喧嘩したって、君が好き!
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「は…?勉強してるディーヴァちゃんの邪魔したあげく、勉強なんてどうでもいいなんて言った?」
今一番ディーヴァが優先していることは学生生活である。
前に会った時に紫乃はディーヴァ本人に聞いた。
彼女は『学生の本分は勉学』というのを素でいっているのような女の子なので禁句に違いない。
「そりゃ怒るわね…ディーヴァちゃんはどうしても卒業したいって言ってたんでしょう?ならそれを応援してあげなくちゃいけないわ」
「そうだよな、今は反省してる。でもディーヴァもディーヴァだ。オレのこと盛りのついたネコって言ったんだぜ、ヒドくねぇか?盛りのついたネコって…つまり誰とでもヤっちゃうみたいに言ってるようなもんだろ。オレはディーヴァにしか反応しねぇっつの」
人はみかけによらないものだ。
軽そうな見た目と言動が目立つダンテだが、彼は浮気もよそ見もしない。
ディーヴァもよく知っているはずなのに、きっと感情にまかせて言ってしまったのだろう。
「そうね、それはディーヴァちゃんも悪いかもしれないわ。でも勉強中はピリピリしてるだろうから、終わったあとでいっぱい甘やかしてもらえばいいのよ」
私の方もかなりの頻度でちょっかいかけてくるからディーヴァちゃんの気持ちもわかるけどね。
最後に紫乃はそう付け足した。
***
ぶるり。
紫乃は日が陰って来たからか少しばかり寒さを感じた。
「それにしてもここ寒いわね」
ぎゅっとマハを抱きしめて暖をとる。
マハも相手が主だからか何も言わずされるがままだ。
「そりゃ、1月だからな」
「1月!?私のところは夏まっさかりなのに…」
「だからそんな薄着してたのか」
紫乃の格好は1月にはおよそ似つかわしくないほどの薄着である。
裾こそ長いが、白いシャツワンピースは薄手の素材でできているようだし、上にはシースルー素材のカーディガンを一枚ぺらりと羽織っているに過ぎないのだ。
おまけに裾からは白い生足が見え隠れしている。
1月にこの格好じゃ寒すぎるだろう。
紫乃は小さく咳こみながら傍にあった暖房に手をのばした。
「暖房入れさせてもらうわ…」
「いい、オレがやるから座ってろ。もしかして紫乃ってオレと同じ半魔なのに体調悪くなりやすい?」
「季節の変わり目なんかよく風邪になるけど…」
「へーオレなんかめったに風邪ひかねーからな…」
「半魔ってことは半分人間なんだもの、風邪くらいひきます」
「主、こいつの半分は人間でなくきっとバカなのだ。バカは風邪ひかないというしな」
「なんだと!?」
マハがこっそりと紫乃に耳打ちした。
だが、ダンテには聞こえていたようで憤慨している。
「やめなさいマハ。というか、私は貴方の格好を見てるだけで寒いわ」
「あ、そうだ。ちょっと待っててくれるか」
ブルッと身を震わす紫乃を見かねたダンテが席を外し、奥に引っ込んだ。
数分後、ダンテはふわふわの布とおぼんを持ってきた。
おぼんの上にはマグカップが2つ、皿が1枚乗っているのが確認出来る。
紫乃はひざかけとマグカップを渡された。
「ひざかけとホットチョコレートだ」
「ありがとう」
柔らかな色合いのひざかけからは、香水のような匂いのきついものとは違い、優しい花の香りがしていた。
きっとディーヴァが好む柔軟剤であろう。
湯気をあげるマグカップからは甘い香りが漂い、中にはマシュマロが浮いていた。
「ディーヴァがよく作ってくれるんだ」
ダンテはひっかかれたり噛みつかれたりしたのにマハにも用意していたようで、ミルクの注がれた皿をマハの前に置いた。
紫乃のところのダンテも優しいが、こちらのダンテもとても優しい。
こんなところにディーヴァはときめいたのかもしれない。
淹れ立てのそれをふうふう冷まして飲みながら紫乃はそんなことを思った。
「あ、マシュマロが口の中で溶けて美味しい…ほっとするわ」
「ああ、なんかこれ飲むと心がほっとするよな…ディーヴァが淹れてからオレの好物の1つになったんだ」
「ふふふ、ダンテは全員甘いもの好きじゃない。冬になったら私もマシュマロいりのホットチョコレート作ろうかな…」
「そうしたら?オレだったら喜ぶぜ!好きな女が作ってくれたモンならなんだって嬉しいもんだ。それより、紫乃は風邪がひどくなんねーうちに早く帰った方がいいんじゃね?」
「うーん、そうね…私が『ゲート』をつながないとディーヴァちゃんだって帰ってこれないもの。私の中でもう少し怒りとか考えが落ち着いたら帰ろうかしら?それに貴方もディーヴァちゃんに会いたいでしょうし」
「げ、まだ許してなかったのかよ」
「ダンテったら怒ってもすぐ忘れておんなじことするんだもの。少しお灸を据えないとわからない。貴方も気をつけた方がいいわよ、ディーヴァちゃんに愛想つかされない内にね」
紫乃に言われるとディーヴァに言われてるような気分だ。
ダンテは身震いした。
「サンキュ、肝にめいじとく」
今一番ディーヴァが優先していることは学生生活である。
前に会った時に紫乃はディーヴァ本人に聞いた。
彼女は『学生の本分は勉学』というのを素でいっているのような女の子なので禁句に違いない。
「そりゃ怒るわね…ディーヴァちゃんはどうしても卒業したいって言ってたんでしょう?ならそれを応援してあげなくちゃいけないわ」
「そうだよな、今は反省してる。でもディーヴァもディーヴァだ。オレのこと盛りのついたネコって言ったんだぜ、ヒドくねぇか?盛りのついたネコって…つまり誰とでもヤっちゃうみたいに言ってるようなもんだろ。オレはディーヴァにしか反応しねぇっつの」
人はみかけによらないものだ。
軽そうな見た目と言動が目立つダンテだが、彼は浮気もよそ見もしない。
ディーヴァもよく知っているはずなのに、きっと感情にまかせて言ってしまったのだろう。
「そうね、それはディーヴァちゃんも悪いかもしれないわ。でも勉強中はピリピリしてるだろうから、終わったあとでいっぱい甘やかしてもらえばいいのよ」
私の方もかなりの頻度でちょっかいかけてくるからディーヴァちゃんの気持ちもわかるけどね。
最後に紫乃はそう付け足した。
***
ぶるり。
紫乃は日が陰って来たからか少しばかり寒さを感じた。
「それにしてもここ寒いわね」
ぎゅっとマハを抱きしめて暖をとる。
マハも相手が主だからか何も言わずされるがままだ。
「そりゃ、1月だからな」
「1月!?私のところは夏まっさかりなのに…」
「だからそんな薄着してたのか」
紫乃の格好は1月にはおよそ似つかわしくないほどの薄着である。
裾こそ長いが、白いシャツワンピースは薄手の素材でできているようだし、上にはシースルー素材のカーディガンを一枚ぺらりと羽織っているに過ぎないのだ。
おまけに裾からは白い生足が見え隠れしている。
1月にこの格好じゃ寒すぎるだろう。
紫乃は小さく咳こみながら傍にあった暖房に手をのばした。
「暖房入れさせてもらうわ…」
「いい、オレがやるから座ってろ。もしかして紫乃ってオレと同じ半魔なのに体調悪くなりやすい?」
「季節の変わり目なんかよく風邪になるけど…」
「へーオレなんかめったに風邪ひかねーからな…」
「半魔ってことは半分人間なんだもの、風邪くらいひきます」
「主、こいつの半分は人間でなくきっとバカなのだ。バカは風邪ひかないというしな」
「なんだと!?」
マハがこっそりと紫乃に耳打ちした。
だが、ダンテには聞こえていたようで憤慨している。
「やめなさいマハ。というか、私は貴方の格好を見てるだけで寒いわ」
「あ、そうだ。ちょっと待っててくれるか」
ブルッと身を震わす紫乃を見かねたダンテが席を外し、奥に引っ込んだ。
数分後、ダンテはふわふわの布とおぼんを持ってきた。
おぼんの上にはマグカップが2つ、皿が1枚乗っているのが確認出来る。
紫乃はひざかけとマグカップを渡された。
「ひざかけとホットチョコレートだ」
「ありがとう」
柔らかな色合いのひざかけからは、香水のような匂いのきついものとは違い、優しい花の香りがしていた。
きっとディーヴァが好む柔軟剤であろう。
湯気をあげるマグカップからは甘い香りが漂い、中にはマシュマロが浮いていた。
「ディーヴァがよく作ってくれるんだ」
ダンテはひっかかれたり噛みつかれたりしたのにマハにも用意していたようで、ミルクの注がれた皿をマハの前に置いた。
紫乃のところのダンテも優しいが、こちらのダンテもとても優しい。
こんなところにディーヴァはときめいたのかもしれない。
淹れ立てのそれをふうふう冷まして飲みながら紫乃はそんなことを思った。
「あ、マシュマロが口の中で溶けて美味しい…ほっとするわ」
「ああ、なんかこれ飲むと心がほっとするよな…ディーヴァが淹れてからオレの好物の1つになったんだ」
「ふふふ、ダンテは全員甘いもの好きじゃない。冬になったら私もマシュマロいりのホットチョコレート作ろうかな…」
「そうしたら?オレだったら喜ぶぜ!好きな女が作ってくれたモンならなんだって嬉しいもんだ。それより、紫乃は風邪がひどくなんねーうちに早く帰った方がいいんじゃね?」
「うーん、そうね…私が『ゲート』をつながないとディーヴァちゃんだって帰ってこれないもの。私の中でもう少し怒りとか考えが落ち着いたら帰ろうかしら?それに貴方もディーヴァちゃんに会いたいでしょうし」
「げ、まだ許してなかったのかよ」
「ダンテったら怒ってもすぐ忘れておんなじことするんだもの。少しお灸を据えないとわからない。貴方も気をつけた方がいいわよ、ディーヴァちゃんに愛想つかされない内にね」
紫乃に言われるとディーヴァに言われてるような気分だ。
ダンテは身震いした。
「サンキュ、肝にめいじとく」