長編
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朝の音楽室。
窓から差し込む光が、床に長く影を落としている。
今日は、全体構成の最終調整。
空気は、少し張りつめていた。
松田里奈「じゃあ、今日は構成案を一度通しで確認します」
会長の声で、場が引き締まる。
ひかるは、資料を手に前へ出た。
ひかる「前半は全体、後半で学年ごとの色を出す構成です。テンポは、あまり崩さずに」
その説明を、2年生たちは黙って聞いている。
向井純葉は、腕を組んだまま。
純葉(……うーん)
説明が終わり、沈黙。
松田「……意見ある人?」
一瞬、誰も動かない。
純葉が、手を挙げた。
純葉「あの!」
ひかるが視線を向ける。
ひかる「どうした?」
純葉「……テンポ、速すぎません?」
ざわっと、空気が揺れる。
純葉「初めて見る人、感情追いつかないと思う。もっと“間”あっていい」
美羽が、小さくうなずく。
美羽「……私も、そう思います。伝えるなら、焦らせたくない。」
ひかるは、少しだけ考える。
ひかる「……理由、分かる。でも、全体の集中も切りたくない」
そのやりとりを、夏鈴が見ていた。
夏鈴(言うんだ)
的野美青が、恐る恐る口を開く。
美青「……1年生の立場だと、速い方が安心する人もいるかもしれません」
空気が、一段深くなる。
純葉「でも、それって……」
言いかけて、止まる。
ひかるが、ゆっくり口を開く。
ひかる「正解は一つじゃない。だから、話そう」
その瞬間。
夏鈴「……でもさ」
全員の視線が、夏鈴に向く。
夏鈴「安全な形、選びすぎてない?」
静かな声。
でも、鋭い。
夏鈴「3年生がまとめて下の学年が合わせる……それでいいの?」
場が、凍る。
保乃が息をのむ。
ひかるも、言葉を失う。
夏鈴「せっかく混合なのに“冒険”する余白、なくしてる気がする」
向井純葉が、目を輝かせる。
純葉「……それ!」
美羽も、少し驚いた顔。
美羽「……確かに」
ひかるは、夏鈴を見る。
ひかる「……私たち、間違ってる?」
夏鈴は、少しだけ目を伏せる。
夏鈴「間違いじゃない。でも……寂しい」
その一言で、空気が変わる。
ひかるの胸が、きゅっと縮む。
松田里奈が、静かに言った。
松田「一回、休憩しよう」
休憩時間。
廊下で、璃花が美青に小声で話す。
璃花「……怖かったね」
美青「……でも、本音だと思う」
屋上。
ひかると夏鈴が、二人きりで立っていた。
風が強い。
ひかる「……言ってくれて、ありがとう」
夏鈴「……嫌われた?」
ひかる「そんなわけない」
少し、沈黙。
ひかる「私、まとめることばっか考えてた。“楽しい”を、置いてきてたかも」
夏鈴は、空を見る。
夏鈴「それ、ひかるの悪いとこじゃない。優しすぎる」
ひかるは、小さく笑う。
ひかる「……難しいね」
二人の距離が、少しだけ縮まった。
でも、まだ完全じゃない。
音楽室の明かりが、また灯る。
ぶつかった声は、壊すためじゃない。
変わるため。
その夜、構成案は白紙に戻された。
窓から差し込む光が、床に長く影を落としている。
今日は、全体構成の最終調整。
空気は、少し張りつめていた。
松田里奈「じゃあ、今日は構成案を一度通しで確認します」
会長の声で、場が引き締まる。
ひかるは、資料を手に前へ出た。
ひかる「前半は全体、後半で学年ごとの色を出す構成です。テンポは、あまり崩さずに」
その説明を、2年生たちは黙って聞いている。
向井純葉は、腕を組んだまま。
純葉(……うーん)
説明が終わり、沈黙。
松田「……意見ある人?」
一瞬、誰も動かない。
純葉が、手を挙げた。
純葉「あの!」
ひかるが視線を向ける。
ひかる「どうした?」
純葉「……テンポ、速すぎません?」
ざわっと、空気が揺れる。
純葉「初めて見る人、感情追いつかないと思う。もっと“間”あっていい」
美羽が、小さくうなずく。
美羽「……私も、そう思います。伝えるなら、焦らせたくない。」
ひかるは、少しだけ考える。
ひかる「……理由、分かる。でも、全体の集中も切りたくない」
そのやりとりを、夏鈴が見ていた。
夏鈴(言うんだ)
的野美青が、恐る恐る口を開く。
美青「……1年生の立場だと、速い方が安心する人もいるかもしれません」
空気が、一段深くなる。
純葉「でも、それって……」
言いかけて、止まる。
ひかるが、ゆっくり口を開く。
ひかる「正解は一つじゃない。だから、話そう」
その瞬間。
夏鈴「……でもさ」
全員の視線が、夏鈴に向く。
夏鈴「安全な形、選びすぎてない?」
静かな声。
でも、鋭い。
夏鈴「3年生がまとめて下の学年が合わせる……それでいいの?」
場が、凍る。
保乃が息をのむ。
ひかるも、言葉を失う。
夏鈴「せっかく混合なのに“冒険”する余白、なくしてる気がする」
向井純葉が、目を輝かせる。
純葉「……それ!」
美羽も、少し驚いた顔。
美羽「……確かに」
ひかるは、夏鈴を見る。
ひかる「……私たち、間違ってる?」
夏鈴は、少しだけ目を伏せる。
夏鈴「間違いじゃない。でも……寂しい」
その一言で、空気が変わる。
ひかるの胸が、きゅっと縮む。
松田里奈が、静かに言った。
松田「一回、休憩しよう」
休憩時間。
廊下で、璃花が美青に小声で話す。
璃花「……怖かったね」
美青「……でも、本音だと思う」
屋上。
ひかると夏鈴が、二人きりで立っていた。
風が強い。
ひかる「……言ってくれて、ありがとう」
夏鈴「……嫌われた?」
ひかる「そんなわけない」
少し、沈黙。
ひかる「私、まとめることばっか考えてた。“楽しい”を、置いてきてたかも」
夏鈴は、空を見る。
夏鈴「それ、ひかるの悪いとこじゃない。優しすぎる」
ひかるは、小さく笑う。
ひかる「……難しいね」
二人の距離が、少しだけ縮まった。
でも、まだ完全じゃない。
音楽室の明かりが、また灯る。
ぶつかった声は、壊すためじゃない。
変わるため。
その夜、構成案は白紙に戻された。