狼とうさぎの1週間
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リアラとディーヴァは2人で夕食の準備をしながら、髭と若の帰りを待った。
「もう夕方だね…」
「うん。そういえば最初の日、夕方には呪いがかかってたっけ…」
思い返せば、記念すべき半獣化1日目の依頼が終わったのは、昼過ぎのことだった。。
一週間目の今日でで呪いが解けるのならばもう解けているということになる。
「…試してみる?」
リアラの言葉にディーヴァは頷き返した。
***
2人はキッチンの中で、睨み合って立っている。
バトルでも始まりそうだが、その実、違う。
その中間にポツンと置かれたコショウの瓶を睨んでいるだけである。
「どっちが先にしましょうか?」
「じゃあ、リアラお姉ちゃんが先にやっちゃって」
「わかったわ、準備はいい?」
ゆっくりとした動きでコショウを手にしたリアラは、ディーヴァに向かってそれを勢いよく振りおろした。
コショウがディーヴァの周りに四散する。
その独特の香りは普段は食欲をそそるものではあるが、今は鼻の奥を刺激してやまない。
ムズムズ感を我慢することなくディーヴァはくしゃみした。
「ふぇっくちょんっ!」
だが、くしゃみをしたのにうさぎの耳も、しっぽも生える気配は微塵も感じられなかった。
「う~、鼻がムズムズする~」
ただひたすらくしゃみを続けているだけである。
鼻の奥をそうとう刺激したのか、少し辛そうであったが、リアラは呪いが解けているかどうか…そちらを優先することにした。
「思った通り、呪いは解けてるみたい。ディーヴァちゃん、これで若にいじめられなくてすむわね!さ、次は私の番よ」
「でもこれ結構つらいよ?あたしが試したんだしもういいんじゃないかな。それに元々嗅覚の鋭いリアラお姉ちゃんにはちょっとおすすめできないよー…」
涙目になって両手で鼻をおさえながら辞めるよう進言する。
だが、律儀なリアラはやる気満々だった。
「でも、ディーヴァちゃんだけって言うのは不公平だわ」
持っていたコショウの瓶をディーヴァに握らせたリアラは、その行動を待った。
「うん、わかった…」
リアラもそうだっただろうが、ディーヴァもこんなことにコショウを使うのは始めてである。
ディーヴァも覚悟を決めて、リアラに向かってコショウを振りかけた。
ディーヴァの時と同じようにコショウが空気中に撒き散らされた。
香りが嗅覚の鋭いの鼻にダイレクトに伝わってきて、その能力の高さからか粘膜がヒリヒリしてきた。
鼻が使い物にならなくなりそうなそれを我慢したリアラは直後にくしゃみを連発した。
「くしゅっ…くしゅっ、くしゅん!」
その耳にもお尻にもやはり半獣化の兆候は見られない。
呪いは完全に解けたようだった。
「呪い、やっぱり解けてるね」
「うん、それにしてもコショウってこんなにつらいのね。初めて知ったわ」
リアラは苦笑してコショウを調味料置き場に戻した。
まだ鼻がヒリヒリツンツンしていて、今悪魔の居場所を嗅ぎとれとか言われたら絶対できないだろう。
そして、よほど嬉しいのかディーヴァはリアラの手を取り飛び上がって喜びを表現した。
半獣化は終わったというのに、ピョンピョン飛び上がる様はうさぎのようだった。
「うさ耳生えない!やった!!」
「うん、私もちゃんと呪いが解けているみたいでほっとしたよ」
うさぎではなく狼だが、リアラも一緒になって跳び跳ねて喜んだ。
「なんだ、出迎えはなしか?」
「ただいま、腹減ったー!」
その時、髭と若が帰宅してキッチンに入ってきた。
いつもなら気配や嗅覚を使ってダンテ達の帰宅に合わせて出迎えをしているのだ。
だが、今日は嗅覚が使えなかったため、それができなかった。
「ごめんなさい。鼻が利かない状態だからわからなかったの」
「そうか、ならしかたない。リアラ、ただいま」
「おかえりなさい、ダンテさん」
髭は優しい表情でリアラの頭を撫でてやる。
そして若は、腹が減ったと言いながらディーヴァに抱きついた。
いきなりのことで驚くが半獣化しない。
「あれっ?うさぎの耳はどうしたよ」
「呪いなら解けたよ」
「ほっとしました」
ディーヴァはブイサインを作り、リアラは胸を撫で下ろしながら髭と若に言った。
「ああ、もう解けちまったか…惜しいな」
「ちぇ、せっかくかわいかったのによ」
「「あんなにいじめられるのはこりごりだよ・です」」
髭と若の残念そうな言葉に2人はとんでもない、と目を大きくして叫んだ。
「それよりお腹空いたなら、夕食はあと少しで出来るからお菓子食べててよ」
「今日、一日中作ってたんです」
リアラが次々に冷蔵庫からケーキやら何やらテーブルの上に並べ始めた。
「一日中!?」
「もしかしてディーヴァ、爆発寸前だった?」
「誰かさんのせいでね」
ディーヴァはにっこりと笑顔で皮肉交じりに若に伝えた。
そこにリアラがつけ加える。
「だから苺も全部使ってしまったの」
「Nooooo!!オレのストサンンンン!!」
「いや、お前だけのじゃないから。ま、仕方ないさ」
叫び、がっくりと頭を垂れた若に髭はぽむん、と肩を叩いて慰めた。
「まあ結局2人が作ったのなら美味いよな!」
「…切り替え早いなお前」
***
その夜からディーヴァは再び若と寝る方に戻った。
そのままリアラととも考えたが若が子犬のような目で訴えてくるのでしかたなく戻したのだ。
そしてリアラもたまには…ということで髭と寝ることにした。
***
「なんであたしうさぎだったんだろね?」
「似合ってたからいいじゃん♪」
「ここはありがとうというべきなのかな」
「感謝の気持ちなら言葉よりも行動で伝えてくれ」
「はいはい、キスでしょ?」
「Jack pod!」
***
「くしゃみしたり驚いたりしただけで耳が生えるのって結構不便だったよ。ダンテさんもいつもよりいたずらしてきたし…」
「でもリアラはいやじゃなかっただろ、しっぽ振ってたもんな」
「相手がダンテさんだからイヤなわけないわ」
「嬉しいこと言ってくれるねぇ」
***
そして、半獣状態のリアラとディーヴァが寄り添って眠る写真は、いつまでもダンテ達の宝物となっているのであった。
「もう夕方だね…」
「うん。そういえば最初の日、夕方には呪いがかかってたっけ…」
思い返せば、記念すべき半獣化1日目の依頼が終わったのは、昼過ぎのことだった。。
一週間目の今日でで呪いが解けるのならばもう解けているということになる。
「…試してみる?」
リアラの言葉にディーヴァは頷き返した。
***
2人はキッチンの中で、睨み合って立っている。
バトルでも始まりそうだが、その実、違う。
その中間にポツンと置かれたコショウの瓶を睨んでいるだけである。
「どっちが先にしましょうか?」
「じゃあ、リアラお姉ちゃんが先にやっちゃって」
「わかったわ、準備はいい?」
ゆっくりとした動きでコショウを手にしたリアラは、ディーヴァに向かってそれを勢いよく振りおろした。
コショウがディーヴァの周りに四散する。
その独特の香りは普段は食欲をそそるものではあるが、今は鼻の奥を刺激してやまない。
ムズムズ感を我慢することなくディーヴァはくしゃみした。
「ふぇっくちょんっ!」
だが、くしゃみをしたのにうさぎの耳も、しっぽも生える気配は微塵も感じられなかった。
「う~、鼻がムズムズする~」
ただひたすらくしゃみを続けているだけである。
鼻の奥をそうとう刺激したのか、少し辛そうであったが、リアラは呪いが解けているかどうか…そちらを優先することにした。
「思った通り、呪いは解けてるみたい。ディーヴァちゃん、これで若にいじめられなくてすむわね!さ、次は私の番よ」
「でもこれ結構つらいよ?あたしが試したんだしもういいんじゃないかな。それに元々嗅覚の鋭いリアラお姉ちゃんにはちょっとおすすめできないよー…」
涙目になって両手で鼻をおさえながら辞めるよう進言する。
だが、律儀なリアラはやる気満々だった。
「でも、ディーヴァちゃんだけって言うのは不公平だわ」
持っていたコショウの瓶をディーヴァに握らせたリアラは、その行動を待った。
「うん、わかった…」
リアラもそうだっただろうが、ディーヴァもこんなことにコショウを使うのは始めてである。
ディーヴァも覚悟を決めて、リアラに向かってコショウを振りかけた。
ディーヴァの時と同じようにコショウが空気中に撒き散らされた。
香りが嗅覚の鋭いの鼻にダイレクトに伝わってきて、その能力の高さからか粘膜がヒリヒリしてきた。
鼻が使い物にならなくなりそうなそれを我慢したリアラは直後にくしゃみを連発した。
「くしゅっ…くしゅっ、くしゅん!」
その耳にもお尻にもやはり半獣化の兆候は見られない。
呪いは完全に解けたようだった。
「呪い、やっぱり解けてるね」
「うん、それにしてもコショウってこんなにつらいのね。初めて知ったわ」
リアラは苦笑してコショウを調味料置き場に戻した。
まだ鼻がヒリヒリツンツンしていて、今悪魔の居場所を嗅ぎとれとか言われたら絶対できないだろう。
そして、よほど嬉しいのかディーヴァはリアラの手を取り飛び上がって喜びを表現した。
半獣化は終わったというのに、ピョンピョン飛び上がる様はうさぎのようだった。
「うさ耳生えない!やった!!」
「うん、私もちゃんと呪いが解けているみたいでほっとしたよ」
うさぎではなく狼だが、リアラも一緒になって跳び跳ねて喜んだ。
「なんだ、出迎えはなしか?」
「ただいま、腹減ったー!」
その時、髭と若が帰宅してキッチンに入ってきた。
いつもなら気配や嗅覚を使ってダンテ達の帰宅に合わせて出迎えをしているのだ。
だが、今日は嗅覚が使えなかったため、それができなかった。
「ごめんなさい。鼻が利かない状態だからわからなかったの」
「そうか、ならしかたない。リアラ、ただいま」
「おかえりなさい、ダンテさん」
髭は優しい表情でリアラの頭を撫でてやる。
そして若は、腹が減ったと言いながらディーヴァに抱きついた。
いきなりのことで驚くが半獣化しない。
「あれっ?うさぎの耳はどうしたよ」
「呪いなら解けたよ」
「ほっとしました」
ディーヴァはブイサインを作り、リアラは胸を撫で下ろしながら髭と若に言った。
「ああ、もう解けちまったか…惜しいな」
「ちぇ、せっかくかわいかったのによ」
「「あんなにいじめられるのはこりごりだよ・です」」
髭と若の残念そうな言葉に2人はとんでもない、と目を大きくして叫んだ。
「それよりお腹空いたなら、夕食はあと少しで出来るからお菓子食べててよ」
「今日、一日中作ってたんです」
リアラが次々に冷蔵庫からケーキやら何やらテーブルの上に並べ始めた。
「一日中!?」
「もしかしてディーヴァ、爆発寸前だった?」
「誰かさんのせいでね」
ディーヴァはにっこりと笑顔で皮肉交じりに若に伝えた。
そこにリアラがつけ加える。
「だから苺も全部使ってしまったの」
「Nooooo!!オレのストサンンンン!!」
「いや、お前だけのじゃないから。ま、仕方ないさ」
叫び、がっくりと頭を垂れた若に髭はぽむん、と肩を叩いて慰めた。
「まあ結局2人が作ったのなら美味いよな!」
「…切り替え早いなお前」
***
その夜からディーヴァは再び若と寝る方に戻った。
そのままリアラととも考えたが若が子犬のような目で訴えてくるのでしかたなく戻したのだ。
そしてリアラもたまには…ということで髭と寝ることにした。
***
「なんであたしうさぎだったんだろね?」
「似合ってたからいいじゃん♪」
「ここはありがとうというべきなのかな」
「感謝の気持ちなら言葉よりも行動で伝えてくれ」
「はいはい、キスでしょ?」
「Jack pod!」
***
「くしゃみしたり驚いたりしただけで耳が生えるのって結構不便だったよ。ダンテさんもいつもよりいたずらしてきたし…」
「でもリアラはいやじゃなかっただろ、しっぽ振ってたもんな」
「相手がダンテさんだからイヤなわけないわ」
「嬉しいこと言ってくれるねぇ」
***
そして、半獣状態のリアラとディーヴァが寄り添って眠る写真は、いつまでもダンテ達の宝物となっているのであった。