狼とうさぎの1週間
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その日の夕方になってネロが到着した。
「ネロ、ようこそ。わざわざ来てくれてありがとう」
親愛の証にとリアラがネロにハグする。
そのハグを受け入れながらネロは申し訳なさそうに眉を歪めた。
「悪い。もっと早く着けたはずなんだけど、ちょっと調べ物してたら遅くなっちまった」
その時、リアラの後ろからネロにものすごい勢いで抱きついてきた者があった。
「うわぁぁん、ネロが来てくれてよかったよぉぉお」
ディーヴァだ。
ハグではすまされないくらいの勢いだったが、ネロはその者がディーヴァだとわかっていたようでされるがまま抱きつかせていた。
実は、若とディーヴァがやってきて結構たっているので、ネロとは既に何度か会っている。
若は歳の近い友人であり、悪友であり、時にお仕置きを施す対象である。
そしてディーヴァのことは何度か交流を重ねる内に、妹のような存在になっているのだ。
「なんかあったのか」
ネロがディーヴァの頭をポンポンやりながらリアラに聞く。
よく見れば、リアラはやけに精根つきたような顔をしているし、ディーヴァは泣きながら縋りついているし、若は部屋の中で氷漬けになり彫像と化している。
そんな中でただ1人髭はケロッとして定位置で雑誌を読んでいた。
ネロの目にはその光景が異様に映った。
「全員やけにボロボロじゃねーか?…オッサンはいつもと変わんねぇみたいだけどさ」
リアラは何も言わずに苦笑して見せる。
そして雑誌を閉じた髭が玄関に歩み寄り、ネロに片手をあげてあいさつした。
「よう、坊や。まあ、ちょっとな」
「ちょっとなんかじゃなーい!」
「まぁまぁ。とにかく入って」
リアラは叫ぶディーヴァを必死になだめた。
そして首をかしげながらネロは中に入ったのだった。
***
理由を聞いたネロはあきれ顔で髭と若を見た。
何でも自分の恋人たちにあんなことやこんなことをしようとしたらしい。
それで若は氷漬け状態だったのだ。
当然の報いだろう。
お茶を飲んで一息ついたネロは呪いについてわかったことを4人に話した。
連絡を受けてすぐリアラの父親であるゼクスと一緒に資料を探していたらしい。
ここからフォルトゥナはかなり遠い。
探し物をしてた上にこれだったらネロはかなり急いで来た方だろう。
そしてフォルトゥナ城の蔵書室にあるだろうとよんでいたのだが、やはりそこに資料はあった。
だが、問題が1つあった。
見つけた資料が自分達には全く読めなかったのだ。
ただ、リアラに言われた悪魔のイラストが載っていたのでこの資料だとしか思えなかった。
「で、これがその資料な」
ネロが手荷物からとりだした資料を開ける。
そこにはポメラニアンそっくりの小さな悪魔のイラストが載っていた。
「オレが読めないし現存する言語でもないみたいだから魔界の文字かと思ったんだが、ゼクスも読めないって言ってた」
とんとんとそのイラストを指で叩き、ネロは肩を落とした。
「お手上げだぜ」
がっくりとうなだれるリアラと髭と若を残し、ディーヴァが資料と睨めっこを開始している。
「そうか…」
「ふりだしに戻る、かぁ…」
「おい、ディーヴァどうせ読めないからやめろ」
しばらくうなっていたディーヴァがぼそりとつぶやく。
「…ちょっと難しいけどあたし読めるよ」
「は?」
「え?」
「なんでだ?」
「うそだろ?」
「なんか読めるみたい。ちょっと時間かかるけど、読んでみるからかしてもらってもいい?」
理由がわからないと言ってはいるが、ディーヴァにはなんとなく理由がわかっていた。
きっとこれは天使の言語なのだろう。
こうして資料はディーヴァに託された。
「ネロ、ようこそ。わざわざ来てくれてありがとう」
親愛の証にとリアラがネロにハグする。
そのハグを受け入れながらネロは申し訳なさそうに眉を歪めた。
「悪い。もっと早く着けたはずなんだけど、ちょっと調べ物してたら遅くなっちまった」
その時、リアラの後ろからネロにものすごい勢いで抱きついてきた者があった。
「うわぁぁん、ネロが来てくれてよかったよぉぉお」
ディーヴァだ。
ハグではすまされないくらいの勢いだったが、ネロはその者がディーヴァだとわかっていたようでされるがまま抱きつかせていた。
実は、若とディーヴァがやってきて結構たっているので、ネロとは既に何度か会っている。
若は歳の近い友人であり、悪友であり、時にお仕置きを施す対象である。
そしてディーヴァのことは何度か交流を重ねる内に、妹のような存在になっているのだ。
「なんかあったのか」
ネロがディーヴァの頭をポンポンやりながらリアラに聞く。
よく見れば、リアラはやけに精根つきたような顔をしているし、ディーヴァは泣きながら縋りついているし、若は部屋の中で氷漬けになり彫像と化している。
そんな中でただ1人髭はケロッとして定位置で雑誌を読んでいた。
ネロの目にはその光景が異様に映った。
「全員やけにボロボロじゃねーか?…オッサンはいつもと変わんねぇみたいだけどさ」
リアラは何も言わずに苦笑して見せる。
そして雑誌を閉じた髭が玄関に歩み寄り、ネロに片手をあげてあいさつした。
「よう、坊や。まあ、ちょっとな」
「ちょっとなんかじゃなーい!」
「まぁまぁ。とにかく入って」
リアラは叫ぶディーヴァを必死になだめた。
そして首をかしげながらネロは中に入ったのだった。
***
理由を聞いたネロはあきれ顔で髭と若を見た。
何でも自分の恋人たちにあんなことやこんなことをしようとしたらしい。
それで若は氷漬け状態だったのだ。
当然の報いだろう。
お茶を飲んで一息ついたネロは呪いについてわかったことを4人に話した。
連絡を受けてすぐリアラの父親であるゼクスと一緒に資料を探していたらしい。
ここからフォルトゥナはかなり遠い。
探し物をしてた上にこれだったらネロはかなり急いで来た方だろう。
そしてフォルトゥナ城の蔵書室にあるだろうとよんでいたのだが、やはりそこに資料はあった。
だが、問題が1つあった。
見つけた資料が自分達には全く読めなかったのだ。
ただ、リアラに言われた悪魔のイラストが載っていたのでこの資料だとしか思えなかった。
「で、これがその資料な」
ネロが手荷物からとりだした資料を開ける。
そこにはポメラニアンそっくりの小さな悪魔のイラストが載っていた。
「オレが読めないし現存する言語でもないみたいだから魔界の文字かと思ったんだが、ゼクスも読めないって言ってた」
とんとんとそのイラストを指で叩き、ネロは肩を落とした。
「お手上げだぜ」
がっくりとうなだれるリアラと髭と若を残し、ディーヴァが資料と睨めっこを開始している。
「そうか…」
「ふりだしに戻る、かぁ…」
「おい、ディーヴァどうせ読めないからやめろ」
しばらくうなっていたディーヴァがぼそりとつぶやく。
「…ちょっと難しいけどあたし読めるよ」
「は?」
「え?」
「なんでだ?」
「うそだろ?」
「なんか読めるみたい。ちょっと時間かかるけど、読んでみるからかしてもらってもいい?」
理由がわからないと言ってはいるが、ディーヴァにはなんとなく理由がわかっていた。
きっとこれは天使の言語なのだろう。
こうして資料はディーヴァに託された。