長編
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1年生の教室は、まだ静かだった。
誰もが遠慮がちで、笑い声も小さい。
机の上の教科書は新品で、
制服も、まだ“借り物”みたいに見える。
窓際に座るのは、山川宇衣。
宇衣(……広い)
校庭、校舎、先輩たち。
全部が思っていたより大きい。
隣の席の目黒陽色が、小さく声をかける。
陽色「ねえ、さっきの3年生見た?」
宇衣「……見た」
陽色「同じ学校とは思えないよね」
前の席では、中川智尋がノートを整えている。
智尋(ここで、やっていけるかな)
不安は、口に出さない。
出したら、崩れそうだから。
廊下側。
山田桃実と勝又春が、ひそひそ話している。
春「生徒会長、すごかったね」
桃実「声、通るし…」
春「私、ああいう人になれる気しない」
その時。
教室の外が、少しざわついた。
足音が、違う。
ガラッ。
扉が開く。
入ってきたのは、3年生。
山崎天。
一瞬で、空気が変わる。
天「1年生」
声は低く、はっきりしている。
天「今日から、この校舎で過ごすことになる。遠慮はいらない」
一人ひとりを、まっすぐ見る。
宇衣は、息を止めていた。
宇衣(……怖い)
でも同時に、目が離せない。
⸻
天「先輩たちは、完璧じゃない。失敗もするし、迷ってる」
少し間を置いて。
天「でも、立ち止まらない」
その言葉に、智尋の手が止まる。
智尋(……立ち止まらない)
天は、教室をぐるりと見渡す。
天「この学園は、甘くない。でも、逃げなければ、ちゃんと見てくれる」
一瞬だけ、表情が柔らぐ。
天「困ったら、聞きに来な」
そう言って、天は教室を出ていった。
扉が閉まると同時に、
1年生たちは一斉に息を吐いた。
宇衣「……圧」
陽色「でも、かっこよかった」
智尋「……うん」
放課後。
1年生たちは、校舎を探検するように歩いていた。
廊下の壁に貼られた、過去のステージ写真。
宇衣「これ、3年生?」
陽色「たぶん」
その中に、森田ひかるの姿があった。
宇衣(この人も、先輩なんだ)
音楽室の前。
ドアが少し開いている。
中から聞こえる声。
⸻
純葉(遠くから)「え、それ絶対楽しいじゃん!」
美羽「……ちゃんと形にしないと」
夏鈴「……時間、足りる?」
1年生たちは、そっと立ち止まる。
宇衣(世界が、動いてる)
智尋が、小さく言う。
智尋「……ここで、何かできるのかな」
宇衣は、少しだけ考えてから答えた。
宇衣「できるかは、わからない。でも、やらないと始まらない」
1年生たちは、顔を見合わせる。
まだ何者でもない。
でも
“何者かになれる場所”に、今立っている。
夕方。
校舎の外。
桜の花びらが、風に舞う。
宇衣は、立ち止まって空を見上げた。
宇衣(この学園で私は、どんな存在になるんだろう)
答えは、まだない。
だが
この場所は、確かに“可能性”で満ちていた。
誰もが遠慮がちで、笑い声も小さい。
机の上の教科書は新品で、
制服も、まだ“借り物”みたいに見える。
窓際に座るのは、山川宇衣。
宇衣(……広い)
校庭、校舎、先輩たち。
全部が思っていたより大きい。
隣の席の目黒陽色が、小さく声をかける。
陽色「ねえ、さっきの3年生見た?」
宇衣「……見た」
陽色「同じ学校とは思えないよね」
前の席では、中川智尋がノートを整えている。
智尋(ここで、やっていけるかな)
不安は、口に出さない。
出したら、崩れそうだから。
廊下側。
山田桃実と勝又春が、ひそひそ話している。
春「生徒会長、すごかったね」
桃実「声、通るし…」
春「私、ああいう人になれる気しない」
その時。
教室の外が、少しざわついた。
足音が、違う。
ガラッ。
扉が開く。
入ってきたのは、3年生。
山崎天。
一瞬で、空気が変わる。
天「1年生」
声は低く、はっきりしている。
天「今日から、この校舎で過ごすことになる。遠慮はいらない」
一人ひとりを、まっすぐ見る。
宇衣は、息を止めていた。
宇衣(……怖い)
でも同時に、目が離せない。
⸻
天「先輩たちは、完璧じゃない。失敗もするし、迷ってる」
少し間を置いて。
天「でも、立ち止まらない」
その言葉に、智尋の手が止まる。
智尋(……立ち止まらない)
天は、教室をぐるりと見渡す。
天「この学園は、甘くない。でも、逃げなければ、ちゃんと見てくれる」
一瞬だけ、表情が柔らぐ。
天「困ったら、聞きに来な」
そう言って、天は教室を出ていった。
扉が閉まると同時に、
1年生たちは一斉に息を吐いた。
宇衣「……圧」
陽色「でも、かっこよかった」
智尋「……うん」
放課後。
1年生たちは、校舎を探検するように歩いていた。
廊下の壁に貼られた、過去のステージ写真。
宇衣「これ、3年生?」
陽色「たぶん」
その中に、森田ひかるの姿があった。
宇衣(この人も、先輩なんだ)
音楽室の前。
ドアが少し開いている。
中から聞こえる声。
⸻
純葉(遠くから)「え、それ絶対楽しいじゃん!」
美羽「……ちゃんと形にしないと」
夏鈴「……時間、足りる?」
1年生たちは、そっと立ち止まる。
宇衣(世界が、動いてる)
智尋が、小さく言う。
智尋「……ここで、何かできるのかな」
宇衣は、少しだけ考えてから答えた。
宇衣「できるかは、わからない。でも、やらないと始まらない」
1年生たちは、顔を見合わせる。
まだ何者でもない。
でも
“何者かになれる場所”に、今立っている。
夕方。
校舎の外。
桜の花びらが、風に舞う。
宇衣は、立ち止まって空を見上げた。
宇衣(この学園で私は、どんな存在になるんだろう)
答えは、まだない。
だが
この場所は、確かに“可能性”で満ちていた。