狼とうさぎの1週間
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食材がもう空に近くなった。
今日は元々買い出しに行く予定があったからそれは問題ない。
だが、今はちょっとしたはずみで半獣化してしまうのがやっかいである。
「ディーヴァちゃん、どうしよっか…」
「うん。ちょっとやそっとじゃ動かない鋼の心を持ってれば、少しは大丈夫だろうけど」
「私達にそれがあると思う?」
「思わない」
2人はダンテ達を見ながら言った。
ダンテ達なら、『鈍感』だから大丈夫という意味である。
「おい、オレ達を見て言うなよ」
「失礼だな」
視線だけで伝わったようだった。
「私いいこと考えついたんだけど、ちょっと待っててくれる?」
「うん?」
断りを入れたリアラが席を外して二階に上がっていく。
その隙に若はディーヴァに近づいた。
「なぁなぁ、やっぱ外でちょっとくらい半獣化しても別にいいんじゃねぇか?」
「お前らの可愛さがパワーアップするだけだろ。それにここいらはスラム街なんだ、誰も気にしないぞ」
「あたしやリアラお姉ちゃんは気にするの!」
「可愛いのにもったいねー…」
「本人達がいやならしかたないさ。ま、他の邪な考えを持つ奴らに目をつけられても困るしな」
そこで、リアラが裁縫道具の入った箱と布を持ってきた。
布はペールピンクとペールブルーの色をしている。
「お待たせ!…どうしたの?また若が何かした?」
若に少し冷たい視線をよこしながらリアラは聞いた。
「リアラはなんでオレばっか何かしたと思うんだよ!」
「だってダンテさんは無理なこと言わないもの」
「日頃の行いってやつだな」
「しょっちゅう何かやらかすのがダンテだもん」
3人がそれぞれ感想を述べる。
若は涙がちょちょぎれそうな、そんな表情を浮かべた。
「ひでぇ…」
「そんなことより、リアラお姉ちゃん…これどうするの?」
ちょきちょきと裁断していくリアラの手元を覗きこんでディーヴァが聞く。
「んー、いつ半獣化しても平気なようにフードを縫いつけようかと思って持ってきたの」
「わぁ!ナイスアイディア!…じゃあ、あたしがリアラお姉ちゃんの分作ってもいい?」
「うんいいよ。だったら私がディーヴァちゃんの方作るから交換っこしようね」
リアラは自分の分にと持って来ていたペールブルーの布地を渡してペールピンクの布地を手にした。
そういえば…、とペールピンクの布を手にとって考える。
もともと自分の分はこのペールブルーにしていたが、ディーヴァの色を勝手にピンク系統にしていた。
「私の独断と偏見でディーヴァちゃんのはペールピンクにしてみたんだけど、それでいい?」
「うん、ピンク色好きだからこれがいいな」
2人はにっこり笑顔を浮かべあい、裁縫作業に入った。
「でもさ、くしゃみってしないようにしてるとかえってでちゃったりするよね」
「わかるわかる。確かにそうだよね…今が花粉の時期じゃなくてよかったわ」
「おい、オレ等も会話に入れてくれよ」
暇でたまらない若が後ろからディーヴァを抱き締めた。
ディーヴァは若の方を見ずにそのまま注意した。
「ダンテ、邪魔しないの」
「針使ってるんだから、危ないよ」
リアラも注意しながら、若の顔面すれすれにアイシクルの氷柱を飛ばした。
「リアラの氷柱のがあぶねぇよ!」
「やめとけ、若。女子会は入らない方がいい」
慌てて飛び退く若の肩に、髭が手を置く。
少しして、リアラとディーヴァが作業を止めた。
「完成!ディーヴァちゃんは?」
「あたしもたった今出来たところだよ」
リアラはそう言って、フードを縫い付けたTシャツをディーヴァに渡した。
フードを被ったディーヴァをくるりと一回転させ、おかしな所がないか確認する。
どこにも異常は見当たらず、ディーヴァによく似合っていた。
「うんうん!うさ耳が生えても、これで大丈夫だよ」
「かわいい、ありがとう!」
「いつにも増して愛くるしくなったじゃん。ディーヴァを可愛くしてくれてありがとな、リアラ!」
「ふふっどういたしまして」
「もう、ダンテったら…はい、リアラお姉ちゃんの分だよ?着てみて」
「わあ、ありがとう…」
同じくフードを被ったリアラがその場でぐるりと回る。
涼しげなペールブルーの布地がリアラの髪とお揃いでとても合っている。
髭は驚かせないようゆっくりとした動きで、リアラを抱き締めた。
「かわいいな。今すぐ食べたくなった」
そしてこめかみに1つ、口づけを落とす。
「ダンテさんっ!お土産買ってきますから私を食べるのはやめてください///」
わたわたと慌てるリアラがすごくかわいい。
でもこれ以上したらかわいそうかな、と髭はからかうのをやめた。
「冗談だ。ならアイス買ってきてくれよ、苺味でよろしく」
「あ!オレも苺味な!」
お土産と言われて、何がいいか進言するあたり、髭は抜け目ない男だ。
リアラとディーヴァはため息を吐いた。
「はあ、ちゃっかりしてるなあ…」
「全くもう…でも、元々アイスは買う予定だったからいいか!それじゃ、早速買い出しに行きましょう」
「うん、そだね。それじゃ行ってきます!」
リアラとディーヴァはウキウキと楽しそうに買い物に出掛けた。
その手は繋がれていて、見送ったダンテ達には本当に仲のよい姉妹に見えた。
今日は元々買い出しに行く予定があったからそれは問題ない。
だが、今はちょっとしたはずみで半獣化してしまうのがやっかいである。
「ディーヴァちゃん、どうしよっか…」
「うん。ちょっとやそっとじゃ動かない鋼の心を持ってれば、少しは大丈夫だろうけど」
「私達にそれがあると思う?」
「思わない」
2人はダンテ達を見ながら言った。
ダンテ達なら、『鈍感』だから大丈夫という意味である。
「おい、オレ達を見て言うなよ」
「失礼だな」
視線だけで伝わったようだった。
「私いいこと考えついたんだけど、ちょっと待っててくれる?」
「うん?」
断りを入れたリアラが席を外して二階に上がっていく。
その隙に若はディーヴァに近づいた。
「なぁなぁ、やっぱ外でちょっとくらい半獣化しても別にいいんじゃねぇか?」
「お前らの可愛さがパワーアップするだけだろ。それにここいらはスラム街なんだ、誰も気にしないぞ」
「あたしやリアラお姉ちゃんは気にするの!」
「可愛いのにもったいねー…」
「本人達がいやならしかたないさ。ま、他の邪な考えを持つ奴らに目をつけられても困るしな」
そこで、リアラが裁縫道具の入った箱と布を持ってきた。
布はペールピンクとペールブルーの色をしている。
「お待たせ!…どうしたの?また若が何かした?」
若に少し冷たい視線をよこしながらリアラは聞いた。
「リアラはなんでオレばっか何かしたと思うんだよ!」
「だってダンテさんは無理なこと言わないもの」
「日頃の行いってやつだな」
「しょっちゅう何かやらかすのがダンテだもん」
3人がそれぞれ感想を述べる。
若は涙がちょちょぎれそうな、そんな表情を浮かべた。
「ひでぇ…」
「そんなことより、リアラお姉ちゃん…これどうするの?」
ちょきちょきと裁断していくリアラの手元を覗きこんでディーヴァが聞く。
「んー、いつ半獣化しても平気なようにフードを縫いつけようかと思って持ってきたの」
「わぁ!ナイスアイディア!…じゃあ、あたしがリアラお姉ちゃんの分作ってもいい?」
「うんいいよ。だったら私がディーヴァちゃんの方作るから交換っこしようね」
リアラは自分の分にと持って来ていたペールブルーの布地を渡してペールピンクの布地を手にした。
そういえば…、とペールピンクの布を手にとって考える。
もともと自分の分はこのペールブルーにしていたが、ディーヴァの色を勝手にピンク系統にしていた。
「私の独断と偏見でディーヴァちゃんのはペールピンクにしてみたんだけど、それでいい?」
「うん、ピンク色好きだからこれがいいな」
2人はにっこり笑顔を浮かべあい、裁縫作業に入った。
「でもさ、くしゃみってしないようにしてるとかえってでちゃったりするよね」
「わかるわかる。確かにそうだよね…今が花粉の時期じゃなくてよかったわ」
「おい、オレ等も会話に入れてくれよ」
暇でたまらない若が後ろからディーヴァを抱き締めた。
ディーヴァは若の方を見ずにそのまま注意した。
「ダンテ、邪魔しないの」
「針使ってるんだから、危ないよ」
リアラも注意しながら、若の顔面すれすれにアイシクルの氷柱を飛ばした。
「リアラの氷柱のがあぶねぇよ!」
「やめとけ、若。女子会は入らない方がいい」
慌てて飛び退く若の肩に、髭が手を置く。
少しして、リアラとディーヴァが作業を止めた。
「完成!ディーヴァちゃんは?」
「あたしもたった今出来たところだよ」
リアラはそう言って、フードを縫い付けたTシャツをディーヴァに渡した。
フードを被ったディーヴァをくるりと一回転させ、おかしな所がないか確認する。
どこにも異常は見当たらず、ディーヴァによく似合っていた。
「うんうん!うさ耳が生えても、これで大丈夫だよ」
「かわいい、ありがとう!」
「いつにも増して愛くるしくなったじゃん。ディーヴァを可愛くしてくれてありがとな、リアラ!」
「ふふっどういたしまして」
「もう、ダンテったら…はい、リアラお姉ちゃんの分だよ?着てみて」
「わあ、ありがとう…」
同じくフードを被ったリアラがその場でぐるりと回る。
涼しげなペールブルーの布地がリアラの髪とお揃いでとても合っている。
髭は驚かせないようゆっくりとした動きで、リアラを抱き締めた。
「かわいいな。今すぐ食べたくなった」
そしてこめかみに1つ、口づけを落とす。
「ダンテさんっ!お土産買ってきますから私を食べるのはやめてください///」
わたわたと慌てるリアラがすごくかわいい。
でもこれ以上したらかわいそうかな、と髭はからかうのをやめた。
「冗談だ。ならアイス買ってきてくれよ、苺味でよろしく」
「あ!オレも苺味な!」
お土産と言われて、何がいいか進言するあたり、髭は抜け目ない男だ。
リアラとディーヴァはため息を吐いた。
「はあ、ちゃっかりしてるなあ…」
「全くもう…でも、元々アイスは買う予定だったからいいか!それじゃ、早速買い出しに行きましょう」
「うん、そだね。それじゃ行ってきます!」
リアラとディーヴァはウキウキと楽しそうに買い物に出掛けた。
その手は繋がれていて、見送ったダンテ達には本当に仲のよい姉妹に見えた。