犬夜叉
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「もう怪我は大丈夫なのですか」
上体を起こして正面をじっと見つめている白髪の男。
まるで獣のような耳を生やしていた。
「……誰だ、てめえ」
「私は千鶴といいます。サラシを交換しますよ。服を」
「いらねえ。もう治った」
「……そうですか」
布団の横に桶と布を置いて、隣に正座する。
不要だったのは本当らしい。血の匂いが消えていた。
「ここはどこだ。かごめは──」
「お連れ様は庭に」
男の半身に掛かる掛布団の札を取るや否や、男は飛び出して戸口へ行った。
「……おい、てめえ。俺をここから出しやがれ」
「私はお連れ様に従っているだけです。貴方を、ここから出すなと」
「理由はなんだ」
「ただ『寝ていなさい』と」
男はケッと吐き捨て、のしのしと布団に戻った。
戸の表側にも札を貼っているため、外から入ることはできるが、この男がここから出ていくことは不可能なのだ。
「お前、かごめと似たような匂いがすんな」
「私は日暮かごめの実家の神社の、分祀につかえる巫女ですので」
「ふーん。よく分かんねえが、かごめの仲間か」
ごろり、と犬のように豪快に寝そべる男。
「……あの、それ触ってもいいですか?」
「はあ?」
片眉を上げると、そちら側の耳も外に向いた。
拒まれもしなかったので、その白い毛皮に触れる。ふわふわと、でも少し硬い。本物の犬の耳みたいだ。
「っ何しやがんでぇ!」
咄嗟にでてきた拳には驚いたが、その感触はやめられなかった。
受け止めた左手は少し痺れるが、右手のふわふわで温かい触り心地には負ける。
「てめえ……調子に乗るなよ!」
次の瞬間。視界は真っ白に覆われた。背中は布団が柔らかいおかげで何ともない。
唸る口からのぞく立派な犬歯。強くしかめた眉が人間らしい表情をつけていた。
長く柔らかそうな白髪が、御簾のように垂れる。
「千鶴ちゃんごめんねー、犬夜叉はもう起き……てるわね。何してんのあんた」
「か、かごめ!こいつ何なんだよ!」
「かごめちゃん。犬のしつけの仕方、教えようか。私も実家で飼ってるし」
「てめえ、俺は犬じゃねえ!」
男はまるで毛を逆立てるようにして威嚇した。
私もかごめも、同じような顔をして息を吐いた。
上体を起こして正面をじっと見つめている白髪の男。
まるで獣のような耳を生やしていた。
「……誰だ、てめえ」
「私は千鶴といいます。サラシを交換しますよ。服を」
「いらねえ。もう治った」
「……そうですか」
布団の横に桶と布を置いて、隣に正座する。
不要だったのは本当らしい。血の匂いが消えていた。
「ここはどこだ。かごめは──」
「お連れ様は庭に」
男の半身に掛かる掛布団の札を取るや否や、男は飛び出して戸口へ行った。
「……おい、てめえ。俺をここから出しやがれ」
「私はお連れ様に従っているだけです。貴方を、ここから出すなと」
「理由はなんだ」
「ただ『寝ていなさい』と」
男はケッと吐き捨て、のしのしと布団に戻った。
戸の表側にも札を貼っているため、外から入ることはできるが、この男がここから出ていくことは不可能なのだ。
「お前、かごめと似たような匂いがすんな」
「私は日暮かごめの実家の神社の、分祀につかえる巫女ですので」
「ふーん。よく分かんねえが、かごめの仲間か」
ごろり、と犬のように豪快に寝そべる男。
「……あの、それ触ってもいいですか?」
「はあ?」
片眉を上げると、そちら側の耳も外に向いた。
拒まれもしなかったので、その白い毛皮に触れる。ふわふわと、でも少し硬い。本物の犬の耳みたいだ。
「っ何しやがんでぇ!」
咄嗟にでてきた拳には驚いたが、その感触はやめられなかった。
受け止めた左手は少し痺れるが、右手のふわふわで温かい触り心地には負ける。
「てめえ……調子に乗るなよ!」
次の瞬間。視界は真っ白に覆われた。背中は布団が柔らかいおかげで何ともない。
唸る口からのぞく立派な犬歯。強くしかめた眉が人間らしい表情をつけていた。
長く柔らかそうな白髪が、御簾のように垂れる。
「千鶴ちゃんごめんねー、犬夜叉はもう起き……てるわね。何してんのあんた」
「か、かごめ!こいつ何なんだよ!」
「かごめちゃん。犬のしつけの仕方、教えようか。私も実家で飼ってるし」
「てめえ、俺は犬じゃねえ!」
男はまるで毛を逆立てるようにして威嚇した。
私もかごめも、同じような顔をして息を吐いた。
1/1ページ