食べすぎには御注意を。
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今回の依頼者は有名な菓子店のパティシエ。
ダンテと紫乃が依頼の報酬金の他に貰ったのは、そのパティシエが監修を務める高級ホテルで展開されるというケーキバイキングの無料チケットだった。
しばらく行列を並び開店と同時に店内に入ると、中にはすでに美味しそうなケーキが何種類も並んでおり、食欲をそそる甘い香りがしていた。
「美味しそう」
「…すげぇな、圧巻だ」
女性である紫乃はもちろん、美味しそうなケーキを前にウキウキしている。
隣のダンテはウキウキというよりはビックリしていた。
甘党とはいえ、ダンテがこのようなバイキングに今まで縁があったはずもなく、そこらのケーキ店なんか目じゃないほどの色とりどりのケーキの連続に開いた口が閉じない。
「早く食べたいわ、行きましょうダンテ」
止まってしまったダンテの袖をひき、紫乃は案内役のウェイターに着いていく。
ケーキ達を素通りし案内されたテーブル席には指定席と書かれた札が置かれ、他の客からはあまり目立たず、それでいてケーキ達にはとても近い特等席が用意されていた。
しかも制限時間がない。
チケットをくれたパティシエの粋な計らいだろう。
「ダンテはバイキングのマナーとかルールを知らなかったわよね」
「そりゃあ、来たことないからな。紫乃は来たことあるのか?」
「友人と何回かね」
紫乃はダンテにバイキングでのマナーやルールを丁寧に教えた。
まあ、ダンテに限って食べ物を残すことはまずないだろうから、その辺は問題ないだろう。
ただしケーキの上にオリーブでも乗っかっているなら話は別である。
立ち上がった2人は、ケーキがずらりと並ぶ場所へ。
端に積み重なる皿を一枚取り、好きなケーキをのんびりと物色し始めるダンテと紫乃。
周りの者達は目の色を変えて飢えた動物のように皿へケーキを乗せていた。
彼女達には時間制限があるのだからしかたないのかもしれない。
「しっかし、バカ高いのによく並ぶな~」
「高いお金を支払って食べてもいいってくらい、ここのケーキバイキングって美味しいことで有名なのよ」
端から端までゆっくりと共にケーキを品定めしていきながら、会話する。
有名と、そう紫乃が言う通り、どれも美味しそうだ。
「実はここ、一回来たかったのよね」
「へえ…。紫乃、うれしいか?」
「ええ、そりゃもう!」
にっこりとまるで子供に戻ったような明るい笑顔を向けてくる紫乃。
「そうか」
これてよかった。
こんな笑顔の紫乃を見れるのなら来た甲斐があるというものだ。
「さて、じゃあ今日はたらふく食べるぜ。たくさん食べたら運動しないといけないがな」
「そうね、ダンテが暴れられるような悪魔退治のお仕事があるといいわね」
先程笑顔を向けてきた時とはうって変わり、今の紫乃は少しばかりトゲのある言い方だ。
「……根にもってるのか?そんなに、嫌だったか?」
実を言うとこの男、店の前で並んでいる時に紫乃にイタズラしたのだ。
混んでいて少々イラ立っていたことと、暇をもて余したとのことでいきなり深いキスをしてきたのである。
いくらスキンシップの激しいお国柄とはいえ、他人が周りにたくさんいる中でキスするなんて恥ずかしくてたまらない。
あの時は恥ずかしさとディープキスの息苦しさでその場から消えてしまいたいと思ったほどだ。
周りにいたのが人間でなく依頼で駆除する予定の悪魔だったとしたら、ゲートを使って逃走していただろう。
「嫌だったわけじゃないけど……。人に見られるのは恥ずかしいからやめてちょうだい」
「人前じゃなけりゃいいのか?」
「んもうっ!!」
熱くなってきた頬を冷ますように、手団扇でぱたぱたあおぐ。
顔が赤いのも、上層していく頬の温度もしばらくは元には戻りそうにない。
「ああ、最初から好きなスイーツを取ろうとしてたのに、なんだか熱くなっちゃったわ。冷たいスイーツから食べようかしら」
「…すまん」
「もういいのよ。それより食べましょうか」
クスクス笑った紫乃は最初のスイーツを自分の皿に乗せた。
ダンテと紫乃が依頼の報酬金の他に貰ったのは、そのパティシエが監修を務める高級ホテルで展開されるというケーキバイキングの無料チケットだった。
しばらく行列を並び開店と同時に店内に入ると、中にはすでに美味しそうなケーキが何種類も並んでおり、食欲をそそる甘い香りがしていた。
「美味しそう」
「…すげぇな、圧巻だ」
女性である紫乃はもちろん、美味しそうなケーキを前にウキウキしている。
隣のダンテはウキウキというよりはビックリしていた。
甘党とはいえ、ダンテがこのようなバイキングに今まで縁があったはずもなく、そこらのケーキ店なんか目じゃないほどの色とりどりのケーキの連続に開いた口が閉じない。
「早く食べたいわ、行きましょうダンテ」
止まってしまったダンテの袖をひき、紫乃は案内役のウェイターに着いていく。
ケーキ達を素通りし案内されたテーブル席には指定席と書かれた札が置かれ、他の客からはあまり目立たず、それでいてケーキ達にはとても近い特等席が用意されていた。
しかも制限時間がない。
チケットをくれたパティシエの粋な計らいだろう。
「ダンテはバイキングのマナーとかルールを知らなかったわよね」
「そりゃあ、来たことないからな。紫乃は来たことあるのか?」
「友人と何回かね」
紫乃はダンテにバイキングでのマナーやルールを丁寧に教えた。
まあ、ダンテに限って食べ物を残すことはまずないだろうから、その辺は問題ないだろう。
ただしケーキの上にオリーブでも乗っかっているなら話は別である。
立ち上がった2人は、ケーキがずらりと並ぶ場所へ。
端に積み重なる皿を一枚取り、好きなケーキをのんびりと物色し始めるダンテと紫乃。
周りの者達は目の色を変えて飢えた動物のように皿へケーキを乗せていた。
彼女達には時間制限があるのだからしかたないのかもしれない。
「しっかし、バカ高いのによく並ぶな~」
「高いお金を支払って食べてもいいってくらい、ここのケーキバイキングって美味しいことで有名なのよ」
端から端までゆっくりと共にケーキを品定めしていきながら、会話する。
有名と、そう紫乃が言う通り、どれも美味しそうだ。
「実はここ、一回来たかったのよね」
「へえ…。紫乃、うれしいか?」
「ええ、そりゃもう!」
にっこりとまるで子供に戻ったような明るい笑顔を向けてくる紫乃。
「そうか」
これてよかった。
こんな笑顔の紫乃を見れるのなら来た甲斐があるというものだ。
「さて、じゃあ今日はたらふく食べるぜ。たくさん食べたら運動しないといけないがな」
「そうね、ダンテが暴れられるような悪魔退治のお仕事があるといいわね」
先程笑顔を向けてきた時とはうって変わり、今の紫乃は少しばかりトゲのある言い方だ。
「……根にもってるのか?そんなに、嫌だったか?」
実を言うとこの男、店の前で並んでいる時に紫乃にイタズラしたのだ。
混んでいて少々イラ立っていたことと、暇をもて余したとのことでいきなり深いキスをしてきたのである。
いくらスキンシップの激しいお国柄とはいえ、他人が周りにたくさんいる中でキスするなんて恥ずかしくてたまらない。
あの時は恥ずかしさとディープキスの息苦しさでその場から消えてしまいたいと思ったほどだ。
周りにいたのが人間でなく依頼で駆除する予定の悪魔だったとしたら、ゲートを使って逃走していただろう。
「嫌だったわけじゃないけど……。人に見られるのは恥ずかしいからやめてちょうだい」
「人前じゃなけりゃいいのか?」
「んもうっ!!」
熱くなってきた頬を冷ますように、手団扇でぱたぱたあおぐ。
顔が赤いのも、上層していく頬の温度もしばらくは元には戻りそうにない。
「ああ、最初から好きなスイーツを取ろうとしてたのに、なんだか熱くなっちゃったわ。冷たいスイーツから食べようかしら」
「…すまん」
「もういいのよ。それより食べましょうか」
クスクス笑った紫乃は最初のスイーツを自分の皿に乗せた。