長編
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事故から三週間。
森田ひかるは、少しずつ仕事に復帰していた。
まだ激しいダンスはできない。
でも、収録や軽い撮影には参加している。
その日も、櫻坂の楽屋はいつものように賑やかだった。
まつり「おはよー」
いとは「おはようございます!」
れな「今日寒いね」
そんな声が飛び交う中、ドアが開く。
ひかる「おはよ」
まつり「ひかる!」
まつりがすぐに手を振る。
ひかるは少し笑いながら中に入ってくる。
ひかる「おはよ」
みお「体調大丈夫ですか?」
ひかる「うん、だいぶ」
れな「無理しないでね」
ひかる「大丈夫やって」
みんな安心したように笑う。
ただ一人。
楽屋の奥で、静かにそれを見ている人がいた。
ほの。
ひかるはふと視線を向ける。
ひかる「……」
ほの「おはよ」
ほのはいつも通り、優しく笑った。
ひかる「おはよ」
短い挨拶。
それだけ。
以前なら。
朝会った瞬間、隣に座っていた。
肩に頭を乗せたり、手を軽く握ったり。
当たり前の距離だった。
でも今は。
ひかるはそのまま、まつりの隣に座る。
まつり「今日リハあるらしいよ」
ひかる「え、聞いてない」
まつり「さっき言われた」
ひかる「マジか」
2人は普通に話す。
ほのは少しだけ目を伏せた。
ほの(普通や)
ほの(普通のメンバー)
そう言い聞かせる。
いとは「森田さん」
ひかる「ん?」
いとは「振り覚えてますか?」
ひかる「…たぶん」
いとは「たぶん?」
ひかる「忘れてるかも」
みんな笑う。
その笑い声を聞きながら、ほのはペットボトルを開ける。
まつりがちらっとほのを見る。
まつり「……」
空気が少しだけぎこちない。
ひかるは気づいていない。
その時。
ひかるがふとほのを見る。
ひかる「田村」
ほの「ん?」
ひかる「前からそんな優しかった?」
ほのは少し驚いた顔をする。
ほの「どういう意味」
ひかる「なんか」
ひかるは少し困ったように笑う。
ひかる「めっちゃ気使ってくれるやん」
確かにそうだった。
ほのはずっと、ひかるを気にしている。
体調。
スケジュール。
無理していないか。
全部。
ほの「気使ってるよ」
ほのは軽く笑う。
ひかる「やっぱり」
ほの「だって」
少しだけ間が空く。
ほの「大事なメンバーやから」
その言葉。
ひかるは「そっか」と笑った。
でも。
その会話を聞いていたまつりは、黙っていた。
まつり(違うやん)
まつり(メンバーじゃなくて)
まつり(恋人やったやん)
胸の奥が少し痛くなる。
その時。
スタッフ「リハーサル行きます!」
メンバーたちは立ち上がる。
スタジオへ向かう途中。
廊下を歩く。
ひかるは前を歩いていた。
その少し後ろを、ほのが歩く。
少し距離。
ほのは、ひかるの背中を見る。
ほの(前は隣やったのにな)
前なら、手を軽く繋いでいた。
ふざけて腕を引いたり。
そんな距離だった。
今は。
ただのメンバー。
その時。
ひかるが急に振り返る。
ほの「え」
距離が近い。
ほのは少し驚く。
ひかる「田村」
ほの「なに?」
ひかるは少し首を傾ける。
ひかる「なんかさ」
ほの「?」
ひかる「変な感じ」
ほの「なにが」
ひかる「分かんないけど」
ひかるは困ったように笑う。
ひかる「田村といるとなんか落ち着く」
ほのの心臓が一瞬止まりそうになる。
ほの「……」
ひかる「なんでやろ」
ひかるは本当に不思議そうだった。
ほのは小さく笑う。
ほの「さぁ」
ひかる「前から?」
ほの「どうやろね」
ひかる「ふーん」
ひかるはまた前を向いて歩き出す。
その背中を見ながら、ほのは小さく息を吐いた。
ほの(覚えてないのに)
ほの(それでも…)
胸の奥が、少しだけ熱くなる。
ほの「また好きになってくれるんかな」
誰にも聞こえない声で、そう呟いた。
森田ひかるは、少しずつ仕事に復帰していた。
まだ激しいダンスはできない。
でも、収録や軽い撮影には参加している。
その日も、櫻坂の楽屋はいつものように賑やかだった。
まつり「おはよー」
いとは「おはようございます!」
れな「今日寒いね」
そんな声が飛び交う中、ドアが開く。
ひかる「おはよ」
まつり「ひかる!」
まつりがすぐに手を振る。
ひかるは少し笑いながら中に入ってくる。
ひかる「おはよ」
みお「体調大丈夫ですか?」
ひかる「うん、だいぶ」
れな「無理しないでね」
ひかる「大丈夫やって」
みんな安心したように笑う。
ただ一人。
楽屋の奥で、静かにそれを見ている人がいた。
ほの。
ひかるはふと視線を向ける。
ひかる「……」
ほの「おはよ」
ほのはいつも通り、優しく笑った。
ひかる「おはよ」
短い挨拶。
それだけ。
以前なら。
朝会った瞬間、隣に座っていた。
肩に頭を乗せたり、手を軽く握ったり。
当たり前の距離だった。
でも今は。
ひかるはそのまま、まつりの隣に座る。
まつり「今日リハあるらしいよ」
ひかる「え、聞いてない」
まつり「さっき言われた」
ひかる「マジか」
2人は普通に話す。
ほのは少しだけ目を伏せた。
ほの(普通や)
ほの(普通のメンバー)
そう言い聞かせる。
いとは「森田さん」
ひかる「ん?」
いとは「振り覚えてますか?」
ひかる「…たぶん」
いとは「たぶん?」
ひかる「忘れてるかも」
みんな笑う。
その笑い声を聞きながら、ほのはペットボトルを開ける。
まつりがちらっとほのを見る。
まつり「……」
空気が少しだけぎこちない。
ひかるは気づいていない。
その時。
ひかるがふとほのを見る。
ひかる「田村」
ほの「ん?」
ひかる「前からそんな優しかった?」
ほのは少し驚いた顔をする。
ほの「どういう意味」
ひかる「なんか」
ひかるは少し困ったように笑う。
ひかる「めっちゃ気使ってくれるやん」
確かにそうだった。
ほのはずっと、ひかるを気にしている。
体調。
スケジュール。
無理していないか。
全部。
ほの「気使ってるよ」
ほのは軽く笑う。
ひかる「やっぱり」
ほの「だって」
少しだけ間が空く。
ほの「大事なメンバーやから」
その言葉。
ひかるは「そっか」と笑った。
でも。
その会話を聞いていたまつりは、黙っていた。
まつり(違うやん)
まつり(メンバーじゃなくて)
まつり(恋人やったやん)
胸の奥が少し痛くなる。
その時。
スタッフ「リハーサル行きます!」
メンバーたちは立ち上がる。
スタジオへ向かう途中。
廊下を歩く。
ひかるは前を歩いていた。
その少し後ろを、ほのが歩く。
少し距離。
ほのは、ひかるの背中を見る。
ほの(前は隣やったのにな)
前なら、手を軽く繋いでいた。
ふざけて腕を引いたり。
そんな距離だった。
今は。
ただのメンバー。
その時。
ひかるが急に振り返る。
ほの「え」
距離が近い。
ほのは少し驚く。
ひかる「田村」
ほの「なに?」
ひかるは少し首を傾ける。
ひかる「なんかさ」
ほの「?」
ひかる「変な感じ」
ほの「なにが」
ひかる「分かんないけど」
ひかるは困ったように笑う。
ひかる「田村といるとなんか落ち着く」
ほのの心臓が一瞬止まりそうになる。
ほの「……」
ひかる「なんでやろ」
ひかるは本当に不思議そうだった。
ほのは小さく笑う。
ほの「さぁ」
ひかる「前から?」
ほの「どうやろね」
ひかる「ふーん」
ひかるはまた前を向いて歩き出す。
その背中を見ながら、ほのは小さく息を吐いた。
ほの(覚えてないのに)
ほの(それでも…)
胸の奥が、少しだけ熱くなる。
ほの「また好きになってくれるんかな」
誰にも聞こえない声で、そう呟いた。