狼とうさぎの1週間
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半獣化をするようになって3日目の朝を迎えた。
リアラは朝から毎日鍛練をしている。
そして本日も事務所のすぐ外で鍛練していた。
スラム街だが、陽の昇り始める朝方にはゴロツキなどいなく鍛練しやすい。
「はっ!たぁっ!やっ!」
真夏と言えど朝方は涼しく鍛練にも向いている。
朝もやの中、陽の光にリアラの汗がキラキラと輝いた。
「ふぅ…これくらいでいいかな」
そのリアラの呟きに鍛練を見ていたディーヴァがゆっくり歩み寄る。
「リアラお姉ちゃん、お疲れ様」
ディーヴァは氷水で軽く絞ってあるタオルを渡した。
「ありがとうディーヴァちゃん。…今日も暑くなりそうね」
そう言ってどんどんと空へ昇っていく太陽を仰ぎ見る。
「うん、暑くなりそう。今日はアイス食べたいなあ」
「ふふ、今日は買い出しに行かないといけないからついでに買っちゃう?」
「いいね!…あ、ちゃんと汗ふかないと風邪ひいちゃうよ」
「そうだね。ふぁ…くしゅん!」
リアラがくしゃみをした瞬間、やはりリアラの頭上とお尻に耳としっぽが生えた。
「「あ…」」
「あはは、言った矢先になっちゃったみたい」
2人でクスクスと苦笑いをこぼしながら事務所へ向かう。
「ネロがいい情報を持ってくるといいなあ…」
「そうだね」
事務所に戻ると髭が珍しく起きていた。
こんな時間に起きるとはどういった心境の変化だろうか?
明日は槍が降るかもしれない。
「おはようございます、ダンテさん」
「おはよう、珍しく早いね」
「よう!リアラ、ディーヴァ。何かいいことがありそうな気がしてね」
そしてリアラの頭に狼の耳が出ているのを目にいれると至極嬉しそうに目を細めた。
「朝から耳付きリアラか♪やっぱりいいことがあったな。早めに起きて正解だ」
髭はリアラに生えた狼の耳の裏を優しくかいてやった。
「ダンテさん、くすぐったいです」
そう言うが、リアラは気持ちよさそうにしている。
しっぽも振って言葉とは裏腹である。
「じゃあやらないぞ」
髭が手の動きを止めるとリアラの耳としっぽが残念そうに垂れる。
「冗談だ」
そう言って再び髭はリアラをかわいがった。
途端に垂れていたしっぽが千切れんばかりにブンブンと振られた。
「うーん、手慣れていらっしゃる…」
ディーヴァがすぐそばで見ているのも気にならないのか、イチャイチャしていてとてもいい雰囲気だ。
仲いいなぁ、と呟きながらディーヴァはそれを微笑ましく思った。
ぐー。
お腹の虫が鳴く音が響いた。
髭もリアラもディーヴァも…全員の動きが止まり、出所に注目した。
髭のお腹だ。
「ダンテさん…本当はお腹空いたから起きたんですね」
「そんなことだろうと思ったよ」
ため息を吐くリアラとディーヴァに、髭はポリポリと頬をかいてあさっての方向を向いた。
「あー…まあ…それもある。せっかく早く起きたんだし、たまには早めに朝飯にするか」
「ピザトーストでいいならすぐ出来ますけど…」
「十分だ」
わしゃっとリアラの頭を撫でて返事を返した。
「あ、じゃああたしダンテ起こしてくる」
ディーヴァが慌てたようにドアを開けた。
もう一人の寝ている者を起こしに二階へ行くのだ。
ドア向こうへ消えていくディーヴァにリアラが注意した。
「またいじめられないようにね」
「大丈夫!叩き起こすから!ダンテさん、ちょっと借りるよー」
ドアから再度顔をひょっこり覗かせて、ディーヴァは両手に持っているものを見せた。
髭の『パンドラ』だった。
ディーヴァには武器として使うことは出来ないだろうが、アタッシュケースの形をしたそれで殴ることは可能だろう。
頭に降りおろされたら、とても痛そうだ。
「…加減してあげてね」
階段を登っていくディーヴァの足音にリアラは小さく呟いた。
「大丈夫だろ、『俺』だし」
「それもそうか」
リアラは朝から毎日鍛練をしている。
そして本日も事務所のすぐ外で鍛練していた。
スラム街だが、陽の昇り始める朝方にはゴロツキなどいなく鍛練しやすい。
「はっ!たぁっ!やっ!」
真夏と言えど朝方は涼しく鍛練にも向いている。
朝もやの中、陽の光にリアラの汗がキラキラと輝いた。
「ふぅ…これくらいでいいかな」
そのリアラの呟きに鍛練を見ていたディーヴァがゆっくり歩み寄る。
「リアラお姉ちゃん、お疲れ様」
ディーヴァは氷水で軽く絞ってあるタオルを渡した。
「ありがとうディーヴァちゃん。…今日も暑くなりそうね」
そう言ってどんどんと空へ昇っていく太陽を仰ぎ見る。
「うん、暑くなりそう。今日はアイス食べたいなあ」
「ふふ、今日は買い出しに行かないといけないからついでに買っちゃう?」
「いいね!…あ、ちゃんと汗ふかないと風邪ひいちゃうよ」
「そうだね。ふぁ…くしゅん!」
リアラがくしゃみをした瞬間、やはりリアラの頭上とお尻に耳としっぽが生えた。
「「あ…」」
「あはは、言った矢先になっちゃったみたい」
2人でクスクスと苦笑いをこぼしながら事務所へ向かう。
「ネロがいい情報を持ってくるといいなあ…」
「そうだね」
事務所に戻ると髭が珍しく起きていた。
こんな時間に起きるとはどういった心境の変化だろうか?
明日は槍が降るかもしれない。
「おはようございます、ダンテさん」
「おはよう、珍しく早いね」
「よう!リアラ、ディーヴァ。何かいいことがありそうな気がしてね」
そしてリアラの頭に狼の耳が出ているのを目にいれると至極嬉しそうに目を細めた。
「朝から耳付きリアラか♪やっぱりいいことがあったな。早めに起きて正解だ」
髭はリアラに生えた狼の耳の裏を優しくかいてやった。
「ダンテさん、くすぐったいです」
そう言うが、リアラは気持ちよさそうにしている。
しっぽも振って言葉とは裏腹である。
「じゃあやらないぞ」
髭が手の動きを止めるとリアラの耳としっぽが残念そうに垂れる。
「冗談だ」
そう言って再び髭はリアラをかわいがった。
途端に垂れていたしっぽが千切れんばかりにブンブンと振られた。
「うーん、手慣れていらっしゃる…」
ディーヴァがすぐそばで見ているのも気にならないのか、イチャイチャしていてとてもいい雰囲気だ。
仲いいなぁ、と呟きながらディーヴァはそれを微笑ましく思った。
ぐー。
お腹の虫が鳴く音が響いた。
髭もリアラもディーヴァも…全員の動きが止まり、出所に注目した。
髭のお腹だ。
「ダンテさん…本当はお腹空いたから起きたんですね」
「そんなことだろうと思ったよ」
ため息を吐くリアラとディーヴァに、髭はポリポリと頬をかいてあさっての方向を向いた。
「あー…まあ…それもある。せっかく早く起きたんだし、たまには早めに朝飯にするか」
「ピザトーストでいいならすぐ出来ますけど…」
「十分だ」
わしゃっとリアラの頭を撫でて返事を返した。
「あ、じゃああたしダンテ起こしてくる」
ディーヴァが慌てたようにドアを開けた。
もう一人の寝ている者を起こしに二階へ行くのだ。
ドア向こうへ消えていくディーヴァにリアラが注意した。
「またいじめられないようにね」
「大丈夫!叩き起こすから!ダンテさん、ちょっと借りるよー」
ドアから再度顔をひょっこり覗かせて、ディーヴァは両手に持っているものを見せた。
髭の『パンドラ』だった。
ディーヴァには武器として使うことは出来ないだろうが、アタッシュケースの形をしたそれで殴ることは可能だろう。
頭に降りおろされたら、とても痛そうだ。
「…加減してあげてね」
階段を登っていくディーヴァの足音にリアラは小さく呟いた。
「大丈夫だろ、『俺』だし」
「それもそうか」