①
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「牛山さん……!」
私は牛山さんの額の隆起を引っ張った。
「お嬢、あんたは幸せになるんだ!早くここから逃げろ!」
*・゜゚・*:.。..。.:*・ .。.:*・゜゚・*
私の人生の転機は網走監獄だった。ある日の真夜中、網走監獄で第7師団と囚人の暴動が起きた。偶然叔父の元を訪れていた私は銃声が鳴り響く中、駆け足で逃げ回っていた。そこを偶然通りかかった牛山さんに助けられたことが始まりだった。
「お嬢ちゃん」
「っ!!」
まるで大木か、よもやヒグマかのようなしっかりした肉体に体当たりし、走っていた私は強い反動を全身で受けた。しかし転ぶことはなく流木のような大きな腕に抱き止められた。
「あんたみたいな子が、どうしてここに?」
声がする方に目をやった。しかしいくら頭を反らしても声の出所に辿りつかない。首が直角になるほど見上げると、やっと声の主を見ることができた。
「うっ………うわー!!わー!!」
「こら!大声を出すな!」
私がぶつかったのは黒いスーツを来た男だった。しかし彼は身長がかなり高く、また筋肉の隆起が激しい。そして何よりおでこの四角い突起。すべてが常人離れしており、銃声にパニックになっていた私は謎の巨人を目の当たりにし、大声を上げて酷く混乱してしまった。
ふと、身体が浮く気配がした。
「お嬢ちゃん、落ち着け……たく、しょうがない……」
「えっ!?ちょ、ちょっと!」
その男は私を俵担ぎし、走り出した。
「ひ、人攫いー!」
今思えば、もう少しまともな事を言っても良かった。
その男は私を正門近くの茂みまで連れて行き、近くの村−コタン−に逃げるよう伝えてきた。
「ここにいちゃ、あんたが例え幼い子供だとしても殺される。どこから迷い込んだのか知らないがこの川沿いを下っていきなさい」
「あ…助けてくれたんですね…ありがとうございます…あの、でも、せめて私の叔父……犬童四郎助も…」
「……!あんたの叔父は犬童典獄か…………どうしたものか……」
男は身を屈め、私に目線を合わせてうーんと唸った。顔が近くに来ると、その男の風貌がより鮮明に見えた。まず目に飛び込むのは額の四角の隆起。額は誰しも固いものだが、彼のその額はより頑丈そうに見える。分厚い耳は柔道耳と呼ぶのを叔父から聞いていた。しっかりとした骨格にぱつぱつのスーツでアンバランスな印象を受けた。身体の大きさから乱暴そうに見えるが、口ぶりや仕草から紳士さを感じ、悪い人ではないと私は判断した。
「えっと、犬童四郎助はここの典獄で、きっと司令室にいるはずなんです!」
「あぁ、それは分かってるが……」
ドーン!
塀の方から大きな砲声が聞こえた。
塀の外から光を感じたが、耳を塞ぐ暇もなく鼓膜がビリビリと振動した。おそらくすぐそこから大砲が撃たれたようだった。
頭は一瞬で理解できたものの、身体はついていくことができずにその場でうずくまってしまう。脳の中で大きな鐘を鳴らされている様な音、また後頭部から蝉の声のようなジーという音が同時に続いた。ゴンゴン、ジー。あまりのうるささに呼吸が速くなり、吐き気を感じた。視界が白黒になり、地面との距離も分からなくなった。
そして私は意識を失った。
*・゜゚・*:.。..。.:*・ .。.:*・゜゚・*
私は牛山さんの額の隆起を引っ張った。
「お嬢、あんたは幸せになるんだ!早くここから逃げろ!」
*・゜゚・*:.。..。.:*・ .。.:*・゜゚・*
私の人生の転機は網走監獄だった。ある日の真夜中、網走監獄で第7師団と囚人の暴動が起きた。偶然叔父の元を訪れていた私は銃声が鳴り響く中、駆け足で逃げ回っていた。そこを偶然通りかかった牛山さんに助けられたことが始まりだった。
「お嬢ちゃん」
「っ!!」
まるで大木か、よもやヒグマかのようなしっかりした肉体に体当たりし、走っていた私は強い反動を全身で受けた。しかし転ぶことはなく流木のような大きな腕に抱き止められた。
「あんたみたいな子が、どうしてここに?」
声がする方に目をやった。しかしいくら頭を反らしても声の出所に辿りつかない。首が直角になるほど見上げると、やっと声の主を見ることができた。
「うっ………うわー!!わー!!」
「こら!大声を出すな!」
私がぶつかったのは黒いスーツを来た男だった。しかし彼は身長がかなり高く、また筋肉の隆起が激しい。そして何よりおでこの四角い突起。すべてが常人離れしており、銃声にパニックになっていた私は謎の巨人を目の当たりにし、大声を上げて酷く混乱してしまった。
ふと、身体が浮く気配がした。
「お嬢ちゃん、落ち着け……たく、しょうがない……」
「えっ!?ちょ、ちょっと!」
その男は私を俵担ぎし、走り出した。
「ひ、人攫いー!」
今思えば、もう少しまともな事を言っても良かった。
その男は私を正門近くの茂みまで連れて行き、近くの村−コタン−に逃げるよう伝えてきた。
「ここにいちゃ、あんたが例え幼い子供だとしても殺される。どこから迷い込んだのか知らないがこの川沿いを下っていきなさい」
「あ…助けてくれたんですね…ありがとうございます…あの、でも、せめて私の叔父……犬童四郎助も…」
「……!あんたの叔父は犬童典獄か…………どうしたものか……」
男は身を屈め、私に目線を合わせてうーんと唸った。顔が近くに来ると、その男の風貌がより鮮明に見えた。まず目に飛び込むのは額の四角の隆起。額は誰しも固いものだが、彼のその額はより頑丈そうに見える。分厚い耳は柔道耳と呼ぶのを叔父から聞いていた。しっかりとした骨格にぱつぱつのスーツでアンバランスな印象を受けた。身体の大きさから乱暴そうに見えるが、口ぶりや仕草から紳士さを感じ、悪い人ではないと私は判断した。
「えっと、犬童四郎助はここの典獄で、きっと司令室にいるはずなんです!」
「あぁ、それは分かってるが……」
ドーン!
塀の方から大きな砲声が聞こえた。
塀の外から光を感じたが、耳を塞ぐ暇もなく鼓膜がビリビリと振動した。おそらくすぐそこから大砲が撃たれたようだった。
頭は一瞬で理解できたものの、身体はついていくことができずにその場でうずくまってしまう。脳の中で大きな鐘を鳴らされている様な音、また後頭部から蝉の声のようなジーという音が同時に続いた。ゴンゴン、ジー。あまりのうるささに呼吸が速くなり、吐き気を感じた。視界が白黒になり、地面との距離も分からなくなった。
そして私は意識を失った。
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