松本和子
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真夏の強い日差しが照りつける海沿いの街。
大学生最後の夏休み、私と和子はふたりで古いコテージを借りて一泊二日の旅行に来ていた。
波の音が遠くで響く夕暮れ時、海から戻った私たちは、エアコンの風が心地よく吹き抜ける部屋で畳の上に転がっていた。
わこ「あー、泳いだ泳いだ……ゆめ、日焼け大丈夫?」
畳に寝そべったまま、和子が顔だけをこちらに向けて聞いてくる。
火照った頬と、海風で少しパサついた髪。
いつもの大学の講義室で見せる姿とは違う無防備さに、心臓が跳ねる。
ゆめ「うん、日焼け止め塗ったから平気。わここそ、顔赤いよ?」
わこ「これは……暑いからだよ。海のせい」
そう言って和子は少しそっぽを向いたけれど、耳の裏まで真っ赤になっているのは隠せていない。
部屋の中に、じりじりと鳴く蝉の声と、扇風機の首振り音が響く。
外の熱気とは切り離されたこの小さな部屋で、和子とふたりきり。
それだけで胸が苦しくなるほど甘い緊張感が漂っていた。
わこ「ねぇ、ゆめ」
ゆめ「ん?」
和子が体を起こし、じっと私の目を見つめてくる。
透き通った瞳に、西日に染まる部屋の橙色が映っていた。
わこ「私ね、この夏が終わっても……ずっとこうやって、ふたりでいられたらいいなって思ってる」
ゆめ「え……」
わこ「夏休みの思い出、で終わらせたくないの。ゆめの特別になりたい」
不器用だけど真っ直ぐな和子の言葉が、熱を帯びて胸に飛び込んでくる。
普段は少し照れ屋な彼女が、こんな風に想いを口にしてくれるなんて思わなかった。
ゆめ「わこ……私もだよ。ずっと前から、わこの特別になりたかった」
私が答えると、和子は安心したようにふっと目を細めて笑った。
その笑顔があまりにも眩しくて、愛おしくて、私はたまらなくなって自分から和子の手を握りしめた。
つないだ手と手から、お互いの体温が伝わってくる。
わこ「……手、汗ばんでる笑」
ゆめ「仕方ないでしょ、緊張してるんだから」
わこ「ふふ、じゃあお互い様だね」
和子は握り返す力を強くすると、ゆっくりと顔を近づけてきた。
触れ合うか触れ合わないかの距離で止まる息遣い。
外の蝉時雨も波の音も遠のいて、世界には私たちふたりしかいないような感覚に包まれる。
わこ「だいすきだよ、ゆめ」
ささやくようなその声とともに、唇に優しく重なる熱。
部屋を満たす夏の匂いと、冷めない熱帯夜。
2人だけで過ごしたこの秘密の部屋の思い出は、きっとどんな季節が来ても、永遠に消えない。
大学生最後の夏休み、私と和子はふたりで古いコテージを借りて一泊二日の旅行に来ていた。
波の音が遠くで響く夕暮れ時、海から戻った私たちは、エアコンの風が心地よく吹き抜ける部屋で畳の上に転がっていた。
わこ「あー、泳いだ泳いだ……ゆめ、日焼け大丈夫?」
畳に寝そべったまま、和子が顔だけをこちらに向けて聞いてくる。
火照った頬と、海風で少しパサついた髪。
いつもの大学の講義室で見せる姿とは違う無防備さに、心臓が跳ねる。
ゆめ「うん、日焼け止め塗ったから平気。わここそ、顔赤いよ?」
わこ「これは……暑いからだよ。海のせい」
そう言って和子は少しそっぽを向いたけれど、耳の裏まで真っ赤になっているのは隠せていない。
部屋の中に、じりじりと鳴く蝉の声と、扇風機の首振り音が響く。
外の熱気とは切り離されたこの小さな部屋で、和子とふたりきり。
それだけで胸が苦しくなるほど甘い緊張感が漂っていた。
わこ「ねぇ、ゆめ」
ゆめ「ん?」
和子が体を起こし、じっと私の目を見つめてくる。
透き通った瞳に、西日に染まる部屋の橙色が映っていた。
わこ「私ね、この夏が終わっても……ずっとこうやって、ふたりでいられたらいいなって思ってる」
ゆめ「え……」
わこ「夏休みの思い出、で終わらせたくないの。ゆめの特別になりたい」
不器用だけど真っ直ぐな和子の言葉が、熱を帯びて胸に飛び込んでくる。
普段は少し照れ屋な彼女が、こんな風に想いを口にしてくれるなんて思わなかった。
ゆめ「わこ……私もだよ。ずっと前から、わこの特別になりたかった」
私が答えると、和子は安心したようにふっと目を細めて笑った。
その笑顔があまりにも眩しくて、愛おしくて、私はたまらなくなって自分から和子の手を握りしめた。
つないだ手と手から、お互いの体温が伝わってくる。
わこ「……手、汗ばんでる笑」
ゆめ「仕方ないでしょ、緊張してるんだから」
わこ「ふふ、じゃあお互い様だね」
和子は握り返す力を強くすると、ゆっくりと顔を近づけてきた。
触れ合うか触れ合わないかの距離で止まる息遣い。
外の蝉時雨も波の音も遠のいて、世界には私たちふたりしかいないような感覚に包まれる。
わこ「だいすきだよ、ゆめ」
ささやくようなその声とともに、唇に優しく重なる熱。
部屋を満たす夏の匂いと、冷めない熱帯夜。
2人だけで過ごしたこの秘密の部屋の思い出は、きっとどんな季節が来ても、永遠に消えない。