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Short Story



 今日の職務を終え、自室で本を読んでいると、廊下から足音が一人分聞こえてきた。

 それが障子のすぐ向こうで止まると、
「おーい。きみ、まだ起きているかい」
と鶴丸が私を呼んだ。

 私は返事をして入室を促すと、鶴丸は「邪魔するぜ」と言って身一つの状態で入ってきた。

「何してたんだい? もうそろそろ寝る時間だろう」

 鶴丸こそどうしてこんな時間に、と聞き返すと、彼は正座していた私の腕を軽く引っ張って体勢を崩すと、あっという間に抱き上げた。

「今夜はずいぶん冷えるからな。暖をとりにきた」

 そういうと彼は私を抱いたまま、直ぐ側の灯りを吹き消した。

 敷いておいた布団に私を下ろし、足元にまとめられた掛け布団を手繰り寄せながら、自らも布団の中に入ってきた。

「もしかして、酔ってるの?」
「いいや、素面だぜ」

 否定してから、掛け布団をばさりと被った。

「いいじゃないか、俺だって人肌が恋しくなることもあるんだ」

 彼はこちらを向き、下にしている方の片腕に頭を乗せて、もう片方の腕で私を引き寄せた。

「きみは温かくていいなあ」

 そういう彼の体も温かかった。

「なあ、明日は雪の景趣にしないか。そうすれば昼まできみとこうして寝ていられる。なんたって寒いんだからな」

 それじゃ仕事が……と私は呟いたが、

「仕事なんていい。きみは働きすぎなんだ。そんなに働きたいなら、しばらくきみは俺とゆっくりするのが仕事だ」

 わかったか、と問われ、私は彼の体を抱きしめ返すことで返事をした。


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