食べすぎには御注意を。
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かき氷を食べ終えた2人はすでに違うスイーツへと手を伸ばしていた。
「お、これ美味いぞ」
そう言ってダンテが口にしているのはフォンダンショコラだ。
まだ出来立てなのだろう、スプーンを入れると中からチョコレートソースがとろ~んと流れ出して甘い匂いをさせていた。
「ほら、口開けろよ。あーんしてみろ、あーん」
「えっ!?」
ダンテがスプーンに掬ったひと匙を差し出してきた。
「でも…」
もじもじと物怖じしながら目を下に向けて恥ずかしがる紫乃に、ダンテは尚も優しく差し出す。
「恋人同士なんだからこれくらいの戯れはイイだろ?ほら、チョコレートが垂れちまう」
「う、うん…」
確かに2人は恋人同士だし、ダンテの悪戯や戯れは今さら。
周りには知り合いがいるわけでもなし。
紫乃はキョロ、とだけ周りを確認し、身を乗り出した。
ぱくり。
口に含めば広がるどっしりとした濃厚な、それでいてしつこくない甘さ。
「美味いか?」
「ええ、とても。ありがとう」
確かに美味しかった。
けれど、恥ずかしさであまりしっかりと味わえなかった気もしてしまう。
紫乃はお返しとばかりに、ダンテにも自分の食べているケーキを差し出した。
「わ、わたしからも…はい、ダンテにあげるわ…」
「紫乃…」
驚いた表情で、キイチゴやオレンジのドレスを身に纏ったさわやかなケーキと、紫乃を交互に見比べるダンテ。
「…あーん、して?」
だが、ダンテが恥ずかしがるはずもなし。
彼は嬉々として差し出されたフォークを口に入れた。
「ん…美味い」
「そ、そう!良かったわね!」
フォークを引き寄せてツンとすます紫乃。
その顔は照れているのか、耳まで真っ赤に染まっていた。
なんだこのかわいい生き物。
キュンどころか、ガシッと胸が何かに鷲掴みされた気分だ。
ダンテはしばらく考えこみ、口中で微かに笑った。
その笑い方は、何やら邪な考えをしている時のそれである。
「これもやるよ。とりすぎちまったからな」
「あら、美味しそうなトリュフ」
ダンテの皿は珍しくチョコづくしだったようだ。
だが、皿を寄せるもダンテが紫乃の皿にトリュフを乗せる気配はなかった。
「?…くれるんじゃないの?」
「それなんだが、ちょっと立ってこっちに来てくれるか?」
意味がわからない。
紫乃は頭の上にクエスチョンマークを出現させながらダンテに近づいた。
カタン、ダンテも立ち上がる。
何をするのかと思っている紫乃の顔に、背の高いダンテの影がかかる。
ダンテはトリュフを1つ口に含むと、紫乃に噛みつくようなキスをした。
「んっ!!」
目を見開いてキスを受け止める紫乃。
その唇は、半ば誘われるように舌先でこじ開けられた。
とろり、ダンテの口中で溶け始めたトリュフが紫乃の口中へと移動を開始する。
広がる甘い甘いチョコレートの味。
そして、洋酒をたくさん使っているのであろうお酒の香りと、小さく入っていたらしいフランボワーズの味もした。
キスの感触も相まってか、なんだか酔いそうである。
「ん、…はぁっ……ダ、ダンテっ!な、何を…っ!!」
解放された瞬間、いよいよ恥ずかしさと怒りで爆発寸前の紫乃。
だが、ダンテ肩をすくめてシレッと言ってのけた。
「悪い、さっきのかわいくてつい、な」
「だ、だからっていきなりあんな…っ!!」
かああああ!
真っ赤になった紫乃がぱくぱくと口を開けて抗議するも、ダンテはどこ吹く風。
「並んでた時よりはマシだろ?誰も見てねぇし」
いつにもまして飄々とした態度で、相変わらず食えない男である。
だが、確かにこの席は観葉植物の影となっており、他の客には目をこらさぬ限り見えないという、いわば個室席に近しいもの。
でもまさかそんなことをすると誰が考えようか。
これ以上言っても無駄と、紫乃はおとなしく席につく。
口の中には、トリュフだけでなくダンテとのキスの痺れるような後味がいつまでも残っていた。
「お、これ美味いぞ」
そう言ってダンテが口にしているのはフォンダンショコラだ。
まだ出来立てなのだろう、スプーンを入れると中からチョコレートソースがとろ~んと流れ出して甘い匂いをさせていた。
「ほら、口開けろよ。あーんしてみろ、あーん」
「えっ!?」
ダンテがスプーンに掬ったひと匙を差し出してきた。
「でも…」
もじもじと物怖じしながら目を下に向けて恥ずかしがる紫乃に、ダンテは尚も優しく差し出す。
「恋人同士なんだからこれくらいの戯れはイイだろ?ほら、チョコレートが垂れちまう」
「う、うん…」
確かに2人は恋人同士だし、ダンテの悪戯や戯れは今さら。
周りには知り合いがいるわけでもなし。
紫乃はキョロ、とだけ周りを確認し、身を乗り出した。
ぱくり。
口に含めば広がるどっしりとした濃厚な、それでいてしつこくない甘さ。
「美味いか?」
「ええ、とても。ありがとう」
確かに美味しかった。
けれど、恥ずかしさであまりしっかりと味わえなかった気もしてしまう。
紫乃はお返しとばかりに、ダンテにも自分の食べているケーキを差し出した。
「わ、わたしからも…はい、ダンテにあげるわ…」
「紫乃…」
驚いた表情で、キイチゴやオレンジのドレスを身に纏ったさわやかなケーキと、紫乃を交互に見比べるダンテ。
「…あーん、して?」
だが、ダンテが恥ずかしがるはずもなし。
彼は嬉々として差し出されたフォークを口に入れた。
「ん…美味い」
「そ、そう!良かったわね!」
フォークを引き寄せてツンとすます紫乃。
その顔は照れているのか、耳まで真っ赤に染まっていた。
なんだこのかわいい生き物。
キュンどころか、ガシッと胸が何かに鷲掴みされた気分だ。
ダンテはしばらく考えこみ、口中で微かに笑った。
その笑い方は、何やら邪な考えをしている時のそれである。
「これもやるよ。とりすぎちまったからな」
「あら、美味しそうなトリュフ」
ダンテの皿は珍しくチョコづくしだったようだ。
だが、皿を寄せるもダンテが紫乃の皿にトリュフを乗せる気配はなかった。
「?…くれるんじゃないの?」
「それなんだが、ちょっと立ってこっちに来てくれるか?」
意味がわからない。
紫乃は頭の上にクエスチョンマークを出現させながらダンテに近づいた。
カタン、ダンテも立ち上がる。
何をするのかと思っている紫乃の顔に、背の高いダンテの影がかかる。
ダンテはトリュフを1つ口に含むと、紫乃に噛みつくようなキスをした。
「んっ!!」
目を見開いてキスを受け止める紫乃。
その唇は、半ば誘われるように舌先でこじ開けられた。
とろり、ダンテの口中で溶け始めたトリュフが紫乃の口中へと移動を開始する。
広がる甘い甘いチョコレートの味。
そして、洋酒をたくさん使っているのであろうお酒の香りと、小さく入っていたらしいフランボワーズの味もした。
キスの感触も相まってか、なんだか酔いそうである。
「ん、…はぁっ……ダ、ダンテっ!な、何を…っ!!」
解放された瞬間、いよいよ恥ずかしさと怒りで爆発寸前の紫乃。
だが、ダンテ肩をすくめてシレッと言ってのけた。
「悪い、さっきのかわいくてつい、な」
「だ、だからっていきなりあんな…っ!!」
かああああ!
真っ赤になった紫乃がぱくぱくと口を開けて抗議するも、ダンテはどこ吹く風。
「並んでた時よりはマシだろ?誰も見てねぇし」
いつにもまして飄々とした態度で、相変わらず食えない男である。
だが、確かにこの席は観葉植物の影となっており、他の客には目をこらさぬ限り見えないという、いわば個室席に近しいもの。
でもまさかそんなことをすると誰が考えようか。
これ以上言っても無駄と、紫乃はおとなしく席につく。
口の中には、トリュフだけでなくダンテとのキスの痺れるような後味がいつまでも残っていた。