向井純葉×山崎天
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引っ越し初日。
まだ新しい匂いのする家の玄関で、純葉は靴を脱ぐ手を止めた。
てん「……思ったより、狭いね」
いとは「……ですね」
二人きりの空気が、やけに重い。
母たちは楽しそうに段ボールを運んでいるのに、
純葉と天は、ぎこちなく視線を逸らしたままだった。
母「部屋割り決めたよ〜」
いとは「……」
てん「……」
母「天ちゃんは奥の部屋、純葉は手前ね」
“壁一枚”。
それだけで、心臓がうるさくなる。
夜。
お風呂上がりの廊下で、ばったり鉢合わせた。
てん「……っ」
いとは「ご、ごめんなさい!」
天は部屋着のまま、髪を少し濡らして立っている。
電車で見るより、ずっと近い。
てん「……謝ること、ない」
いとは「でも……」
てん「同じ家、住むんだから」
少し間を置いて、天が小さく言った。
てん「避けられる方が、きつい」
胸が、ぎゅっと締まる。
いとは「……私も」
その一言で、空気が少しだけ和らいだ。
翌朝。
キッチンで朝食を取っていると、天が隣に座る。
てん「通学、電車一緒だよね」
いとは「……はい」
視線が合う。
天がふっと笑う。
てん「でもさ」
てん「嫌じゃないでしょ」
返事ができなくて、視線を落とす。
てん「……図星」
夜。
自分の部屋で勉強していると、ノックの音。
いとは「……はい」
ドアを開けると、天が立っていた。
てん「ものさし貸して〜」
いとは「…どうぞ」
手渡そうとして、指が触れる。
一瞬。
それだけで、心臓が跳ねる。
てん「……触れるの、ダメ?」
いとは「……ダメじゃ、ないです」
てん「……なら」
天は手を引っ込めず、ほんの少しだけ、距離を詰めた。
てん「近いの、慣れよ」
息がかかるほどの距離。
いとは「……天ちゃん」
てん「なに」
いとは「……ずるいです」
てん「知ってる」
くすっと笑って、天は一歩引いた。
てん「でも、同居だし。このくらい、許して」
ドアが閉まる音。
ベッドに座り込んで、深く息を吐く。
いとは(……同じ家。同じ時間。同じ空気)
好きになっちゃ、いけないのに。
毎日、好きが積み重なっていく。
神様のイタズラは、まだ、始まったばかりだった。
まだ新しい匂いのする家の玄関で、純葉は靴を脱ぐ手を止めた。
てん「……思ったより、狭いね」
いとは「……ですね」
二人きりの空気が、やけに重い。
母たちは楽しそうに段ボールを運んでいるのに、
純葉と天は、ぎこちなく視線を逸らしたままだった。
母「部屋割り決めたよ〜」
いとは「……」
てん「……」
母「天ちゃんは奥の部屋、純葉は手前ね」
“壁一枚”。
それだけで、心臓がうるさくなる。
夜。
お風呂上がりの廊下で、ばったり鉢合わせた。
てん「……っ」
いとは「ご、ごめんなさい!」
天は部屋着のまま、髪を少し濡らして立っている。
電車で見るより、ずっと近い。
てん「……謝ること、ない」
いとは「でも……」
てん「同じ家、住むんだから」
少し間を置いて、天が小さく言った。
てん「避けられる方が、きつい」
胸が、ぎゅっと締まる。
いとは「……私も」
その一言で、空気が少しだけ和らいだ。
翌朝。
キッチンで朝食を取っていると、天が隣に座る。
てん「通学、電車一緒だよね」
いとは「……はい」
視線が合う。
天がふっと笑う。
てん「でもさ」
てん「嫌じゃないでしょ」
返事ができなくて、視線を落とす。
てん「……図星」
夜。
自分の部屋で勉強していると、ノックの音。
いとは「……はい」
ドアを開けると、天が立っていた。
てん「ものさし貸して〜」
いとは「…どうぞ」
手渡そうとして、指が触れる。
一瞬。
それだけで、心臓が跳ねる。
てん「……触れるの、ダメ?」
いとは「……ダメじゃ、ないです」
てん「……なら」
天は手を引っ込めず、ほんの少しだけ、距離を詰めた。
てん「近いの、慣れよ」
息がかかるほどの距離。
いとは「……天ちゃん」
てん「なに」
いとは「……ずるいです」
てん「知ってる」
くすっと笑って、天は一歩引いた。
てん「でも、同居だし。このくらい、許して」
ドアが閉まる音。
ベッドに座り込んで、深く息を吐く。
いとは(……同じ家。同じ時間。同じ空気)
好きになっちゃ、いけないのに。
毎日、好きが積み重なっていく。
神様のイタズラは、まだ、始まったばかりだった。