旅行だから……と、旅行にけっこう貪欲なディーヴァが他の観光地にも訪れるのはもちろんのことだった。
首都・ロンドンから少し離れ、霧けぶる森を抜けると、時代を感じさせる美しい屋敷……マナーハウスがあらわれる。
当時は人が住んでいただろう、今は観光施設と化したそこに来た二人。
観光施設だがチケットは必要ない。
なぜなら、祖父の遠~い親戚がその昔、住んでいたらしく、優待されているからだ。
「昔の貴族様のお屋敷なんだって。しかもおじいちゃんの親戚のおうちかぁ……。すごいね、綺麗だね、広いね!」
キラキラと目を輝かせて屋敷を見て回るディーヴァ。
そしてその後について歩くダンテ。
やたら広く、迷いそうである。
「綺麗っちゃ綺麗だけど……。つーかお前ん家だって広いだろ」
「ここまで広くないし。あたしのうちはせいぜいここの5分の1!一般市民の家だからね?」
「じゃ、ここのミニチュア版だ」
「ミニチュア……は、ちょっと言い過ぎだけどまぁいっか。それにしてもほんっと素敵なアンティーク……!」
惚れ惚れしちゃう、と各部屋や廊下の調度品をじっくり見る。
飾られた豪奢なティーセットや花瓶、額縁の絵をディーヴァと同じように見てみても、ダンテにはその良さがわからなかった。
「……よくわかんねぇ。それより、せっかく二人きりの旅行、そしてここに御誂え向きにベッドがある」
今いる場所は寝室だったようで、綺麗にベッドメイクされたベッドが置いてあった。
傍にはナイトテーブル、簡素な鏡台などがあるのを見ると、主人の部屋というかは従者の部屋だったらしい。
ベッドに追い込むようにジリジリとディーヴァに詰め寄るダンテの手を、ディーヴァはペイッとはたき落した。
「こんなところで変なこと考えないでよ。他のお客様のご迷惑でしょ!それに展示物に触る、ダメ、絶対!」
他に観光客は見当たらない。
しかし、こういう場で展示物に手を触れることは御法度だし、優等生タイプのディーヴァがそれを許すわけがなかった。
「じゃ、キス……」
「めっ!」
せめてキスだけでも、と思ったが誰もいなくとも、恥ずかしがり屋のディーヴァはそれすら拒んだのである。
「キスもダメなら、はやくこっから出てディーヴァと二人きりになれるとこでゆっくりしてぇな」
唇を尖らせるダンテに、こちらも少しは譲歩。
「ダンテが行きたがってたパブ、このあとに行こ、ね?」
「……おぅ」
本当はアフタヌーンティーができるようなところに行きたかったけど、それはあとでいっか。
ダンテが興味なさそうなところに連れて来ちゃったんだし、次はダンテの行きたい場所に行かないとね。
「とりあえず、今はこっち。このお屋敷をゆっくり観光させて?」
キスはダメだけど、せめてこれくらいなら。
ぎゅっとダンテの腕に手を絡ませ、顔を覗き込むように見上げると、自然と上目遣いになってしまったようだ。
ダンテは嬉しそうに、でも皮肉混じりに肯定した。
「わかったよ、ディーヴァが望むなら、しばらくの間はこの古ぼけた屋敷を見て回るとするか」
「わかってないなぁ、この古さがいいのに」
そして展示物を見て終わり、入り口へと戻る途中の絨毯の上、キラリと光るものが落ちているのが目に入った。
「あれ?」
「ん、ディーヴァどした?」
足音を吸い込む絨毯をトテトテと歩き、濃紺の光眩いそれを拾い上げると、それは大きな指輪。
「なんだろう、この指輪……」
「落とし物……にしちゃ、誰がこんなの落とすんだかってくらいすっごいでかいぞ。宝石もでかい。これが本物のサファイアなら一体どれほどの値打ちがあるのやら……」
「……ダンテ?」
質屋に入れたらどれだけの金が?とか言いつつダンテ個人、借金は多く常に金欠とはいえ、金の亡者なわけでもなく金などなくてもどっちでも構わないかな?というレベルなのだが。
「悪い、つい……な?」
そうして睨みを利かせたディーヴァにすぐ苦笑し返すのだった。
「帰りに受付の人に渡そっか」
「そうだな」
それが一番だと手にそっと包み込み、運ぶディーヴァ。
そんなディーヴァにほんの気持ちの悪戯心が生まれ、試しに一番太い指、親指に拾った豪華な指輪をはめ込んでみる。
もらうわけじゃないのだ、それくらいは許されるだろう……と。
案の定、大きすぎる指輪は、ディーヴァの親指の中でクルクルと回ってしまった。
「重いしぶっかぶか……親指でも余るねぇ……」
「男ものなんだろ。でも男がこんなゴテゴテしてるのつけるってのもスゲー感性だよな」
オレならこんなのつけねぇぜ、と宣うダンテは、トニーと名乗っていた時代、魔除けだからなどとやたらジャラジャラしたアクセサリーを垂れ下げていたのをお忘れか。
ディーヴァは知らずとも小説番読んだ人にはバレバレやぞ!
「?……立ち止まってどうした。入り口はもうそこだぞ」
歩きながら指にはまる綺麗な指輪を見ていたディーヴァが、急に立ち止まる。
目の前の扉を開ければ広間で、ホールもすぐそこだというに。
「んー。指輪に持ち主っぽい名前書いてあるの」
「名前?」
「うん。……えーと、ふぁ、んとむ、はい……、」
名前を読み上げながらディーヴァのために扉を開けていくダンテ。
廊下に中から漏れる明るい光が差し込み、名前の一番最後の文字を読みやすく照らし出す。
「ぶ、……んー、ファントムハイヴ?…………ほぇ?」
ふわり、こちらに届くのは造花でなく、生花、それもホワイトローズの甘く爽やかで華やかな香り、そして紅茶のシャルドネと言われるダージリンの芳香。
開いた扉の先は白いテーブルクロスがかかった、時代が感じられる長テーブル、そして造花が飾られていたはず。
造花には匂いなどない。
ましてや紅茶の香りなんて……。
不思議に思ってダンテと二人、顔を上げてみると。
シミひとつない純白のテーブルクロス、飾られた白い薔薇の生花、アフタヌーンティーのセットと紅茶。
そしてその向こう、暗い色をした髪の隻眼の少年が上座に座り、全身黒い衣装に身を包む優男風のバトラーが彼のためにだろう紅茶の給仕をし、二人共にこちらを驚いた表情で見つめていた。
※DMC×黒執事のクロスオーバーもの。
※恐ろしく長いお話。ほんと悪魔のように長い。
※どちらかというと黒執事がどういった物語なのか?それも理解できるように詳しく書いてある。
※夢主はいつものDMC夢主。ただし、裏行為はまだ未経験状態。
※久しぶりに3ダンテ設定で書いてます。というか3→1の間くらい?
え?いつもとあんまり変わらないって?ま、そう固いこと言っちゃだめだめ。
それでもよければ、この先へドゾ!
***
ディーヴァはダンテとの海外旅行中。
その旅行先は、ディーヴァの母方の祖父の母国だという、イギリスである。
ディーヴァの父方は天使の血族だが、生粋のアメリカ人。
しかし、母方の血筋を見れば、日本人の祖母とイギリス人の祖父……と、混血の激しい家系。
というわけで。
別荘化した祖父の生家で数日間を過ごさせてもらっていたが、せっかくの旅行だから……と、旅行にけっこう貪欲なディーヴァが他の観光地にも訪れるのはもちろんのことだった。
首都・ロンドンから少し離れ、霧けぶる森を抜けると、時代を感じさせる美しい屋敷……マナーハウスがあらわれる。
当時は人が住んでいただろう、今は観光施設と化したそこに来た二人。
観光施設だがチケットは必要ない。
なぜなら、祖父の遠~い親戚がその昔、住んでいたらしく、優待されているからだ。
「昔の貴族様のお屋敷なんだって。しかもおじいちゃんの親戚のおうちかぁ……。すごいね、綺麗だね、広いね!」
キラキラと目を輝かせて屋敷を見て回るディーヴァ。
そしてその後について歩くダンテ。
やたら広く、迷いそうである。
「綺麗っちゃ綺麗だけど……。つーかお前ん家だって広いだろ」
「ここまで広くないし。あたしのうちはせいぜいここの5分の1!一般市民の家だからね?」
「じゃ、ここのミニチュア版だ」
「ミニチュア……は、ちょっと言い過ぎだけどまぁいっか。それにしてもほんっと素敵なアンティーク……!」
惚れ惚れしちゃう、と各部屋や廊下の調度品をじっくり見る。
飾られた豪奢なティーセットや花瓶、額縁の絵をディーヴァと同じように見てみても、ダンテにはその良さがわからなかった。
「……よくわかんねぇ。それより、せっかく二人きりの旅行、そしてここに御誂え向きにベッドがある」
今いる場所は寝室だったようで、綺麗にベッドメイクされたベッドが置いてあった。
傍にはナイトテーブル、簡素な鏡台などがあるのを見ると、主人の部屋というかは従者の部屋だったらしい。
ベッドに追い込むようにジリジリとディーヴァに詰め寄るダンテの手を、ディーヴァはペイッとはたき落した。
「こんなところで変なこと考えないでよ。他のお客様のご迷惑でしょ!それに展示物に触る、ダメ、絶対!」
他に観光客は見当たらない。
しかし、こういう場で展示物に手を触れることは御法度だし、優等生タイプのディーヴァがそれを許すわけがなかった。
「じゃ、キス……」
「めっ!」
せめてキスだけでも、と思ったが誰もいなくとも、恥ずかしがり屋のディーヴァはそれすら拒んだのである。
「キスもダメなら、はやくこっから出てディーヴァと二人きりになれるとこでゆっくりしてぇな」
唇を尖らせるダンテに、こちらも少しは譲歩。
「ダンテが行きたがってたパブ、このあとに行こ、ね?」
「……おぅ」
本当はアフタヌーンティーができるようなところに行きたかったけど、それはあとでいっか。
ダンテが興味なさそうなところに連れて来ちゃったんだし、次はダンテの行きたい場所に行かないとね。
「とりあえず、今はこっち。このお屋敷をゆっくり観光させて?」
キスはダメだけど、せめてこれくらいなら。
ぎゅっとダンテの腕に手を絡ませ、顔を覗き込むように見上げると、自然と上目遣いになってしまったようだ。
ダンテは嬉しそうに、でも皮肉混じりに肯定した。
「わかったよ、ディーヴァが望むなら、しばらくの間はこの古ぼけた屋敷を見て回るとするか」
「わかってないなぁ、この古さがいいのに」
そして展示物を見て終わり、入り口へと戻る途中の絨毯の上、キラリと光るものが落ちているのが目に入った。
「あれ?」
「ん、ディーヴァどした?」
足音を吸い込む絨毯をトテトテと歩き、濃紺の光眩いそれを拾い上げると、それは大きな指輪。
「なんだろう、この指輪……」
「落とし物……にしちゃ、誰がこんなの落とすんだかってくらいすっごいでかいぞ。宝石もでかい。これが本物のサファイアなら一体どれほどの値打ちがあるのやら……」
「……ダンテ?」
質屋に入れたらどれだけの金が?とか言いつつダンテ個人、借金は多く常に金欠とはいえ、金の亡者なわけでもなく金などなくてもどっちでも構わないかな?というレベルなのだが。
「悪い、つい……な?」
そうして睨みを利かせたディーヴァにすぐ苦笑し返すのだった。
「帰りに受付の人に渡そっか」
「そうだな」
それが一番だと手にそっと包み込み、運ぶディーヴァ。
そんなディーヴァにほんの気持ちの悪戯心が生まれ、試しに一番太い指、親指に拾った豪華な指輪をはめ込んでみる。
もらうわけじゃないのだ、それくらいは許されるだろう……と。
案の定、大きすぎる指輪は、ディーヴァの親指の中でクルクルと回ってしまった。
「重いしぶっかぶか……親指でも余るねぇ……」
「男ものなんだろ。でも男がこんなゴテゴテしてるのつけるってのもスゲー感性だよな」
オレならこんなのつけねぇぜ、と宣うダンテは、トニーと名乗っていた時代、魔除けだからなどとやたらジャラジャラしたアクセサリーを垂れ下げていたのをお忘れか。
ディーヴァは知らずとも小説番読んだ人にはバレバレやぞ!
「?……立ち止まってどうした。入り口はもうそこだぞ」
歩きながら指にはまる綺麗な指輪を見ていたディーヴァが、急に立ち止まる。
目の前の扉を開ければ広間で、ホールもすぐそこだというに。
「んー。指輪に持ち主っぽい名前書いてあるの」
「名前?」
「うん。……えーと、ふぁ、んとむ、はい……、」
名前を読み上げながらディーヴァのために扉を開けていくダンテ。
廊下に中から漏れる明るい光が差し込み、名前の一番最後の文字を読みやすく照らし出す。
「ぶ、……んー、ファントムハイヴ?…………ほぇ?」
ふわり、こちらに届くのは造花でなく、生花、それもホワイトローズの甘く爽やかで華やかな香り、そして紅茶のシャルドネと言われるダージリンの芳香。
開いた扉の先は白いテーブルクロスがかかった、時代が感じられる長テーブル、そして造花が飾られていたはず。
造花には匂いなどない。
ましてや紅茶の香りなんて……。
不思議に思ってダンテと二人、顔を上げてみると。
シミひとつない純白のテーブルクロス、飾られた白い薔薇の生花、アフタヌーンティーのセットと紅茶。
そしてその向こう、暗い色をした髪の隻眼の少年が上座に座り、全身黒い衣装に身を包む優男風のバトラーが彼のためにだろう紅茶の給仕をし、二人共にこちらを驚いた表情で見つめていた。