長編
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夜の病院。
静まり返った廊下に、白い蛍光灯の光だけが落ちている。
その廊下のベンチに、櫻坂のメンバーたちが集まっていた。
誰も大きな声を出していない。
ただ、重い空気だけが流れていた。
まつり「……まだ?」
みお「うん」
的野美青が手元の時計を見る。
もう日付は変わっていた。
ひかるが事故に遭ってから、数時間。
今も手術室のランプは点いたままだった。
いとは「大丈夫だよね…」
ゆづき「大丈夫だって」
ゆづきはそう言うけど、声には不安が混じっている。
メンバーの視線は、同じ場所に向いていた。
廊下の端。
そこに座っている、田村保乃。
ほの「……」
ずっと俯いたまま、動かない。
手をぎゅっと握っている。
その指先が少し震えていた。
れな「ほのちゃん」
守屋麗奈が隣に座る。
れな「大丈夫?」
ほの「……うん」
短い返事。
でも顔は上げない。
まつり「ほの、無理しないで」
ほの「無理してないよ」
声は落ち着いている。
でも、明らかにいつものほのじゃなかった。
みお「森田さん、絶対大丈夫ですよ」
みおはそう言って、ほのの肩を軽くさする。
ほの「……」
返事はない。
その時。
奥のドアが開く音がした。
スタッフ「マネージャーさんが来ました」
全員が振り向く。
マネージャーが駆けてきた。
マネージャー「みんな…」
まつり「どうなんですか」
マネージャーは少しだけ息を整える。
マネージャー「命に別状はない」
一瞬。
空気が動いた。
いとは「よかった…」
まつり「ほんとに?」
マネージャー「ただ」
その言葉でまた空気が重くなる。
マネージャー「まだ手術中だから、詳しいことは…」
ほのはその会話を黙って聞いていた。
ただ一点。
手術室のランプを見つめている。
ほの(ひーちゃん…)
頭の中に浮かぶのは、さっきの会話。
ほの「また明日ね」
ひかる「うん」
ほの(明日って言ったやん)
胸が苦しくなる。
その時。
ほののスマホが震えた。
画面を見る。
ロック画面。
そこには、ひかると撮った写真。
2人で笑っている。
ほのはそれを見て、小さく息を吐く。
ほの(ちゃんと起きて)
ほの(起きてまた笑って)
ほの(焼肉行く約束したやん)
目の奥が熱くなる。
でも、涙はこぼさない。
こぼしたら、本当に何か終わってしまいそうで。
その時。
カチッ。
手術室のランプが消えた。
全員が一斉に立ち上がる。
まつり「…!」
ドアが開く。
医者が出てきた。
医者「森田ひかるさんのご関係の方は?」
マネージャー「はい」
医者は静かに言った。
医者「手術は成功しました」
その瞬間。
いとは「よかった…!」
ゆづき「ほんとに…?」
まつり「よかった…」
空気が一気に緩む。
ほのも、少しだけ息を吐いた。
胸の奥に溜まっていたものが、少しだけ軽くなる。
でも、医者は続けた。
医者「ただし」
その言葉で、空気が止まる。
医者「頭を強く打っているので、記憶に影響が出る可能性があります」
まつり「……え」
みお「記憶…?」
医者「事故の前後、あるいはそれ以前の記憶が」
医者「部分的に失われるケースがあります」
その言葉を聞いた瞬間。
ほのの指が、ぴくっと動いた。
ほの「……」
頭が真っ白になる。
ほの(記憶…?)
医者「まだ目を覚ましていないので、はっきりとは分かりません」
医者「ですが可能性としてはあります」
誰も言葉を出せない。
静まり返る廊下。
ほのはゆっくり俯く。
そして、小さく呟いた。
ほの「……忘れるんかな」
その声は、誰にも届かないくらい小さかった。
静まり返った廊下に、白い蛍光灯の光だけが落ちている。
その廊下のベンチに、櫻坂のメンバーたちが集まっていた。
誰も大きな声を出していない。
ただ、重い空気だけが流れていた。
まつり「……まだ?」
みお「うん」
的野美青が手元の時計を見る。
もう日付は変わっていた。
ひかるが事故に遭ってから、数時間。
今も手術室のランプは点いたままだった。
いとは「大丈夫だよね…」
ゆづき「大丈夫だって」
ゆづきはそう言うけど、声には不安が混じっている。
メンバーの視線は、同じ場所に向いていた。
廊下の端。
そこに座っている、田村保乃。
ほの「……」
ずっと俯いたまま、動かない。
手をぎゅっと握っている。
その指先が少し震えていた。
れな「ほのちゃん」
守屋麗奈が隣に座る。
れな「大丈夫?」
ほの「……うん」
短い返事。
でも顔は上げない。
まつり「ほの、無理しないで」
ほの「無理してないよ」
声は落ち着いている。
でも、明らかにいつものほのじゃなかった。
みお「森田さん、絶対大丈夫ですよ」
みおはそう言って、ほのの肩を軽くさする。
ほの「……」
返事はない。
その時。
奥のドアが開く音がした。
スタッフ「マネージャーさんが来ました」
全員が振り向く。
マネージャーが駆けてきた。
マネージャー「みんな…」
まつり「どうなんですか」
マネージャーは少しだけ息を整える。
マネージャー「命に別状はない」
一瞬。
空気が動いた。
いとは「よかった…」
まつり「ほんとに?」
マネージャー「ただ」
その言葉でまた空気が重くなる。
マネージャー「まだ手術中だから、詳しいことは…」
ほのはその会話を黙って聞いていた。
ただ一点。
手術室のランプを見つめている。
ほの(ひーちゃん…)
頭の中に浮かぶのは、さっきの会話。
ほの「また明日ね」
ひかる「うん」
ほの(明日って言ったやん)
胸が苦しくなる。
その時。
ほののスマホが震えた。
画面を見る。
ロック画面。
そこには、ひかると撮った写真。
2人で笑っている。
ほのはそれを見て、小さく息を吐く。
ほの(ちゃんと起きて)
ほの(起きてまた笑って)
ほの(焼肉行く約束したやん)
目の奥が熱くなる。
でも、涙はこぼさない。
こぼしたら、本当に何か終わってしまいそうで。
その時。
カチッ。
手術室のランプが消えた。
全員が一斉に立ち上がる。
まつり「…!」
ドアが開く。
医者が出てきた。
医者「森田ひかるさんのご関係の方は?」
マネージャー「はい」
医者は静かに言った。
医者「手術は成功しました」
その瞬間。
いとは「よかった…!」
ゆづき「ほんとに…?」
まつり「よかった…」
空気が一気に緩む。
ほのも、少しだけ息を吐いた。
胸の奥に溜まっていたものが、少しだけ軽くなる。
でも、医者は続けた。
医者「ただし」
その言葉で、空気が止まる。
医者「頭を強く打っているので、記憶に影響が出る可能性があります」
まつり「……え」
みお「記憶…?」
医者「事故の前後、あるいはそれ以前の記憶が」
医者「部分的に失われるケースがあります」
その言葉を聞いた瞬間。
ほのの指が、ぴくっと動いた。
ほの「……」
頭が真っ白になる。
ほの(記憶…?)
医者「まだ目を覚ましていないので、はっきりとは分かりません」
医者「ですが可能性としてはあります」
誰も言葉を出せない。
静まり返る廊下。
ほのはゆっくり俯く。
そして、小さく呟いた。
ほの「……忘れるんかな」
その声は、誰にも届かないくらい小さかった。