少しオトナな休日デート
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
12月15日は、リアラの誕生日だ。
この日のため、ダンテはいつも以上に溜まっていた依頼をこなし。
尚且つ、日々忙しそうにして自分の誕生日など忘れているであろうリアラ自身には決して悟られぬよう、デートの計画を練っていた。
そして、明日がその日。
ダンテは「コーヒー淹れといた」と軽く言うついでに
「リアラ、悪いが明日は一日、空けといてくれるか?」
と、これまた軽く言った。
ついでなわけがない。
そのお誘いこそ、メインなのだから。
「はい、わかりました」
リアラの返事は勿論イエスで、ノーではない。
何故なら、ここ最近リアラに回ってきていた依頼…それすらダンテの根回しによるもので、15日、それにその次の日くらいまでは確実に休みが取れるようにしておいたのだ。
…普段からこれくらい仕事もやる気になればいいものを。
***
「今日はマンハッタンに用事があってな…一緒に行ってくれ」
「マンハッタン、ですか…?」
ニューヨーク州マンハッタン島。
依頼でもないのに、一体どんな用事だろう…
きょとりと首を傾げ、リアラは了承の意を伝えた。
外に出れば、冬の寒さがじんわりと身にしみる。
いくら悪魔の血をひいていようと、属性が寒さに強かろうと、半分は人間。
わずかにふるふると震えるリアラを、ダンテは見逃さなかった。
「いくら半魔でも風邪ひくぞ。ほら、巻いとけ」
サッと持ってきたリアラの真っ白なマフラー。
それをふわりと緩く巻いてやり、ダンテはリアラを慈しむような顔で笑った。
「うん、似合ってる」
「……ありがとうございます…」
マフラーの中から聞こえた感謝の言葉。
赤い顔を見られまいと、鼻の上まで引き上げてリアラは顔を隠したのだった。
はてさて、無事にたどり着いたマンハッタン。
さすがに大都会だけあり、そこには高層ビルが立ち並び、地下鉄を出たあたりからすでに空が四角くく狭く感じた。
「ダンテさん、何か買い物ですか?」
多くの企業が犇めくここには、たくさんの買い物スポットや有名ブランドの本社や本店も存在する。
ゆったり歩くダンテの隣について歩きながら、リアラはキョロキョロと物珍しげにあたりを見回した。
「ん?リアラとデートしにきた」
「えっ!?」
さらりとことも無げに話すダンテに、驚くリアラ。
「リアラは今日が何の日か、忘れてるのか?」
「今日…ですか?」
「12月15日。今日は大事な日だから俺はよーく覚えてるぞ」
12月15日、つまり自分の誕生日。
言われて初めて思い出した。
「私の生まれた日…」
「そういうことだ。ハッピーバースデー、リアラ」
「ありがとうございます。でも、大事だなんて…」
照れてほてった頬に、両手を当てて熱を冷ましながらリアラは答える。
ダンテはそんなリアラを見てニヤニヤしつつ、リアラの生まれたその日についてを事細かに話してみせた。
「大事な日だろう?俺は今でもリアラが生まれた日を覚えてるぞ。初めて見たリアラは小さくて真っ白でかわいかった。指を差し出すと、小さな手のひらでぎゅうぎゅう掴んで離さねぇんだ」
「も、もう!そんな昔のことは持ち出さないでください!」
「ハハハ!すまんすまん」
真っ赤になって怒るリアラに、ダンテは謝ると、突如真剣な顔で言った。
「今日1日は、俺と誕生日デートしてくれるか?」
返事の代わりにと、リアラは差し出されたダンテの手のひらに自らの手を重ねた。
この日のため、ダンテはいつも以上に溜まっていた依頼をこなし。
尚且つ、日々忙しそうにして自分の誕生日など忘れているであろうリアラ自身には決して悟られぬよう、デートの計画を練っていた。
そして、明日がその日。
ダンテは「コーヒー淹れといた」と軽く言うついでに
「リアラ、悪いが明日は一日、空けといてくれるか?」
と、これまた軽く言った。
ついでなわけがない。
そのお誘いこそ、メインなのだから。
「はい、わかりました」
リアラの返事は勿論イエスで、ノーではない。
何故なら、ここ最近リアラに回ってきていた依頼…それすらダンテの根回しによるもので、15日、それにその次の日くらいまでは確実に休みが取れるようにしておいたのだ。
…普段からこれくらい仕事もやる気になればいいものを。
***
「今日はマンハッタンに用事があってな…一緒に行ってくれ」
「マンハッタン、ですか…?」
ニューヨーク州マンハッタン島。
依頼でもないのに、一体どんな用事だろう…
きょとりと首を傾げ、リアラは了承の意を伝えた。
外に出れば、冬の寒さがじんわりと身にしみる。
いくら悪魔の血をひいていようと、属性が寒さに強かろうと、半分は人間。
わずかにふるふると震えるリアラを、ダンテは見逃さなかった。
「いくら半魔でも風邪ひくぞ。ほら、巻いとけ」
サッと持ってきたリアラの真っ白なマフラー。
それをふわりと緩く巻いてやり、ダンテはリアラを慈しむような顔で笑った。
「うん、似合ってる」
「……ありがとうございます…」
マフラーの中から聞こえた感謝の言葉。
赤い顔を見られまいと、鼻の上まで引き上げてリアラは顔を隠したのだった。
はてさて、無事にたどり着いたマンハッタン。
さすがに大都会だけあり、そこには高層ビルが立ち並び、地下鉄を出たあたりからすでに空が四角くく狭く感じた。
「ダンテさん、何か買い物ですか?」
多くの企業が犇めくここには、たくさんの買い物スポットや有名ブランドの本社や本店も存在する。
ゆったり歩くダンテの隣について歩きながら、リアラはキョロキョロと物珍しげにあたりを見回した。
「ん?リアラとデートしにきた」
「えっ!?」
さらりとことも無げに話すダンテに、驚くリアラ。
「リアラは今日が何の日か、忘れてるのか?」
「今日…ですか?」
「12月15日。今日は大事な日だから俺はよーく覚えてるぞ」
12月15日、つまり自分の誕生日。
言われて初めて思い出した。
「私の生まれた日…」
「そういうことだ。ハッピーバースデー、リアラ」
「ありがとうございます。でも、大事だなんて…」
照れてほてった頬に、両手を当てて熱を冷ましながらリアラは答える。
ダンテはそんなリアラを見てニヤニヤしつつ、リアラの生まれたその日についてを事細かに話してみせた。
「大事な日だろう?俺は今でもリアラが生まれた日を覚えてるぞ。初めて見たリアラは小さくて真っ白でかわいかった。指を差し出すと、小さな手のひらでぎゅうぎゅう掴んで離さねぇんだ」
「も、もう!そんな昔のことは持ち出さないでください!」
「ハハハ!すまんすまん」
真っ赤になって怒るリアラに、ダンテは謝ると、突如真剣な顔で言った。
「今日1日は、俺と誕生日デートしてくれるか?」
返事の代わりにと、リアラは差し出されたダンテの手のひらに自らの手を重ねた。
1/9ページ