狼とうさぎの1週間
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髭と若が悪魔の元へと行った後、リアラとディーヴァの2人はさっそく消火活動に入った。
リアラは走り回って、『ダイヤモンド・ダスト』で吹雪を起こして炎を燃えている物体ごと凍らせ、『アイシクル』の氷柱を火を囲むように降らせて消していく。
ディーヴァも重いホースをずるずる引きずってリアラの手の追いつかない火をちょこちょこだが、消していった。
燃え盛る悪魔の炎も、少しずつだが鎮火していくが、それさえも間に合わないくらい奥はもうもうと燃え盛っているように見えた。
「リアラお姉ちゃ~ん、きりがないよ~」
「うん…それにしても暑い…」
「水、かけよっか?」
「それじゃ私がずぶぬれになっちゃうで…水…?」
と、火に向かって勢いよくホースの水をかけるディーヴァを見て、リアラは思いついた。
そしてホースの水が出ているすぐ横に降り立った。
「ん?使うの?」
「最大水力で水を大きな炎にかけるの。水に私の魔力を纏わせて、この水を全て水と氷の消火剤に変えて一気に消すわ」
「おっけー!いくよ!!」
ディーヴァが最大水量のボタンを押すと、体が吹き飛ばされそうになるほどの威力で水が噴き出た。
そして真横に立っていたリアラがそれを支えながら、魔力をこめた右手を水にかざした。
水が絶対零度の氷水となって炎に突き刺さる。
もともと炎に強い水の特性と、リアラの全てを凍てつかせる氷の力、いいところだけが残ったそれはいとも簡単に燃え盛る炎を消し止めた。
2人はニコリと笑いあうと、ハイタッチをかわした。
ギュイィィイーン!ギュオン!!
その時、悪魔と戦っているであろう髭と若達がいる方向からギターの音が響いているのに気がついた。
確かネヴァンという名前のギターの形をした魔具だった気がする。
リアラは派手にやってるなあ、と短く嘆息し、ディーヴァは頭の上にクエスチョンマークを浮かべてダンテ達のいる方角を向いた。
そして音が止んだと思ったら、悪魔の気配が濃くなって来た。
ビリビリとリアラの第六感が悪魔の到来を伝えている。
ダンテ達が取り逃がしたのかもしれない。
あの人達はたまに油断したりわざと攻撃を受けるような癖があるからだ。
「来る」
「え…?」
リアラはレイザードを武器化状態にして来たる者を迎え撃つべく構えた。
雄たけびをあげながらところどころ焦げて肉の溶け落ちた気持ちの悪い悪魔がすごい形相で迫ってくる。
その体は最初に見た時より大きく巨大化していた。
「避難してて!」
「ひぃぃぃい!言われなくても!!」
ディーヴァは悲鳴をあげながら後ずさり転がるように避難した。
リアラはそれを横目で確認すると勇猛果敢に悪魔へ突進していった。
リアラに向かって悪魔がこれ以上ないほどの大きな口を開けた。
炎攻撃だ。
リアラはわかっていたようでまだ有り余る魔力を駆使して氷の結界をその身にまとわせた。
これで少しくらいの炎は防げる―――そう思った時だった。
「リアラ!ダメだ!!」
「避けろっ!」
「えっ?」
髭と若の叫びがこだまし、一瞬そちらを見るとこちらに向かって走ってくる彼らが見えた。
気がついた時には、想像以上に大きな炎の塊がリアラの目の前に迫っていた。
リアラは氷属性を持つ半魔なため、炎攻撃が弱点とする。
普段使うガスコンロの火などは平気なのだが、たとえば炎獄の主、ベリアルの炎のような大悪魔の使う炎は特に苦手だ。
それが小さな悪魔の炎ならまだいいが、このように大きな炎の塊など自分の結界では防ぐことが出来ないかもしれない、そう思った。
「させないっ!!」
その時、しっぽを巻いて逃げていたはずのディーヴァがリアラを横から突き飛ばした。
どちらもなんとか助かったが、ディーヴァの腕が少しだけ火傷している。
「なんでこんなことをしたの!」
「大丈夫、これくらいならすぐ治るから。それにあたし、他には何も出来ないんだもん」
「ディーヴァちゃん…」
リアラはそのまま逃げていこうとする悪魔の方を見据えると、その体を瞬時に魔獣形態に変えて奴を追った。
『ハイスピード』を使っているため、悪魔に瞬時に追いつく。
悪魔の足元を『アイシクル』の氷柱で縫いとめながらリアラは元の姿に戻った。
「よくもやってくれたわね」
リアラは大切な者を傷つけられたり、バカにされたりするのが一番嫌いだ。
父親もダンテもネロも大切だが、それと同じくらいディーヴァのことを大切に思っている。
もちろん、若いダンテである若も。
リアラは悪魔に対しかなりご立腹のようで怒り心頭と言ったところか。
怒りと共にその体からは冷たい冷気の魔力があふれ出ている。
そしてその身に宿す氷の力と同じ、冷たく鋭い視線で悪魔を射抜いていた。
そこへようやく髭と若が女性陣のいる場所へやってきた。
若は怒っているリアラを見て、自分がその視線を受けているわけでもないのに、なぜか寒気と恐怖を感じた。
「み…味方で良かった」
「ふむ。あいつはリアラに任せてもよさそうだ。ここのところの半獣化で知らず知らずストレス溜まってるみたいだもんな」
言っている間にもリアラは氷柱で地面に磔にしたままの悪魔を吹雪を使いじわじわと凍らせていった。
「消えろ」
そして虫の息になった悪魔に躊躇することなく『ジャッジメント』を施した。
跡形もなく悪魔を屠ったリアラが3人の元へと戻ってきた。
もういつものリアラであり、全く恐くはない。
「リアラお姉ちゃん、お疲れ様」
「うん。それよりディーヴァちゃん、早く冷やさないとね」
リアラはまだ残っている魔力を使い、ディーヴァの火傷しているところを冷やした。
患部が凍ることなく適度に冷やされていく。
「ありがとう」
その絶妙な魔力の匙加減に若が感嘆の声をもらした。
「リアラ、魔力の使い方うめぇな…」
「そんなことないと思うんだけどなあ」
「いや、リアラは元々の才能もあって魔力の使い方はかなりの物だ。それに毎日鍛錬してるからな」
ディーヴァは冷やされていく腕を嬉しく思いながら、髭と若を茶化すように言った。
「2人も見習って鍛錬の1つでもしたらどうなの?継続は力なりってね」
「「いやだね」」
だめだわこの人達…
リアラとディーヴァは心の中でそう思うことしかできない。
リアラは苦笑を浮かべ、ディーヴァはため息を吐いて、4人は本日の依頼を終えた。
リアラは走り回って、『ダイヤモンド・ダスト』で吹雪を起こして炎を燃えている物体ごと凍らせ、『アイシクル』の氷柱を火を囲むように降らせて消していく。
ディーヴァも重いホースをずるずる引きずってリアラの手の追いつかない火をちょこちょこだが、消していった。
燃え盛る悪魔の炎も、少しずつだが鎮火していくが、それさえも間に合わないくらい奥はもうもうと燃え盛っているように見えた。
「リアラお姉ちゃ~ん、きりがないよ~」
「うん…それにしても暑い…」
「水、かけよっか?」
「それじゃ私がずぶぬれになっちゃうで…水…?」
と、火に向かって勢いよくホースの水をかけるディーヴァを見て、リアラは思いついた。
そしてホースの水が出ているすぐ横に降り立った。
「ん?使うの?」
「最大水力で水を大きな炎にかけるの。水に私の魔力を纏わせて、この水を全て水と氷の消火剤に変えて一気に消すわ」
「おっけー!いくよ!!」
ディーヴァが最大水量のボタンを押すと、体が吹き飛ばされそうになるほどの威力で水が噴き出た。
そして真横に立っていたリアラがそれを支えながら、魔力をこめた右手を水にかざした。
水が絶対零度の氷水となって炎に突き刺さる。
もともと炎に強い水の特性と、リアラの全てを凍てつかせる氷の力、いいところだけが残ったそれはいとも簡単に燃え盛る炎を消し止めた。
2人はニコリと笑いあうと、ハイタッチをかわした。
ギュイィィイーン!ギュオン!!
その時、悪魔と戦っているであろう髭と若達がいる方向からギターの音が響いているのに気がついた。
確かネヴァンという名前のギターの形をした魔具だった気がする。
リアラは派手にやってるなあ、と短く嘆息し、ディーヴァは頭の上にクエスチョンマークを浮かべてダンテ達のいる方角を向いた。
そして音が止んだと思ったら、悪魔の気配が濃くなって来た。
ビリビリとリアラの第六感が悪魔の到来を伝えている。
ダンテ達が取り逃がしたのかもしれない。
あの人達はたまに油断したりわざと攻撃を受けるような癖があるからだ。
「来る」
「え…?」
リアラはレイザードを武器化状態にして来たる者を迎え撃つべく構えた。
雄たけびをあげながらところどころ焦げて肉の溶け落ちた気持ちの悪い悪魔がすごい形相で迫ってくる。
その体は最初に見た時より大きく巨大化していた。
「避難してて!」
「ひぃぃぃい!言われなくても!!」
ディーヴァは悲鳴をあげながら後ずさり転がるように避難した。
リアラはそれを横目で確認すると勇猛果敢に悪魔へ突進していった。
リアラに向かって悪魔がこれ以上ないほどの大きな口を開けた。
炎攻撃だ。
リアラはわかっていたようでまだ有り余る魔力を駆使して氷の結界をその身にまとわせた。
これで少しくらいの炎は防げる―――そう思った時だった。
「リアラ!ダメだ!!」
「避けろっ!」
「えっ?」
髭と若の叫びがこだまし、一瞬そちらを見るとこちらに向かって走ってくる彼らが見えた。
気がついた時には、想像以上に大きな炎の塊がリアラの目の前に迫っていた。
リアラは氷属性を持つ半魔なため、炎攻撃が弱点とする。
普段使うガスコンロの火などは平気なのだが、たとえば炎獄の主、ベリアルの炎のような大悪魔の使う炎は特に苦手だ。
それが小さな悪魔の炎ならまだいいが、このように大きな炎の塊など自分の結界では防ぐことが出来ないかもしれない、そう思った。
「させないっ!!」
その時、しっぽを巻いて逃げていたはずのディーヴァがリアラを横から突き飛ばした。
どちらもなんとか助かったが、ディーヴァの腕が少しだけ火傷している。
「なんでこんなことをしたの!」
「大丈夫、これくらいならすぐ治るから。それにあたし、他には何も出来ないんだもん」
「ディーヴァちゃん…」
リアラはそのまま逃げていこうとする悪魔の方を見据えると、その体を瞬時に魔獣形態に変えて奴を追った。
『ハイスピード』を使っているため、悪魔に瞬時に追いつく。
悪魔の足元を『アイシクル』の氷柱で縫いとめながらリアラは元の姿に戻った。
「よくもやってくれたわね」
リアラは大切な者を傷つけられたり、バカにされたりするのが一番嫌いだ。
父親もダンテもネロも大切だが、それと同じくらいディーヴァのことを大切に思っている。
もちろん、若いダンテである若も。
リアラは悪魔に対しかなりご立腹のようで怒り心頭と言ったところか。
怒りと共にその体からは冷たい冷気の魔力があふれ出ている。
そしてその身に宿す氷の力と同じ、冷たく鋭い視線で悪魔を射抜いていた。
そこへようやく髭と若が女性陣のいる場所へやってきた。
若は怒っているリアラを見て、自分がその視線を受けているわけでもないのに、なぜか寒気と恐怖を感じた。
「み…味方で良かった」
「ふむ。あいつはリアラに任せてもよさそうだ。ここのところの半獣化で知らず知らずストレス溜まってるみたいだもんな」
言っている間にもリアラは氷柱で地面に磔にしたままの悪魔を吹雪を使いじわじわと凍らせていった。
「消えろ」
そして虫の息になった悪魔に躊躇することなく『ジャッジメント』を施した。
跡形もなく悪魔を屠ったリアラが3人の元へと戻ってきた。
もういつものリアラであり、全く恐くはない。
「リアラお姉ちゃん、お疲れ様」
「うん。それよりディーヴァちゃん、早く冷やさないとね」
リアラはまだ残っている魔力を使い、ディーヴァの火傷しているところを冷やした。
患部が凍ることなく適度に冷やされていく。
「ありがとう」
その絶妙な魔力の匙加減に若が感嘆の声をもらした。
「リアラ、魔力の使い方うめぇな…」
「そんなことないと思うんだけどなあ」
「いや、リアラは元々の才能もあって魔力の使い方はかなりの物だ。それに毎日鍛錬してるからな」
ディーヴァは冷やされていく腕を嬉しく思いながら、髭と若を茶化すように言った。
「2人も見習って鍛錬の1つでもしたらどうなの?継続は力なりってね」
「「いやだね」」
だめだわこの人達…
リアラとディーヴァは心の中でそう思うことしかできない。
リアラは苦笑を浮かべ、ディーヴァはため息を吐いて、4人は本日の依頼を終えた。