喧嘩したって、君が好き!
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喜びの舞を繰り広げたあと、ダンテは定位置に座りながら一呼吸おいた。
「ふう、そういやのど乾いたな、なんか飲むか?」
言われて気がつく。
そういえばここにきてから何も飲んでいなかった。
この暑さの中何も水分を取らないままでいたら脱水症状を起こしかねない。
「確かにちょっとのど乾いたかも。お水でいいからもらっていいかな」
ダンテは冷蔵庫の中身を思い浮かべてみた。
確か、ドアポケットにミネラルウォーターが入っていたと思う。
先日、紫乃と一緒に買い物に出かけた時に箱買いしたものだ。
「水か…冷蔵庫に入ってるはず。ディーヴァ、キッチンに冷蔵庫あるから水と言わず好きなもん飲めよ」
「え、ダンテさんとこの冷蔵庫でしょ、あたしが開けて大丈夫?」
「紫乃がそれぐらいで怒ると思うか?かまわんさ。あ、ついでにビールとってくれよ」
「わかった。でも昼間からお酒…どうしようもないなこの人」
ディーヴァはキッチンに向かいながら小さく呟いた。
キッチンは紫乃の手によって使いやすく綺麗に掃除されていた。
学生生活も送っている自分とは違って毎日掃除しているようだった。
「ん?」
そこでテーブルの上に置かれたレシピ本が目につく。
日本語で書かれているようで興味がわいた。
ディーヴァは難しい漢字は読めないが、日本語はそこそこできるのである。
「あとで紫乃さんに教えてもらおうかな…」
レシピ本にはところどころふせんが付けてあり、ダンテに美味しい料理を作る紫乃の姿が頭に浮かぶ。
ぱらりとページを捲りながらディーヴァは笑みをこぼした。
大きな冷蔵庫を開けると一画が酒に占領されていた。
その量にげんなりする。
そして一番目につく場所にそれは置いてあった。
「あ、やっぱりここのダンテもアレ好きなんだ」
苺と生クリームのパックが冷気に包まれて使用される時を今か今かと待っている。
ディーヴァはクスクス笑うと水を取り、ダンテのお目当ての物を探した。
「ダンテさーん、いろいろ種類あるんだけどー!」
冷蔵庫から顔だけをのぞかせ、事務所にいるダンテに大声で呼びかける。
返事はすぐに返ってきた。
「紫乃が持ってきたやつなんだが、日本語で書いてあるやつくれー!日本語わかるかー?」
「あたし日本語わかるから大丈夫だよー!あ、これかな」
ディーヴァはよく冷えた水を、ダンテはキンキンに冷えたビールを飲んだ。
「ふー冷たくておいしい!生き返る~…って、一気飲み?」
ダンテは日本のビールのCMよろしく、缶のまま一気飲みした。
「ぷはー美味ぇ!」
アメリカではビールは冷やさないのが一般的な飲みかたであるが、日本のビールは冷やした方がおいしいと紫乃に教えられた。
それ以来、日本産のビールを飲む時はキンキンに冷やしている。
「日本じゃ冷たく冷やしたビールをジョッキに入れて仕事上がりや風呂上がりにグイっとやるみたいだぜ」
「今お仕事どころかお風呂上がりでもないんだけど」
「今日の俺はだらだらするのが仕事だ。酒のんだら腹減ってきたな…お前も俺を相手に生活してるならアレ、作れるだろ?」
「アレって?」
ダンテはニッと笑って「アレだよアレ」と、言う。
「合言葉は苺だ」
苺。
その言葉だけでなんの事だかよくわかる。
というより、『アレ』と言われた時点でなんとなくだがわかっていた。
ダンテ=ピザかストロベリーサンデーだからだ。
「ああ、アレだね。いいけど勝手に食材まで使っていいの?」
「なくなったらあとで紫乃といくらでも買い物行くさ」
「そっか。じゃぁちょっとキッチンおかりしまーす」
ディーヴァは再度キッチンへ戻ると、ストロベリーサンデーの準備を始めた。
***
「はい、出来た」
「ずいぶん早いな」
コミックを読んで待っていたダンテが振り向くと、そこにはおぼんを持ったディーヴァが立っていた。
そしておぼんの上の物を渡される。
「おお美味そう…って一口サイズ!?」
そのストロベリーサンデーはスプーンの上に一口分だけで構成されていた。
「変わった盛り付けだな、こんなの見たことねぇ…」
スプーンの上だけで見事にストロベリーサンデーが再現されている。
サイズ的には小人用だ。
ダンテはほぉー…と感嘆の声をもらした。
「もちろん、もっとあるんだろ?」
「いえ、これだけです」
ディーヴァの言葉に二度見ならぬ、三度見する。
「はぁ!どうせ作るならたくさん作れよ!意地悪だなお前」
にっこりと有無を言わせない笑顔でダンテの言葉を切り捨てる。
「ちゃんとしたのは紫乃さんに作ってもらってよ、まだまだ苺も生クリームも残ってるからさ」
「ちっ、まぁそうだな。紫乃のはなんてったって俺への溢れんばかりの愛が詰まってるからな」
ダンテはその一口分のストロベリーサンデーをぱくりと口に含んだ。
量は少ないが味は美味い、もちろん紫乃の味には負けるが。
「そういうこと。あたしもダンテさんじゃなくダンテに作ってあげたいもん」
ダンテの喜ぶ顔が見たい。
そう呟くと、ディーヴァは自分の世界のダンテを思い浮かべて目を伏せた。
「あたし、紫乃さんが『ゲート』をつなげたらすぐに戻るね。あたしも悪かったから…ダンテに謝りたい。許してくれるかわかんないけど」
「大丈夫さ、相手は若い俺だろ?ならお前しか見てない。きっと今頃はディーヴァ!!って叫んでるぜ」
ぽんぽんとディーヴァをなでるその手つきは本当に親のようで安心する。
ディーヴァは頭に置かれた手を今度はどけなかった。
「ふう、そういやのど乾いたな、なんか飲むか?」
言われて気がつく。
そういえばここにきてから何も飲んでいなかった。
この暑さの中何も水分を取らないままでいたら脱水症状を起こしかねない。
「確かにちょっとのど乾いたかも。お水でいいからもらっていいかな」
ダンテは冷蔵庫の中身を思い浮かべてみた。
確か、ドアポケットにミネラルウォーターが入っていたと思う。
先日、紫乃と一緒に買い物に出かけた時に箱買いしたものだ。
「水か…冷蔵庫に入ってるはず。ディーヴァ、キッチンに冷蔵庫あるから水と言わず好きなもん飲めよ」
「え、ダンテさんとこの冷蔵庫でしょ、あたしが開けて大丈夫?」
「紫乃がそれぐらいで怒ると思うか?かまわんさ。あ、ついでにビールとってくれよ」
「わかった。でも昼間からお酒…どうしようもないなこの人」
ディーヴァはキッチンに向かいながら小さく呟いた。
キッチンは紫乃の手によって使いやすく綺麗に掃除されていた。
学生生活も送っている自分とは違って毎日掃除しているようだった。
「ん?」
そこでテーブルの上に置かれたレシピ本が目につく。
日本語で書かれているようで興味がわいた。
ディーヴァは難しい漢字は読めないが、日本語はそこそこできるのである。
「あとで紫乃さんに教えてもらおうかな…」
レシピ本にはところどころふせんが付けてあり、ダンテに美味しい料理を作る紫乃の姿が頭に浮かぶ。
ぱらりとページを捲りながらディーヴァは笑みをこぼした。
大きな冷蔵庫を開けると一画が酒に占領されていた。
その量にげんなりする。
そして一番目につく場所にそれは置いてあった。
「あ、やっぱりここのダンテもアレ好きなんだ」
苺と生クリームのパックが冷気に包まれて使用される時を今か今かと待っている。
ディーヴァはクスクス笑うと水を取り、ダンテのお目当ての物を探した。
「ダンテさーん、いろいろ種類あるんだけどー!」
冷蔵庫から顔だけをのぞかせ、事務所にいるダンテに大声で呼びかける。
返事はすぐに返ってきた。
「紫乃が持ってきたやつなんだが、日本語で書いてあるやつくれー!日本語わかるかー?」
「あたし日本語わかるから大丈夫だよー!あ、これかな」
ディーヴァはよく冷えた水を、ダンテはキンキンに冷えたビールを飲んだ。
「ふー冷たくておいしい!生き返る~…って、一気飲み?」
ダンテは日本のビールのCMよろしく、缶のまま一気飲みした。
「ぷはー美味ぇ!」
アメリカではビールは冷やさないのが一般的な飲みかたであるが、日本のビールは冷やした方がおいしいと紫乃に教えられた。
それ以来、日本産のビールを飲む時はキンキンに冷やしている。
「日本じゃ冷たく冷やしたビールをジョッキに入れて仕事上がりや風呂上がりにグイっとやるみたいだぜ」
「今お仕事どころかお風呂上がりでもないんだけど」
「今日の俺はだらだらするのが仕事だ。酒のんだら腹減ってきたな…お前も俺を相手に生活してるならアレ、作れるだろ?」
「アレって?」
ダンテはニッと笑って「アレだよアレ」と、言う。
「合言葉は苺だ」
苺。
その言葉だけでなんの事だかよくわかる。
というより、『アレ』と言われた時点でなんとなくだがわかっていた。
ダンテ=ピザかストロベリーサンデーだからだ。
「ああ、アレだね。いいけど勝手に食材まで使っていいの?」
「なくなったらあとで紫乃といくらでも買い物行くさ」
「そっか。じゃぁちょっとキッチンおかりしまーす」
ディーヴァは再度キッチンへ戻ると、ストロベリーサンデーの準備を始めた。
***
「はい、出来た」
「ずいぶん早いな」
コミックを読んで待っていたダンテが振り向くと、そこにはおぼんを持ったディーヴァが立っていた。
そしておぼんの上の物を渡される。
「おお美味そう…って一口サイズ!?」
そのストロベリーサンデーはスプーンの上に一口分だけで構成されていた。
「変わった盛り付けだな、こんなの見たことねぇ…」
スプーンの上だけで見事にストロベリーサンデーが再現されている。
サイズ的には小人用だ。
ダンテはほぉー…と感嘆の声をもらした。
「もちろん、もっとあるんだろ?」
「いえ、これだけです」
ディーヴァの言葉に二度見ならぬ、三度見する。
「はぁ!どうせ作るならたくさん作れよ!意地悪だなお前」
にっこりと有無を言わせない笑顔でダンテの言葉を切り捨てる。
「ちゃんとしたのは紫乃さんに作ってもらってよ、まだまだ苺も生クリームも残ってるからさ」
「ちっ、まぁそうだな。紫乃のはなんてったって俺への溢れんばかりの愛が詰まってるからな」
ダンテはその一口分のストロベリーサンデーをぱくりと口に含んだ。
量は少ないが味は美味い、もちろん紫乃の味には負けるが。
「そういうこと。あたしもダンテさんじゃなくダンテに作ってあげたいもん」
ダンテの喜ぶ顔が見たい。
そう呟くと、ディーヴァは自分の世界のダンテを思い浮かべて目を伏せた。
「あたし、紫乃さんが『ゲート』をつなげたらすぐに戻るね。あたしも悪かったから…ダンテに謝りたい。許してくれるかわかんないけど」
「大丈夫さ、相手は若い俺だろ?ならお前しか見てない。きっと今頃はディーヴァ!!って叫んでるぜ」
ぽんぽんとディーヴァをなでるその手つきは本当に親のようで安心する。
ディーヴァは頭に置かれた手を今度はどけなかった。