狼とうさぎの1週間
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相互リンクしていただいている『雪の雫』雪菜様の素敵企画『わんにゃん企画』提出作品で、if話です。
雪菜宅のリアラちゃんと、我が家の序章編終了後設定のディーヴァが2人のダンテ(若と髭)がいるDevilMayCryで生活してます。
***
暑い夏がやってきた。
年齢も男盛りで男性としての魅力あふれるダンテと、アイスブルーの涼やかな美しさをその身に秘めた魔狼の娘、リアラの住むDevilMayCryに年若く元気なダンテと天使の血族であるディーヴァがやってきてしばらくたった。
若いダンテ―――ここではディーヴァ以外から若と呼ばれている、とディーヴァは突然この世界にやってきた異邦人である。
若は元々ここに暮らしていたダンテとは違い、まだまだ未熟な若いころのダンテだった。
でもこの世界の過去からやってきたわけではなく違う世界のダンテ、つまりパラレルワールドのダンテなのだ。
そうでなくては若がリアラを知らないのはおかしいし、反対にここのダンテがディーヴァを知らないのもおかしいことになる。
それでも自分には変わりない。
この世界のダンテとリアラはまだ年若いダンテとディーヴァを放りだすわけにもいかず、帰る方法が見つかるまで共に暮らすことにした。
ところが困ったことが1つあった。
ディーヴァ以外は全員半魔であり、彼女自身は天使の血を色濃くひいているのである。
若は長らくディーヴァといて慣れているし、ここの店主のダンテは経験の高さからか、ディーヴァの天使の力をさほど気に留めず、欲しくなるということもあまりなかった。
しかし、まだ若いリアラにとっては抗いづらいものが多少なりとあったらしく、ディーヴァはディーヴァでよく知らない半魔であるリアラに対し警戒していたため最初は2人とも気まずいものであった。
さらにリアラは慣れてきたとはいえ、いまだに人をすぐ信用できない部分もあるため中々打ち解けられなかったのだ。
余談だが若とは根っこの部分が同じダンテだからかすぐに慣れた。
それでも長く過ごす内にディーヴァが自分の母と同じように優しい心を持つ者だと知り、また、ディーヴァもリアラに対しての警戒を解いて歩み寄ったことにより2人は急速に仲良くなった。
2人はラザニアが好き、など好物が同じだったり、似たような性格だったりとけっこう共通する部分があったためウマが合ったようだ。
今では仲の良い姉妹のような関係となり、ダンテ達の目の癒し処である。
***
「あちぃー…暑い暑い暑ーい!!」
うだるような暑さの中、耐えきれなくなった若は両手を広げて叫んだ。
げんなりした表情の髭が寝ころんだままひらひらと手を動かし抗議する。
「おい、それ以上言うな。余計暑くなるだろ」
外ではなく事務所の中だと言うのに蜃気楼がゆらめいて見えそうなほどの暑さである。
もちろんそんな中でトレードマークのコートは着ていられない。
2人はすでに上半身裸だ。
「私なんか氷属性だから余計つらいよ、技使って冷やしたいけど暑すぎて力も使えないし。男の人はトップスを脱げるからいいね」
「リアラも脱げばいいじゃねぇか」
「そうだそうだー」
「ダンテさん無茶言わないでください。あと若も」
少々恨めしそうに男2人を見たリアラはもうすでにアイスのようになっている。
くったりとして溶けてしまいそうなリアラにパタパタと扇いで風を送ってやるディーヴァは暑さがつらすぎて何も言わなかったが、その額には汗が滴り落ちていた。
「ディーヴァ、見た目だけでも涼しくなるように服脱いでくれよ」
「あたしだって無理だよ」
ディーヴァもしゃべるのすら億劫だと言うように短く返す。
若のディーヴァへのセクハラ発言にはいつもリアラが壁に氷柱で縫い留めるが、今はそんな気力すら残っていなかった。
「…なんでここエアコンないんだっけか」
ぼーっとした目で髭は天井を見やった。
天井近くの壁にはエアコンの設置されていた跡だけが残っている。
「それはダンテさんが壊しちゃったからです」
「そうだったか?」
リアラがしれっと言い切る。
つい先日まではこの事務所にもエアコンがあって快適な夏を過ごしていたのだが、髭と若がちょっとした喧嘩をした際に壊してしまったのだ。
本当なら修理する予定でいたのだが、そこにきて髭と若が依頼先で公共物をこわしてしまったことが重なる。
少し怒りっぽいが攻撃手段のないディーヴァだけならいざ知らず、普段滅多に怒ることのないリアラも、この時ばかりは怒った。
かくして2人のダンテはリアラの『アイシクル』と『ダイヤモンド・ダスト』の餌食となり、壁に並んだ悪魔の仲間入りを果たしたのである。
もちろん報酬は全て公共物の修理へと消え、生活を切り詰めなくてはいけなくなった今、修理費があるはずもない。
リアラとディーヴァは壁に縫い付けられ、氷漬けになった2人を背後にがっくりとうなだれたのだった。
***
「RRRRR!!」
暑い暑い、と若がこぼす中、突然電話が事務所内に鳴り響いた。
とったのは目の前の指定席に座っていた髭ではなく、リアラだった。
彼女は電話のなったその瞬間、ダウンしていたことなど微塵も感じさせない動きで、水色をした風のように行動し受話器をあげた。
聴覚や気配に鋭い彼女だからこそできる芸当である。
髭もわかっていたようで、目を閉じてリアラの対応を聞き入っていた。
「なんだったの?依頼の電話?」
受話器を置いたリアラにわくわくしながらディーヴァが聞いた。
リアラはにっこりと笑みを浮かべるとダンテ達にもよく聞こえるよう声を張り上げた。
「うん、スケアクロウが大量発生だって。場所はこの先の湖のほとり」
スケアクロウ―――案山子のような姿をしていて、力は弱いが一度にたくさん現れる悪魔である。
まるで某Gのようでディーヴァは大嫌いだが、この時ばかりはこの依頼が天の恵みに思えた。
雪菜宅のリアラちゃんと、我が家の序章編終了後設定のディーヴァが2人のダンテ(若と髭)がいるDevilMayCryで生活してます。
***
暑い夏がやってきた。
年齢も男盛りで男性としての魅力あふれるダンテと、アイスブルーの涼やかな美しさをその身に秘めた魔狼の娘、リアラの住むDevilMayCryに年若く元気なダンテと天使の血族であるディーヴァがやってきてしばらくたった。
若いダンテ―――ここではディーヴァ以外から若と呼ばれている、とディーヴァは突然この世界にやってきた異邦人である。
若は元々ここに暮らしていたダンテとは違い、まだまだ未熟な若いころのダンテだった。
でもこの世界の過去からやってきたわけではなく違う世界のダンテ、つまりパラレルワールドのダンテなのだ。
そうでなくては若がリアラを知らないのはおかしいし、反対にここのダンテがディーヴァを知らないのもおかしいことになる。
それでも自分には変わりない。
この世界のダンテとリアラはまだ年若いダンテとディーヴァを放りだすわけにもいかず、帰る方法が見つかるまで共に暮らすことにした。
ところが困ったことが1つあった。
ディーヴァ以外は全員半魔であり、彼女自身は天使の血を色濃くひいているのである。
若は長らくディーヴァといて慣れているし、ここの店主のダンテは経験の高さからか、ディーヴァの天使の力をさほど気に留めず、欲しくなるということもあまりなかった。
しかし、まだ若いリアラにとっては抗いづらいものが多少なりとあったらしく、ディーヴァはディーヴァでよく知らない半魔であるリアラに対し警戒していたため最初は2人とも気まずいものであった。
さらにリアラは慣れてきたとはいえ、いまだに人をすぐ信用できない部分もあるため中々打ち解けられなかったのだ。
余談だが若とは根っこの部分が同じダンテだからかすぐに慣れた。
それでも長く過ごす内にディーヴァが自分の母と同じように優しい心を持つ者だと知り、また、ディーヴァもリアラに対しての警戒を解いて歩み寄ったことにより2人は急速に仲良くなった。
2人はラザニアが好き、など好物が同じだったり、似たような性格だったりとけっこう共通する部分があったためウマが合ったようだ。
今では仲の良い姉妹のような関係となり、ダンテ達の目の癒し処である。
***
「あちぃー…暑い暑い暑ーい!!」
うだるような暑さの中、耐えきれなくなった若は両手を広げて叫んだ。
げんなりした表情の髭が寝ころんだままひらひらと手を動かし抗議する。
「おい、それ以上言うな。余計暑くなるだろ」
外ではなく事務所の中だと言うのに蜃気楼がゆらめいて見えそうなほどの暑さである。
もちろんそんな中でトレードマークのコートは着ていられない。
2人はすでに上半身裸だ。
「私なんか氷属性だから余計つらいよ、技使って冷やしたいけど暑すぎて力も使えないし。男の人はトップスを脱げるからいいね」
「リアラも脱げばいいじゃねぇか」
「そうだそうだー」
「ダンテさん無茶言わないでください。あと若も」
少々恨めしそうに男2人を見たリアラはもうすでにアイスのようになっている。
くったりとして溶けてしまいそうなリアラにパタパタと扇いで風を送ってやるディーヴァは暑さがつらすぎて何も言わなかったが、その額には汗が滴り落ちていた。
「ディーヴァ、見た目だけでも涼しくなるように服脱いでくれよ」
「あたしだって無理だよ」
ディーヴァもしゃべるのすら億劫だと言うように短く返す。
若のディーヴァへのセクハラ発言にはいつもリアラが壁に氷柱で縫い留めるが、今はそんな気力すら残っていなかった。
「…なんでここエアコンないんだっけか」
ぼーっとした目で髭は天井を見やった。
天井近くの壁にはエアコンの設置されていた跡だけが残っている。
「それはダンテさんが壊しちゃったからです」
「そうだったか?」
リアラがしれっと言い切る。
つい先日まではこの事務所にもエアコンがあって快適な夏を過ごしていたのだが、髭と若がちょっとした喧嘩をした際に壊してしまったのだ。
本当なら修理する予定でいたのだが、そこにきて髭と若が依頼先で公共物をこわしてしまったことが重なる。
少し怒りっぽいが攻撃手段のないディーヴァだけならいざ知らず、普段滅多に怒ることのないリアラも、この時ばかりは怒った。
かくして2人のダンテはリアラの『アイシクル』と『ダイヤモンド・ダスト』の餌食となり、壁に並んだ悪魔の仲間入りを果たしたのである。
もちろん報酬は全て公共物の修理へと消え、生活を切り詰めなくてはいけなくなった今、修理費があるはずもない。
リアラとディーヴァは壁に縫い付けられ、氷漬けになった2人を背後にがっくりとうなだれたのだった。
***
「RRRRR!!」
暑い暑い、と若がこぼす中、突然電話が事務所内に鳴り響いた。
とったのは目の前の指定席に座っていた髭ではなく、リアラだった。
彼女は電話のなったその瞬間、ダウンしていたことなど微塵も感じさせない動きで、水色をした風のように行動し受話器をあげた。
聴覚や気配に鋭い彼女だからこそできる芸当である。
髭もわかっていたようで、目を閉じてリアラの対応を聞き入っていた。
「なんだったの?依頼の電話?」
受話器を置いたリアラにわくわくしながらディーヴァが聞いた。
リアラはにっこりと笑みを浮かべるとダンテ達にもよく聞こえるよう声を張り上げた。
「うん、スケアクロウが大量発生だって。場所はこの先の湖のほとり」
スケアクロウ―――案山子のような姿をしていて、力は弱いが一度にたくさん現れる悪魔である。
まるで某Gのようでディーヴァは大嫌いだが、この時ばかりはこの依頼が天の恵みに思えた。