狼とうさぎの1週間
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キィ…。
真っ赤な顔をしたリアラが出てきた。
「ひどいめに会ったわ…」
赤い顔だが、ぐったりとしている。
こんな様子ではきちんと疲れが取れたか怪しいものだ。
「お帰り、ちゃんと疲れとれたの?」
ディーヴァはアイスティーのグラスを渡して聞いた。
よく冷えたアイスティーが火照った体に染み渡る。
美味しくて、リアラは珍しく一気に飲み干した。
「ありがとう、ダンテさんが来なければもっと休めたと思うよ。…また耳と尻尾、出ちゃったね」
頭上に生えた狼特有の耳を指でいじくる。
ディーヴァもそれに習って自分のうさぎの耳を触った。
「呪いはまだ続いてるのかな、さっきわかったんだけど驚くとこうなるみたいだよ」
「驚くと、かあ…」
「リアラ、尻尾がまだ濡れてるぞ」
考え込むリアラに髭が茶々を入れる。
会話に参加したかったようだ。
「誰のせいだと思っているんですか!」
髭はピシャリと言い放つリアラをゆっくりと抱き締め、その腕に閉じ込めた。
「俺のせいか?」
「~~~ッッ///」
真っ赤な顔を晒し、何も言えないリアラを見て、ディーヴァはお腹がいっぱいだった。
「はいはい、ごちそうさま!ダンテさん、お風呂が温くならない内に入ってね、ごゆっくり~」
ひらひらと手を振ってディーヴァはその場をあとにした。
「ちょ、ディーヴァちゃん!」
エコーがかかったように声がフェードアウトしていく。
「ごゆっくり、だとさ」
髭は人の形態で獣耳やしっぽを触れる日が来るとは思っていなかった。
それに最初の時はゆっくり触れられなかったのだ。
リアラを腕に閉じ込めたまま、気が済むまでじっくりと堪能した。
「相変わらず毛並み最高だ」
撫でられ、耳をカリカリとかかれると気持ちよくてうっとりしてしまう。
それが髭ならなおさらだ。
ぶんぶんとしっぽを振り回してリアラは喜びを表現した。
言葉には出さなかったが、非常に嬉しいらしい。
一方、リアラと髭を置いてきたことを話すと若も羨ましいと騒いだ。
「ディーヴァー!!オレにもオレにも!」
「…しょうがないなあ。減るものでもないし30分しかもたないみたいだし、どうぞ」
髭よりは少し雑な手つきだろうと推測する。
若は耳を手の中で弄んだ。
「おお…!ふわふわのもっこもこ…」
ふにゅふにゅもみもみぐにぐに。
うさぎ耳の上からなぞり、下までもみつくす。
黙ってされるがままだったが、若の手がさらに下へと移動し出したことで口を挟む。
「…どさくさに紛れてどこを触ろうとしたのかな?」
胸元に手を突っ込もうとしていた若の手を力を込めてつねった。
「いてっ」
***
その夜4人でテーブルを囲み、この呪いを解く方法を考えた。
しかし、誰一人としてわからず仕舞いだった。
一番経験も豊富な髭すらお手上げ状態な始末。
問題の悪魔は全くの行方知れずであるし。
悩みこむリアラとディーヴァに若が空気を読めないセリフを放つ。
「別にいいんじゃね?」
その若の言葉にリアラとディーヴァは、ピタリと悩んでいたのをやめ、止まって若をにらんだ。
「ダンテは人事だと思ってるのね!」
「耳やしっぽをつけてたら外を歩けないでしょうに…」
「コスプレしてると考えればどうってことないだろ」
「コスプレッ…!?…リアラお姉ちゃん、殺っちゃって」
「え…いいの?」
「もちろん」
「え、ちょ、待」
リアラはディーヴァの了解を得て、スケアクロウをしとめた技を若に向けた。
威力はスケアクロウに向けた物よりはるかに強いが相手は『ダンテ』だ、死にはしないだろう。
カチーン。
冷凍若の完成だ。
髭は呆れ顔で若を氷の中から助け出した。
「お前…いつも一言多いよな。本当に俺の若い頃か?」
「うっせ」
と、そこで髭は思い出した。
自分はわからないが、知っていそうな奴がいるではないか。
自分とは違う、完全な悪魔で、自分達にも友好的な者…
トリッシュとゼクスだ。
しかしトリッシュはいつもどこにいるかわからない。
ゼクスに至っては、ここから遠く離れたフォルトゥナだ。
「あ、フォルトゥナにそういう本があるかもしれないね」
リアラが思い出したように言う。
確かにあそこならあるかもしれない。
リアラの故郷、フォルトゥナは昔スパーダが治めていた土地である。
そして彼がいなくなったあとも悪魔に関する貴重な書籍が保管されていた。
今日の悪魔に関係する内容が載った本があるとすればそこか、ヴァチカンくらいだろうと思う。
「じゃあネロに早速電話する?」
ディーヴァは受話器をあげてリアラに渡した。
「うん、ネロに頼んで父様にも聞いてもらおうかな」
フォルトゥナと連絡を取るなら、ネロに電話すればいいだけだ。
そうすれば、ゼクスとも連絡を取ることも難しくないだろう。
真っ赤な顔をしたリアラが出てきた。
「ひどいめに会ったわ…」
赤い顔だが、ぐったりとしている。
こんな様子ではきちんと疲れが取れたか怪しいものだ。
「お帰り、ちゃんと疲れとれたの?」
ディーヴァはアイスティーのグラスを渡して聞いた。
よく冷えたアイスティーが火照った体に染み渡る。
美味しくて、リアラは珍しく一気に飲み干した。
「ありがとう、ダンテさんが来なければもっと休めたと思うよ。…また耳と尻尾、出ちゃったね」
頭上に生えた狼特有の耳を指でいじくる。
ディーヴァもそれに習って自分のうさぎの耳を触った。
「呪いはまだ続いてるのかな、さっきわかったんだけど驚くとこうなるみたいだよ」
「驚くと、かあ…」
「リアラ、尻尾がまだ濡れてるぞ」
考え込むリアラに髭が茶々を入れる。
会話に参加したかったようだ。
「誰のせいだと思っているんですか!」
髭はピシャリと言い放つリアラをゆっくりと抱き締め、その腕に閉じ込めた。
「俺のせいか?」
「~~~ッッ///」
真っ赤な顔を晒し、何も言えないリアラを見て、ディーヴァはお腹がいっぱいだった。
「はいはい、ごちそうさま!ダンテさん、お風呂が温くならない内に入ってね、ごゆっくり~」
ひらひらと手を振ってディーヴァはその場をあとにした。
「ちょ、ディーヴァちゃん!」
エコーがかかったように声がフェードアウトしていく。
「ごゆっくり、だとさ」
髭は人の形態で獣耳やしっぽを触れる日が来るとは思っていなかった。
それに最初の時はゆっくり触れられなかったのだ。
リアラを腕に閉じ込めたまま、気が済むまでじっくりと堪能した。
「相変わらず毛並み最高だ」
撫でられ、耳をカリカリとかかれると気持ちよくてうっとりしてしまう。
それが髭ならなおさらだ。
ぶんぶんとしっぽを振り回してリアラは喜びを表現した。
言葉には出さなかったが、非常に嬉しいらしい。
一方、リアラと髭を置いてきたことを話すと若も羨ましいと騒いだ。
「ディーヴァー!!オレにもオレにも!」
「…しょうがないなあ。減るものでもないし30分しかもたないみたいだし、どうぞ」
髭よりは少し雑な手つきだろうと推測する。
若は耳を手の中で弄んだ。
「おお…!ふわふわのもっこもこ…」
ふにゅふにゅもみもみぐにぐに。
うさぎ耳の上からなぞり、下までもみつくす。
黙ってされるがままだったが、若の手がさらに下へと移動し出したことで口を挟む。
「…どさくさに紛れてどこを触ろうとしたのかな?」
胸元に手を突っ込もうとしていた若の手を力を込めてつねった。
「いてっ」
***
その夜4人でテーブルを囲み、この呪いを解く方法を考えた。
しかし、誰一人としてわからず仕舞いだった。
一番経験も豊富な髭すらお手上げ状態な始末。
問題の悪魔は全くの行方知れずであるし。
悩みこむリアラとディーヴァに若が空気を読めないセリフを放つ。
「別にいいんじゃね?」
その若の言葉にリアラとディーヴァは、ピタリと悩んでいたのをやめ、止まって若をにらんだ。
「ダンテは人事だと思ってるのね!」
「耳やしっぽをつけてたら外を歩けないでしょうに…」
「コスプレしてると考えればどうってことないだろ」
「コスプレッ…!?…リアラお姉ちゃん、殺っちゃって」
「え…いいの?」
「もちろん」
「え、ちょ、待」
リアラはディーヴァの了解を得て、スケアクロウをしとめた技を若に向けた。
威力はスケアクロウに向けた物よりはるかに強いが相手は『ダンテ』だ、死にはしないだろう。
カチーン。
冷凍若の完成だ。
髭は呆れ顔で若を氷の中から助け出した。
「お前…いつも一言多いよな。本当に俺の若い頃か?」
「うっせ」
と、そこで髭は思い出した。
自分はわからないが、知っていそうな奴がいるではないか。
自分とは違う、完全な悪魔で、自分達にも友好的な者…
トリッシュとゼクスだ。
しかしトリッシュはいつもどこにいるかわからない。
ゼクスに至っては、ここから遠く離れたフォルトゥナだ。
「あ、フォルトゥナにそういう本があるかもしれないね」
リアラが思い出したように言う。
確かにあそこならあるかもしれない。
リアラの故郷、フォルトゥナは昔スパーダが治めていた土地である。
そして彼がいなくなったあとも悪魔に関する貴重な書籍が保管されていた。
今日の悪魔に関係する内容が載った本があるとすればそこか、ヴァチカンくらいだろうと思う。
「じゃあネロに早速電話する?」
ディーヴァは受話器をあげてリアラに渡した。
「うん、ネロに頼んで父様にも聞いてもらおうかな」
フォルトゥナと連絡を取るなら、ネロに電話すればいいだけだ。
そうすれば、ゼクスとも連絡を取ることも難しくないだろう。