狼とうさぎの1週間
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2人はゆっくり買い物を楽しんだのか、日がとっぷりと暮れてから大量の買い物袋を持って帰って来た。
「ダンテさん、遅くなってごめんなさい」
「楽しくてつい遅くなっちゃったよ」
「何もなかったならいいんだ」
リアラから荷物を受け取りながらほっとした髭が言う。
若も荷物をディーヴァから受け取っておかえりがわりのハグをした。
そして開口一番に「アイスは?」と聞く。
リアラとディーヴァは苦笑して別に持っていた小さな袋をあずけた。
「そこに入ってるから食べて?あたし達は食べながら来たからね。まだ買ったばかりだから冷えてると思う」
そしてリアラとディーヴァはその夜の夕食準備にと、キッチンに入っていった。
***
リアラが夕食に出す付け合わせのポテトサラダを作っている時だった。
「えーと、コショウコショウ…あ。コショウの補充しないといけないんだ」
味をつけようと調味料置き場に手を伸ばすが、コショウの瓶が空っぽなのを思い出した。
ディーヴァは鍋に入った煮込み料理をかきまわすのを止めてリアラに向き直った。
「確かさっき詰め替え用買ったと思うけど…」
「「………」」
リアラとディーヴァは顔を見合わせた。
「ちょっと行ってくるよ」
「お願いね」
ディーヴァは詰め替えコショウと空瓶を手にキッチンから出ていった。
***
アイスをじっくりと味わっていた若と髭の元にディーヴァがやってきて「アイス食べたらこれよろしく、すぐ使いたいの」と言ってきた。
そしてコショウと空いた瓶を渡された。
若には意味がよくわからなかった。
「補充しとけってことだろ」
はは~ん…
食べ終えたアイスの棒を口にくわえたまま、空瓶を眺める。
「コショウと言ったらくしゃみだよな」
同じくアイスの棒をかじりながら髭が言った。
そのまま髭は、アイスの甘さで喉が渇いたとお茶をもらいにキッチンに向ってしまった。
なるほど。
だからディーヴァは自分達にこしょうの補充をたのんだのだ。
くしゃみはもうこりごり、絶対したくない!というのが丸わかりである。
「よし!」
若は目をキラキラと輝かせてコショウ瓶を片手に立ちあがった。
だが、いたずらしに来たキッチンのドア前で髭が立ちつくしている。
若は訝しげに髭を見つめた。
「なんだよ、どうして入らねぇ?…ブフッ!!」
冷たくて硬い壁にぶち当たって顔が痛い。
何かに当たって鼻の頭を赤くする若に、髭は爆笑した。
そしてくいくいと指で示す。
鼻を擦りながら若が目の前を見ると、ドアは開いている。
だが、リアラ特製の半透明な氷の分厚い壁がはってあるのが見てとれた。
若はこの氷の壁に顔をしたたかに打ったようだ。
そして壁にはコショウの瓶まるまる1つ分入るスペースが開いていた。
穴はキッチンの中まで続いていて、リアラとディーヴァが談笑しながら料理しているのが見える。
「なんだこの穴…」
「これを見ろ」
穴を覗きこむ若の後ろから髭が紙を手渡してきた。
「床に置いてあった。無理やり入ったら飯抜きだとよ」
それはリアラとディーヴァからの伝言のメモだった。
『壊して入ったら夕飯はありません リアラ
コショウを補充したらそこの穴に入れておいてね! ディーヴァ』
「徹底してやがる…」
若は顔をひきつらせながらその穴に補充したコショウの瓶を入れた。
そしてこの日はそれ以上半獣化することなく無事に過ぎていった。
「ダンテさん、遅くなってごめんなさい」
「楽しくてつい遅くなっちゃったよ」
「何もなかったならいいんだ」
リアラから荷物を受け取りながらほっとした髭が言う。
若も荷物をディーヴァから受け取っておかえりがわりのハグをした。
そして開口一番に「アイスは?」と聞く。
リアラとディーヴァは苦笑して別に持っていた小さな袋をあずけた。
「そこに入ってるから食べて?あたし達は食べながら来たからね。まだ買ったばかりだから冷えてると思う」
そしてリアラとディーヴァはその夜の夕食準備にと、キッチンに入っていった。
***
リアラが夕食に出す付け合わせのポテトサラダを作っている時だった。
「えーと、コショウコショウ…あ。コショウの補充しないといけないんだ」
味をつけようと調味料置き場に手を伸ばすが、コショウの瓶が空っぽなのを思い出した。
ディーヴァは鍋に入った煮込み料理をかきまわすのを止めてリアラに向き直った。
「確かさっき詰め替え用買ったと思うけど…」
「「………」」
リアラとディーヴァは顔を見合わせた。
「ちょっと行ってくるよ」
「お願いね」
ディーヴァは詰め替えコショウと空瓶を手にキッチンから出ていった。
***
アイスをじっくりと味わっていた若と髭の元にディーヴァがやってきて「アイス食べたらこれよろしく、すぐ使いたいの」と言ってきた。
そしてコショウと空いた瓶を渡された。
若には意味がよくわからなかった。
「補充しとけってことだろ」
はは~ん…
食べ終えたアイスの棒を口にくわえたまま、空瓶を眺める。
「コショウと言ったらくしゃみだよな」
同じくアイスの棒をかじりながら髭が言った。
そのまま髭は、アイスの甘さで喉が渇いたとお茶をもらいにキッチンに向ってしまった。
なるほど。
だからディーヴァは自分達にこしょうの補充をたのんだのだ。
くしゃみはもうこりごり、絶対したくない!というのが丸わかりである。
「よし!」
若は目をキラキラと輝かせてコショウ瓶を片手に立ちあがった。
だが、いたずらしに来たキッチンのドア前で髭が立ちつくしている。
若は訝しげに髭を見つめた。
「なんだよ、どうして入らねぇ?…ブフッ!!」
冷たくて硬い壁にぶち当たって顔が痛い。
何かに当たって鼻の頭を赤くする若に、髭は爆笑した。
そしてくいくいと指で示す。
鼻を擦りながら若が目の前を見ると、ドアは開いている。
だが、リアラ特製の半透明な氷の分厚い壁がはってあるのが見てとれた。
若はこの氷の壁に顔をしたたかに打ったようだ。
そして壁にはコショウの瓶まるまる1つ分入るスペースが開いていた。
穴はキッチンの中まで続いていて、リアラとディーヴァが談笑しながら料理しているのが見える。
「なんだこの穴…」
「これを見ろ」
穴を覗きこむ若の後ろから髭が紙を手渡してきた。
「床に置いてあった。無理やり入ったら飯抜きだとよ」
それはリアラとディーヴァからの伝言のメモだった。
『壊して入ったら夕飯はありません リアラ
コショウを補充したらそこの穴に入れておいてね! ディーヴァ』
「徹底してやがる…」
若は顔をひきつらせながらその穴に補充したコショウの瓶を入れた。
そしてこの日はそれ以上半獣化することなく無事に過ぎていった。