狼とうさぎの1週間
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昨日、ネロに電話をしたら、早速調べてこっちに来るとのことだった。
わざわざこんな遠いところまで、恋人でもないリアラとディーヴァのために来てくれるなんてさすがはネロだ。
どこかの某D達とは違い、しっかりしてるし仕事も早く、優しい。
まあ、優しさなら某D達も負けてはいないだろうが。
そしてこの家にはピザの消費が激しい男が2人もいる。
残り少なくなったピザの生地を2人でこねている時にディーヴァがくしゃみをした。
「…くちょん!」
リアラやダンテ達にはなんでもない涼しさだが、ディーヴァは半魔ではない。
効きすぎた冷房はディーヴァの体に悪いはすだ。
「冷房で冷えたのかもしれな…え?」
「うん、冷えちゃったみたいだからなんか羽織るもの持ってくるね!」
ディーヴァを見て固まったリアラには気がつかず、ディーヴァはカーディガンを取りに二階へ上がった。
「ディーヴァちゃん、くしゃみしただけで耳が生えてた…」
驚く行為だけではなく、くしゃみでも半獣化をしてしまうことがわかった。
「大丈夫かしら?」
今の時間、まだ若は起きていないがそろそろ起きる時間だ。
つまり、ディーヴァはカーディガンを取りに行きながら若を起こすだろう。
起き抜けの若が今のディーヴァを見たらただじゃすまない気がしてならない。
「きっと大丈夫…だよね?」
あれだけディーヴァを愛しているのだ。
若だって無理なことはディーヴァにしないだろう。
リアラはピザの生地を伸ばす作業に入った。
***
ディーヴァと入れ替わりになったような形で、キッチンに髭がやってきた。
キッチンの作業台に乗っている物を見て嬉しそうに笑う。
「ピザか…いつもありがとな」
「お礼なんか言わなくてもいいのに…私はダンテさんが美味しく食べてくれればそれだけでいいの。多分、ディーヴァちゃんもだと思う」
髭は嬉しくなって、リアラをぎゅっと抱き締めた。
リアラは少し苦しそうにしながらしばらくされるがままだったが、突如思い出して髭に話しかけた。
「あ、そうだった。ディーヴァちゃんで思い出したんだけど、驚きだけじゃなく、くしゃみでも半獣になっちゃうみたいなの」
「へぇ…くしゃみねぇ」
その時、ディーヴァの怒鳴り声が響いた。
「ダンテの馬鹿ぁ!」
結局、リアラが心配した通りになってしまったようだ。
二階から言い合いしながらドタドタと降りてくる音がする。
しばらくするとディーヴァがキッチンに逃げ込んできた。
「なんだよー、ちょっとキスしただけじゃねーか」
若が文句をたれながらその後を追ってキッチンに入ってくる。
ディーヴァはうさ耳が付いたままなため、文字通り『脱兎』のごとく駆けてきてリアラの後ろに隠れた。
その大きな瞳からは涙をポロポロとこぼしている。
「あたしは食べられちゃうかと思ったよ!」
「まだやんねぇっての!」
「違う、そういう意味のじゃなくて本当の意味で!」
「んなこと、悪魔じゃねぇんだからするわけないだろ!」
「半分は悪魔でしょ!」
「んだと!」
「まあまあ」
リアラの後ろからディーヴァを引きずり出そうと手を伸ばす若を髭と協力してリアラは止めた。
それでも止まろうとしない若をリアラは苦笑しながら氷漬けにした。
「若、ディーヴァちゃんを泣くほど苛めちゃだめでしょう?」
「苛めてねーよ…キスして可愛がってただけだろ」
若は氷から頭だけをだした状態で話した。
「俺も泣かすほどかわいがるこたねぇと思うぞ」
壁際で見ていた髭がぼそりと呟く。
だが、若には聞こえていたようだった。
「本当にキスしかしてないっての」
若者2人はもうキスは済んでいるらしい。
キスしかしていないのにここまで逃げ惑うとはおかしいだろう。
「ホントかディーヴァ」
「確かにそうなんだけどさ…」
「いつもこんなに拒否しないだろ…」
「ご、ごめんね、ダンテ」
悲しそうに言う若に、ディーヴァが謝る。
しゅん…。
ディーヴァの頭の上のうさ耳が申し訳ない、と垂れた。
「でもなんでなんだろうね?」
うーん。
リアラは考え込んだ。
「ディーヴァ、すぐ逃げようとして『脱兎』の如く駆けてったよな」
それは先ほどリアラも思ったことだった。
「お前、脱兎なんて言葉よく知ってたなー」
「バカにすんな!」
バリバリバリと、音を立てて若は氷から抜け出した。
ビビってディーヴァはさらにリアラの後ろに引きこもった。
ディーヴァはいつにもまして怖がりで泣き虫になっているようだった。
リアラのようにデビルトリガーを発動すれば魔獣化をするのとは違い、ディーヴァは耳が生えるなど初めてのことだ。
情緒が不安定になっているからだと思ったが、違うようだ。
『うさぎ』だったかららしい。
うさぎはとても臆病な生き物である。
そう言えば私もいつもより狼の気持ちになっているような気がする。
リアラはうさぎの耳をつけたディーヴァを見るとなんだか追いかけたくなる気持ちになるのだ。
そう。
いつもよりも『狼』としての特性が色濃く出ているようだった。
うずうずしてしまうが、ここはぐっと我慢しなくては若と同じになってしまうだろう。
わざわざこんな遠いところまで、恋人でもないリアラとディーヴァのために来てくれるなんてさすがはネロだ。
どこかの某D達とは違い、しっかりしてるし仕事も早く、優しい。
まあ、優しさなら某D達も負けてはいないだろうが。
そしてこの家にはピザの消費が激しい男が2人もいる。
残り少なくなったピザの生地を2人でこねている時にディーヴァがくしゃみをした。
「…くちょん!」
リアラやダンテ達にはなんでもない涼しさだが、ディーヴァは半魔ではない。
効きすぎた冷房はディーヴァの体に悪いはすだ。
「冷房で冷えたのかもしれな…え?」
「うん、冷えちゃったみたいだからなんか羽織るもの持ってくるね!」
ディーヴァを見て固まったリアラには気がつかず、ディーヴァはカーディガンを取りに二階へ上がった。
「ディーヴァちゃん、くしゃみしただけで耳が生えてた…」
驚く行為だけではなく、くしゃみでも半獣化をしてしまうことがわかった。
「大丈夫かしら?」
今の時間、まだ若は起きていないがそろそろ起きる時間だ。
つまり、ディーヴァはカーディガンを取りに行きながら若を起こすだろう。
起き抜けの若が今のディーヴァを見たらただじゃすまない気がしてならない。
「きっと大丈夫…だよね?」
あれだけディーヴァを愛しているのだ。
若だって無理なことはディーヴァにしないだろう。
リアラはピザの生地を伸ばす作業に入った。
***
ディーヴァと入れ替わりになったような形で、キッチンに髭がやってきた。
キッチンの作業台に乗っている物を見て嬉しそうに笑う。
「ピザか…いつもありがとな」
「お礼なんか言わなくてもいいのに…私はダンテさんが美味しく食べてくれればそれだけでいいの。多分、ディーヴァちゃんもだと思う」
髭は嬉しくなって、リアラをぎゅっと抱き締めた。
リアラは少し苦しそうにしながらしばらくされるがままだったが、突如思い出して髭に話しかけた。
「あ、そうだった。ディーヴァちゃんで思い出したんだけど、驚きだけじゃなく、くしゃみでも半獣になっちゃうみたいなの」
「へぇ…くしゃみねぇ」
その時、ディーヴァの怒鳴り声が響いた。
「ダンテの馬鹿ぁ!」
結局、リアラが心配した通りになってしまったようだ。
二階から言い合いしながらドタドタと降りてくる音がする。
しばらくするとディーヴァがキッチンに逃げ込んできた。
「なんだよー、ちょっとキスしただけじゃねーか」
若が文句をたれながらその後を追ってキッチンに入ってくる。
ディーヴァはうさ耳が付いたままなため、文字通り『脱兎』のごとく駆けてきてリアラの後ろに隠れた。
その大きな瞳からは涙をポロポロとこぼしている。
「あたしは食べられちゃうかと思ったよ!」
「まだやんねぇっての!」
「違う、そういう意味のじゃなくて本当の意味で!」
「んなこと、悪魔じゃねぇんだからするわけないだろ!」
「半分は悪魔でしょ!」
「んだと!」
「まあまあ」
リアラの後ろからディーヴァを引きずり出そうと手を伸ばす若を髭と協力してリアラは止めた。
それでも止まろうとしない若をリアラは苦笑しながら氷漬けにした。
「若、ディーヴァちゃんを泣くほど苛めちゃだめでしょう?」
「苛めてねーよ…キスして可愛がってただけだろ」
若は氷から頭だけをだした状態で話した。
「俺も泣かすほどかわいがるこたねぇと思うぞ」
壁際で見ていた髭がぼそりと呟く。
だが、若には聞こえていたようだった。
「本当にキスしかしてないっての」
若者2人はもうキスは済んでいるらしい。
キスしかしていないのにここまで逃げ惑うとはおかしいだろう。
「ホントかディーヴァ」
「確かにそうなんだけどさ…」
「いつもこんなに拒否しないだろ…」
「ご、ごめんね、ダンテ」
悲しそうに言う若に、ディーヴァが謝る。
しゅん…。
ディーヴァの頭の上のうさ耳が申し訳ない、と垂れた。
「でもなんでなんだろうね?」
うーん。
リアラは考え込んだ。
「ディーヴァ、すぐ逃げようとして『脱兎』の如く駆けてったよな」
それは先ほどリアラも思ったことだった。
「お前、脱兎なんて言葉よく知ってたなー」
「バカにすんな!」
バリバリバリと、音を立てて若は氷から抜け出した。
ビビってディーヴァはさらにリアラの後ろに引きこもった。
ディーヴァはいつにもまして怖がりで泣き虫になっているようだった。
リアラのようにデビルトリガーを発動すれば魔獣化をするのとは違い、ディーヴァは耳が生えるなど初めてのことだ。
情緒が不安定になっているからだと思ったが、違うようだ。
『うさぎ』だったかららしい。
うさぎはとても臆病な生き物である。
そう言えば私もいつもより狼の気持ちになっているような気がする。
リアラはうさぎの耳をつけたディーヴァを見るとなんだか追いかけたくなる気持ちになるのだ。
そう。
いつもよりも『狼』としての特性が色濃く出ているようだった。
うずうずしてしまうが、ここはぐっと我慢しなくては若と同じになってしまうだろう。