狼とうさぎの1週間
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今日で5日目である。
起きてきた髭がキッチンに顔を出した。
キッチンには一足早くリアラとネロがいて、朝食の準備にいそしんでいた。
「morning!リアラ、ネロ」
「おはようございます」
「オッサン、早いな」
「坊やも来てることだし、たまにはな」
「いい加減坊やって言うんじゃねぇよ…」
ネロが得意の悪態をついて髭につっかかるのを横目に、リアラはフライパンに卵を割り入れる。
そのうち、同じく起きてきた若がキッチンに入ってきた。
「ふぁ~おはよう…あれ?ディーヴァは?」
愛しの彼女がいないのを見て、キョロキョロと探す。
冷蔵庫や床下収納まで見ている。
「おーい、ディーヴァ?どこだー?」
そんなところにいるわけないだろうに、やはり若は阿呆である。
リアラはあきれ顔で若を見た。
「俺も気になってた、寝坊か?あいつにしちゃあ珍しい」
「えっとね、ディーヴァちゃんは…」
ディーヴァは今、リアラと寝起きを共にしている。
リアラが説明しようと口を開くとディーヴァがやってきた。
「お、おはよう…」
壁に手体を預けながらやっとこさという感じでやってきた彼女の顔色は優れない。
病気にでもなったのだろうかと思ってしまう。
さらに目元には薄く隈が浮き出ていた。
「どどどどうしたんだ!?」
ネロの大嫌いなマッドサイエンティストのようにどもりながら、若が心配そうに大きな声を出した。
ディーヴァは顔をしかめ米神を押さえて若から離れた。
「ダンテ…お願い、頭痛くなるから大声出さないで…」
「わ、悪い…」
そのディーヴァの様子に何があったのか聞きたかった髭とネロも押し黙る。
見かねたリアラが代わりに説明した。
「ディーヴァちゃん、夜中までがんばってたの」
昨日の夜、ディーヴァはネロが持ってきた悪魔の資料の解読をしていたのだ、という事をリアラは3人に話して聞かせた。
夜中までとは早く眠る彼女にしては珍しいと若はディーヴァの様子を見ながら思った。
なんでも、リアラは少し付き合って起きていたし、お茶を入れたりしていたのだが、気が付いたら寝てしまっていたという。
そのまま朝方に目を覚ましたら、ディーヴァはまだリアラに背を向けて机にかじりついていた。
「徹夜したのなんてジュニア・ハイ・スクールの卒業試験以来だよ~難しかった!」
「終わった後、少しは眠れた?」
「うん、リアラお姉ちゃん、ありがと」
それ以上やっても体を壊すばかりだろう。
そう思ったリアラは朝食を作ろうと起きた時に、もうそろそろ終わりにして少し眠るように言ったのだ。
それでもとても眠そうに体が揺れている。
そのままにしておくと、その内立ったまま寝てしまいそうだった。
リアラはすぐに朝食にすることにして調理を急いだ。
***
リアラの作ったチーズ入りのオムレツをメインに朝食をとっている。
ディーヴァはむにゃむにゃ言いながら食べていて、いつこぼすかわからないような状態だった。
まるで小さな子どもである。
リアラも若も、他の者も少しハラハラしながら見ていた。
「せっかくリアラがディーヴァの好きなチーズ入りにしたってのにこれじゃあな…」
髭が苦笑してリアラに同意を求めていた。
リアラも髭に苦笑を返すだけだった。
「おなかねむい…」
「なんだそりゃ」
ディーヴァのつぶやきにネロまでもが呆れて聞き返す。
つぶやいたあとはコテン、と首を下に向けて眠りに落ちそうになっている。
「おなかは空いてるみたいね。ただ、同じくらい眠いんじゃないかしら?」
「おーい、ディーヴァおきろー」
若はディーヴァを軽くゆすってキチンと食べるよう促した。
もそもそ食べだしたディーヴァを見ながら、リアラが若に聞いた。
「ディーヴァちゃんって寝不足するといつもこうなの?」
「不眠症になったことはあっけど、寝不足にさせたことはないからわかんねぇな」
「そう…ディーヴァちゃん、食べたらまた眠っていいからちゃんと食べちゃおうね」
面倒を見るリアラは姉というよりは母親のようだ。
髭は、いつかやってくるであろう、母親となったリアラの姿を思い浮かべた。
美しく優しいリアラと、かわいい子ども。
そしてもちろん、その隣には自分の姿がいる。
「子どもはリアラに似たかわいい娘がいいな…」
「「「はい?」」」
髭のよくわからない言葉に、ディーヴァ以外の全員が不思議な顔をした。
***
「で、わかったのか?」
ようやく食べ終わったディーヴァに髭が聞いた。
資料の解読が済んでいるなら早く知っておきたいところだ。
「とりあえず寝かせてやんねぇか?」
「いいよ。今言ったほうがいいから…ふわあ…」
眠い眠いとこぼす恋人を心配しながら若が止める。
だが、ディーヴァはそれを遮って話を進めた。
「なんならコーヒーでも淹れてくるぜ」
「あ、ディーヴァちゃんはコーヒー飲めないの」
カフェインを取れば少しは話しやすいだろうとネロが言う。
だが、リアラの一言にネロは「子どもかっ!!」と突っ込まずにはいられなかった。
ディーヴァの説明はそれから5分たらずで終わった。
なんのことない。
あの悪魔は悪戯をして遊ぶ悪魔で、呪いの種類はたくさんあるようだったが、動物の体の一部が生えるという呪い…これは1週間で解けると書いてあったのだ。
「1週間…もうすぐじゃねぇか。よかったな」
「悪戯好き…それってダンテさん達と変わらないですね」
ネロが安心した様子で胸をなでおろし、リアラが苦笑した。
「なんだ、愛する男の深~いキスで戻るとかだったらよかったのにな」
「うんうん」
ダンテ達が少しがっかりしながら言った。
いつもそういうキスしてる気がするよ、リアラはそう思ったがダンテ達には物足りないのかもしれない。
「ちょっと眠らせて…」
話が終わってしまい、また眠気が襲ってきたのか、ディーヴァはソファーに身を沈めた。
そのあと10秒ほどで寝息が聞こえてきた。
「うわ、おやすみ10秒かよ」
「はや!」
「しばらく寝かせてあげよ…あれ?」
リアラの目に耳をつけたディーヴァの姿が映った。
「くしゃみしてないよね?驚いてもいないよね?」
どういうことなのかしら?
リアラが不思議そうに首をかしげる。
髭はリアラの肩に手を置き、若はディーヴァの髪を梳きながら言った。
「お前らって寝てるときも半獣化してるんだぞ」
「知らなかったか?」
起きてきた髭がキッチンに顔を出した。
キッチンには一足早くリアラとネロがいて、朝食の準備にいそしんでいた。
「morning!リアラ、ネロ」
「おはようございます」
「オッサン、早いな」
「坊やも来てることだし、たまにはな」
「いい加減坊やって言うんじゃねぇよ…」
ネロが得意の悪態をついて髭につっかかるのを横目に、リアラはフライパンに卵を割り入れる。
そのうち、同じく起きてきた若がキッチンに入ってきた。
「ふぁ~おはよう…あれ?ディーヴァは?」
愛しの彼女がいないのを見て、キョロキョロと探す。
冷蔵庫や床下収納まで見ている。
「おーい、ディーヴァ?どこだー?」
そんなところにいるわけないだろうに、やはり若は阿呆である。
リアラはあきれ顔で若を見た。
「俺も気になってた、寝坊か?あいつにしちゃあ珍しい」
「えっとね、ディーヴァちゃんは…」
ディーヴァは今、リアラと寝起きを共にしている。
リアラが説明しようと口を開くとディーヴァがやってきた。
「お、おはよう…」
壁に手体を預けながらやっとこさという感じでやってきた彼女の顔色は優れない。
病気にでもなったのだろうかと思ってしまう。
さらに目元には薄く隈が浮き出ていた。
「どどどどうしたんだ!?」
ネロの大嫌いなマッドサイエンティストのようにどもりながら、若が心配そうに大きな声を出した。
ディーヴァは顔をしかめ米神を押さえて若から離れた。
「ダンテ…お願い、頭痛くなるから大声出さないで…」
「わ、悪い…」
そのディーヴァの様子に何があったのか聞きたかった髭とネロも押し黙る。
見かねたリアラが代わりに説明した。
「ディーヴァちゃん、夜中までがんばってたの」
昨日の夜、ディーヴァはネロが持ってきた悪魔の資料の解読をしていたのだ、という事をリアラは3人に話して聞かせた。
夜中までとは早く眠る彼女にしては珍しいと若はディーヴァの様子を見ながら思った。
なんでも、リアラは少し付き合って起きていたし、お茶を入れたりしていたのだが、気が付いたら寝てしまっていたという。
そのまま朝方に目を覚ましたら、ディーヴァはまだリアラに背を向けて机にかじりついていた。
「徹夜したのなんてジュニア・ハイ・スクールの卒業試験以来だよ~難しかった!」
「終わった後、少しは眠れた?」
「うん、リアラお姉ちゃん、ありがと」
それ以上やっても体を壊すばかりだろう。
そう思ったリアラは朝食を作ろうと起きた時に、もうそろそろ終わりにして少し眠るように言ったのだ。
それでもとても眠そうに体が揺れている。
そのままにしておくと、その内立ったまま寝てしまいそうだった。
リアラはすぐに朝食にすることにして調理を急いだ。
***
リアラの作ったチーズ入りのオムレツをメインに朝食をとっている。
ディーヴァはむにゃむにゃ言いながら食べていて、いつこぼすかわからないような状態だった。
まるで小さな子どもである。
リアラも若も、他の者も少しハラハラしながら見ていた。
「せっかくリアラがディーヴァの好きなチーズ入りにしたってのにこれじゃあな…」
髭が苦笑してリアラに同意を求めていた。
リアラも髭に苦笑を返すだけだった。
「おなかねむい…」
「なんだそりゃ」
ディーヴァのつぶやきにネロまでもが呆れて聞き返す。
つぶやいたあとはコテン、と首を下に向けて眠りに落ちそうになっている。
「おなかは空いてるみたいね。ただ、同じくらい眠いんじゃないかしら?」
「おーい、ディーヴァおきろー」
若はディーヴァを軽くゆすってキチンと食べるよう促した。
もそもそ食べだしたディーヴァを見ながら、リアラが若に聞いた。
「ディーヴァちゃんって寝不足するといつもこうなの?」
「不眠症になったことはあっけど、寝不足にさせたことはないからわかんねぇな」
「そう…ディーヴァちゃん、食べたらまた眠っていいからちゃんと食べちゃおうね」
面倒を見るリアラは姉というよりは母親のようだ。
髭は、いつかやってくるであろう、母親となったリアラの姿を思い浮かべた。
美しく優しいリアラと、かわいい子ども。
そしてもちろん、その隣には自分の姿がいる。
「子どもはリアラに似たかわいい娘がいいな…」
「「「はい?」」」
髭のよくわからない言葉に、ディーヴァ以外の全員が不思議な顔をした。
***
「で、わかったのか?」
ようやく食べ終わったディーヴァに髭が聞いた。
資料の解読が済んでいるなら早く知っておきたいところだ。
「とりあえず寝かせてやんねぇか?」
「いいよ。今言ったほうがいいから…ふわあ…」
眠い眠いとこぼす恋人を心配しながら若が止める。
だが、ディーヴァはそれを遮って話を進めた。
「なんならコーヒーでも淹れてくるぜ」
「あ、ディーヴァちゃんはコーヒー飲めないの」
カフェインを取れば少しは話しやすいだろうとネロが言う。
だが、リアラの一言にネロは「子どもかっ!!」と突っ込まずにはいられなかった。
ディーヴァの説明はそれから5分たらずで終わった。
なんのことない。
あの悪魔は悪戯をして遊ぶ悪魔で、呪いの種類はたくさんあるようだったが、動物の体の一部が生えるという呪い…これは1週間で解けると書いてあったのだ。
「1週間…もうすぐじゃねぇか。よかったな」
「悪戯好き…それってダンテさん達と変わらないですね」
ネロが安心した様子で胸をなでおろし、リアラが苦笑した。
「なんだ、愛する男の深~いキスで戻るとかだったらよかったのにな」
「うんうん」
ダンテ達が少しがっかりしながら言った。
いつもそういうキスしてる気がするよ、リアラはそう思ったがダンテ達には物足りないのかもしれない。
「ちょっと眠らせて…」
話が終わってしまい、また眠気が襲ってきたのか、ディーヴァはソファーに身を沈めた。
そのあと10秒ほどで寝息が聞こえてきた。
「うわ、おやすみ10秒かよ」
「はや!」
「しばらく寝かせてあげよ…あれ?」
リアラの目に耳をつけたディーヴァの姿が映った。
「くしゃみしてないよね?驚いてもいないよね?」
どういうことなのかしら?
リアラが不思議そうに首をかしげる。
髭はリアラの肩に手を置き、若はディーヴァの髪を梳きながら言った。
「お前らって寝てるときも半獣化してるんだぞ」
「知らなかったか?」