小腹が空いた２人はジェラートを食べることに。
外の気温も少し前までの冬はどこへやら、薄着でちょうどよいくらいの高さだ。
こんな日はジェラートもさぞや美味しかろう。

ダンテはおなじみの苺味の物。
ディーヴァは大好きなレアチーズ風味の物をお互い頼んだ。


どこで座って食べようか、ぐるりと周りを見回す。
…と、２人の目に留まるのは外のテラス席。


ディーヴァよりも先に席にたどり着いたダンテは、ディーヴァのために椅子をひきその上に更にハンカチを敷いた。

「どうぞ？オレの愛しのディーヴァ」
「あ、ありがとうダンテ…」

ポケットにいれる際、ぐちゃぐちゃに突っ込んでいたのかシワがよっているが、ハンカチを持ち歩いていたのにはちょっと驚いた。
しかし、その行動が嬉しい。

ディーヴァはにっこりと笑顔を浮かべた。

ポカポカ暖かな日の光が降り注ぐ席が空いていて良かったと思う。
やはりディーヴァには太陽の下が似合う。


ぼーっとそんな事を考えて苺のジェラートを食べるダンテ。

「ダーンテ」
「ん？」

その声に返事をして見やれば。

…ピトッ！

突然鼻先にチーズの香りが届く。

「冷て…」
「え、あれ…口につけようと思ったんだけど…」

口につけるというか、ダンテに一口あげようと思ったらしい。
だが、ダンテの口ではなく鼻の頭にジェラートがついてしまった。

「ごめんね」

ディーヴァは体をダンテの方に伸ばすと…
ぺろん。
ダンテの鼻の頭についたジェラートを舌で掬い取って舐めた。

「ん、苺味だね」
「ッ！！」
「えへへ、いつもの仕返し！」

いつもはこういう行動を取るのはディーヴァではなくダンテ側。
なのに今日はディーヴァからの不意打ちである。

ダンテは思わず真っ赤になり、残っていたジェラートを取り落してしまいそうになった。