狼とうさぎの1週間
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最初の内、悪魔はリベリオンの斬撃を受けて斬り刻まれていった。
だが斬ったところもすぐに復活していく。
それくらいは今まで相手をした悪魔もそうだったりしたので髭は別に気にならなかった。
倒すまではなかなかいかないが順調に悪魔に傷を負わせ、そろそろ倒れるかと思った時だった。
ものすごい雄たけびをあげたかと思うと、悪魔の姿が3倍ほどの大きさに巨大化したのだ。
「うおっ!?」
「なんなんだよこいつら!巨大化したら急に早くなったぞ!?」
巨大化と共に動きと回復のスピードが上がった。
リアラの読み通り、悪魔は火を噴くだけではなかったのだ。
やっかいな敵だ。
髭は悪魔に斬撃を当てようと四苦八苦しながら昔、魔界にて相手をした悪魔を思い出した。
NOBODY…『誰でもない』者ども。
あの悪魔に似ている気がする。
火を使うという時点で少し違うが、巨大化するところなどそっくりだ。
傍らでは若がリベリオンをイライラしながら振り回している。
「くそ、でけえくせにちょこまかしやがって!攻撃が当たんねぇ!」
「…しかたねぇ、とっておきを見せてやる」
元の世界でまだ『塔』に昇っていない、という若の為に見せたくなかったのだが、髭は持って来ていた他の武器を使うことにした。
髭は持ち運び用にとリベリオンをしまっていたケースから紫色に光るエレキギターを取り出し構えた。
その姿に若がキレたように叫ぶ。
「ちょ、髭!てめぇ何ギターなんか構えてんだ!」
「んー、ちょっとチューンアップをしてるだけだ」
「そんなのより悪魔の相手しろよ!」
「まぁ待て…よし」
ギュイーン!
髭は魂にガツンと響くような高音を出してチューンアップを完了させた。
「ライブの時間だぜ、Let's Rock!!」
「おおお!?」
髭がギターをかき鳴らすと、紫の光に包まれた蝙蝠が発生した。
その全てが電撃となって、悪魔を襲う。
のんびりとした髭の態度に舌打ちしていたはずの若が、その猛攻に目を見開いて固まった。
「すげぇ!!」
ぶち当たった電撃に耐えきれず、悪魔は一気に焼き焦げていく。
その回復力もスピードさえも髭の放つ電撃には遠く及ばなかった。
「若、奴らを一か所に追い込め!」
「お、おう。わかった!」
髭ばかりにいい格好はさせられないぜ。
若は木の幹にキックジャンプして飛び上がると、悪魔達がバラけないよう牽制しながら軽い斬撃を放った。
悪魔達がリベリオンという名のキューに導かれるビリヤードの玉のように一ヶ所に集まる。
「さあて、フィニッシュだ」
髭は下唇をペロと舐めると、大量の蝙蝠を集結させ、前方に一気に放つ大技を放った。
紫の雷撃が悪魔に一直線に向かい、包み込んで爆発を生み出す。
ひとまとめになった悪魔は、高電圧の雷撃に感電しその命ごと焼き焦げていった。
髭は最後にひとしきりギターをかき鳴らして電撃のライブをしまいにした。
「ギタリスト風に言うと『ディストーション』をかけたってところだ」
「うおお!かっけー!!」
若は子どものようにキラキラした目で髭を見つめた。
元の世界に戻れたとしたら、やはりこいつもネヴァン―――このギターの悪魔としての名だ―――を使う日がきっとくるだろう。
その時を楽しみにしてるんだな。
髭は自分がこの魔具を手に入れた、遠い昔を思い出した。
「ん?」
その時視界に動くものが映った。
焼き焦げた悪魔の残骸が動いている。
仲間の死骸を掻き分け、一匹生き残った悪魔がものすごい勢いで飛び出した。
「やっべぇ!一匹残ってたじゃねーか!」
ダンテ達に敵わないと判断した悪魔が逃げる先は公園の入り口方面しか残っていない。
そしてその方角にいるのは…
「リアラ!ディーヴァ!!」
手負いの獣ほど危ないものはない。
それは手負いの悪魔も同じ事である。
手負いの悪魔の向った先は彼女達のいる方角だった。
だが斬ったところもすぐに復活していく。
それくらいは今まで相手をした悪魔もそうだったりしたので髭は別に気にならなかった。
倒すまではなかなかいかないが順調に悪魔に傷を負わせ、そろそろ倒れるかと思った時だった。
ものすごい雄たけびをあげたかと思うと、悪魔の姿が3倍ほどの大きさに巨大化したのだ。
「うおっ!?」
「なんなんだよこいつら!巨大化したら急に早くなったぞ!?」
巨大化と共に動きと回復のスピードが上がった。
リアラの読み通り、悪魔は火を噴くだけではなかったのだ。
やっかいな敵だ。
髭は悪魔に斬撃を当てようと四苦八苦しながら昔、魔界にて相手をした悪魔を思い出した。
NOBODY…『誰でもない』者ども。
あの悪魔に似ている気がする。
火を使うという時点で少し違うが、巨大化するところなどそっくりだ。
傍らでは若がリベリオンをイライラしながら振り回している。
「くそ、でけえくせにちょこまかしやがって!攻撃が当たんねぇ!」
「…しかたねぇ、とっておきを見せてやる」
元の世界でまだ『塔』に昇っていない、という若の為に見せたくなかったのだが、髭は持って来ていた他の武器を使うことにした。
髭は持ち運び用にとリベリオンをしまっていたケースから紫色に光るエレキギターを取り出し構えた。
その姿に若がキレたように叫ぶ。
「ちょ、髭!てめぇ何ギターなんか構えてんだ!」
「んー、ちょっとチューンアップをしてるだけだ」
「そんなのより悪魔の相手しろよ!」
「まぁ待て…よし」
ギュイーン!
髭は魂にガツンと響くような高音を出してチューンアップを完了させた。
「ライブの時間だぜ、Let's Rock!!」
「おおお!?」
髭がギターをかき鳴らすと、紫の光に包まれた蝙蝠が発生した。
その全てが電撃となって、悪魔を襲う。
のんびりとした髭の態度に舌打ちしていたはずの若が、その猛攻に目を見開いて固まった。
「すげぇ!!」
ぶち当たった電撃に耐えきれず、悪魔は一気に焼き焦げていく。
その回復力もスピードさえも髭の放つ電撃には遠く及ばなかった。
「若、奴らを一か所に追い込め!」
「お、おう。わかった!」
髭ばかりにいい格好はさせられないぜ。
若は木の幹にキックジャンプして飛び上がると、悪魔達がバラけないよう牽制しながら軽い斬撃を放った。
悪魔達がリベリオンという名のキューに導かれるビリヤードの玉のように一ヶ所に集まる。
「さあて、フィニッシュだ」
髭は下唇をペロと舐めると、大量の蝙蝠を集結させ、前方に一気に放つ大技を放った。
紫の雷撃が悪魔に一直線に向かい、包み込んで爆発を生み出す。
ひとまとめになった悪魔は、高電圧の雷撃に感電しその命ごと焼き焦げていった。
髭は最後にひとしきりギターをかき鳴らして電撃のライブをしまいにした。
「ギタリスト風に言うと『ディストーション』をかけたってところだ」
「うおお!かっけー!!」
若は子どものようにキラキラした目で髭を見つめた。
元の世界に戻れたとしたら、やはりこいつもネヴァン―――このギターの悪魔としての名だ―――を使う日がきっとくるだろう。
その時を楽しみにしてるんだな。
髭は自分がこの魔具を手に入れた、遠い昔を思い出した。
「ん?」
その時視界に動くものが映った。
焼き焦げた悪魔の残骸が動いている。
仲間の死骸を掻き分け、一匹生き残った悪魔がものすごい勢いで飛び出した。
「やっべぇ!一匹残ってたじゃねーか!」
ダンテ達に敵わないと判断した悪魔が逃げる先は公園の入り口方面しか残っていない。
そしてその方角にいるのは…
「リアラ!ディーヴァ!!」
手負いの獣ほど危ないものはない。
それは手負いの悪魔も同じ事である。
手負いの悪魔の向った先は彼女達のいる方角だった。