狼とうさぎの1週間
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ネロは泊まることになった。
宿をとるから夕食も寝る場所もいらないと言うネロをリアラとディーヴァが止めたのだ。
「人数も増えたことだし今日はチキンカレーにしてみました」
リアラとディーヴァがスパイスからきちんと作ったカレーである。
鍋の中から漂う香りが食欲をそそり、ネロは思わず生唾を飲んだ。
鳴る腹の虫を抑えつけ、ネロは皿によそったりしている2人に近づいた。
「オレも手伝う」
「お客様なのに悪いよ」
「いいから。これ、運べばいいのか?」
遠慮するリアラの手をさえぎって、ネロは手伝いを申し出た。
こんな優しい若者は今時中々いないだろう。
リアラとディーヴァはネロに感心しながら、髭と若を見た。
「どっかの誰かさん達も見習ってくれればいいのに…」
「お前らの仕事とっちゃ悪いだろ?」
「味見くらいならしてやるよ」
「味見じゃなくてつまみ食いでしょ!…これだもんなぁ~」
「少しくらい手伝ってくれたっていいのにね」
「若とオッサン、ほんとダメ人間…いや、ダメ半魔だな」
ため息と苦笑いをこぼしながら準備にいそしむ。
リアラがライスにカレーをかけながらネロに聞いた。
「あ、ネロは辛い方がいい?」
「そんなに味があるのか?」
「といっても、甘口と辛口だけど」
大盛りになっている皿と小盛りになっている皿をリアラに渡しながらディーヴァが言う。
「あたしとダンテのが甘口になってるの」
ちらりと鍋の中身をみやってからネロが言った。
辛口と甘口。
それぞれ入っているとのことだが、見た目的には全く同じ色をしているため、食べてみないとわからないかもしれない。
「ふーん、オレは辛口がいい。カレーってのは辛いもんだろ」
「わかった。じゃあ手伝いをしてくれる偉いネロにはお肉をいっぱいよそっとくね」
リアラが鍋の中にごろごろ浮かんでいる肉の塊をネロの皿によそう。
「あ、ずりぃ!」
「ダンテは手伝ってないもん」
ディーヴァはブーブー文句を垂れる若をいさめた。
そのやりとりを笑って見ながら、ネロは食卓にカレーライスのよそわれた皿を次々に運んだ。
***
テーブルの上にカレーライスとサラダ、そしてデザートの代わりにもなっているリアラの好物でもあるメロンソーダフロートが並んだ。
「やっぱり甘い方が美味いぜ!」
早速食べ始める若が米粒を頬の端につけたまま言う。
「ふふ、良かったね」
ディーヴァは頬にくっついている米粒をとってやった。
「俺のは辛口だが、これもまた美味い。さすが俺のリアラだ」
「カレーなんかフォルトゥナじゃあんまり食べないから久しぶりだ…ありがとな」
髭とネロも至極美味そうにパクパクと食べ続けている。
そのみんなの光景をほほえましく思いながらリアラは一口目を食べた。
「…あれ?」
なんだろう。
辛口をよそったはずなのに、やけに甘く感じた。
もしかして…?
その鋭い嗅覚で部屋に漂うカレーの中から、ディーヴァの皿の物を嗅ぎとった。
リアラにしか出来ない芸当である。
「ディーヴァちゃんちょっと食べるの待っ!」
「ん?なぁに…辛っ!?」
遅かったようだ。
ディーヴァが一口目を食べると、その辛さにびっくりした。
ちなみにディーヴァは別に辛い物が嫌いなわけではないが、甘口だと思っていたため驚いたのだ。
しかし、驚いたことで、ディーヴァにはまたもやうさぎの耳が生えた。
ディーヴァは急いでメロンソーダフロートのアイス部分を口に入れて口の中を静めた。
「大丈夫かよ…」
若が心配そうにディーヴァの顔を覗きこむ。
「わっ!!」
なぜかそれに便乗した髭が突然立ち上がって叫んだ。
いきなりリアラを驚かせたのだ。
「ひゃあ!!」
リアラはそれにびっくりして飛び上がった。
もちろん、リアラにも狼の耳が生える。
「びっっっくりしたぁ…なんですか、もう…」
「ディーヴァだけ半獣化するのはかわいそうだろ」
初めて見るその光景にネロはびっくりした。
話には聞いたが、本当にリアラとディーヴァの頭に獣の耳が生えている。
「本当に生えるんだな…」
「「かわいいだろ?」」
髭と若がお互いの恋人の頭をぐりぐりと愛しげに撫でながらネロに見せつけた。
うん。
かわいさは認める。
でも…
ネロはリアラとディーヴァに申し訳なさそうな顔を向けた。
「オレ、多分リアラとディーヴァの皿を逆においたんだと思う。ごめんな」
「いいの、ネロのせいじゃないからね」
「そうそう。わざとじゃないんだもん、それにあたしは辛いの平気。ただちょっとびっくりしただけだよ」
「私に至っては完全にダンテさんのせいだから」
じとーっとリアラが髭をにらむ。
そしてディーヴァは今度はおいしそうに辛口カレーを頬張った。
謝っているネロに対し、髭と若は親指を立てて感謝した。
「いやいやグッジョブ、ネロ」
「よくやったな坊や。どさくさにまぎれて俺もいい思いが出来たぜ」
「何がグッジョブなのよ、若」
「ダンテのバカ!人事だと思って…」
「え、いや悪い…」
「ほら、言葉のあやだ。気にするな」
勝手なことを言って髭と若は女性陣に怒られている。
それにしても…。
ネロは頭の中でキリエを思い浮かべた。
思い浮かべたキリエには獣の耳がついている。
何がいいか考えると茶色のうさぎの耳が頭にフッとよぎった。
「茶色のうさ耳…」
思わず笑みがこぼれる。
ネロはぼそりとつぶやいた。
「ん?茶色の…なんて言ったんだ」
「坊やは『茶色のうさ耳』って言ったんだ。多分キリエの嬢ちゃんで妄想したんだろ」
髭がリアラの耳をぱくりと口に含んでからかいながら言った。
リアラが叫んだ。
「キリエって誰だ?」
ディーヴァはリアラから聞いて知っていたが、若はキリエのことを知らなかった。
「ネロのコレだ」
と髭は小指を立てて教えた。
「へー、ネロって恋人いたのか」
そのあと髭は詳しくキリエについて若に話した。
ネロがどれだけキリエを好きであるか、も詳しくだ。
自分のキリエに対する熱い想いを人から話されていい気分はしない。
ネロは恥ずかしさのあまり下を向いてプルプル震えた。
「ディーヴァちゃん、お皿移動しといたほうがよさそう」
そのネロの様子を見ていたリアラがディーヴァをちょんちょん突いた。
髭と若はまだネロの赤裸々話をしている。
「うん、わかった」
こくりと頷いて、2人はテーブルの上を片付けた。
そして片付けてすぐに、ネロが大爆発した。
「だああああっっ!!」
ネロのデビルトリガーが発動されたことにより、衝撃波が生まれた。
そして青い魔人が後ろに現れる。
「ぎゃあ!!」
「ぐほっ!!」
ネロはそのまま怒りにまかせてバスターを髭と若に叩きつけた。
やはりテーブルの上を片しておいて正解だったようだ。
ネロのバスターを喰らってぷしゅー、と煙を上げながらダンテ達は深く沈みこんだ。
それでも気が済まないネロは、髭と若の足をつかんでずるずると引きずると、
「ちょっとこいつら借りるわ」
と言い残して部屋を出ていった。
「ほどほどにね!」
「まだ残ってるから冷めないうちに戻ってきてね」
リアラとディーヴァは手を振って答えただけだった。
宿をとるから夕食も寝る場所もいらないと言うネロをリアラとディーヴァが止めたのだ。
「人数も増えたことだし今日はチキンカレーにしてみました」
リアラとディーヴァがスパイスからきちんと作ったカレーである。
鍋の中から漂う香りが食欲をそそり、ネロは思わず生唾を飲んだ。
鳴る腹の虫を抑えつけ、ネロは皿によそったりしている2人に近づいた。
「オレも手伝う」
「お客様なのに悪いよ」
「いいから。これ、運べばいいのか?」
遠慮するリアラの手をさえぎって、ネロは手伝いを申し出た。
こんな優しい若者は今時中々いないだろう。
リアラとディーヴァはネロに感心しながら、髭と若を見た。
「どっかの誰かさん達も見習ってくれればいいのに…」
「お前らの仕事とっちゃ悪いだろ?」
「味見くらいならしてやるよ」
「味見じゃなくてつまみ食いでしょ!…これだもんなぁ~」
「少しくらい手伝ってくれたっていいのにね」
「若とオッサン、ほんとダメ人間…いや、ダメ半魔だな」
ため息と苦笑いをこぼしながら準備にいそしむ。
リアラがライスにカレーをかけながらネロに聞いた。
「あ、ネロは辛い方がいい?」
「そんなに味があるのか?」
「といっても、甘口と辛口だけど」
大盛りになっている皿と小盛りになっている皿をリアラに渡しながらディーヴァが言う。
「あたしとダンテのが甘口になってるの」
ちらりと鍋の中身をみやってからネロが言った。
辛口と甘口。
それぞれ入っているとのことだが、見た目的には全く同じ色をしているため、食べてみないとわからないかもしれない。
「ふーん、オレは辛口がいい。カレーってのは辛いもんだろ」
「わかった。じゃあ手伝いをしてくれる偉いネロにはお肉をいっぱいよそっとくね」
リアラが鍋の中にごろごろ浮かんでいる肉の塊をネロの皿によそう。
「あ、ずりぃ!」
「ダンテは手伝ってないもん」
ディーヴァはブーブー文句を垂れる若をいさめた。
そのやりとりを笑って見ながら、ネロは食卓にカレーライスのよそわれた皿を次々に運んだ。
***
テーブルの上にカレーライスとサラダ、そしてデザートの代わりにもなっているリアラの好物でもあるメロンソーダフロートが並んだ。
「やっぱり甘い方が美味いぜ!」
早速食べ始める若が米粒を頬の端につけたまま言う。
「ふふ、良かったね」
ディーヴァは頬にくっついている米粒をとってやった。
「俺のは辛口だが、これもまた美味い。さすが俺のリアラだ」
「カレーなんかフォルトゥナじゃあんまり食べないから久しぶりだ…ありがとな」
髭とネロも至極美味そうにパクパクと食べ続けている。
そのみんなの光景をほほえましく思いながらリアラは一口目を食べた。
「…あれ?」
なんだろう。
辛口をよそったはずなのに、やけに甘く感じた。
もしかして…?
その鋭い嗅覚で部屋に漂うカレーの中から、ディーヴァの皿の物を嗅ぎとった。
リアラにしか出来ない芸当である。
「ディーヴァちゃんちょっと食べるの待っ!」
「ん?なぁに…辛っ!?」
遅かったようだ。
ディーヴァが一口目を食べると、その辛さにびっくりした。
ちなみにディーヴァは別に辛い物が嫌いなわけではないが、甘口だと思っていたため驚いたのだ。
しかし、驚いたことで、ディーヴァにはまたもやうさぎの耳が生えた。
ディーヴァは急いでメロンソーダフロートのアイス部分を口に入れて口の中を静めた。
「大丈夫かよ…」
若が心配そうにディーヴァの顔を覗きこむ。
「わっ!!」
なぜかそれに便乗した髭が突然立ち上がって叫んだ。
いきなりリアラを驚かせたのだ。
「ひゃあ!!」
リアラはそれにびっくりして飛び上がった。
もちろん、リアラにも狼の耳が生える。
「びっっっくりしたぁ…なんですか、もう…」
「ディーヴァだけ半獣化するのはかわいそうだろ」
初めて見るその光景にネロはびっくりした。
話には聞いたが、本当にリアラとディーヴァの頭に獣の耳が生えている。
「本当に生えるんだな…」
「「かわいいだろ?」」
髭と若がお互いの恋人の頭をぐりぐりと愛しげに撫でながらネロに見せつけた。
うん。
かわいさは認める。
でも…
ネロはリアラとディーヴァに申し訳なさそうな顔を向けた。
「オレ、多分リアラとディーヴァの皿を逆においたんだと思う。ごめんな」
「いいの、ネロのせいじゃないからね」
「そうそう。わざとじゃないんだもん、それにあたしは辛いの平気。ただちょっとびっくりしただけだよ」
「私に至っては完全にダンテさんのせいだから」
じとーっとリアラが髭をにらむ。
そしてディーヴァは今度はおいしそうに辛口カレーを頬張った。
謝っているネロに対し、髭と若は親指を立てて感謝した。
「いやいやグッジョブ、ネロ」
「よくやったな坊や。どさくさにまぎれて俺もいい思いが出来たぜ」
「何がグッジョブなのよ、若」
「ダンテのバカ!人事だと思って…」
「え、いや悪い…」
「ほら、言葉のあやだ。気にするな」
勝手なことを言って髭と若は女性陣に怒られている。
それにしても…。
ネロは頭の中でキリエを思い浮かべた。
思い浮かべたキリエには獣の耳がついている。
何がいいか考えると茶色のうさぎの耳が頭にフッとよぎった。
「茶色のうさ耳…」
思わず笑みがこぼれる。
ネロはぼそりとつぶやいた。
「ん?茶色の…なんて言ったんだ」
「坊やは『茶色のうさ耳』って言ったんだ。多分キリエの嬢ちゃんで妄想したんだろ」
髭がリアラの耳をぱくりと口に含んでからかいながら言った。
リアラが叫んだ。
「キリエって誰だ?」
ディーヴァはリアラから聞いて知っていたが、若はキリエのことを知らなかった。
「ネロのコレだ」
と髭は小指を立てて教えた。
「へー、ネロって恋人いたのか」
そのあと髭は詳しくキリエについて若に話した。
ネロがどれだけキリエを好きであるか、も詳しくだ。
自分のキリエに対する熱い想いを人から話されていい気分はしない。
ネロは恥ずかしさのあまり下を向いてプルプル震えた。
「ディーヴァちゃん、お皿移動しといたほうがよさそう」
そのネロの様子を見ていたリアラがディーヴァをちょんちょん突いた。
髭と若はまだネロの赤裸々話をしている。
「うん、わかった」
こくりと頷いて、2人はテーブルの上を片付けた。
そして片付けてすぐに、ネロが大爆発した。
「だああああっっ!!」
ネロのデビルトリガーが発動されたことにより、衝撃波が生まれた。
そして青い魔人が後ろに現れる。
「ぎゃあ!!」
「ぐほっ!!」
ネロはそのまま怒りにまかせてバスターを髭と若に叩きつけた。
やはりテーブルの上を片しておいて正解だったようだ。
ネロのバスターを喰らってぷしゅー、と煙を上げながらダンテ達は深く沈みこんだ。
それでも気が済まないネロは、髭と若の足をつかんでずるずると引きずると、
「ちょっとこいつら借りるわ」
と言い残して部屋を出ていった。
「ほどほどにね!」
「まだ残ってるから冷めないうちに戻ってきてね」
リアラとディーヴァは手を振って答えただけだった。