狼とうさぎの1週間
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「ん?」
ディーヴァは戦いを続ける3人に近づく小さな影があるのに気がついた。
わかりづらかったが、スケアクロウではない。
小型犬のようだった。
「えっ!ワンちゃん!?」
ディーヴァが気がついた直後、リアラも気がついたようだ。
慌てて、スケアクロウから守ろうとそちらへ急ぐ。
依頼主が似たような犬を大事そうに抱いていたのを思い出したのだ。
魔獣化したリアラは動物―――特に相性の良い者と会話することが出来る。
リアラは駆けながら魔獣化すると犬を助けに入った。
『今助けるからおとなしくしててね!』
しかし、叫ぶリアラとは反対にディーヴァはその犬に違和感を感じていた。
―ダイヤモンド・ダスト―
空中で回転しながら一瞬で元の姿に戻ったリアラは、周りに陽にさらされキラキラ光る氷の粒子を展開させた。
それに触れたスケアクロウ達が次々に凍り、砕け散っていく。
「やるねぇ、さすがは俺のリアラだ」
「これってリアラが一番倒した数、多いんじゃね?」
遠くで悪魔を狩りながらダンテ達が感想を漏らす。
犬の近くにいたスケアクロウはすぐに無にかえっていった。
と、そこでようやくディーヴァは気がついた。
「リアラお姉ちゃん、離れて!」
「え?」
安全圏である結界から出てリアラの元へと急ぐ。
幸い、ディーヴァの周りにいた悪魔も今はいない。
「その子、悪魔っ!」
ずっと遠くから様子をうかがっていたディーヴァにはそれが悪魔だとわかったのだ。
よく探ればわかったかも知れないが周りにはスケアクロウがいたし、犬の姿をしていたため、リアラは騙されてしまったのだろう。
犬ということは、魔狼とは親戚のようなものである。
見た目は小さくてかわいいポメラニアンのようだが確かに悪魔だった。
顔に似合わず、強い魔力を有しているようだ。
リアラが気がついた時には悪魔はにんまりと笑みを浮かべ、体を光らせ始めていた。
何か仕掛けるというのがひしひし伝わってくる。
「リアラッ!!」
「逃げろ!」
ダンテ達も鋭く叫ぶ。
レイザードのかぎ爪も、ホワイトウルフのチャージショットも間に合わない。
リアラの第六感が「もうだめかもしれない」と、警告を発した。
「危ない!」
強い光が周りを包む瞬間、ディーヴァがリアラを守ろうと飛び出した。
「きゃあ!」
「眩しっ!」
だが、一歩遅かった。
ディーヴァだけでなく、不思議な力の余韻がリアラにも降り注ぐ。
光がおさまると同時に、犬の姿をした悪魔の姿はいなくなっていた。
「おーい!リアラ無事か!?」
「全部終わったら行くから待ってろよ!」
ダンテ達が遠くから呼びかける。
リアラはそれに返事した。
「ん、心配しないで!…でも逃げられちゃったね」
「そうだね。それよりリアラお姉ちゃん、大丈夫?」
「うん。ディーヴァちゃんこそ、なんともな…」
ぴこん。
リアラがディーヴァの方へ振り向くと、頭の上に見慣れないものがついていた。
白くて長く、ふわふわの毛に覆われている。
うさぎの耳だ。
「ディーヴァちゃん、それ…」
「え?なんかついてる?」
「うさぎの耳がついてるんだけど…」
ディーヴァが頭の上に手をやり、さわさわと確認する。
ふわっとした長い物に当たった。
頭上なので詳しくは確認できないが、なるほど、うさぎの耳の様なものがついているようだった。
「なんだ、うさぎの耳かぁ……うっうさ耳ぃ!!?」
「うん、かわいいのがついてるよ」
思い切り耳をひっぱったままディーヴァが目を見開いて声をあげた。
ちょっと痛そうである。
「って、リアラお姉ちゃんも耳ついてるよ、しかもしっぽも出てる!…んん?それってまだ魔獣化してるってことなの?」
「え、私一部だけ魔獣化って普通だとありえないことなんだけどな…」
リアラの場合、通常は完全に獣形態を取る『魔獣化』なのである。
耳としっぽだけなんて、普通はありえないだろう。
頭の上とお尻を指さされ、リアラも両手で確認した。
ふさふさとした薄い色の狼の耳が頭についている。
お尻にも魔獣化の時と同じ毛色のふさふさとした狼のしっぽが揺れていた。
人間の姿をしている時に自分のふさふさした毛並みを触れるとは貴重な体験だ。
それは自分で触れてもとても気持ちのよい毛並みだった。
「ダンテさんの気持ちがちょっとわかったかも」
リアラはクスリと笑みを浮かべた。
ダンテはリアラが魔獣化する度にいつも頬ずりしたり撫でまわしたりしてくるのだ。
「これって…何だろう?」
ディーヴァはぐにぐにと取ろうとひっぱるが、皮膚と繋がっているようだった。
痛覚もあるのか、痛みが発生する。
きちんと自分の物のようだ。
「うーん、魔獣化の一種ではなさそうだね」
試しに魔力を使い解除をこころみるが、魔力は関係ないのか取れることはなかった。
でも、お互い可愛いし和むので、2人はおかしそうに笑い合った。
ディーヴァは戦いを続ける3人に近づく小さな影があるのに気がついた。
わかりづらかったが、スケアクロウではない。
小型犬のようだった。
「えっ!ワンちゃん!?」
ディーヴァが気がついた直後、リアラも気がついたようだ。
慌てて、スケアクロウから守ろうとそちらへ急ぐ。
依頼主が似たような犬を大事そうに抱いていたのを思い出したのだ。
魔獣化したリアラは動物―――特に相性の良い者と会話することが出来る。
リアラは駆けながら魔獣化すると犬を助けに入った。
『今助けるからおとなしくしててね!』
しかし、叫ぶリアラとは反対にディーヴァはその犬に違和感を感じていた。
―ダイヤモンド・ダスト―
空中で回転しながら一瞬で元の姿に戻ったリアラは、周りに陽にさらされキラキラ光る氷の粒子を展開させた。
それに触れたスケアクロウ達が次々に凍り、砕け散っていく。
「やるねぇ、さすがは俺のリアラだ」
「これってリアラが一番倒した数、多いんじゃね?」
遠くで悪魔を狩りながらダンテ達が感想を漏らす。
犬の近くにいたスケアクロウはすぐに無にかえっていった。
と、そこでようやくディーヴァは気がついた。
「リアラお姉ちゃん、離れて!」
「え?」
安全圏である結界から出てリアラの元へと急ぐ。
幸い、ディーヴァの周りにいた悪魔も今はいない。
「その子、悪魔っ!」
ずっと遠くから様子をうかがっていたディーヴァにはそれが悪魔だとわかったのだ。
よく探ればわかったかも知れないが周りにはスケアクロウがいたし、犬の姿をしていたため、リアラは騙されてしまったのだろう。
犬ということは、魔狼とは親戚のようなものである。
見た目は小さくてかわいいポメラニアンのようだが確かに悪魔だった。
顔に似合わず、強い魔力を有しているようだ。
リアラが気がついた時には悪魔はにんまりと笑みを浮かべ、体を光らせ始めていた。
何か仕掛けるというのがひしひし伝わってくる。
「リアラッ!!」
「逃げろ!」
ダンテ達も鋭く叫ぶ。
レイザードのかぎ爪も、ホワイトウルフのチャージショットも間に合わない。
リアラの第六感が「もうだめかもしれない」と、警告を発した。
「危ない!」
強い光が周りを包む瞬間、ディーヴァがリアラを守ろうと飛び出した。
「きゃあ!」
「眩しっ!」
だが、一歩遅かった。
ディーヴァだけでなく、不思議な力の余韻がリアラにも降り注ぐ。
光がおさまると同時に、犬の姿をした悪魔の姿はいなくなっていた。
「おーい!リアラ無事か!?」
「全部終わったら行くから待ってろよ!」
ダンテ達が遠くから呼びかける。
リアラはそれに返事した。
「ん、心配しないで!…でも逃げられちゃったね」
「そうだね。それよりリアラお姉ちゃん、大丈夫?」
「うん。ディーヴァちゃんこそ、なんともな…」
ぴこん。
リアラがディーヴァの方へ振り向くと、頭の上に見慣れないものがついていた。
白くて長く、ふわふわの毛に覆われている。
うさぎの耳だ。
「ディーヴァちゃん、それ…」
「え?なんかついてる?」
「うさぎの耳がついてるんだけど…」
ディーヴァが頭の上に手をやり、さわさわと確認する。
ふわっとした長い物に当たった。
頭上なので詳しくは確認できないが、なるほど、うさぎの耳の様なものがついているようだった。
「なんだ、うさぎの耳かぁ……うっうさ耳ぃ!!?」
「うん、かわいいのがついてるよ」
思い切り耳をひっぱったままディーヴァが目を見開いて声をあげた。
ちょっと痛そうである。
「って、リアラお姉ちゃんも耳ついてるよ、しかもしっぽも出てる!…んん?それってまだ魔獣化してるってことなの?」
「え、私一部だけ魔獣化って普通だとありえないことなんだけどな…」
リアラの場合、通常は完全に獣形態を取る『魔獣化』なのである。
耳としっぽだけなんて、普通はありえないだろう。
頭の上とお尻を指さされ、リアラも両手で確認した。
ふさふさとした薄い色の狼の耳が頭についている。
お尻にも魔獣化の時と同じ毛色のふさふさとした狼のしっぽが揺れていた。
人間の姿をしている時に自分のふさふさした毛並みを触れるとは貴重な体験だ。
それは自分で触れてもとても気持ちのよい毛並みだった。
「ダンテさんの気持ちがちょっとわかったかも」
リアラはクスリと笑みを浮かべた。
ダンテはリアラが魔獣化する度にいつも頬ずりしたり撫でまわしたりしてくるのだ。
「これって…何だろう?」
ディーヴァはぐにぐにと取ろうとひっぱるが、皮膚と繋がっているようだった。
痛覚もあるのか、痛みが発生する。
きちんと自分の物のようだ。
「うーん、魔獣化の一種ではなさそうだね」
試しに魔力を使い解除をこころみるが、魔力は関係ないのか取れることはなかった。
でも、お互い可愛いし和むので、2人はおかしそうに笑い合った。