喧嘩したって、君が好き!
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そしてこちらは同時刻のもう一つの世界…
「なぁディーヴァ、もっとオレをかまえよ~」
ダンテがディーヴァの背中にべったり暖を取るかのように張りつく。
それに対しディーヴァはダンテの顔も見ず、教科書と睨めっこをしたまま軽くあしらった。
「今勉強中なの、あとでストロベリーサンデー作るから少し待っててくれる?」
「お、ストサン作るのか!やった!…って、そうじゃなくて」
だがダンテはストロベリーサンデー1つで釣れるほど、単純ではなかったみたいだ。
「ディーヴァ、勉強なんてどーでもいいよ、どうせ大学行くわけじゃないんだろ?それよりもっと恋人らしいことしようぜ。たとえば…何分間キスし続けられるか、とかな」
少し照れたのか尻すぼみになりながらダンテは要望を言った。
ディーヴァが聞こえないくらい小さな声を出す。
「…でも…」
「ん…ディーヴァ?」
「どうでも…」
「え?」
「どうでもいいですって!?」
ブワッ!!
ディーヴァの言葉と共に翼が出現した。
エンジェルトリガー解放である。
「うわ、びっくりした!」
「大学は確かに行かないかもしれない、でも勉強なんてどうでもいいなんてどういうことよ!?あたし卒業したいの!ダンテみたいな『バカ』にはわかんないかもしれないけど、高校は卒業するのがとっても…とっても!大変なの!!これ以上邪魔しないでよ!ダンテのバカ!そんなにキスしたかったらその辺の悪魔とでもしてなさい!キス、キス、キス!そればっかり!発情期のネコじゃないんだから盛るのはやめてよねっ」
「な…バカ…?そりゃバカかもしんねぇけど、そこまで言うことないだろ?それにオレは発情期じゃねぇ!オレを一体何だと思ってんだよ!!勉強の方がオレより大事っていうのかよ!勉強したって数学なんかどこで使うんだよ!?わっけわかんねぇ暗号なんかつかわねーよ!」
「あーうるさいうるさい!もういい、あたし出てく!もっと勉強しやすいところ探すからいいもん!」
「あーそうかよ!ご勝手に!」
売り言葉に買い言葉とはこのことか。
ディーヴァは素早く翼を体にしまうと玄関のドアへと向かった。
その時事務所内に悪魔のような気配を感じた。
「な…何?」
「悪魔か…?何でここに…」
事務所内に出現するということは、敵でないか、元人間か、よほどの上級悪魔である可能性が高いか。
ディーヴァと喧嘩しているとは言っても、嫌いになったわけではないのだ。
というか誰がディーヴァを嫌いになれようか。
ダンテはディーヴァをかばうように立った。
だが、明らかに敵意は感じられなかったため、ダンテは警戒をやめた。
しばらくすると空中に淡く輝く光の扉が現れ、そこからディーヴァの見知った姿が出て来た。
漆黒のアジアンビューティーな髪、紫色にキラキラと輝く瞳…紫乃だった。
最近出来たディーヴァの友人にして、美しい半魔の女性である。
「え、紫乃さん?」
「ディーヴァちゃん?」
ディーヴァもダンテも驚いていたが、紫乃はもっと驚いていた。
紫乃は周りをきょろきょろと見回してここがどこだか確認した。
似たような家具が置いてはあるのだが、ところどころ違う。
「あれ?私、もしかして無意識にディーヴァちゃんの世界につないじゃった?」
「主…行く場所を決めていなかったのか」
「どこか遠くへ行きたいと漠然とした考えでつないじゃったから…」
その肩に乗ったマハがあきれ顔になる。
申し訳なさそうにマハを見てからディーヴァに向き直る。
「って、ディーヴァちゃん泣いてたの?」
「紫乃さんこそ泣いた跡があるみたい…どうして?」
両者ともその目尻には涙が流れた跡がくっきりと残っていた。
「ちょっとダンテと喧嘩しちゃったの」
「あー…あたしと同じだね、今ちょうど家を飛び出そうとしてたとこなんだ」
紫乃とディーヴァで話をしているのを聞き流しながら、ダンテは紫乃をぶしつけに眺めた。
漂う悪魔の気配は紫乃と、その肩のネコから来ている。
ネコは完全な悪魔のようだが、紫乃は少し違った感じがした。
「オイ、アンタ…誰だよ、悪魔の気配がするがディーヴァの知り合いなのか?」
「知り合いというか、友人かな?」
「うん。そうだね、あたしと紫乃さんは友人だよ」
「まぁ今はいいか。言っとくけど遊びに来たんだとしてもオレ達は喧嘩中だぜ」
「今聞いた。うーん、どうしようかな、場所借りてていい?帰るにしてもこっちって違う世界だから、下手に動けないし」
「どうぞお好きに」
「ディーヴァちゃんは別にかまわない?」
「ダンテがいいならいいと思う、ここはダンテの家であってあたしの家じゃないし」
「フンッ!」
「ふーんだ!」
「あらら、ホントに喧嘩してるんだ。私はどちらかというと勝手に出てきちゃった感があるからなぁ…ありがとう、それじゃ少しの間ここにいさせてもらうわね」
紫乃はディーヴァの耳元に口を寄せるとこっそり耳打ちした。
「じゃあ、ディーヴァちゃんは代わりに私の世界に行ってる?」
「え…?」
「喧嘩してるなら行くところと言っても、外じゃ悪魔に襲われるかもしれないでしょ?」
「確かに…」
「私もこの能力があるから極力外には出たくないし」
「…じゃあお邪魔しようかな?紫乃さんの好きなダンテがどんな人なのかちょっと気になるもん」
「お互いのダンテの言い分を聞くのもいいね」
「うん、ちょっと不安だけどね…」
ディーヴァは向こうのダンテに会ったことがないため、知らない悪魔に会うようなものだと感じた。
それを話すと、紫乃は笑った。
「大丈夫、違うダンテだけど根っこはかわらないよ。喧嘩の理由が何かはわからないけどディーヴァちゃんも最終的には仲直りしたいでしょ?」
「うん…じゃあ、紫乃さんの方のダンテの話も聞いてみるね」
「ありがとう。私、ちょっと言い過ぎちゃったから反省もしてるんだけど、出て来た手前帰りづらいのよ。取り合えずお互いの気持ちが収まったら戻りましょうね!」
「うん、そうだね!」
ダンテは笑い合うディーヴァと紫乃をむすっとしたまま見ながら、大きな欠伸をした。
どうやら話はまとまったようである。
「なぁディーヴァ、もっとオレをかまえよ~」
ダンテがディーヴァの背中にべったり暖を取るかのように張りつく。
それに対しディーヴァはダンテの顔も見ず、教科書と睨めっこをしたまま軽くあしらった。
「今勉強中なの、あとでストロベリーサンデー作るから少し待っててくれる?」
「お、ストサン作るのか!やった!…って、そうじゃなくて」
だがダンテはストロベリーサンデー1つで釣れるほど、単純ではなかったみたいだ。
「ディーヴァ、勉強なんてどーでもいいよ、どうせ大学行くわけじゃないんだろ?それよりもっと恋人らしいことしようぜ。たとえば…何分間キスし続けられるか、とかな」
少し照れたのか尻すぼみになりながらダンテは要望を言った。
ディーヴァが聞こえないくらい小さな声を出す。
「…でも…」
「ん…ディーヴァ?」
「どうでも…」
「え?」
「どうでもいいですって!?」
ブワッ!!
ディーヴァの言葉と共に翼が出現した。
エンジェルトリガー解放である。
「うわ、びっくりした!」
「大学は確かに行かないかもしれない、でも勉強なんてどうでもいいなんてどういうことよ!?あたし卒業したいの!ダンテみたいな『バカ』にはわかんないかもしれないけど、高校は卒業するのがとっても…とっても!大変なの!!これ以上邪魔しないでよ!ダンテのバカ!そんなにキスしたかったらその辺の悪魔とでもしてなさい!キス、キス、キス!そればっかり!発情期のネコじゃないんだから盛るのはやめてよねっ」
「な…バカ…?そりゃバカかもしんねぇけど、そこまで言うことないだろ?それにオレは発情期じゃねぇ!オレを一体何だと思ってんだよ!!勉強の方がオレより大事っていうのかよ!勉強したって数学なんかどこで使うんだよ!?わっけわかんねぇ暗号なんかつかわねーよ!」
「あーうるさいうるさい!もういい、あたし出てく!もっと勉強しやすいところ探すからいいもん!」
「あーそうかよ!ご勝手に!」
売り言葉に買い言葉とはこのことか。
ディーヴァは素早く翼を体にしまうと玄関のドアへと向かった。
その時事務所内に悪魔のような気配を感じた。
「な…何?」
「悪魔か…?何でここに…」
事務所内に出現するということは、敵でないか、元人間か、よほどの上級悪魔である可能性が高いか。
ディーヴァと喧嘩しているとは言っても、嫌いになったわけではないのだ。
というか誰がディーヴァを嫌いになれようか。
ダンテはディーヴァをかばうように立った。
だが、明らかに敵意は感じられなかったため、ダンテは警戒をやめた。
しばらくすると空中に淡く輝く光の扉が現れ、そこからディーヴァの見知った姿が出て来た。
漆黒のアジアンビューティーな髪、紫色にキラキラと輝く瞳…紫乃だった。
最近出来たディーヴァの友人にして、美しい半魔の女性である。
「え、紫乃さん?」
「ディーヴァちゃん?」
ディーヴァもダンテも驚いていたが、紫乃はもっと驚いていた。
紫乃は周りをきょろきょろと見回してここがどこだか確認した。
似たような家具が置いてはあるのだが、ところどころ違う。
「あれ?私、もしかして無意識にディーヴァちゃんの世界につないじゃった?」
「主…行く場所を決めていなかったのか」
「どこか遠くへ行きたいと漠然とした考えでつないじゃったから…」
その肩に乗ったマハがあきれ顔になる。
申し訳なさそうにマハを見てからディーヴァに向き直る。
「って、ディーヴァちゃん泣いてたの?」
「紫乃さんこそ泣いた跡があるみたい…どうして?」
両者ともその目尻には涙が流れた跡がくっきりと残っていた。
「ちょっとダンテと喧嘩しちゃったの」
「あー…あたしと同じだね、今ちょうど家を飛び出そうとしてたとこなんだ」
紫乃とディーヴァで話をしているのを聞き流しながら、ダンテは紫乃をぶしつけに眺めた。
漂う悪魔の気配は紫乃と、その肩のネコから来ている。
ネコは完全な悪魔のようだが、紫乃は少し違った感じがした。
「オイ、アンタ…誰だよ、悪魔の気配がするがディーヴァの知り合いなのか?」
「知り合いというか、友人かな?」
「うん。そうだね、あたしと紫乃さんは友人だよ」
「まぁ今はいいか。言っとくけど遊びに来たんだとしてもオレ達は喧嘩中だぜ」
「今聞いた。うーん、どうしようかな、場所借りてていい?帰るにしてもこっちって違う世界だから、下手に動けないし」
「どうぞお好きに」
「ディーヴァちゃんは別にかまわない?」
「ダンテがいいならいいと思う、ここはダンテの家であってあたしの家じゃないし」
「フンッ!」
「ふーんだ!」
「あらら、ホントに喧嘩してるんだ。私はどちらかというと勝手に出てきちゃった感があるからなぁ…ありがとう、それじゃ少しの間ここにいさせてもらうわね」
紫乃はディーヴァの耳元に口を寄せるとこっそり耳打ちした。
「じゃあ、ディーヴァちゃんは代わりに私の世界に行ってる?」
「え…?」
「喧嘩してるなら行くところと言っても、外じゃ悪魔に襲われるかもしれないでしょ?」
「確かに…」
「私もこの能力があるから極力外には出たくないし」
「…じゃあお邪魔しようかな?紫乃さんの好きなダンテがどんな人なのかちょっと気になるもん」
「お互いのダンテの言い分を聞くのもいいね」
「うん、ちょっと不安だけどね…」
ディーヴァは向こうのダンテに会ったことがないため、知らない悪魔に会うようなものだと感じた。
それを話すと、紫乃は笑った。
「大丈夫、違うダンテだけど根っこはかわらないよ。喧嘩の理由が何かはわからないけどディーヴァちゃんも最終的には仲直りしたいでしょ?」
「うん…じゃあ、紫乃さんの方のダンテの話も聞いてみるね」
「ありがとう。私、ちょっと言い過ぎちゃったから反省もしてるんだけど、出て来た手前帰りづらいのよ。取り合えずお互いの気持ちが収まったら戻りましょうね!」
「うん、そうだね!」
ダンテは笑い合うディーヴァと紫乃をむすっとしたまま見ながら、大きな欠伸をした。
どうやら話はまとまったようである。