少しオトナな休日デート
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それからしばらくして。
「大きな湖…」
2人がやってきたのは、セントラルパークの中で一番の大きさを誇る湖だった。
ここの象徴でもあるベセスダ噴水に飾られた水の天使が可愛らしい。
人々もたくさん集まっており、テンポの良い音楽や歌声が響き、それぞれ大道芸を披露するパフォーマーもちらほらと点在していた。
演奏されている管楽器の音色を聴きながら、湖を覗き込む。
「よかった。まだ凍ってない」
ほっとした様子で呟くダンテは、リアラを連れて湖畔に浮かぶ小さな桟橋へ。
そこにいた係員に手元に持っていた何かを見せると、更に進んで桟橋の先でリアラの方へ振り返った。
「乗るぞ」
そう言うダンテの先には、ロマンチックな配色で彩られた素敵なゴンドラが。
ダンテが乗り込むと、たぷんと重みで揺れ動くそれは、バランス感覚が良くても少し怖い気がする。
「これに乗るんですか?」
「デートの王道だろ?」
ひっくり返りやしないかと躊躇するリアラに、ダンテは「おいで」と手を差し出して来た。
「大丈夫だから来いよ。ほら、落ちないよう手に掴まれ」
ちょっぴり強引にリードしてくるダンテに、胸がキュンとときめく。
たまに強引なダンテさんも、とても素敵です…!
リアラは心の中でそう呟いた。
そういった気持ちを、声に出して言うのは、まだ少し恥ずかしい。
心の中だけで言うことを、どうか勘弁してほしい。
ちゃぷ…。
ダンテがオールをゆっくりと動かし、漕いでゆく。
湖の真ん中へ、静かな場所へと。
タイミングが良かったのか、他にはゴンドラを使う者はいない。
2人は誰もいない広い湖をゆっくりと一周することにした。
「綺麗ですね…」
水鳥が羽ばたき魚が優雅に泳ぐ湖面は、日の光が反射してキラキラと輝く。
それを瞳に映すリアラのひとみもまた、キラキラと輝いていた。
ずっと見つめていたい。
ダンテはその横顔を堪能し、満足そうに微笑む。
…が。
見ていたいのは山々だが…たまには悪戯もしたくなる。
ダンテはオールを動かす手を止め、ゴンドラを大きく揺り動かした。
「きゃっ…!」
ぐらり、傾くゴンドラ。
突然の事で蹌踉めくリアラに手を伸ばし、ダンテはその体をしっかりと抱きとめた。
「おっと、大丈夫か?」
「ダンテさん、いきなり揺らさないで下さい…!」
「ハハハ!すまんすまん」
抱きとめられたのは恥ずかしいし、落ちそうになったのには吃驚したし怖かった。
頬をぷくりと膨らませて咎めるような視線を送れば、ダンテは再びゴンドラを漕ぐのに定位置に戻る。
離れていく手が名残惜しくもあ
り、少しだけ残念に感じた。
岸に着くまではまだしばらくかかりそうだ。
2人の間には特に会話は必要がなく、その静かなひと時が心地良い。
「んー…気持ちいいです」
目を閉じれば、水の音と、鳥の声、お互いの呼吸音と、少し遠くから聞こえるパフォーマーや楽器の演奏の音。
都会の喧騒を忘れて、心身共にリラックスが出来た。
リアラの表情からも、それが伺える。
「ああ、そうだな」
最近ゆっくりできなかったからこそ、この静寂が愛しいし落ち着く。
それが安心しあえる者同士となら、尚のこと。
ダンテとリアラはのどかで穏やかな休日を、湖の上から静かに楽しんだ。
「大きな湖…」
2人がやってきたのは、セントラルパークの中で一番の大きさを誇る湖だった。
ここの象徴でもあるベセスダ噴水に飾られた水の天使が可愛らしい。
人々もたくさん集まっており、テンポの良い音楽や歌声が響き、それぞれ大道芸を披露するパフォーマーもちらほらと点在していた。
演奏されている管楽器の音色を聴きながら、湖を覗き込む。
「よかった。まだ凍ってない」
ほっとした様子で呟くダンテは、リアラを連れて湖畔に浮かぶ小さな桟橋へ。
そこにいた係員に手元に持っていた何かを見せると、更に進んで桟橋の先でリアラの方へ振り返った。
「乗るぞ」
そう言うダンテの先には、ロマンチックな配色で彩られた素敵なゴンドラが。
ダンテが乗り込むと、たぷんと重みで揺れ動くそれは、バランス感覚が良くても少し怖い気がする。
「これに乗るんですか?」
「デートの王道だろ?」
ひっくり返りやしないかと躊躇するリアラに、ダンテは「おいで」と手を差し出して来た。
「大丈夫だから来いよ。ほら、落ちないよう手に掴まれ」
ちょっぴり強引にリードしてくるダンテに、胸がキュンとときめく。
たまに強引なダンテさんも、とても素敵です…!
リアラは心の中でそう呟いた。
そういった気持ちを、声に出して言うのは、まだ少し恥ずかしい。
心の中だけで言うことを、どうか勘弁してほしい。
ちゃぷ…。
ダンテがオールをゆっくりと動かし、漕いでゆく。
湖の真ん中へ、静かな場所へと。
タイミングが良かったのか、他にはゴンドラを使う者はいない。
2人は誰もいない広い湖をゆっくりと一周することにした。
「綺麗ですね…」
水鳥が羽ばたき魚が優雅に泳ぐ湖面は、日の光が反射してキラキラと輝く。
それを瞳に映すリアラのひとみもまた、キラキラと輝いていた。
ずっと見つめていたい。
ダンテはその横顔を堪能し、満足そうに微笑む。
…が。
見ていたいのは山々だが…たまには悪戯もしたくなる。
ダンテはオールを動かす手を止め、ゴンドラを大きく揺り動かした。
「きゃっ…!」
ぐらり、傾くゴンドラ。
突然の事で蹌踉めくリアラに手を伸ばし、ダンテはその体をしっかりと抱きとめた。
「おっと、大丈夫か?」
「ダンテさん、いきなり揺らさないで下さい…!」
「ハハハ!すまんすまん」
抱きとめられたのは恥ずかしいし、落ちそうになったのには吃驚したし怖かった。
頬をぷくりと膨らませて咎めるような視線を送れば、ダンテは再びゴンドラを漕ぐのに定位置に戻る。
離れていく手が名残惜しくもあ
り、少しだけ残念に感じた。
岸に着くまではまだしばらくかかりそうだ。
2人の間には特に会話は必要がなく、その静かなひと時が心地良い。
「んー…気持ちいいです」
目を閉じれば、水の音と、鳥の声、お互いの呼吸音と、少し遠くから聞こえるパフォーマーや楽器の演奏の音。
都会の喧騒を忘れて、心身共にリラックスが出来た。
リアラの表情からも、それが伺える。
「ああ、そうだな」
最近ゆっくりできなかったからこそ、この静寂が愛しいし落ち着く。
それが安心しあえる者同士となら、尚のこと。
ダンテとリアラはのどかで穏やかな休日を、湖の上から静かに楽しんだ。